2024年05月26日

免疫力を保つ中医漢方薬学のテクニック

 昨日、もう一つの寂しいブログに、久しぶりに投稿した記事は、

病原体の侵襲やアレルギー反応の場となる粘膜バリアを鍛える中医漢方薬学

 この沈黙好きなブログも、長く投稿を怠っていると、様々なコマーシャル画像が放り込まれる。それはそれで当然の約束とはいえ、ときに極めてエッチなものが混じるので、顔が紅くなってしまう(泣。

 ということで、敢えて投稿した内容とはいえ、有効性の高い方法を公表したものだから、このメインブログにも転載することにした。
 中医漢方薬学において、病原体の侵襲やアレルギー反応の場となる粘膜バリアを鍛えるには、

 衛益顆粒(玉屛風散)+ササヘルス+板藍茶(板藍根)+白花蛇舌草

 以上の4種類の中医方剤および単味エキス製剤や製品の併用の長期継続服用がよいだろうと考えている。

 これによって粘膜バリアにおける免疫力、要するにいわゆる粘膜免疫の働きを向上させ、重篤な感染症やアレルギーを予防できるだけでなく、上皮細胞がら発生する各種の悪性腫瘍の予防効果も得られると考えている。
応援したくないアンチの人が多いですね


2012年5月26日の茶トラのボクチン8歳と初代クロちゃん1歳 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 11:33| 山口 | 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2022年05月28日

最近の漢方薬の応用事例

 ストレスの多い職種(看護師さん)の女性が、就寝前になると焦燥感から、無性に身体を搔きむしりたくなるのに、抑肝散加陳皮半夏エキス製剤1包で即効を得ている。

 2回目のワクチン接種後に、極端な食欲不振と口腔内・気管支・食道などの乾燥感に、逆流食道炎を伴って、様々な漢方薬類を駆使しても、なかなか治まらなかったのが、柴朴湯エキス製剤+麦門冬湯エキス製剤の併用で、ようやく食欲など諸症状が回復に向かっている。

 咽喉が痛くなったので、金羚感冒錠+板藍茶などで治まったものの、空咳(乾燥性)を発し、咽喉が少しイガイガして後頭部と頸にかけて汗をかくので、手元の麦門冬湯を飲んでみたが、一向に治まらないが、何を飲んだらよいだろうか、という相談があった。

 金羚感冒錠を再開してみるか、あるいは、もしも過去に購入されたことのある桔梗石膏エキス製剤が残っていれば、麦門冬湯+桔梗石膏で試してみるように、いずれかの方法を試してみるようにアドバイスしていたところ、後者の方法で即効を得たという報告があった。
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2010年05月28日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年05月28日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 21:49| 山口 | 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2021年10月15日

漢方や中医学が一部の西洋医や薬剤師に貶められる理由

 今日はめずらしく大変地味な記事、というよりも偶感。

 西洋医学では、1例報告はエビデンスレベルが極端に低いことは常識中の常識であるが、一定レベル以上の疾患ともなると、漢方や中医漢方薬学の世界では、1例報告という特殊例だらけなので、エビデンスという言葉は馴染まないように思われる。

 漢方の科学化に精を出す奇特なメーカーさんもあるようだが、一定レベル以上の疾患になると、かなり無理な部分だらけになるのは火を見るよりも明らか。

 西洋医学では、エビデンス・エビデンスと五月蠅いほど重視されるが、中医漢方薬学世界では、常に人体およびその人の体質と病態の、共通性と特殊性をそれぞれ重視するので、その特殊性部分に対する治療方法こそが、なかなかエビデンスには馴染まない。

 このため、1例報告で終わってしまうケースが多発するので、エビデンスに凝り固まった一部の西洋医学・薬学頭の医師や薬剤師には、いつまでも頑固に理解されにくい。
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2009年10月15日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年10月15日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:エビデンス
posted by ヒゲジジイ at 15:33| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2021年10月02日

しっかり学ぶべき生薬単味の利用方法

 今週一週間は意外に忙しい日々が続いて、半ドンの土曜日とて、午後は一週間の疲れと睡眠不足を取り返すかのように、午後8時まで爆睡してしまった。

 といっても、昼食後はしばらくDAZNで本日早朝に行われた海外のボクシングを「見逃し配信」で3試合目を観戦中に、睡魔に襲われたまま爆睡となったのだった。まだ残りの数試合の観戦が残っているので、このブログをアップした後に、遅い夕飯を食べながらの観戦である。

