2024年10月06日

煎じ薬が不要となったのは中医薬学理論を学んだお陰

 日本漢方を信奉していた40年以上前まで、漢方薬は煎じ薬でなければ効かないと思い込んでいた。

 ところが、は中医薬学理論を学ぶにつれ、当時の日本漢方の主流のように、単一方剤だけで、西洋医学治療から落ちこぼれて漢方薬を最後の手段と信じて来られる人達にはかなり無理があることを悟ったのだった。

 ところが、当時でも各種豊富だった各エキス製剤を有機的に組み合わせ、臨機応変に配合変化を加えるには、大変便利であること。

 実際に、弁証論治によって、各製剤を組み合わせることで劇的に効果をあげることが可能となった。

 その当時、多大な恩恵を被っていた『臨床中医学概論』『臨床中医学各論』の著者であられる故張瓏英(ちょうろうえい)先生に直接お会いする機会があり、そのことを報告すると、やや驚いた様子ではあったものの、しばらくしてなるほどと頷いて下さったことを思い出す。

1989年にウチダ和漢薬同好会で張瓏英先生に別室でお会いした時の記念写真
1989年にウチダ和漢薬同好会で張瓏英先生に別室でお会いした時の記念写真 posted by (C)ヒゲジジイ

2012年10月19日 中医学を知ったお陰で煎じ薬の必要がまったく無くなった理由 

 だから、現在の常連さんやお馴染みさんは、全員、各エキス製剤を服用されておられ、当方で煎じ薬を提供する人は皆無である。

 コロナ以後は新規相談は停止したままだが、コロナ以前には新規相談者が、まれに煎じ薬を希望する人もあったが、案の定、それらの人達は、決まって趣味的な趣向であって、相談する病状自体が、なにも漢方薬に頼らずとも、一般の市販薬や町のクリニックで相談すれば解決できるようなレベルばかりだった。

 本当に西洋医学でも難航するような困り果てた新規の相談者は、しばらく続けなければならないことを考えれば、煎じる必要のないエキス製剤であることに安堵されることが常だった。
応援したくないアンチの人が多いですね

2010年10月7日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年10月7日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 16:59| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2012年01月11日

漢方薬配合のピント調整について

ボクチンのアクビ
ボクチンのアクビ posted by (C)ボクチンの母

おたより:関東の某内科クリニック院長(医師)

こんばんは。
 年末には突然に伺ったのにも関わらず…色々とお話を頂き感謝しております。もちろん、奥さまにも親切にして頂き感謝致します。

 昨年末は29日に医院が終わり、翌30日には北九州空港から九州に入り先生にお目にかかった後、福岡の患者さん方の所にお邪魔して大晦日の夜の飛行機で帰京しました。

 大晦日の夜の東京への飛行機に乗る人は限られている様で、300人程度乗れる飛行機に乗ったのはわずか20人程度でした(笑。そういえば、昨年も同じように大晦日近くの飛行機で東京に戻りましたが、同じ時間の飛行機に乗った人は、同じように少なかったです。

 さて、年が明け正月からは色々なことが立て込んでいて、2日はレセプト点検、3日は講演のスライド作り、4日からはアルバイトが始まり、そして5日からは医院が始まりました。そして、どうにか8日の日曜日に講演を終えました。80人ほどの薬剤師さんの前での講演に震えたりしました(苦笑。

 そうですね。。。
 病気を治していく患者さんの共通点は…治療する人を信じて諦めない患者さんだと感じます。

 治療する医療関係者といえども神様ではありません。試行錯誤しながら治療を進めて行きます。ピントが合わない治療のこともあれば、ピントが合った治療をすることもあります。

 もちろん、出来るだけ考えて治療しますので、力を出し切らないでピントが合わない訳ではありません。出来る限りの力を出してもピントが合わない時もあると思います。

 また、病気の治療は一般薬でも漢方薬でも同じですが、薬を身体に投与してみないと動く方向が分からないことも多いものです。言葉を換えれば、薬を投与して身体の反応を見ながら薬を変えていくことが多いと実感しています。

 ですから…患者さん方にお話したいのは、「治療のピントがしっかりと合わなくても許せる医療関係者を見つけること」が重要なのかも知れないと言うことです。そして諦めないで治療を進めるときに治療効果が出て治っていくものだと感じます。

 ですから、治すのは医療関係者ではなくて患者さん本人だと感じてなりません。

 以上、新春の思いでした(笑。
 今年もよろしくお願い致します。

 関東地方のある医療関係者でした…(笑
 おやすみなさい。

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IMG_0224 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 こんばんは、とご挨拶にしても受信時間が夜中の2時53分になっていますが、睡眠の方は大丈夫でしょうか?
 先生もあまり若くはないのですから、ちょっと心配になります(笑。

 昨年暮れには、久しぶりの漢方談義、実に有意義でした。

> また、病気の治療は一般薬でも漢方薬でも同じですが、薬を身体に投与してみないと動
> く方向が分からないことも多いものです。言葉を換えれば、薬を投与して身体の反応を
> 見ながら薬を変えていくことが多いと実感しています。

 これはとても重要なことですね。ところが、遠方からワザワザ来られる人の中には、当方の漢方薬を飲んだら、すぐに効果がでるものと思っていたらしく、数ヶ月続けてようやく7割程度とは、と残念がる人がいて、こちらの方が驚くことがあります。

 数ヶ月で7割寛解なら良いほうで、確かに中には1ヶ月以内で一気に7割以上が寛解してしまうケースがあっても、逆に一年経ってようやく半減ということもあります。

 よいケースばかりを期待しても、病気の裏にはそのまた裏があるので、そのために毎回時間をたっぷりかけて弁証論治を行っているわけですが、あらゆる医療機関で治らなかったケースではなおさら、ご指摘の「薬を投与して身体の反応を見ながら薬を変えていく」ことが弁証論治の原則でもあります。

 幸いに、昨今はアトピーの軽症者や一部の勘違いの人達以外は、そのほとんどが熱心に頑張る人達ばかりで、気が抜けない変わりに、実に遣り甲斐のある仕事かもしれない(苦笑)、と我が「漢方相談販売業」をやや見直しているところです(呵呵。

 それではおやすみなさいっ、というのは午後八時ではちょっと早すぎますね。
                                            
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IMG_6200 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 12:33| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年12月11日

創立40周年を迎えられた美人女性薬剤師さんからのおたより

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IMGP1097 posted by (C)ボクチンの母

おたより:東海地方の美人女性薬剤師

 またまた大変ご無沙汰になってしまいました。
 先日、こちらの薬局の創立40周年行事・・・第一部:インフルエンザの養生、第二部:ディナータイム+お好み演芸会を開催し、やっと無事に終えることができ、ホッとしています。

 何せ貧乏薬局で、経費がかけられないため、企画から役者まで自前ですので、くたびれて少し疲れが出ておりました。

 母が20年務め、私が20年、二人でやれたのはたった3年でした。
 巷では、この政治による影響か、漢方薬局も姿を消してゆく様子・・・自分のような若輩者がよくここまで来れた物だと、自分が一番感心しているかもしれません。(苦笑)

 さて、こちらではインフルエンザが流行しはじめています。

 先日、常連さんではない方からお電話があり、子供が発熱と強い喉の痛みを訴え、医者に行ったところ麻黄湯を処方され、服用後に汗がかけずますます熱と痛みがひどくなったとのこと・・・。
 手持ちに銀翹散系の常備薬があり、ことなきを得ましたが・・・・。

 子供は医療費に自己負担がないため、せっせと病院に通われますが、このようなケースは多いのでしょうね。
 誤治をしてそれにまた国が医療費を支払っているのでは、何をやっているのやら・・・・。

 それに対して、十分に医療貢献できる漢方薬局が潰れてゆくのは残念なことです。
 先行きが不透明なまま、今年も暮れようとしていますね・・・。

 来年は良いことが多い年でありますよう、お祈りします。
 先生もどうかお体ご自愛くださいね。

追伸
 最近、頻繁に出てくる白い靴下をはいたネコちゃんは、ぼくちんの彼女ですか?
何だかぼくちんにぞっこんみたいで、微笑ましいですね。
 でも、ぼくちんは、今ひとつなのかな??
 ネコちゃんの世界も大変なのかもしれませんね♪

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IMGP0725 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 おたよりありがとうございます。
 親子二代で創立40周年とは・・・素晴らしいっと書きながら、気が付けば・・・
 まさに村田漢方堂薬局もあと1〜2年で達しようとしていますっ!

 歳は取りたくないもので、とうとう老人の世界に入ってしまいました。
 本来なら、これほど長生きするはずではなかったのですが・・・。

 ところでご指摘の漢方薬局が次第に姿を消す理由は、政治のせいばかりとはいえない面もあるようで、各メーカーさんが口をそろえて言われるには、昔のような勉強熱心な人は減って、いかにたくさん売るかの話ばかりだと嘆いています。

 急がば回れで、弁証論治の研究こそ、漢方薬局繁栄の王道であるはずなのですが・・・。

 ただ、不景気なのは他の業界も同様で、某業界関連の地方の社長さんたちも過度な安売り競争の行き着く果て、下請け的な業種ではどんどん仕事が減っている模様です。

 御報告頂いた咽喉腫痛を訴えているのに麻黄湯を投与される医師があとを絶たないお話、ほんとうに日常茶飯事ですが・・・

 先日も長期間のB型肝炎から飲酒過多も相俟って肝硬変に進行した人には、二十数年来、半夏瀉心湯が投与されていたケースには、まったく呆れ果ててしまいました。

 このような医師の処方される漢方薬のピントはずれのトンデモナイ事例を挙げれば、際限がありません(苦笑。

 ところで、最近ブログを更新するのがとても億劫になっているところで、先生におたよりを頂いて、さいわいに思っているところです。転載させて頂けることを今回もご快諾下さることっと信じて、図々しくも明日にでも実行させて頂きたいと存じています。

 白い靴下を履いた子猫ちゃんは迷子で住み着いた男児ですので、去勢してないボクチンにとってはやや迷惑な存在のようです。
 遊んで欲しい悪ガキのボクボク(子猫の名前)に追っかけられては逃げ回っています。

 あの悪ガキはジャレルときの挨拶が必ず「咬む」ことなので、ボクチンのみならずヒゲジジイでも本気で怒ってしまうことがあるほどです。

 むしろこのことからあの悪ガキは迷子になったのではなく、実際には捨てられたのだと断定できるほどです(苦笑。

 お互いに来年もよい年でありますように・・・と書きつつも、今年は東北の大震災や原発問題など、取り巻く日本の環境はよくないことばかりでした。

 来年こそはよい年でありますようにっ!

 おやすみなさい。           ヒゲジジイ

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IMGP4906 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 00:20| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年09月18日

台風停滞による体調の異変に対するツボ療法と漢方薬

雀を攻撃する蜂っ!
雀を攻撃する蜂っ! posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の美人薬剤師

 台風の季節になり、またまた大雨が懸念されますが、先生の方は大丈夫でしょうか?

 こちらは水害地区で、今回もハラハラしております。

 大雨で、近所のショボ川の水位が上がり、来客もないので、今朝は久々にゆっくりの土曜日でしたが、この雨の様子では、パソコン関連、カルテ、書籍、商品等の避難の判断に迷っています・・・先日もすんでのところで浸水を免れましたが、その後のかたつけで、くたびれてしまいました><

 さて、先日の台風12号が停滞した8日間は、めまい、のぼせ、耳鳴り、耳閉、頭痛、動悸、息切れ、胸の圧迫感、喘息等の症状の方が多数訪れ、こんなことは初めてで不安になったと言われた方がとても多かったです。
 大きな台風が長期居座ったこと+大潮+新月が重なった加減(気圧の低下と湿邪)と思っています。

 これらの症状に悩まされた方々が体質的にどのような傾向にあるか調査したところ、
1,肝腎不足にある方
2,脾虚湿盛で伏痰がある方
 という結果が出ました。

 台風の接近により、気圧が低い状態が続くと、体にどのように影響するか・・・?
気圧が低くなると、海面が上昇して高潮が起きますが、それと同様の状態が人体に起きていると考えられます。・・・・肝陽上亢しやすい

 もう一つは、血管や気管に均等にかかる圧力が低下するため、管は疲弊して、へしゃげます。・・・・伏痰があれば喘息、血管にプラークがあれば、流れが堰き止められる

 1,腎肝心の関係・・・腎陰の不足、肝血が不足している方では、この影響が強く表れ、容易に持ち上がりやすい (肝陽上亢のめまい、のぼせ、浮遊感、耳閉、耳鳴り、血圧上昇等)
また、腎が心を抑制する力が弱まり、心火亢盛となりやすい (動悸、心煩、不眠、循環不全)

 2,肝脾肺の関係・・・脾虚湿盛に、外邪である湿邪が影響し、塞がりやすいことに加え、脾虚により肝気が上昇しやすい
また、脾気に弱まりにより、その子である肺気が不宣し、太陰経に問題が生じやく、肺気が不宣すると、肝気も抑えられない

 ★これらの考察をもとに、簡単にできるツボ療法・・・四関穴(合谷、太衝)を用いた療法を試みました。
 合谷、太衝の運用について・・・合谷は手陽明経原穴、陽気は多気多血、故に合谷は気血を調理できる。太衝は足厥陰肝経原穴、肝は血を蔵し疏泄を主り一身の気を調理する。
 故に、この二穴を組み合わせると、一陰一陽、一上一下、一身の気血を整え、陰陽失調を整える・・・とあります。

 今回、四関穴療法に用いたのは、銀粒仁丹です・・・ユニークな発想でしょ?♪
 これならどなたでも手に入りますし、仁丹には化痰、開竅、解表の成分が多く、これをツボ療法に応用してみてはどうか?と考えたためです。


症例1 47歳 女性・・・私です

 9月3日の夜中、台風の接近とともに、胸が重苦しくなり、次第に酸素が薄い・・・という気持ちに襲われ動悸、息切れが激しくなった。
不安になり血圧を測定したところ、右178,106 左186,109で、ひどくのぼせて、めまいを感じた。(普段は130,75くらい)

 自己施術:合谷、太衝、人中に仁丹を貼り、両足の動脈マッサージを10分ほど行った。

 動脈マッサージは、足の裏、足首、ふくらはぎを、雑巾を絞るように両手でかなりきつくねじります。・・・帯脈の調整

 足の冷汗がとれて、ポカポカとし、頭の閉塞感がサッととれてきました。
 その後、てい鍼で、列厥、照海付近を流すと、息がとても楽になってきました。
 目もはっきりとして、動悸息切れ発作が治まったため、血圧を測ったところ、右138,80 左141,79 まで落ち着いていました。

 その後、釣藤散+柴胡加竜骨牡蛎湯+紅景天を服用し、朝まで熟睡しました。
 この処方と四関穴仁丹を続け、体調はとてもよく、血圧の左右差も2〜4ミリ程度です。


症例2 67歳 女性

 9月1日、台風が動かずとても体調が悪く来局された。
 後頭部が張って重く、右肩が上に上がらない。
 フワフワと眩暈、吐き気がして、動悸もしている。
 足はむくみ、尿の排泄が悪い。

 アドバイス:四関穴と中かん、右の豊隆、陰陵泉、風池、左の地機に仁丹を貼っていただき、自分で仁丹の上から四関穴を刺激してもらったところ、10分たらずで、後頭部からジワジワと汗が噴き出し、尿が出て、めまい、吐き気、動悸がおさまった。

 漢方は半夏白朮天麻湯を処方した。
 四関穴の即効性に驚かれ、以後も低気圧が近づいて気分が悪くなる日に四関穴に仁丹を貼って、事なきを得ているという。


 ★他にも、上下左右陰陽のバランスの悪い方に四関穴仁丹を勧めておりますが、かなり即効性があり、その後は漢方で確実に!

 特に、痰湿のある方、脾虚、腎陽虚、裏寒証の方には抜群の効果があります。
 ポイントは、必ず手足の両ツボに貼ることと、人中、だん中、中かん、気海などに1カ所貼ることですが、熱感がある方はだん中に貼ると、動悸がしてくる例がありました。

 ♪本日も私は、四関穴+人中で開竅して仕事しております。
 銀粒の仁丹はかなりオシャレですが、人中だけは”先生、何つけとるの?”と笑いを呼んでおります。

 今回もウスノロ台風は、各地に被害をもたらしている模様・・・・どうか先生もご自愛くださいね。
 被害のないことを祈ります。

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ZZZ_6136 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:台風の影響はひどかったそうで、浸水寸前だったとは、無事で何よりです。

 こちらも停滞する台風の影響が今後出てくる可能性があるらしく、まさか集中豪雨に見舞われはしないだろうか?と少し心配しています。

 もしも先日の紀伊半島のような豪雨の半分くらいでも、村田漢方堂薬局は水没しかねない低地にあります・・・ムムッ。

 ところで、このたびもブログへのご協力ありがとうございます。

 いつもながら、詳細な分析とユニークなツボ療法(仁丹)、そのツボ療法だけはヒゲジジイの面倒くさがり屋には真似できません(苦笑。

 こちらでは熱中症による眩暈やフラツキで来られる人もありますが、油断すると脱水気味になる暑い日々が続くので、むしろ尿路結石で病院治療でも埒が明かない人達が目立ちます。

 病院で様々痛み止めの合成医薬品でも効果がなく、いずれの人もウラジロガシと金銭草(連戦草)の煎液で猪苓湯を服用するのが鎮痛効果は速効です。

 ともあれ、早速、次回のブログに転載させて頂きます。
 いつもながら、ありがとうございました。

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ZZZ_5408 posted by (C)ヒゲジジイ




posted by ヒゲジジイ at 17:57| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年07月29日

漢方や中医学について、やけに詳しい素人さん達は・・・

キアゲハ
キアゲハ posted by (C)ヒゲジジイ

 ネット社会にありがちな現象で、あらゆる専門分野において、ネットによる寄せ集めの専門知識をひけらかしたくなる気持ちは分からぬでもないが・・・

 たとえばヒゲジジイのデジタル一眼レフの知識の多くはネットサーフィンで得たものばかりだから、あくまで素人の知識で専門家に太刀打ちできないことはしっかり自覚している。

 同様に、一般の人にも漢方や中医学の寄せ集めの知識をネットから拾い出し、やけに詳しい人が増えている。
 そのような人達が、例年何名か遠路はるばる直接漢方相談にやって来られる。

 とりわけメールの相談者は後を絶たないが、まるで中医学の専門家もどきの豊富な知識を詳細に書き連ねる質問者さん達ときたら、執拗に質問を繰り返す傾向が強いので、昨今は過度に知識を振り回す人にはお返事を返さないことにしている。
 もともと縁もユカリもない素人さんに、無駄に時間を浪費されたくないからである。

 なかには、自身の「中医学的な状態を教えて欲しい」と、様々な身体の状態をメールで詳細に報告されるケースもあってしばし唖然としたが、この依頼者も中医基礎理論をしっかりマスターしているということなのか?

 そもそも直接やって来られても、神経を集中して一時間はゆうにかかる弁証論治の作業を、メールの情報だけで、安易に分析できるものでもない。
 当然のことながら直接来られて「中医学的な状態を教えて欲しい」というだけの依頼であれば、言下にお断りする作業である。

 あくまで漢方薬を販売する前提での弁証論治であるから、心身ともに消耗を強いられる特技を大判振る舞いするつもりは毛頭ない。

 ともあれ、直接やって来る人の多くは一見本気モードにも見えるが、各地の専門家を転々として結局は治らず、ヒゲジジイのところも長くて半年、短い場合は一ヶ月も経たない間に消え去っていく。

 要するに本末転倒の人達のようで、各地を転々して専門家をみくびることに快感を覚えているが如くで些か訝しい。

 翻って、各地からやって来られる薬剤師や登録販売者の人達は、純粋に自身の慢性疾患を治したい一心で通われるだけに、専門分野が異なることをしっかり自覚され、ほどほどの漢方知識があっても、余計な口出しをされないので、スムーズに漢方相談がすすみ、一般の人達よりも比較的順調に寛解するケースが多い。

 ともあれ、素人さんで漢方知識をひけらかす人達には、それだけ知識がおありなら、わざわざこちらに相談するには及ばないことを宣告して、相談に乗らないことにしている。

 ところで、真剣・真面目に通っている人達は、いつしか中医漢方薬学知識の、自身にとって必要な部分を会得し、郷に入っては郷に従う実践的な微調整方法を身につけることが多い。
 実に慶賀すべきことである。

 但し、漢方薬の多少の欠点といえば、一定の経費がかかること。

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KSC_8368 posted by (C)ヒゲジジイ


 
posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年07月24日

クレーマー予備軍を避けるために

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DSC08808 posted by (C)ボクチンの母

おたより:東海地方の美人薬剤師(前略)

 昨年は更年期の入り口で、のぼせ、血圧上昇、めまい発作に襲われ、この季節はヘロヘロになって仕事しておりましたが、1年間必死で肝腎陰虚を補った結果、今年は頗る元気になりました。

 根気よく養生すれば必ず良くなるのに、努力が足りない人、すぐに別の方法に走る人、症状がとれたらすぐさま元の生活に戻ってしまう人は、残念というか気の毒ですね。

 身体には本来治す力が備わっているので、それをサポートするような食事と暮らしの養生をすれば、本当にみるみる良くなってきます。
 逆にこの土台ができていないと、漢方をやっていてももったいない結果になりますよね。

 世の中には、せっかちさん、お気楽さん、利用したいだけさんが氾濫しているため、とうとうこの4月から新患さんの初回の弁証論治を有料化しました。
 そして、いわゆる久病の方には1〜2回の養生講座を受けていただくことをご相談の条件にしています。

 その結果、真剣な方だけが残り、こちらも暑さの中でも気合を入れて気持ちよく弁証論治できるようになりました。
 お断りする段にも、中途半端に仏心を出すと帰って尾をひき厄介なことになるので、こちらの方針です!と手短にお断りするのが良いことも覚えました。

 以下に、自己愛性人格障害(クレーマーに最も多いタイプ)を分析してみました。
 関わると時間と労力、生命力を削がれますますので、何としても事前に回避せねばなりません


特徴
1,被害者意識が強い・・・医療機関を転々としており、よその悪口を言う

2,権威者や高名な先生を口にして、自分はこれだけ知っていて賢いのだよとアピールする

3,こちらの迷惑を顧みず、一方的に長時間しゃべりまくる

4,誰の言うことに関しても結局は耳を傾けない・・・具体的には、ブログを見てあなたの言っていた漢方を飲んでいるが効かないんですよ!などと自己判断で行動する

5,愚痴が多く否定的

6,自分が出来ないことを正当化しようとする

7,自分の思い通りに行かないと相手に対して逆恨みする

8,無神経で常識はずれ・・・具体的には、お宅のブログを見て別のところでそれを購入して飲んでいるのですが・・・・などとにべもなく言う、あるいはよそで飲んでいるものに関して尋ねる

9,依存心が強く、同情で気を引こうとする
 いわゆる、気をひき、近づき、振り回し、支配し、破壊することで自己を満たそうとするもので、本来病気治しが目的ではない

♪弁証論治は本当に体力と神経を消耗する仕事です。
こちらも養生しないと、身が持ちませんね・・・・。


 ボクチンくんはお元気ですか?
 うちの子たちは、早くも夏バテ気味で、これ以上気温が上がらないように祈るばかりです。
 先生もどうかご自愛下さいませ。

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DSC08766 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:  この度は漢方相談をお断りすべきクレーマー予備軍の分析、全面的に同意ですっ!

 当方でも本日(23日の土曜日のこと)、先客の漢方相談が終わるまで、待合室?で待つ間もそわそわ落ち着かず、順番がやって来るなり「2〜3分で済ませてくれっ」と落ち着きの無い新人さんの男性親子に、早速プッツンしてケンモホロロにお断りしたばかりでした。

 ところで、4月から漢方相談の有料化を実現されたとは、実に立派です。実際のところ、心身ともに消耗の激しい、ほんの一部の専門家でしか行なえない弁証論治を有料化するのは、本来当然のことですねっ!

 ヒゲジジイのところでは、すべて無料相談であるかわりに、単なるお問い合わせや、お気楽やお気軽な御相談は、常連さんやお馴染みさんでもない限りはすべてお断りしているのはご承知の通りです。

 なかでも「ご相談だけでよいですから、ちょっとだけお時間を取っていただけませんか?」という慇懃無礼には、ほんとうにありがた迷惑です。

 最悪なのは、こちらの仕事を慈善事業と勘違いされている人たち、あるいは薬局だから病院と違って何でもワガママが言えると思い込んで、最初から高飛車な態度で来られる人には、その非常識さに腹が立ち、ケンモホロロにお断りしています。

 そのかわりに本気で真摯な態度で、しばらくヒゲジジイの漢方に賭ける人達だけの漢方相談を受け付ける狭き門としており、そのことは実に徹底しています(苦笑。

 お互いに神経を消耗する因果な仕事で大変な毎日ですが、無駄な仕事を減らすことで、本当に真剣な人たちだけの漢方相談に徹していると、喜ばれる結果がともなう仕事だけに、本当に遣り甲斐のある仕事ですねっ!


 この度は、大変有益なおたより本当にありがとうございます。お陰さまでボクチンも相変わらず元気です。

 先生も身体が回復したとて、何よりです。
 そちらの可愛い猫ちゃんたちにも宜しくお伝えくださいませ(笑。
 
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FSC_7548 posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 19:43| 山口 | 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年06月29日

藿香正気散と猪苓湯の応用

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ESC_4386 posted by (C)ヒゲジジイ

おたよりとご質問:エアコンで身体を冷やし過ぎて頭痛・吐き下しを生じた北陸地方のおなじみさんのその後

 先生の書かれた藿香正気散合猪苓湯の応用を読み、改めて藿香正気散合猪苓湯を服用しました。

 実はこの前までは、頭痛を早く鎮めたいため、藿香正気散を2包服用していました。 そこで、本命の三仁湯の代用とする場合に書かれてあった、

「藿香正気散をやや少量とし、猪苓湯と薏苡仁各エキスをやや多目にするとかなり代用 可能である」

を参考にし、藿香正気散と猪苓湯の割合を1:1にしたところ、お通じの状態が改善し、浮腫みも幾分楽になりました。

 改めて、さじ加減の重要さを認識しました。

 そこで、熱感が強い際の、薏苡仁の服用は、私の場合は使用できるでしょうか? ちなみに、わきの下や、くびのまわりの疣も結構あります。

 あと猪苓湯について「猪苓湯が滑石茯苓湯に変わるとき」も読みなぜ多汗に使用するのか、大変理解できました。以前にも読んでいたつもりなのですが…

 よろしくお願いします。

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ESC_4731 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:藿香正気散の応用は多岐に亘りますが、それ以上に猪苓湯の応用範囲はもっと多岐に亘ります。

 今回のおたより、的確な応用をして頂き、嬉しく思います。

 ご質問の件、
> 熱感が強い際の、薏苡仁の服用は、私の場合は使用できるでしょうか?

 薏苡仁の性は微寒ですので、熱感が強い人にはますます安心して使用できます。疣があればなおさら一石二鳥という部分もありますっ!

 もしも両手足のほてりまで強い暑がりの人では、瀉火補腎丸や知柏壮健丸では十分な効果が発揮できない人でも、三物黄芩湯がしっかり効果が出る場合があります。但し、陰虚火旺の証候が存在することが必須条件ではありますが・・・。

 なお、ご承知の通り、藿香正気散を不必要に継続服用し過ぎると、乾燥性が強いために粘膜組織まで乾燥させてしまうことがあります。(但し、小青竜湯の乱用から来る弊害ほど強いものではありません。)

 長期連用する場合には、過度な粘膜の乾燥性を未然に防ぐ意味でも藿香正気散に適量の猪苓湯と薏苡仁を加えることでも防げることが多いようです。

 それでもなお粘膜の乾燥性が気になる場合は、藿香正気散に西洋人参を併用する方法があります。もちろん藿香正気散に適量の猪苓湯と薏苡仁西洋人参を加えることも可能です。

 面白いことに、これらの配合ではクーラー病と熱中症を同時に予防する実に欲張った配合ともなっています(笑。

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ESC_4281 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 23:07| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年05月08日

病気が治らない人の共通点

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FSC_8152 posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:関東の内科医師

 お久しぶりです…。。。

 開業して3ヶ月が過ぎました。
 医院を切り回すのが精一杯でブログの記事を書くこともできませんでした。

 今回は「病気が治らない人の共通点」と題して記事を書きたいと思います。

 病気が治らない人は…
 ご自分の身体で起きている病気のことを敵視しているのが共通点です。

 「その病気が、身体を生かそうと思い生まれている!」
 ということを感じようとする気持ちすらありません。

 「自分の身体なのに…
 こんな病気が起きていること自体、ありえないことだ!」

 「こんな自分を苦しめる病気は悪だ!」

 そんなことが共通点の様に感じます。

 でも、考えてください。

 そんな悪の根源の病気を
 「あなたの最大の親友である身体が作り得るのか?」
 ということを考えてください。

 そんなことすら考えようともしない人達の
 次にすること、それは。

 病気を敵視し
 そんな病気を他の責任として治す人を探そうとしています。

 でも…そんな病気は
 あなたの最愛の身体の中で起きていることです。

 そんな最愛の身体が
 あなたを裏切るのでしょうか?

 自分は身体が裏切るとは思いません。

 他人は裏切ることがあるかも知れません。
 でも、「身体はとても素直で裏切らない」という確信が自分にはあります。

 そんな謙虚な身体が
 「こうして欲しい!」と症状を出しているのです。

 そんな身体すら抱きしめられないばかりでなく
 敵視する人の心が病気を治しにくくしている現実に気づくべきだと思います。

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FSC_8417 posted by (C)ヒゲジジイ

ヒゲジジイのお返事メール:ブログへのご協力ありがとうございます。

 先生の提示される疾病観、大いに一理あるところで、病に悩む自身の生活態度や習慣についても反省しながら、漢方治療に打ち込む人達は、かなり困難な状態でも根気よく頑張り抜く傾向が強いように思われます。

> 病気を敵視しそんな病気を他の責任として

 という件については、しばしば「渡り鳥」さん達に見受けられる傾向が強いように思われます。

 腰が据わらず、多少の効果が見えても持久できずに焦り過ぎる。

 しばしば漢方薬の配合に余計な口出しをされるケースも多く、それではお好きにやって下さいよ、とこちらから匙を投げたくなったこともしばしば。

 ところが、その心配は無用で、多くは渡り鳥さんたちらしく、いつの間にか半年もしないうちに消え去って行かれます(苦笑。

FSC_8086
FSC_8086 posted by (C)ヒゲジジイ


ラベル:渡り鳥
posted by ヒゲジジイ at 18:20| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年05月05日

中医学的な「虚熱」のイメージ

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ASC_2170 posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の男性薬剤師

 昨日、先生の書かれた「漢方基本方剤の研究」の「六味丸」を読み返していたところ、陰陽の考え方が、今回の福島原発事故の冷却水と原子炉の関係にそっくりだと思い、メールしました。

 原子炉圧力容器内の燃料がたとえ僅かだったとしても冷却水が足りなければ原子炉はどんどん高熱になり、これが「虚熱」の状態と言うことではないでしょうか。

 そして、この冷却水の大本(大元?)を「腎」が担っており、その「腎」も含めたそれぞれの臓が原子力発電を持っているようなものなのではないのでしょうか。

 先生が警鐘を鳴らされている、温暖化で人参を含む温める漢方薬の使用に注意が必要だと言われている状況も、循環している冷却水の水温が下がりきらず(上昇しており)、本来の冷却機能が得られない状態なのではないか。と、ふと思いついたままにまたメールさせていただきました。

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GSC_3428 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:大変面白い解釈で、しかも一理ある喩えだと思います。

 中医学理論を深く学ぶ上では、そのようなイメージを用いて体得することは、とても有益なことと思います。

 温補薬の人参を用いる時の注意点としても、喩え話として中医学を学習される皆さんの参考価値は高いと思います。

 次回のブログにまた転載させて下さい(笑。

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ASC_1581 posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:虚熱
posted by ヒゲジジイ at 23:56| 山口 | 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年03月18日

高血圧と塩

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ESC_0039 posted by (C)ボクチンの母

おたより:東海地方の美人女性薬剤師

 それにしても大地震で大変な災害が出てしまいました。
 こちらのお客様も7名ほど安否がわからず、心配しています。
 東京方面、北海道方面の運送もかなりの乱れがあるようで、昨日から対応に追われています。
 映像を見ていると本当に恐ろしく、お祈りすることしかできません・・・。
____________________

高血圧と塩について

 ひげ先生の目はその後いかがでしょうか?
 私は最近、本当に老眼がひどくなり、老眼鏡をつけたりはずしたりでとても目が疲れます。
 パソコン仕事でドライアイもあるせいか、帰りの運転時には、対向車のライトが散乱して眩しく、危機感を感じるようになりました。
 血圧も高い方なので、緑内障の検査をしてきたところ、大丈夫で一安心しましたが、油断は禁物でした。

 ところで、3年ほど前から始まった更年期症状ですが、思わぬことですっかり落ち着きました。
 高血圧(186,116)ほど、眩暈、ふらつき、のぼせ+脾虚の症状があって、いろいろと難航していました。

1,補腎剤、補血剤をやっても今ひとつ効果が上がらない
2,脾虚対策の処方を服用してもなかなか効果が上がらない
3,理気剤や活血剤を使うと必ずしんどくなってしまう

などがあり、毎日微調整をして自分の処方を決めていましたが、1月30日から始めたある食箋で”こんなもんで、こんなに効果が出るの?”というほど、すべてが好転しました。

 その名は”梅醤番茶”です。
 自然塩でつけた梅干し1個+自然塩、丸大豆の醤油スプーン1+すりおろし生姜スプーン1に熱々の有機三年番茶を注いだものです。

 良いことは知りながら、血圧が高い自分はどうしても抵抗があり、長い間ご縁が無い飲み物でした。

 ところが、何だか今回は”これや!”という直感力が働き、最初1杯飲んだところ、キツイ肩の凝りがジワジワほぐれ、妙に気分が良いではありませんか!
 それから毎朝、まずこれを服用しました。

 すると、とにかくお腹が快調、ゴリゴリ言っていた肩がスムーズに回るようになり、3日目より老眼鏡が要らないときもあるほどに・・・。
 その後半月くらいが経ち、あれほど薄かった月経が若い頃のように回復、血圧は(130,78)まで安定、真っ白だった爪がピンク色に・・・・。

 そして、飲み出してから一度も眩暈発作、ふらつき、のぼせを感じないのです。

 要するに血液の質が薄くて悪かったために、血圧を上げなければ対応できないし、上半身を栄養できなかったのですね。

梅の酸味・・・帯脈の引き締め、クエン酸の効果、胃腸を活発化
醤油のしおから味・・・沈、潤の作用で腎を滋養
生姜の辛味・・・血行促進、発散
番茶の苦味・・・解毒浄化

が上手くバランスをとったようで、今まで飲んでいた処方が効率よく吸収されて効果が上手く引き上げられたようです。

 思えば反省点として、極端に減塩をしていました。
 卒中系列なので、父母が塩にはうるさく育てられ、薄味に加え、漬け物、佃煮は食べない、麺類のスープは飲まない・・・。

 去年のような猛暑で汗をかいたり、ダンスで汗をかいても、塩分は遠ざけていたように思います。
塩が足りずに、補腎薬、補血薬を飲んでもうまく取り込めず、ヘロヘロになっていたわけです。
 精製された化学塩はいけないけれども、自然塩は血圧をうまく調整し、質の良い血液も作ってゆくことを身をもって体験いたしました。

 この春、発作が出なければ本物です・・・またご報告いたしますねっ♪

 これなら、もう一人産めるかも・・・ウフフ (冗談でした)

ボクチンの彼女
ボクチンの彼女 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:おたよりありがとうございます。

 大震災以来、ヒゲジジイは元気を失くしました。
 多くの日本人が同様な雰囲気で、月曜日、火曜日と二日間は、例年になく閑散とした職場となり、それでも元気に関西から定期便のようにやって来られる人がおられました。

 水曜日になって、皆さんも意識を回復されたかのように、漢方薬の供給が断たれたら困るとて、数ヶ月分を買い込む人が続出しました。

 ますますヒゲジジイは元気を失くしています(苦笑。

 ところで「減塩による高血圧」だったという先生の奇特な体質、恐れ入りました。実に興味深い話ですが、そんなこともあるんですね〜っ。

 ヒゲジジイは人並みに塩分過剰による高血圧のようで、食事量が減ると、途端に血圧は正常化しますが、仕事が忙しくなると、どうしても血圧が一時的に上がります。

 あっ、お陰さまでその後は、視力は自然に完全回復しました。目を酷使して朝食抜きが重なったのが原因だったようです。

IMGP5586
IMGP5586 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 13:57| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年03月14日

アルツハイマーに対する医師の処方例

BSC_8126
BSC_8126 posted by (C)ヒゲジジイ

 大地震が起こる前に関東の先生から頂いていた再度のおたより。
 あの巨大地震のショックで茫然としたままブログを更新する気力を失っていた。

 関東の先生のクリニックは被害はなかった模様で、皆さんご無事とのこと。

 村田漢方堂薬局の漢方を利用されている人の中には東京や横浜や埼玉、のみならずもっとも心配なのは岩手県のご一家。大変な時に無事かと連絡を取るのは憚られ・・・(ヒゲジジイの個人的な経験では家の近所で火事があったときに、ご心配の電話やメールを頂いて、却って煩わしかったことがあるので、こちらから連絡するのは遠慮しています)。

 おたより:関東の内科医師

 毎週、水曜日は訪問診療のアルバイトをやっています。
 昨日の患者さんの漢方治療をお話致します。

 70代のご夫婦のお話です。

 アルツハイマーの奥さんが徐々に歩けなくなってきました。
 自分が訪問するようになって3ヶ月弱。

 旦那さんの献身的な介護に心を打たれ本気で治すことが必要なのかな?と思いました。

 漢方治療は一般治療と比べて傍流であり患者さんに漢方治療をするときに抵抗があります。

 開業をしたことから意を決して…漢方エキス薬治療を始めました。

 そして…2週間後の昨日。
 アルツハイマーでトンチンカンな返事しかしなかった奥さんがしっかりと返事をするのです。

 一番…驚いたのは自分かも知れません。
 次が…旦那さんかな?

 先生。
 処方内容は… 牛車腎気丸と理中附子湯です。

 下腹の力が抜けていて心窩部直上の熱があり地黄が必要な患者さんでした。
 とすれば…六味丸関係と白朮が入っている処方です。

 自分は漢方が正しく発展するようにしたいです。

 おやすみなさい。

BSC_7953
BSC_7953 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 先生はきっと天才的な漢方感覚をお持ちなのですねっ!

> 下腹の力が抜けていて
> 心窩部直上の熱があり地黄が必要な患者さんでした。
> とすれば…六味丸関係と白朮が入っている処方です。

 この下腹部の力が抜けていれば八味丸系列というのは分かるのですが、「心窩部直上の熱があり地黄」という部分が、なぜっ?

 この熱は実熱か虚熱か?

 結果から見ると虚熱のようですが、陰虚による熱か、甘温除熱的な陰火のことなのか?

 配合から察するに両者が合併した熱なのか? 中医学的には様々に想像されますが、先生はまったく天才に違いありませんっ!

BSC_8506
BSC_8506 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 07:47| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年12月23日

開業が近い関東地方の先生からのおたより

薬草棚

おたより:関東の内科医師

 こんばんは。
 みなさん…学術的な話題の一方で、自分は忙しさに流される毎日です。

 かなり厳しい毎日を送っております。先日、薬草棚に薬草を入れて帰宅したのは午前4時でした。本日は10社以上の製薬会社が挨拶に来ました。帰ってきて「職員のシフト表」を作成し…現在午前3時です。殆どが生まれて初めての経験です。

 先日は「防火管理者講習」に受講してきました。その最後に久しぶりの試験。簡単でしたので、どうにか合格でした(笑。でも、これから防火計画書を作り消防署に届けなくてはいけません。面倒くさいなぁ。。。

 今週は、契約書と請求書のハンコを押してばかりです。先生にご紹介頂いた営業部長さんには大変よくして頂いております。その会社との契約書も、今日、記名したところです。きっと…この先生のブログを見ているだろうなぁ〜(汗。あ・契約書に添付する開院許可のコピーを取らなくては…。

 職員は5名になりました。薬草の子守係が3名もいます。保健所から「調剤室に薬剤師を置いて欲しい」との要望もあり、「まさか、来ないだろうな…」と広告を出しましたら見事来てしまいました(泣。医院に薬剤師というのは…なんで?(笑 

 明日から、再度の改装が入ります。
 あ・医師会の入会金や会費も払わなくては…(泣
 開院できるんでしょうか…?

 泣き笑いの日々です。
 おやすみなさい。

防災責任者

御返事メール:開業の準備にご多忙を極められているご様子、37〜38年前を思い出します。

 当時は、右も左も分からない中、毎晩徹夜に近い日々を送っていました。虚弱な愚妻は早くから寝て、一人で黙々と頑張っていました。ヒゲジジに付き合っていたら、私は死んでしまうよ〜と言われる日々でした。

 漢方専門薬局を開業後も、殆ど毎日夜中の4時まで、専門書の読破に費やし、よくぞ過労死しなかったものと、今思い出してもゾッとします。

 当時は私は二十代だから頑張れたので、先生のお歳を考えると・・・医者の耳に念仏でしょうけど(苦笑・・・あまり無理をされず、少しくらい開業日が延期になっても、体力を温存されて下さい・・・とっ

> 開院できるんでしょうか…?

 こういう冗談は困りますよ。
 こちらでも関東地方在住の2〜3名が、先生のご開業を首を長くしてお待ちしている患者さんがおられます。

 お一人は通常の配合(数種類)で一旦は殆ど治っていたのが直ぐに再発し、その後は大黄牡丹皮湯だけは効くものの、それ以外の方剤を見つけるのに、関東から通うにはあまりにも遠過ぎる。毎回(交通費に)何万円もかけて通うというのは10日毎に来てもらうには無理がある・・・・。

 もうお一人は、病院治療はおろか十年以上、あらゆる漢方薬がほとんど効を奏さず、とうとうこちらに一ヶ月ごとに通うと言われて来られたのはよいのですが、あきらかに葛根黄連黄ゴン湯と杞菊地黄丸の証がみられるのに、ほとんど効果が出ない。 (追記:たくさんある症状のうち、肛門周囲炎だけは大黄牡丹皮湯が奏効)。

 前回のブログではどの漢方薬を飲んでも不快反応がでる稀有な例を取り上げましたが、そのようなケースとは異なり、絶対に合っていると自信を持ってお出ししても不快反応こそ皆無ではありますが、一向に効果が出ない。牛黄製剤ですら効果は微弱。こういうケースは超マレな事態で困惑しているところです(涙。

 上記のお二人とも、それほど長く通って来られた訳ではありませんが、さいわい関東在住の方々ですので、頻繁に通える態勢でないと弁証論治は不可能と判断・・・ちょうどよいところへ先生がご開業とて、2〜3名を押し付けるようで甚だ恐縮ですが、皆さん首を長くして待たれています。

 ともあれ、患者さんを治療される前に、先生が倒れては困りますよ〜っ。

いまにも飛びつきそうなウグイス
いまにも飛びつきそうなウグイス posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 10:58| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年12月16日

ほめ殺し?(苦笑

全身でアクビをするボクチン
全身でアクビをするボクチン posted by (C)ボクチンの母

おたより:東海地方の美人薬剤師

 先生は、長年ブログをやっておられ、次から次へと泉のようにネタが湧いてきて素晴らしいですね。

 私の方は、毎週2本のメルマガを書き始め7年・・・時折スランプになることがあります。

 毎日の店頭の相談例や、質問に対するアドバイスを載せてみたり、シリーズものを手がけたりと、いろいろ試みましたが、シリーズものは、前もって系統立てて記事を書いてゆけば良いので楽ですが、タイムリーな面白みに欠けたり、途中からの読者がよくわからない部分が出てきます。

 それに対し、店頭での生情報は生き生きとして読者の反応も高いけれども、整理する段になって終始がつかなくなる。
 などの一長一短があり、毎年暮れになると、来年の記事計画に悩まされます。

 先生のところは、メインブログが素晴らしいことだけでなく、土台となる中医漢方のデータベースの豊富さ、そして専門化、細分化されているところが、本当に素晴らしいです。

 私のメルマガは、1本はガンですが、1本は雑病ですので、要するにナンデモヤで、真剣な方が読まれない可能性が高いと反省しています。

 継続が力なり・・・というより惰性で走っているような部分もありますが、来年も何とか試行錯誤しながらやってゆこうと思います。

 今後ともどうぞよろしくご指導ください。
 今年1年、本当にありがとうございました。(まだ早いかな・・・)

DSC_0067
DSC_0067 posted by (C)ボクチンの母

ヒゲジジイのお返事メール:

 今回頂いたメールはヒゲジジイを褒め過ぎですよ〜っ。
 「整理する」ということが大嫌いで、以前の趣味のチヌ釣りの竿やリールはそこらうち中の部屋にいまだに転がっていますし、最近の鳥撮用のカメラやレンズも台所や居間に散乱しっぱなしです。

 同様に中医漢方薬学と命名した独善的な中医学知識の断片も頭の中に散乱したままだから、ブログ類もHP類も中途半端なまま完成とは程遠い状態で、休眠状態のサイトばかりが転がってます(苦笑。

 ブログをはじめた頃は、自由に書けることが面白いのと同時に、当時は製造中止が危ぶまれる茵陳蒿湯などをブログを通じて同業者に宣伝することで、メーカーさんに製造中止を思いとどまってもらおうという深謀遠慮があったり・・・(笑。

 ところが現在では茵陳蒿湯の販売量は半端ではなくなっているので、たとえ同業者が使用されなくとも我が薬局だけでも十分な使用量となっています。

 最近はうっかり特定の漢方製剤を書くと、(●●●●●●湯など)同業者に一斉に仕入れされて一時、品切れを起こして村田漢方堂薬局への供給が間に合わなくなりそうなことがあって以来、うかつにブログで推奨できなくなりました。
 このときは流石に頭にきて、該当ブログのページを削除してしまいました。

 だから最近は、具体的な方剤を記載するのも慎重に選んで書いているところですが、先日書いたカッコウショウキサンなどはもはや普遍性のある方剤なので、書いても無難なところでしょう(笑。

 このように我がままで頑固なヒゲジジですが、それに堪えてついて来てくれる人達が多いのは少しだけ感謝しているところです(苦笑。
この「少しだけ」としか書けないのはどうしてかっと自問自答したくなるところです・・・。

 こちらこそたいへんお世話になりました。
 来年も宜しくお願い申し上げます。

散乱する部屋でボクチンも呆れ顔
散乱する部屋でボクチンも呆れ顔 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 20:18| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年12月11日

「免疫の不思議」の続き

シジュウガラ
シジュウガラ posted by (C)ヒゲジジイ

折返し頂いたメール:東海地方の美人薬剤師

 先生がおっしゃられる通りのことを、私も経験しています。
 アトピーの方では、ワクチンを打って妙に調子がよくなる方と、最悪になる方がみられますね。
 もしも、ワクチンの基材に対するアレルギー反応がなければ、もっとわかりやすいかもしれません。

 また、通年性のアレルギーがあり、年間を通してシンイセンキュウを買いに来られていた方なのですが、検診で乳ガンが見つかり、慌てて相談に来られました。
 すでに、手術と抗ガン剤を予定されており、私の方では、免疫の低下を最小限にとどめるように漢方を処方しました。

 術後、3クールの抗ガン剤をやられ、その後はホルモン剤を処方されておられましたが、すこぶる順調で、現在3年目。
 リンパ節への転移等も見られず、”命拾いした!”と喜んでおられるのですが、治療中は不思議なことにアレルギー症状が全くなく、最もひどい杉花粉の時期も、何ともなかった・・・とのこと。

 ところが、ガンが消えて、漢方処方もだんだんと遠のいたあたりから、またしてもアレルギーが出てきて、以前と同じように悩まされるようになった・・・。と言うのです。
 本人は、”この症状が出るのは、調子が良い証拠、ガンがあるとアレルギーは出なくなるから、これでいいの!”という調子・・・・。免疫を調整する処方を続けていれば、バランスがとれてどちらにも良いのに・・・・。

 それからもうひとつ面白い例としては、不妊症の方で、やはりハウスダストによる通年性のアレルギーがある方。
 最初は、生理の状態からして血虚オケツが考えられたため、そちらに重点をおいた処方をしていましたが、あまりかんばしくなく1年過ぎても懐妊せずでした。

 翌年の春に花粉症が相当ひどいため、本治法を切り替えて、免疫を調整するような、冬虫夏草、紅参、紫蘇等の処方に切り替えたところ、服用後1ヶ月半で妊娠され、アレルギーと免疫、そして妊娠の関係を体験することができました。
 以後、不妊症の治療には、必ずアレルギーの有無をきいて、妊娠率が上がってきています。

 人の体はとても面白いですね。
 特に、ホルモン、免疫、自律神経のネットワークは大きく、体のあちこちでこれらがシーソー関係をとっていますので、そのバランスをどうとるかが鍵であり、腕のみせどころでもありますね♪

ジョウビタキ(雄)
ジョウビタキ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ

ヒゲジジイのお返事メール:免疫関連のご体験のご報告、ありがとうございます。とても興味深く、ブログの続きに助かります。

 ところで、B型インフルエンザに罹って以後、急速に寛解していたアトピーの女性は、せっかく清熱解毒剤など一部の漢方薬を中止でき、 主軸の方剤類も半減することが出来ていたのに、案の定というか、インフルエンザのほとぼりが冷めたら、しだいにアトピーが牙を向きつつあります。

 減らしていた服用量も次第に増加させる必要がありそうで、免疫システムのトウヘンボクはまるでヒゲジジのようです(苦笑。

キジバト
キジバト posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 09:56| 山口 ☔| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年12月09日

免疫の不思議

ジョウビタキ(雄)
ジョウビタキ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の美人薬剤師

大変ご無沙汰しています。
 随分と冷え込んで参りましたが、お元気でいらっしゃいますか?
 こちらでは、胃腸風邪がかなり流行しています。
 インフルエンザはまだまだ少ないようですが、風邪にかかった方は例年に比べて治りが悪く、長引いている方が目立ちます。

 又、インフルエンザの予防接種をしたら、咳が止まらなくなった、吐き上げるお子さん、下痢が止まらないお子さん・・・が、本当に多いようです。

1,今年の夏は異常に暑かったために、冷たいもので、脾胃を傷めすぎたこと
2,肺と大腸を補い、冬に向けての体を養うための秋が短すぎたこと

が原因ではないかと思っています。

 体が弱っているために、邪が追い出しきれず、いつまでも伏飲したり、ソウリの開閉も悪く、病が治りきらないうちに、新たな邪を引き込んでしまう方も見られます。

 これからうんと冷え込み、インフルエンザが蔓延したら、かなり重症化する方が増えるのではないか・・・?と危惧しています。

 それとは引き替えに、アトピー、アレルギーの方は、この冬比較的順調です。

 どう分析したらよいのかわかりませんが・・・・。
 ただ先生がおっしゃられるように、微調整はかかせませんね。

 予防接種を打ってから、肌の調子が良いというアトピーの方もおられ、これは免疫のバランスなのでしょうか?
 これから特に宴会シーズンに入るので、養生してもらわねばなりませんね(笑)

ジョウビタキ(雌)
ジョウビタキ(雌) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:おたよりありがとうございます。

 予防接種を受けて、アトピーの調子がよいとは、本当に免疫というのは実に奇妙なシステムですね。

 当方にも数ヶ月前より関西から二週間ごとに通って来られているアトピーの人が、数ヶ月目でB型インフルエンザに罹り、タミフルを服用して治癒して以後は、一段と寛解が得られて黄連解毒湯を中止できるまでになり、その他の清熱剤もほとんど使用する必要がなくなっています。

 かと思えば、昨年春、重症のアトピーの女性が、数ヶ月でかなり順調に経過していたのが、インフルエンザに罹り、タミフルを服用した途端、爆発的な再燃となり、完全に振り出しに戻ってしまった人もおられました。現在は9割以上の改善を完璧に一年以上持続しています。

 さらに免疫の驚くべき事例としては、一昨年の梅雨、関西からスキルス胃癌(印環細胞癌)とて、手術は怖いので漢方薬で治してくれと、とんでもない要求で来られた三十代の女性がおられました。
多少とも免疫力アップのお手伝いくらいはできるが、必ず手術は受けるようにとかたく約束して7月に手術の予定も決まりました。

 そして手術前の検査を受けたところ、完璧に消えているというのです。漢方薬類を服用して一ヶ月足らずの期間でした。

 ところが、それまでなんともなかった漢方薬類を服用すればするほど過去の持病だったアレルギー性鼻炎や気管支喘息が次第に再発して来るような気配で、次第に漢方薬を服用するのが困難になったといいます。(追記:漢方薬類を中止すれば直ぐに鼻炎も気管支喘息も完全に治まります。)

 その年、主治医も滅多にあり得ることではないので、念を入れて毎月のように検査をしてくれても、まったく痕跡も残さず消えているということでした。

 同じスキルス胃癌で地元の若い女性で卵巣転移した事例などの経験が上記の女性にもフィットしたとしても、通常ならアレルギー疾患にも有効であるはずの配合内容で、鼻炎や気管支喘息を誘発するような免疫ショックによってスキルス胃癌を退治できたのだろうと皆が想像したものでした。

ジョウビタキ(雌)
ジョウビタキ(雌) posted by (C)ヒゲジジイ



posted by ヒゲジジイ at 11:36| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年11月15日

開業間近の関東の先生からのおたより

関東の内科医師
関東の内科医の先生と気の合う?看護婦さん


おたより:独立して開業間近の関東の内科医師

こんばんは。
 19年勤めた病院も月曜日のあと一日だけです。。。

 そんな中でお掃除のおばさんが看護婦さんとの写真を写して下さいました。

 その写真を家内に見せると「この人、良い!」とのこと。自分の感覚では「こんなうるさい看護婦のどこがぁ???}とか思うんですけど…これが良いのかぁ?(笑)。
 19年勤めた病院の戦友ですなんですが…これが、ねぇ?(笑)パートで来てもらおうかなぁ〜?

 また一方、往診旅行している福岡。その福岡出身の看護婦さんもいて自分のところで働きたいとのこと。でも彼女は…妊娠しているので、その後ですね。なかなか綺麗なんですけど、ねぇ(泣。

 息子は「竹茹温胆湯」で解熱しました。さんざんな目に遭いました。

 レセプトができる事務員さんの高血圧は漢方薬で経過良好です。

 薬剤師さんのメニエル?は、イソバイドとアデフォスが効いていて、すぐに血熱症状を示します。
 手がしびれると訴えから漢方薬を一時止めたら…全身に蕁麻疹が現れるとのこと。やっと彼女は漢方薬の威光を感じ始めたようです(笑。今度は「伝家の宝刀」が活躍しそうです。

 これで開業に必要な人材は揃ったのかな?(笑
 薬草は…必要な人達を連れてきてくれる感じがしますよね。

 テナントの改装も進んでいます。もちろん、とっても大きな借金。
 社長をしている友達曰く「死んでも良い!と思うなら独立が良いぞ!」とのこと。そんな友達の感覚を実感しています。

 テナントと共に死にまぁ〜す!(笑
 きっと辛いんだろうなぁ…。。。(汗

ヒヨドリ
ヒヨドリ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:いよいよそろそろますます準備万端のようですね(笑。

 お子様も回復されてよかったですね。
 愚妻も若い頃とても弱かったので熱がなかなか引かないときに竹茹温胆湯や竹葉石膏湯のお世話になったものでした。

 お写真拝見しました。実際のお歳よりも、とっても若く見えますねっ!(呵呵大笑

 冗談でなく、本当にお若いです。
 実際にお会いした時も、お歳よりもみかけがとてもお若いのにびっくりしましたが、お写真ではまた一段とお若く見えます。

ジョウビタキ(雄)
ジョウビタキ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 10:31| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年11月06日

北海道からのおたより

撮影者:北海道の登録販売者
撮影者:北海道の登録販売者


おたより:北海道の登録販売者

大変ご無沙汰しております。北海道の●●です。

 早いもので今年も残り2ヶ月弱となりましたね。村田先生は日々変わらず多忙を極めていると思いますが、医者の不養生ならぬ中医漢方薬剤師の不養生とならぬよう、どうかご自愛下さい。

 こちら北海道はすでに初雪も振り、朝の気温が氷点下になり始めています。朝晩の気温差が大きくなると風邪をひかれる方も増え、またインフルエンザで学級閉鎖の話題も出てくるにつれ銀翹系の方剤や板藍根をお出しする回数が増えてきました。

 さて先日、某漢方メーカーの担当者とお話しする機会があったのですが、荊防敗毒散や補気建中湯の話題となった時に、北海道の担当者でさえ村田先生を知っておりました。やはりメーカー担当者の間でも先生の本当に必要な方剤に対する熱意と言うか、そういうのが話題になるんでしょうね。

 自分は村田先生に何度か質問させて頂いた程度のお付き合いですが、やはり山口県からはるか遠い北海道の地で村田先生の話しが出ると嬉しかったですね。

 自分もさらに研鑽を積み、いつか先生の薬局を訪れてみたいと思っています。ただ、関東の内科の先生ほどの方でも「関東から参りました」という言葉に、「何の目的でっ?」と言われる先生ですから(大笑)、自分が訪問した時に「北海道から来ました」と言った日には何と言われることやら楽しみでもあり恐くもあります(苦笑)

 写真は珍しくもありませんが、近郊にある池で撮ったウミネコです。先日、北海道の最北端、稚内市で野生のカモのふん便から毒性の強い鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたことから、道内の湖や池、沼では鳥に近づかないようにという看板ばかりにっています。

 それでは、またメールさせて頂きますね。

DSC_0999
DSC_0999 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:おたよりと鳥の写真、ありがとうございます。

 こちらも次第に寒さが増して、若い人達のご家族全員が風邪に罹ったという情報が多く、その割には中年以降の人の風邪は少ないようです。
 一定年齢を過ぎると過去に様々な風邪ウイルスに感染していて免疫的に有利なのかもしれません。
 さすがにインフルエンザの流行はまだ聞かれませんが、北海道地方ではもうインフルエンザの流行がみられるのですかっ!?

 ところで、北海道でも小太郎さんは頑張っておられるのですねっ。
 この不況下において、ユニークなお考えで邁進されている会社ですので、現在はもとより将来がとても楽しみです。

 荊防敗毒散や補気建中湯が話題になったそうですが、茵陳五苓散、三物黄今湯、帰脾湯もヒゲジジイの提案をもとに医薬品製造許可を取って下さったものです。
 つまり、これら5品目の漢方製剤は、生薬の選定から配合比率まで、すべてヒゲジジイが最善と考えるもので許可を取ってくれました。それゆえ自信を持ってお奨め出来る製剤となっています。是非、ご活用下さい(笑。

 鳥インフルエンザは恐怖ですが、鳥に近づかないように警告する看板が立っているということは、そちらではカメラで鳥の撮影を楽しむのは憚られる様子ですね。

 ともあれ、いつもブログへのご協力ありがとうございます。
 こちらに来られる折がありましたら、ご連絡なしに突然で構いません。
 きっと最初は無愛想な応対になることでしょう(笑。

PB021017
PB021017 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 07:03| 山口 | 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年10月28日

夏は内臓が冷える季節

新東京タワー 撮影者:関東の内科医師

おたより:東京の内科医師

 いま現在、開業への忙しさも慢性的になり、先生にお便りする余裕もなくなってしまっておりました。

 先生のブログ上で、東海地方の薬剤師の先生から自分への「開業への激励」に感謝しておりました。ありがとうございます。そんなことから、村田先生や東海地方の薬剤師の先生に何か出来ないだろうか?とも考えておりました。

 そういえば…東海地方の薬剤師の先生の「夏ばて」の記事を読みました。「内蔵が冷えることが夏ばての特徴」との指摘…自分も「夏は内臓が冷える季節」であると感じておりました。
 今回は、このことを相対性な思考を使って説明していきたいと思います。

 自分は、いつも出来るだけ簡単に考えることを念頭に、病気を理解しようとしております。ですから…いつも簡単にお話しする様にしておりますが、一般的に考えてみますと、人間は難しく考えるのが得意な動物の様です。それは現象を見つめる時、「今まで習ってきた知識を利用して考えること」を優先するからに他なりません。

 では、「夏ばて」について自分の考えをお話いたします。

 夏と冬は外気温が異なります。加えて、人間のそれぞれの臓器は他の臓器と比較して、自己の臓器の温度差を測っていると考えられます。(空間上に絶対的な基準をもつ運動物体は存在しません)

 としたときに…季節の変動による「内臓である腸の温度」を考えてみたいと思います。

 冬は外気温が低く皮膚の温度が低下する傾向にあります。しかしながら、裏である腸の温度は余り変わりません。このことから、冬の皮膚の温度と比較すれば、冬の腸の温度は皮膚の温度に比較して相対的に高くなっていることになります。

 逆に…夏は外気温が高く皮膚の温度が上昇する傾向にあります。しかしながら、この夏にも腸の温度は余り変わらないことから、夏の腸の温度は皮膚の温度に比較すれば相対的に低下していることになります。それが…夏の臓器の冷えであると考えております。

 ご理解できましたでしょうか?
 この様な考え方が「陰陽」であり「相対性」の基本的な考え方に他なりません。

 と、話題は変わりますが、現在、保険煎じ薬処方ができる電子カルテの制作を業者共々行っております。おそらく…年末には、この様な電子カルテが出来上がると思います。
 こんな自分の些細な行動が日本漢方の行く末の小さな光となれば、自分に取って掛け替えのない喜びと考えております。

 そんなこんなで…毎日、とても充実?(笑) 忙しいですぅ(泣)
 新東京タワーも日毎に高くなっています。自分の漢方のレベルも高くなるのだろうか?
 と焦っています(汗)

IMG_1931
IMG_1931 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:おたよりありがとうございます。
 ご開業の準備は着々と進んでいるようでなによりです。

 「夏は内臓が冷える季節」の論点、これがまさに寒湿の病変に対する方剤でもあるカッコウショウキサンが夏場に多用される所以でもあると思います。
今夏も常連さんやお馴染みさんが真夏の炎暑の最中にカッコウショウキサンを頓服使用されるケースが多くみられました。

 しばらく前まではアトピー性皮膚炎が重症であるために強烈な炎症を治めるために清熱瀉火の方剤を多用されていた男性でも、真夏にプールで泳いだあとに胃腸が冷えて猛烈な吐き気が生じた例⇒真夏に涼を取り胃腸が冷えて吐き気がする時の漢方薬 など。
胃苓湯で代用しても一定の効果があったようですが、それにしても今夏の猛暑では例年になくカッコウショウキサンを販売する機会が多々ありました。

 一方では西洋人参も例年になく大いに人気を博した炎暑の夏でもありました(苦笑。

 ともあれ、添付頂いたお写真、新東京タワーのとても美しい夜景、これだからテレビでも大きな話題になるのですねっ!

モズ
モズ posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 20:02| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年09月29日

内科医の先生による漢方臨床報告:牛車腎気丸合疎経活血湯

今日も飛んでるスズメのぼくちん
今日も飛んでるスズメのぼくちん posted by (C)ヒゲジジイ

漢方臨床報告:東海地方の内科医師

 今年の夏は歴史的に暑かったそうでして、巷では熱中症のかたが多発して病院に搬送されると聞いていますが、当クリニックに通っている患者さんにお聞きしますと、「確かに暑かったけど、漢方のおかげか昨年よりも元気です」とか、「若いものたち(漢方をのんでいない)よりも食欲があり元気に過ごしています」、といった声が聞こえてきます。

 飲んでいる漢方薬はいろいろですが、一応、ない知恵を絞って処方しているエキス製剤がお役にたっているのかもしれない、と自己評価に甘んじています(笑)。

 村田漢方薬局でご自分に合った薬をだしていただいている老若男女も同じように感じておられるのでは、と想像をたくましくしています。

 さて、今日のメールの枕が長くなりすぎました。簡単な処方がお役にたった症例をご報告します。

 69歳の女性で、狭心症と脂質異常症があり、総合病院から投薬の依頼を受けて処方しています。西洋薬だけ処方しているのも能がないと考えていましたところ、患者さんから訴えがありました。

 「近夏の酷暑でクーラーが良く効いているせいか、若い者が温度設定をするために、この老体が冷えます。腰がすごく痛くて足先もつめたいです。なんとかなりませんか。若い者に温度を高くしてくれという訳にもゆきません。いろいろ身の回りの世話をしてもらっているので」

 診察しますと、確かに足先が氷のように冷たく(やや大げさ?)、腹部を触診しますと、お臍の下が虚脱して冷えていました。

 以前漢方を師事していた時のことを思い出して牛車腎気丸と疎経活血湯を処方しました。

 その1カ月あとの受診のときに、患者さんから腰とか足の話はありませんでしたので、効果はあったと思っていました。

 そして、昨日受診のときに、患者さんが驚いたような表情でおっしゃいました。

「つい先日総合病院で1年ぶりの心臓検査をうけたのですが、いままで幾年も指摘されていた異常(患者さんからの話から負荷心電図のこと)が全く消失していたのです。担当医も驚いていました」

 どうも牛車腎気丸と疎経活血湯が冠状動脈の変化にたいして効果があったようです。
 私としては足腰の症状を改善するために処方したくすりが、思いもよらない歓迎すべき効果をもたらしたのですから、この患者さんにとって歴史的な酷暑に感謝していただきたいところです。

 ということで、この夏の酷暑の巷の噂は、当クリニックに通っている患者さんたちにとっては、他人事かもしれません。

 村田さんからのご助言が多くの患者さんにお役にたち、夏バテすることなく通院しておられる姿を見ますと、高杉晋作の活躍した山口県にある村田薬局に向かって一礼したい気持ちになります。

おそれながら、深く一礼。

イソヒヨドリ(オス)
イソヒヨドリ(オス) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:貴重な臨床報告ありがとうございます。

 たしかに当方の常連さんのお年寄りたちは、すさまじい炎暑が続いた真夏でも、一人として体調を崩された人はおられませんでした。

 体調を崩す人達は、いずれも新しい人達や、たまに漢方薬を利用してる人達ばかり。

 長年、漢方薬を愛用されている人達は元気溌溂。ボケることもなく、癌になる人も・・・あっ、お一人だけ低悪性度リンパ腫、ピロリ菌によるMALTリンパ腫になった人がおられましたが、根治までもう一息の段階。

 ところで、乃木希典は長府藩の報国隊に入り高杉晋作の奇兵隊に合流し幕府と戦った経歴の持ち主。長州藩では多くの英雄を輩出したとは言え、高杉晋作にあこがれたという菅直人なるもの、長州人の風上にも置けぬ腑抜け。ほんとうに長州人も地に落ちたものです。

 昭和陸軍になって「また乃木式か」と言って、乃木の武士道精神を蔑ろにしたツケが、回りまわって現在に跳ね返って来ているようです。

 ともあれ、牛車腎気丸と疎経活血湯の配合はそのような環境下のお年寄りに的確にヒットされたご様子。しかも虚血性心疾患にも連動して奏功するなどは、漢方薬ならではのお話ですね。

 お陰さまで、眠りかけているブログに活を入れて頂ける貴重なご報告、ありがとうございました。


【編集後記】 5年以上も前のことだったか、同じくピロリ菌により生じた胃の低悪性度リンパ腫であるMALTリンパ腫により胃の全摘を宣告された女性。
 すでに2年以上あらゆる病院治療で死ななかったピロリ菌が、多種類の漢方薬類の併用でほんの一ヶ月前後で腫瘍も含めて完全消失でき、手術を免れた幸運な女性がおられた。

 この女性が後年、下肢静脈瘤でまたまた手術を宣告され、自己判断で以前にMALTリンパ腫のときに服用した漢方薬類のうち残っていた一種類●●●●●を取り出して服用したところ、下肢静脈瘤が短期間でほぼ消失して今回も手術を免れた。
 それ以来、この女性はこの一種類だけは徹底的に継続服用されているが、もともと下肢静脈瘤に効能があるとは思われない生薬であるので公表を避ける。

 漢方薬ではときとして信じられない素晴らしい作用を発揮してくれることがあるが、専門家でも信じられないときには、主治医を含めた証言者がたくさんおられても、公表する気になれないケースもある。なぜなら、どう考えても再現性があるとは思えないからである。

 その点では、今回おたより頂いた東海地方の内科医の先生によるご報告は、弁証論治が的確でさえあれば多かれ少なかれ再現性は大いにありえる事である。

コサメビタキ?
コサメビタキ? posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年09月17日

夏バテについて

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IMG_5648 posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の美人女性薬剤師

 大変ご無沙汰いたしております。

 凄まじい暑さがやっと一段落して、熟睡できるようになり、散歩をしていても心地よく”こんなに素晴らしい世界があったのか・・・”と思えるほどです。
 この異常気象が体に与える影響を考えると恐ろしいものがありますね。

 この夏は、動悸、息切れ、浮遊感、頭冒、目のかすみを伴った眩暈発作に悩む方が例年の5倍ほどありました。
特に普段からパニック症を持っている方や起立性低血圧の方ではその傾向が強く、今年は地獄の夏だったようです。

 標治として、釣藤鈎、石菖蒲、白彊蚕、白菊花等が入った処方+半夏白朮天麻湯
 本治としては、補中益気湯や加味帰脾湯、生脈散

の系統が飛ぶように出て行きました。

 また、クーラーが効き過ぎたスーパー等で急激な気温変化による眩暈発作を起こす方には桂枝湯や柴胡桂枝湯を持ち歩いていただき、頓用していただきました。

 そもそも夏バテとは一体何なのかを考えていた結果、ある自論にたどりつきました。

 この夏のように、気温が体温を超えると、体は体温の上昇を防ぐために、末梢血管を開き体表面に血液を動員して発汗冷却を促進しようとします。
 その結果五臓や脳への血液分布が減少し、内臓が冷え、解毒代謝、異化、同化等の働きが低下するために、疲れがとれないのでは・・・・?

 特に今年は夜になっても気温が下がらなかったため、就寝時に内臓へ集まるべき血液が相対的に不足し、慢性的な疲労が蓄積したように思うのです。
 そして、陽虚、気血両虚、陰虚の方では、その閾値が低いために、外界の環境変化に影響されやすくなります。

 またもうひとつのキーワードは三焦です。
 三焦は気と水の通路なので、外界と体内を結ぶ情報網かつ体液コントロールシステムと理解しています。
 従って、この重要なパイプが邪で塞がれると、眩暈、ほてり、動悸等のいわゆる自律神経症状が容易に起こりやすくなるのでは・・・。

 お話は変わりますが、今年熱中症が多発した原因として、梅雨明けから気温が急上昇したために、暑熱順化がうまく行く期間がなく、汗腺の働き(水分は出すがナトリウムを再吸収する)が低下していたことがあるようです。

 私は、自汗はこれのことじゃないかな???と思っているんです。

 体に良い汗と悪い汗があるようですが、自汗や盗汗の汗と、運動時の爽やかな汗とでは、中身の成分がどのように違うのだろうか・・・・というのも興味深いところです。(笑)

 お忙しいのに、独り合点なしょうもないお話をしてお時間をさき、申し訳ありませんでした。
 そういえば、関東の内科医の先生は、ひげ先生をお訪ねになられたのですね。
 素晴らしい行動力の先生ですね〜。

 ご開業間近とか・・・・ブログ仲間としてお祝いしたい気持ちです。

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IMG_6703 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:おたよりありがとうございます。
 とても興味深い分析、ブログを御覧の皆さんにもとても参考になることと思います。

 個人的により興味深かったのは、汗の分析です。それに関連して、アトピー性皮膚炎患者さんの多くは、ある程度寛解した時点においても、汗をかくと汗に反応して痒みが勃発するといわれます。

 そしてアトピーが安定した寛解状態を維持できるようになると、汗に反応しなくなる・・・・気津の交通路である少陽三焦の重要性については、日本漢方とは無縁の世界ですね。
ヒゲジジイの中医漢方薬学は、中医古方派の言い換えでもありますから、ここでは猪苓湯が重要な役割を果たすのですが、他剤との配合比率がとても重要課題となります。

 ともあれ、ブログにご協力ありがとうございます。
 最近、おたよりがなかったので、そろそろブログにご協力してくれないかな〜〜と首を長くしてお待ちしていたところでした(笑。

 関東の先生は、予告ナシに来られましたが、ヒゲジジイにはこれが一番です。

 本日も関東から漢方相談で泊りがけで来られた方がおられましたが、よく心得られていて、この方も予告なして来られました。
 ヒゲジジイに電話をかけるとほとんど断られることを皆さんよくご承知です(苦笑。

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DSC_8783 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 23:26| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする