2026年05月19日

体液偏在の調整および未病の優れた治療薬

 あらゆる状況下における人体内の体液の偏在をバランスよく調整できる方剤として、五苓散や茵蔯五苓散を長年注目している。

 極論すればシナモンアレルギーがない限りは、ほぼ全員が常用することで、無病の人はより健康に、なんらかの疾患をかかえている人でも、五苓散や茵蔯五苓散を基礎に、病状と体質に応じた適切な方剤を使用すれば、より効果的であるとの考えが、昨今、かなり支配的となっている。

 シナモンアレルギーがある人は、滑石茯苓湯、すなわち猪苓湯で代用できるが、この猪苓湯で過去2名ほど、これによって顕著な頻尿に見舞われて継続服用できなかった奇特?な女性たちがあったが、記憶する限りでは五苓散や茵蔯五苓散では皆無で、おまけにシナモンアレルギーがあるという人も、いまだに遭遇してない。

 ここでいう体液の偏在とは、単に湿邪の問題、俗にいう水毒の治療薬というありきたりで単純な話をしている訳ではない。

 五苓散の効能は、中医学的には「利水滲湿・通陽化気」とされるが、この「通陽化気」こそ良い意味で大変な曲者なのだが、ここで述べるようなすぐれた薬効が書かれた専門書に、一度も遭遇したことはない。

 面白いことに「利水滲湿・滋陰止血」の猪苓湯で代用できることもあるくらいだが、五苓散による体内の水分の偏在の調整、すなわち過剰な部分は正常レベルに除去し、意外にも不足する箇所には補填する作用があることは、長年の経験からほぼ間違いないように思われる。

 同時に非生理的廃液、いわゆる水毒は利水、すなわち利尿で排出されることは常識であるから言うまでもないが、非生理的廃液がない限りは、無意味に利水して頻尿なったり大量の小便をもたらすわけでもない。

 だからこそ、体内の水分激減の恐れのある熱中症でも、軽度であれという限定的であるにせよ、しばしば五苓散が使用されても不思議はないわけである。

 50年以上の長い経験からほぼ断定できることは「上工は未病を治す」というに相応しい方剤こそ五苓散や茵蔯五苓散という訳である。

 だからこそ、多くの常連さん達は、いつのまにか、ほとんどの人達は、他の常用薬とともに、五苓散や茵蔯五苓散をベースに長年愛用されている。

 蛇足ながら、五苓散や茵蔯五苓散のみならず猪苓湯においても、数十年前には実験的に癌の阻止率100%とて一時は大人気で市場から消えてしまうほど需要が高かった猪苓や、おだやかで名高い茯苓という2種類のキノコ類を含有していることも大きな特長でもある。
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2012年5月19日のボクチン(8歳)
2012年5月19日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 17:36| 山口 ☀| 時代的な傾向や使用頻度が増加中の漢方薬方剤 | 更新情報をチェックする