 それはともかく、本題に入ると、単味の生薬類の利用方法を心得ていると、各種方剤類の加味として、素晴らしい効果を発揮するどころか、それなくしては治療効果を発揮できないと言っても過言ではないほど重要な加味となること必定。

 そのような各種貴重な生薬類を一々上げると際限がなくなるので、例えば地竜である。
 一般的には解熱剤の効能として市販されており、しかも安売り競争が激しいので、販売店には利益の上がらない面白くない漢方系の医薬品となっている。そのように販売店にとっては利益は得られなくとも、利用方法によっては想像以上の威力を発揮するエキス製品である。

 日本では既に民間療法としても長く使用されて来たものだけに、中薬学としての学習は必須であるが、日本の民間療法で長く使用されて来た歴史も参考になる。

 そういえば、2005-12-17 21:53 に他のブログに書いた記事は、当時は大人気だったが、数年前から検索からブログが虐待されるようになって、訪問者は少なくなっているようだが、
すぐれた消炎鎮痛剤「地竜(ちりゅう)」つまり、ミミズ
 少しは参考になるかもしれないが、すべてを書き尽くしているわけではない。

 蛇足ながら、上記のブログではなく、このブログの昨日はわずか79名の訪問者であっても、このシーザブログの中で「ヘルス/ビューティー :6位 / 373160ブログ中 」という順位である。だから90名を超す訪問者があった日には、3〜4位になることは珍しくない。
 それほど昨今、ネット検索ではブログはひどく虐待されている。以前はこのブログでも日々、最低500名以上、多くて1000名を超える日も珍しくなかった。

 それはともかく、他にも抗菌中草薬類や抗病毒中草薬類など、利用方法は尽きないが、この分野だけは中薬学の書籍類で学ぶべきで、日本では健康食品扱いされているものが多いので、ブログで論じることはできない。おかしな日本である。
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2010年10月2日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年10月2日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:地竜
posted by ヒゲジジイ at 22:15| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2020年08月24日

寒熱が錯雑しやすい季節

 猛暑が続く日々、ヒゲジジイは、例によって「練乳かき氷」を過食しては、胃腸が冷えるので、折々に高濃度の勝湿顆粒(藿香正気散エキス製剤)を服用しては、熱証の腰痛には心龍+地竜などとともに牛黄製剤はもとより、白花蛇舌草や板藍茶など、昨今は愛用方剤や中草薬は多いが、常連さんの中には、季節に応じた対処方法に熟練している人も多い。

 たとえば、ご主人が暑がりで愛煙家のお陰で、夏はクーラー漬けで、もともとの冷え性も加わて、肩こりなども生じるので、昨今は独活葛根湯や葛根湯が大活躍という。

 長年のご主人の哲学の煙の影響で、呼吸器が弱く、常には柴胡桂枝乾姜湯を愛用しながら、症状が激しいときは、辛夷清肺湯・竹葉石膏湯・小陥胸湯加減方製剤などを上手に使い分けて、即効で治めている。

 寒がり冷え性の体質であっても、絶え間ない哲学の煙が襲来し続けるお陰で、折々に肺熱や肺陰虚の病状を呈するのである。

 この寒熱錯雑の機微は、長年、村田漢方堂薬局の中医漢方薬学で徹底的に鍛えられた常連さんたちは、こちらのアドバイスをヒントに、かくも上手に対処されるのは、他にも婦人科疾患など様々な領域の漢方指南を受けた体験から、素直に身に付くものらしい。

 そのような数十年以上の常連さんは、好い加減なネットで拾った知識に汚染されていない分、中医漢方薬学の臨機応変、融通無碍の漢方運用を自然にマスターされるので、逆に面白い配合パターンを報告されることもあって、じつに微笑ましい。

 なお、我が家では、今年から台所の換気扇が壊れたのを幸いに、喫煙は裏庭でしか行わない習慣となっているので、上記のような女性の呼吸器の問題は、滅多に起こらなくなっている。

 とはいえ、肺に残存した煙が微量であっても、敏感な愚妻に文句を言われることも、無きにしも非ず(苦笑。
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2010年8月24日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年8月24日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 12:55| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2020年03月15日

過信は禁物

 新型コロナウイルスに対する中医学的な方剤の効果的だったという情報が、中国から様々に報告されているが、そのまま日本に通用するとは限らない。

 過去、慢性疾患などで、中国に行って、中医師などに診察を受け、処方してもらった方剤が、胃にもたれて続けられなかったという話を、以前、何度も聞かされてきた。

 さらには、中国からやって来られた中医師が、日本人の体質などに馴染むまで、なかなか効果的な方剤を投与できなかったが、半年過ぎる頃に、ようやく日本人向けの方剤を適切に処方することができるようになったという話。

 事程左様に、風土的な問題や、人種的な体質上の問題など、想像以上に侮れない問題が、中医学や漢方医学に潜在しており、西洋医学以上の大きな隔たりがあるように思われる。

 日本という土地に暮らす人々には、和辻哲郎が書いた『風土』的な条件は、無視できないはずである。

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2012年03月15日の茶トラのボクチン(7歳)とクロちゃん(1歳未満)
2012年03月15日の茶トラのボクチン(7歳)とクロちゃん(1歳未満) posted by (C)ボクチンの母
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2019年11月22日

柴朴湯加麦門冬のみならず、半夏厚朴湯加麦門冬という優れた加味方剤

 半夏厚朴湯加麦門冬の存在意義は、先日のブログ

2019年11月16日 燥性の強い柴朴湯には必ず麦門冬を加えるべきこと

と同様である。

 最近も、咽喉の異物感を訴えるやや高齢の女性に、定石通り、半夏厚朴湯で8割がた改善を得ていたが、咽喉の一部に、痰が張り付いた箇所が、どうしても取り切れないという。

 そこで、これも村田漢方堂薬局では定石通り、半夏厚朴湯エキス剤の全量に対して、麦門冬湯の半量を併用してもらうことにしたばかり。

 40年前の日本漢方しか知らなかった時代でも、しばしば半夏厚朴湯合麦門冬湯によって、咽喉の異物感に悩む人たちに好評を得ていたが、しっかりした理論武装のないまま行っていた合方だっただけに、常に、些かなりとも、うしろめたさが付き纏っていたのだった(苦笑。

 その後、中医学理論を学ぶことによって、このような合方の必然性が折々に生じることに、大いに自信を得たものだった(呵々。

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2011年11月22日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年11月22日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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2019年09月05日

活血化瘀の方剤が胃の不快症状の改善に役立つこともある

 以前から、脾胃関連の方剤だけよりも、桂枝茯苓丸などの活血化瘀の方剤を併用したほうが、明らかに心窩部などの不快症状が改善されると言われる医療関係者(医師)がおられる。

 最近、常連さんの中には、生薬製剤二号方を血栓予防で、従来の持薬とともに併用するようになって、胃の調子が明らかに改善されたと喜ばれるケースが散見される。

 「いわゆる胃症状」で、活血化瘀の方剤が適応する体質と病状を見分けるのは、かなり至難の業である。

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2012年9月5日の体調を壊して三ヶ月経過した茶トラのボクチン(8歳)
2012年9月5日の体調を壊して三ヶ月経過した茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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2019年01月11日

数回以上、直接通うことで見えてくる、隠れたもう一つの疾病の本質

2012年01月11日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月11日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 初回から一定の効果があっても、まだまだ不十分なことが多いのは当然で、かなりな時間を費やして様々に弁証したところで、初対面ということもあって、十分に疾病の本質を把握できるとは限らない。

 何度か通われるうちに、次第に打ち解けたところで、比較的詳細な生活史が語られたところで、弁証上、重要な情報がもたらされることも多い。

 だから、1〜2回通われたところで、一定の効果があったといっても、できるだけ数回以上、直接通われる人の方が、断然有利なことは間違いない。

 昨今、しばしば遭遇するところでは、多くの頑固な慢性疾患にともなって、肝氣鬱結が伴っていたことが判明するケース。
 すなわち、フィットすれば、あらゆる領域に介入可能な四逆散証系列の病機が伴っているケースで、最終的にこれらのうち、適切な方剤を追加することで、しっかりと安定した効果が出て来たケースがとても多い。

 あるいは、初期に把握していたよりも、想像以上に重度な瘀血を伴っており、強力な活血化瘀の方剤を追加することで、安定した効果が出せたケースなど、内容は実に様々なことが、後になって判明することは珍しくない。

 だから一度来られたくらいで、直ぐに通販に切り替えようと考えている人は、何度も通う人に比べて、とても不利であることに間違いない現実がある。

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2012年01月11日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月11日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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2018年03月29日

四逆散は、本来あらゆる領域の慢性疾患に対する繁用方剤であるべき理由

2011年03月29日の茶トラのボクチン(歳6半)
2011年03月29日の茶トラのボクチン(歳6半) posted by (C)ヒゲジジイ

 本来なら、繁用方剤であるべき四逆散の応用ヒントは、陳潮祖先生の諸著作(『中医病機治法学』や『中医治法与方剤』など)のほんの要点だけをまとめてみると、以下のようになるだろう。

 調気疏肝・柔和経脉の四逆散は傷寒論曰く「少陰病、四逆し、その人あるいは咳し、あるいは悸し、あるいは小便不利し、あるいは腹中痛み、あるいは泄利下重するとき」に適応するとされる。

 しかしながら、薬物の効能と君臣佐使だけで方意を分析すると、腹痛に対する説明はできても、その他の諸症状に対する適応を説明できそうもない。これを「以薬釈方」〔薬物の方向から方剤を解釈する〕という。

 このため、腹痛以外の適応症を説明するには、四逆散の調気疏肝・柔和経脉という治法によって方剤を解釈しなければならない。これを「依法釈方」〔治法にもとづいて方剤を解釈する〕という。

 すなわち、四逆散の適応症を「あるいは」として五つの症状を挙げているが、これらのどの症状も五臓それぞれの病理変化が反映したものであり、肝気鬱結によって筋膜の柔和を失ったために、気血津液が失調して五臓の病変を誘発したときにこそ、調気疏肝・柔和経脉の本方が適応するというわけである。

 以上のことから、ため息や深呼吸を繰り返しやすい、やや鬱っぽい人たちの極めて広い領域(西洋医学的にもあらゆる領域)の各種慢性疾患に対して、基本方剤として使用すべきケースが意外に多いことに気が付くことだろう。

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2011年03月29日の茶トラのボクチン(6歳半)
2011年03月29日の茶トラのボクチン(6歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:四逆散
posted by ヒゲジジイ at 12:49| 山口 | 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2018年03月27日

ADHD(注意欠陥・多動性障害)に漢方薬の数年連用によって徹底的に根治した事例

2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 我が薬局においては、小学生低学年の子供さんの漢方相談は珍しいが、常連さんの親戚で、県外遠方の子供さんということで、その常連さんの報告能力を信頼して、本人の来局のないまま、四逆散+六味丸の各錠剤で様子をみてもらうことになった。

 通常なら、抑肝散系列の方剤(抑肝散加陳皮半夏や抑肝散加芍薬黄連あるいは抑肝散加厚朴芍薬など)を主体にしたいところかもしれないが、家系的に四逆散がフィットする人が多いことから、敢えて四逆散を主体に様子を見てもらうことになった。

 根気よく続けること数年、元気な姿を見せに訪れたときには、ほんとうに立派な子供さんに成長されて、すっかり根治していた。

 本人が来られないで漢方薬を出すことは、まったく例外的なことではあったが、ゴッドマザー的なしっかりした常連さんの依頼だけに、しかも詳細な観察力と情報提供能力抜群の女性であったから、可能なことだった。

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2012年03月27日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年03月27日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

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2017年11月13日

中医漢方薬学の優れた点は

2009年11月13日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年11月13日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 どんなに頑固な慢性疾患であっても、たとえ西洋医学的に病名が特定できない場合でも、丹念な弁証論治を行えば、ほとんどの場合、一定の効果を発揮して、少なくとも現状よりも好転させることができること。

 漢方医学と中医学を合体させた中医漢方薬学の、これが優れた点である。

 ブログの更新をさぼっていると、心配される人がおられるので、しぶしぶ書いてみると、いまさら言うまでもない、当然の内容となってしまった(苦笑。

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2010年11月13日の茶トラのボクちん(6歳)
2010年11月13日の茶トラのボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母
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2017年04月02日

中医学派が日本古方派に学ぶべきこと:同病異治と異病同治

2010年04月02日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年04月02日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 中医学は「同病異治」の医学であり、日本の古方派漢方は「異病同治」の医学である。すなわち、中医学は『金匱要略』を発展させたものであり、古方派漢方は『傷寒論』を日本独自の発想で応用・発展させたものである。

 以下、陳潮祖先生著『中医病機治法学』の重要な指摘を主体に参考と引用を交えて、簡略に述べたい。
 
 張仲景は『傷寒論』において、外感疾患の伝変法則を検討する形式を取りながら、「臓腑経絡を綱領として病機分析を進める方法」の道を開き、世に知らしめた。

 一方、『金匱要略』においては、『傷寒論』と同様に臓腑の生理・病理を根拠としているものの、病の種類別に病機を検討する形式を取っている。

 したがって、『金匱要略』においては『傷寒論』では存在しなかった「病名分類」が重要な位置を占めている。

 このようにして仲景は『傷寒論』を経とし、『金匱要略』を緯として、二書を縦横に連繋させ、以後の中国伝統医学における道標(みちしるべ)となる模範を示した。

 ところが、金元時代からは学科の分科が始まり、それ以後は病名別に病理を探究する方式が中心となり、『金匱要略』を基礎とした「同病異治」の理論研究が主体となったまま現在に至り、そしてそれがそのまま現代中医学の基本的な特徴とさえなった観を呈している。

 つまりは「それぞれ異なった病機に同一の症状が出現する」ことに対する治療方法の研究という同病異治の研究が、現在に至っても中心的な研究対象となっている。

 現実には「同一の病機においても多種類の症状が出現する」ものであるが、中医学世界では、この「異病同治」に対する明確な概念の追究は明らかに遅れを取っているとは、陳潮祖先生の指摘されるところである。

 仲景が示した模範を十分に発展させて来たとは言い難く、一面的な発展方向にあった過去から現在までの状況を打破するには、日本古方派に学ぶべきことが多いのである。

 そこで、手前味噌の中医漢方薬学と言いたいところだが、日々の仕事に追われて疲労困憊の日々、学問的な考察と執筆を怠って久しく、来世における研究課題としておきたい(苦笑。

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2012年04月02日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月02日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

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2017年03月18日

日本漢方と中医学、それぞれの特徴を一言で云えば・・・

2009年03月18日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年03月18日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 日本漢方は理屈が無さ過ぎるが、中医学は理屈が多過ぎる。

 それぞれを足して2で割るくらいが、現実的には、臨機応変に最もフィットした有効な方剤を選択しやすいように思われる。

 だから中医漢方薬学(笑。

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2009年03月18日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年03月18日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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2016年12月14日

村田漢方堂薬局で最も流通量の多い第2類医薬品としての漢方薬三羽烏は

2009年12年14日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年12年14日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 ダントツの1位は何といっても茵蔯蒿湯。

 2位は猪苓湯だが、特徴のある数社の顆粒剤を使い分け、さらに錠剤も揃えている。

 3位が六味丸系列の各種製剤で、それぞれ顆粒剤もあれば、錠剤や丸剤も使い分けている。

 茵蔯蒿湯+猪苓湯+六味丸は、臓器的には肝腎に作用するもので、軽度の腎不全傾向のある人達の基本的な三羽烏になることもあるし、アトピー性皮膚炎の基本的な三羽烏に豹変することも多い。
 さらには間質膀胱炎や前立腺炎の人達の基本的な三羽烏に豹変することもある。

 といっても病状によってはさらに黄連解毒湯や補中丸が加わったり、茵蔯蒿湯のところが衛益顆粒(玉屏風散エキス製剤)になったり、あるいは白花蛇舌草に変更したり、猪苓湯や六味丸のところが大柴胡湯に入れ替わったり、それぞれの方剤も、それぞれに様々な入れ替えも当然あり得ることである。

 このように特定の少ない方剤で、多方面に応用する我が流派である『中医漢方薬学派』とはいっても、要するに『中医古方派』と言い換えることもできそうである(呵々。

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2009年12年14日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年12年14日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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2016年10月04日

用法・用量の記載よりも少ない量で充分に奏効しやすい中成薬や漢方製剤

2016年10月3日のシロちゃん(メス3歳)
2016年10月3日のシロちゃん(メス3歳) posted by (C)ボクチンの母

 腎陽を温補する海馬補腎丸や、疏肝理気の開気丸などは、村田漢方堂薬局では単独で服用してもらうことは滅多にないもので、主方剤の補助的な製剤として重要な脇役である。

 脇役ではあっても必須なもので、海馬補腎丸などは不妊症の人たちの補助薬として、ほんの少量を加えることで効果を発揮し、用法・用量に記載通りの量を必要としたことはほとんど皆無。

 疏肝理気の開気丸も、柴胡桂枝湯や麻仁丸などの補助として、しばしば併用してもらう機会が多いが、これも少量で効果を発揮することが多いので、用法用量に記載されている半量前後でも十分に効果を発揮してくれることが多い製剤である。

 また、独活葛根湯は頚椎症関連でも重要な方剤であるが、市販される製剤の多くが撤退して製造中止や廃止を決めたメーカーさんが多く、引き続き市販されている製剤は、やや高濃度なので、指示される用法・用量よりも3分の2量でも多くは十分に効果を発揮する。

 蛇足ながら、しばしば相談に訪れる重症のアトピー性皮膚炎で消風散証を呈する人達には、しっかりフィットしていても、控えめ目の量ではビクとも効果を示さないことがある。

 ともあれ、今回のブログは、人間よりも霊性の高い猫ちゃん達の写真を貼りたい口実のために、専門家に多少でもヒントになるかもしれない、実践的なことを述べてみた(呵々。

続きは ⇒ 我が家の天使たち

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2016年10月3日の茶トラのトラちゃん(メス3歳)
2016年10月3日の茶トラのトラちゃん(メス3歳) posted by (C)ボクチンの母

2016年10月3日のシロちゃん(メス3歳)
2016年10月3日のシロちゃん(メス3歳) posted by (C)ボクチンの母

2016年10月3日のスコちゃん(オス3歳)
2016年10月3日のスコちゃん(オス3歳) posted by (C)ボクチンの母

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2016年04月04日

やっぱり有効だった咽中炙臠に天津感冒片のトローチ使用

2011年04月04日の茶トラのボクチン(6歳半)
2011年04月04日の茶トラのボクチン(6歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 前回に書いた、もうお一人の咽中炙臠。
 この人の場合は、話す機会が多いだけでなく、数十年来のビールの愛飲者であったことから、咽喉のアルコール焼けも加わっているのかもしれない。

 今朝、その女性がやって来て、咽喉が気になったときに1錠舐めると、明らかに症状が軽減するようなので、1日3回、気になる都度続けてみたという。

 もう一人の女性ほどの即効とは言えないが、そのまま気長く続ければ、そのうち治ることだろう。

 咽中炙臠には半夏厚朴湯という相場が決まっているようだが、現実にはそうばかりとも言えず、原因によっては麦門冬湯ということも意外に多いが、何らかの原因で軽度の慢性炎症が続いているために、咽中炙臠に似た症状が固着してしまった場合は、上記の方剤類ではまったく無効である。

 そのようなときにこそ、天津感冒片のトローチ使用が最適なこともあるということだろう。

 蛇足ながら、この女性には初回から柴胡加竜骨牡蠣湯+八仙丸(麦味地黄丸)によって高血圧が正常範囲に治まり、同時に夜間の頻尿が治っているので継続服用するも、咽中炙臠には無効だったので、天津感冒片のトローチ使用を行ってもらったのが正解だったという訳である。

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2011年04月04日の茶トラのボクチン(6歳半)
2011年04月04日の茶トラのボクチン(6歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年04月04日の茶トラのボクチン(6歳半)
2011年04月04日の茶トラのボクチン(6歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年04月04日の茶トラのボクチン(7歳半)の大あくび
2012年04月04日の茶トラのボクチン(7歳半)の大あくび posted by (C)ヒゲジジイ

2012年04月04日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月04日の茶トラのボクチン(7歳半)の大あくび posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 17:42| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2016年03月27日

こんなに長くやっている仕事だが・・・

2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 ボクチンの写真を貼る口実がないので、ブログの更新を休もうかと思っていたが、フッと日々の仕事を思い返してみると、今更ながら奇異な感じが襲ってきた(苦笑。

 考えてみれば、実に不思議な仕事をやっているもので、実証科学によって完全には証明されている訳でもないのに、しかも日本漢方の多くの専門家さん達のみならず、日本の中国思想の学者さん達でさえ、陰陽五行学説を荒唐無稽だと断言されているというのに、この陰陽五行学説を土台にして発展した中医学理論にもとづいて、西洋医学でお手上げになるような慢性疾患がかなりな確率で改善できるということ。

 実際のところ、本当に荒唐無稽な理論であれば、あれだけの効果を発揮できるはずもないし、どこへ行っても治らなかった人達が、遠路はるばるやって来て、ようやく改善を得て喜ばれる筈もない。

 百発百中とまでは行かないまでも、お互いに本気で真摯に頑張る気概さえあれば、一応の効果は短期間で出て来ることが多いし、効くと治るとは大違いとはいっても、効果があれば継続して頑張る気にもなるのが人情、四季折々の病状の変化に応じた配慮を怠らなければ、9割以上の安定した改善効果を得られる現実は、否定派の学者連中が、なんといっても厳然たる事実なのである。

 でも、だいぶこの世の人生に疲れたな〜っ。

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2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年03月27日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年03月27日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年03月27日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 
posted by ヒゲジジイ at 17:41| 山口 ☔| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2016年02月14日

ネットの情報は便利だが・・・

2009年02月14日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月14日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 ネットの情報は確かに便利だが、こと専門的な漢方薬に関しては、一般的なことは書かれていても、高度な応用方法までは滅多に書かれてないし、部分的に書かれていることがあったとしても、基礎理論を知らないシロウトさん達が読んだところで、的確に使用できるとは限らない。

 たとえば、超有名な葛根湯などでも、諸条件が揃えば、アトピー性皮膚炎や眩暈(めまい)などにも応用されるが、その諸条件というものが、基礎理論を知らずに安易に使っても的確に使用することが困難だろう。

 ましてや西洋医学治療で治らなかったり、通常の漢方薬でも治らなかったような頑固な慢性疾患では、単一の方剤では到底治癒機転は得られず、数方剤以上の配合が必須となるのは常識と考えた方が無難である。

 そうなると、素人療法ではお手上げである。

 一定レベル以上の頑固な疾患になると、安易な病名漢方やマニュアル漢方では到底通用するものではない。

 言っては何だが、漢方薬というよりも中医薬世界は、極めて専門性が高く、一般のシロウトさんはもとより、たとえ医師や薬剤師がちょっと齧ったくらいでは、容易に習熟できる世界ではない。

 これを専門に何十年も専念して来たとて、適切な方剤を見つけるのに、相当な時間をかけて、複雑な弁証論治を繰り返し行って、ようやく方向性が見えることも多い。

 現実的には、しばしば最初に即効を得ることが多いものの、それでも配合が不足していると、次第に効果が減じて来ることがある。

 そこで何が不足しているのか、再度熟考する必要が生じたり、疾患の性質によっては、アトピー性皮膚炎のように季節変化が激しい疾患などでは、少なくとも1年を通じて慎重な弁証論治を繰り返し、配合の微調整の傾向と対策を練っておく必要がある。

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2010年02月14日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月14日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年02月14日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月14日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年02月14日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月14日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年02月14日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月14日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 09:05| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2016年01月22日

車の運転時に前後左右を走行する車にイライラする女性達は

2012年01月21日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月21日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

 このような特徴的な性格タイプの女性達は、逍遥散系統の体質者の可能性が高く、多くは加味逍遥散証と言っても過言ではない。

 長年の観察では、他証の合併があるせよ、少なくとも加味逍遥散証を伴っていることが多い。

 だから、しばしば女性に質問する項目に、車の運転時の精神状況を質問するように心がけている。
 そうすると、よもやと思われる淑女然とした温厚そのものに見えるご婦人方でさえも、意外やイガイ、ジキル氏とハイド氏の如く、恐ろしきまでに豹変する人達の何と多かったことかっ!

 もちろん全員ではないだろうが、車の運転時に野獣に豹変するご婦人方のほとんど多くの人が加味逍遥散証であり、ときには抑肝散証ということすらある。

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2012年01月21日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月21日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年01月21日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月21日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:加味逍遥散
posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする