2023年11月07日

心臓・脳血管・腎臓を守る基本的な漢方薬

 将来、寿命に直結する心臓・脳血管・腎臓を守る基本的な漢方薬の配合は・・・。

 (1)「冠元顆粒」あるいは「生薬製剤二号方」に、
 (2)「雲南田七」や一等級の最高級品の「雲南田三七人参」と、
 (3)六味丸系列の方剤(杞菊地黄丸や杞菊妙見丸および杞菊顆粒あるいは八仙丸など)

 以上の3種類が基本。

 冠元顆粒や生薬製剤二号方で、熱感が強く生じる人は、知柏地黄丸などでバランスをとれる場合があるが、中にはもともとこれらが合わない人も稀にある。

 そのような例外者を除いて、上記の3種類を基本に長期間服用することで、かなりなレベルで心臓・脳血管・腎臓を守る。

 すなわち狭心症や心筋梗塞、各種脳血管障害および腎機能低下や腎不全の予防である。

 さらには麝香製剤や牛黄配合製剤も併用するのが理想であるが、牛黄の暴騰により、以前のように気安く続けることは、一部の人に限られている。
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2012年11月7日亡くなる前日の茶トラのボクチン8歳 posted by (C)ボクチンの母

 
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2023年10月04日

免疫力・抵抗力・健康維持に実績のある漢方

 コロナやインフルエンザの感染が盛んだが、秋から冬に向かう頃にはどうなっていることやら。

 以下の方法は一部の人達だけが実際に行っている予防の理想形。

@ 衛益顆粒(玉屛風散エキス製剤)
A 板藍茶
B 白花蛇舌草
C ササヘルス
D 金羚感冒錠少量のトローチ使用
E 六味丸系列の各種方剤(八仙丸=味麦地黄丸や杞菊地黄丸など)

 これだけのものを1日2〜3回服用。

 もしも感染したら、実際の具体的な症状に応じて、様々な方剤が必要となるので、各種急性用の常備薬と、気管支系の常備薬も必要とする。

 昨今、仕事を終えると、読書とサッカーやボクシング観戦が忙しく、ブログの更新をまるっきし忘れていた。

 常連さんの補充注文時に指摘されて思い出し、上記の内容でお茶を濁すのみ。
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2023年05月16日

便利な柴葛解肌湯

 40年以上前のことだが、虚弱な女性薬剤師は、ちょっと風邪気味になると、首の真裏が凝り、咽喉が痛く、食欲が無くなる。

 ところが、寒気も熱感もはっきりせず、葛根湯証ほどに寒気を強く感じるわけでもないというときが多かったらしく、その頃の愛用方剤「葛根湯+小柴胡湯+桔梗石膏」によって、即効で快癒していたという。

 当時、それはまるで柴葛解肌湯だね、と言ったものだが、同じ頃、これと同じ配合で、当時の常連さんの大人の息子さんが真冬、風邪を引いて高熱で苦しんでいるというのに、著効を得ている。

 当時は本物の柴葛解肌湯が無かった時代、昨今は小太郎さんからエキス製剤があるので超便利。

 わが薬局では、第8波のコロナ感染者に、柴葛解肌湯が大活躍だった。

 ところで、コロナが始まる数年前だったか?
 吾輩の経験でも、起床後、突然気鬱になって気怠く、足だけが冷えを感じるが、やや首が凝っているので、もしや風邪でも引いたかというので体温を測ると36度8分、平熱よりも1度高い!

 風邪にしては咽喉の異常はまったく感じず、外に出ると涼しい風が気持ちよいくらいという矛盾した状況下、過去なんどか尿路結石の経験があるので、もしかして急性腎盂腎炎のはじまりかもと不安になり、柴葛解肌湯+板藍茶+白花蛇舌草+猪苓湯を服用したところ、夜は36度3分、翌日の明け方は35度5分、起床後は35度8分で、完璧に平熱にもどり、気鬱も食欲不振も完全に雲散霧消ということがあった。

 その後、柴葛解肌湯を柴胡桂枝湯に切り替えて、しばらくその4種類を続けたが、もともと風邪など滅多に引かない体質で、10年に1回あるかなきかだが、あれは本当に風邪だったのかどうか?

 気鬱と首コリと食欲不振と微熱、足冷えを感じる割には涼しい風が気持ちよい、という一連の症候からは、柴葛解肌湯証があったにせよ、いまだに急性腎盂腎炎の前兆だったのではないかと怪しんいる。
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2012年05月16日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年05月16日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:柴葛解肌湯
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2022年10月17日

困ったときの柴胡桂枝湯?

 あらゆる方剤を試みても、効果が一向に出ない場合、すべてとは言わないが、自律神経系の異常や、免疫系の異常が絡んでいる可能性がある場合、意外にこの方剤で好転する場合がある。

2021年11月19日 懐かしい里帰りが続く

 上記でも書いたことだが、もとは故相見三郎先生のご高説によるもので、もともと

2020年09月15日 メマイなど、ストレスの多い時代には

で取り上げていたものだが、故相見三郎先生が、昭和46年発行の『漢方の臨床』誌の第200号記念特集号に、『傷寒論の特質と治療方針及びその診療の実際について』と題された中で、「正邪分争」など、傷寒論の条文のみならず、素問なども数多く引用されて、極めて詳細に論じられていたものである。

 すなわち「小柴胡湯合桂枝加芍薬湯の自験に基づく傷寒論思想の理解」の項目中で、心臓神経症・自家中毒・チック症、夜尿症、円形禿頭、喘息、蕁麻疹、潰瘍性大腸炎,偏頭痛、パルキンソン氏病(パーキンソン病)、メニエル氏病、リウマチ、バセドウ氏病、無月経、月経困難症、手掌角皮症、腰痛、帯下、ノイローゼ、不眠症、神経痛、神経麻痺、胃潰瘍、てんかんなどに対する有効性を論じられながら、実際の治療統計を公表されていたもの。

 小柴胡湯合桂枝加芍薬湯とは要するに、柴胡桂枝湯中の芍薬を2〜3倍に増量したものに過ぎない。

 それゆえ、実際の仕事上では、柴胡桂枝湯を様々な方剤と併用することも多いが、たとえば桂枝茯苓丸証を伴っている場合は、小柴胡湯合桂枝茯苓丸でもよいが、柴胡桂枝湯合桂枝茯苓丸料エキスによって芍薬を増量するこことが可能であるなど、合併する証候によって、併用方剤を加えることで、応用範囲はさらに広範囲となる。

 この内容を取り上げるのは3回目だが、文字通り「三度目の正直」ということである。

 といっても、老いの繰り言と言われかねないが。
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2011年10月17日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年10月17日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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2022年04月05日

滅多に奨める機会がなっかった方剤だが、最近になって・・・

 以前は滅多に販売することがなかったものの、最近、折々に奨めてフィットする機会がある方剤は、先日取り上げた安中散以外にも、茯苓飲や八味地黄丸。

 八味地黄丸こそ世間では超繁用方剤であっても、我が薬局には、巷の薬局の相談で解決できる八味地黄丸証レベルの人が来られる必要はなかったということなのだろう(苦笑。

 ところが、常連さんも、高齢者が増えるにつれ、年齢は争えない部分があるようで、夜間の頻尿などで八味地黄丸を必要とする人が次第に増えつつあるようだ。

 とはいえ、よく奏功するからといっても、持病に潜在的な蓄膿症や後鼻漏などがあると、配合される附子のお陰で、再発させる場合があるので、他薬との配合バランスの配慮が必要となる時があった。とどのつまりは、辛夷清肺湯と併用するなど、寒熱錯雑に対する対処が必要となる。

 附子剤というものは、いくらフィットしている場合でも、他の持病が潜在的にある場合、とりわけ肺熱や肺陰虚が潜在している場合には、肺熱を誘発したり肺陰を損傷しやすいので、その点だけは注意が必要である。

 茯苓飲については、関東のベテランの開業医の先生が、逆流性食道炎には、茯苓飲や、茯苓飲+半夏厚朴湯でよく奏功する患者さんが多いことを数年前から伝授されていたのだが、最近になって、従来の方法では効果が乏しい場合に奨めてみると、劇的な効果があるタイプがあることに驚いている(苦笑。

 よく奏功する人は、他にも諸症状があるため、一時休薬して他の症状に対する方剤に切り替えていて、何かの拍子に症状が再発した折には、直ぐに茯苓飲+半夏厚朴湯を再開すると、短期間で治まるという幸運な人もいる。

 従来は、大柴胡湯+オルスビー錠、柴胡桂枝湯(あるいは安中散)+オルスビー錠やササヘルス、あるいは稀に六君子湯+オルスビー錠など、体質と症状によって様々であったが、茯苓飲+半夏厚朴湯が奏功するタイプの人は、上記のベテランの先生のアドバイス通り、かなり多いのかもしれない。
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2011年04月05日の茶トラのボクチン(6歳半)
2011年04月05日の茶トラのボクチン(6歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:茯苓飲
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2021年11月28日

あり得ない合方、とは言えない、大いにあり得る合方

 胃腸が弱くて柴胡桂枝湯証を呈し、良くフィットしている人が、もう一つ疲れやすくて困っている人に、さらに補中益気湯を併用すると効果的というケースが意外に多い。

 そのような人が、冷え性というよりも、常時じゃなくとも、折々に極端に寒がるの常連さんに、衛益顆粒(玉屛風散エキス製剤)を加えると著効を奏したが、最近あったばかり。

 冷え性というよりも、寒がりに悩んでいる人には衛益顆粒がよく奏功する。

 病院漢方では以前、気管支炎や気管支喘息といえば、合いもしないのに小青竜湯を乱用され、却って乾燥性の咳嗽や呼吸困難を生じて、相談に来られる人が多発し、その当時はしばしば麦門冬湯などで快癒したケースが多かった。

 ところが、昨今は小青竜湯に懲りたのか?麦門冬湯が投与されているケースがほんとうに目立つ。しかしながら、小青竜湯を乱用されていた当時のように困った副作用が出ない代わりに、一向に効果が出ないという相談がしばしば。

 そのような人には竹葉石膏湯+辛夷清肺湯や、さらには小陥胸湯加減製剤などで対処できたケースもあれば、せっかく投与されている麦門冬湯を有効活用できるケースもあった。

 たとえば最近、遠方の常連さんが、最近突然発症したという気管支喘息、病院ではピント外れの麦門冬湯を投与され、効果が無いので相談を受けたものだが、その麦門冬湯を有効活用すべく、日頃から常用されていた柴胡加竜骨牡蠣湯を考慮し、半夏厚朴湯を送ってあげて柴朴湯の方意に近づけ、この3方剤の合方でよく奏功した。

 柴朴湯加麦門冬の必要性については、このブログで過去、2019年11月16日 燥性の強い柴朴湯には必ず麦門冬を加えるべきこと など、その意味するところを、何度かしっかり書いているので省略する。

 これらは柴胡桂枝湯+補中益気湯の合方と同様、決して希な配合ではないのだが、日本漢方入門当初には、絶対にあり得ないと信じていたのだから、当時のレベルの低さを思い出すと恥ずかしい。
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2009年11月28日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年11月28日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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2021年11月19日

懐かしい里帰りが続く

 里帰りといっても、もともと山口県下関市出身だから、里帰りどころか、大学時代に、ちょうど父の神戸への転勤とも重なったお陰で、関西に5年半いた以外は、常に里帰りの状態である。

 ここで里帰りというのは、本業の漢方相談において、日本古方派時代に繁用した方剤を、いつの間にか、あの当時のようによく使うようになったという意味である。

 その最たるものが、柴胡桂枝湯。お里帰りも良いところで、2020年09月15日 メマイなど、ストレスの多い時代には でも書いた
ずいぶん昔の話だが、故相見三郎先生が、たとえば昭和46年発行の『漢方の臨床』誌の第200号記念特集号に、『傷寒論の特質と治療方針及びその診療の実際について』と題された中で、「正邪分争」など、傷寒論の条文のみならず、素問なども数多く引用されて、極めて詳細に論じられつつ、「小柴胡湯合桂枝加芍薬湯の自験に基づく傷寒論思想の理解」の項目中で、心臓神経症・自家中毒・チック症、夜尿症、円形禿頭、喘息、蕁麻疹、潰瘍性大腸炎,偏頭痛、パルキンソン氏病(パーキンソン病)、メニエル氏病、リウマチ、バセドウ氏病、無月経、月経困難症、手掌角皮症、腰痛、帯下、ノイローゼ、不眠症、神経痛、神経麻痺、胃潰瘍、てんかんなどに対する有効性を論じられながら、実際の治療統計を公表されていた。
2020年09月15日メマイなどストレスの多い時代には
というような応用範囲の極めて広い柴胡桂枝湯に里帰りである。

 コロナ禍が続く昨今、精神的なストレスから、様々な体調不良を訴える人が増え続けるので、漢方相談の仕事は尽きない。たとえ、まったくの新規の相談者を受けない日々が続こうとも。
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2011年11月19日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年11月19日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:柴胡桂枝湯
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2020年09月15日

メマイなど、ストレスの多い時代には

 我が薬局に関しては、コロナの時代になって、例年になく目立つのは、メマイを訴える新旧の相談者たち。

 やや高齢の人達によくフィットするのは、釣藤散+半夏白朮天麻湯+六味丸系列の方剤。

 それより若い年齢層でも、半夏白朮天麻湯証を呈する人が多く、釣藤散の併用も必要なこともある。

 世間で頻繁に使用されるらしい苓桂朮甘湯がフィットしそうな人は、以前から村田漢方堂薬局では、そのようなタイプの人は少ない。

 以前から、重症のメニエール氏症候群には、釣藤散+半夏白朮天麻湯+六味丸系列の方剤という3種類の併用によって、しっかりフィットして、根治する人も多かった。

 なお、ストレスに弱い体質者によくみられる、突然のメマイ・嘔吐・下痢など、自律神経発作症とも言うべき発作的に生じる諸症状も含めて、様々な領域の疾患に、柴胡桂枝湯の適応がないかどうかを考慮しておく必要がある。

 ずいぶん昔の話だが、故相見三郎先生が、たとえば昭和46年発行の『漢方の臨床』誌の第200号記念特集号に、『傷寒論の特質と治療方針及びその診療の実際について』と題された中で、「正邪分争」など、傷寒論の条文のみならず、素問なども数多く引用されて、極めて詳細に論じられつつ、「小柴胡湯合桂枝加芍薬湯の自験に基づく傷寒論思想の理解」の項目中で、心臓神経症・自家中毒・チック症、夜尿症、円形禿頭、喘息、蕁麻疹、潰瘍性大腸炎,偏頭痛、パルキンソン氏病(パーキンソン病)、メニエル氏病、リウマチ、バセドウ氏病、無月経、月経困難症、手掌角皮症、腰痛、帯下、ノイローゼ、不眠症、神経痛、神経麻痺、胃潰瘍、てんかんなどに対する有効性を論じられながら、実際の治療統計を公表されていた。

 小柴胡湯合桂枝加芍薬湯は、とりもなおさず、柴胡桂枝湯中の芍薬を2〜3倍に増量したものに過ぎない。

 これで思い出したのだが、昔、故小曽戸丈夫先生が、苦笑を禁じ得ない表情をされながら、次のような面白いお話をされたことだった。

 先生の知人の漢方薬局さんでは、どの相談者にも、まずは柴胡桂枝湯を最初に飲んでもらうことにしているという話だったが、上記の相見三郎先生の論説が発表されて5〜6年以後の話だったので、もしかしたら相見三郎先生の論説に基づいての安易な販売行動だったのかもしれない。

 ともあれ、現代中医学では、考えられないような応用分野を切り開く、独特な日本古方派の人達が昔からおられ、しかも脈々とどこかで受け継がれているのだろう。

 小柴胡湯合桂枝加芍薬湯という柴胡桂枝湯の広範囲な応用については、実に深い解釈と理解があって投与されているハズだから、素人や漢方初心者が安易にマネしても、実際に効果があるかどうかは別問題である。
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2010年9月15日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年9月15日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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2020年07月01日

夏に多い冷たい飲食物の摂りすぎによる腰痛

 今から多発するクーラー病。

 その多くは藿香正気散(勝湿顆粒)だが、各社、配合内容の薬味は同じでも、配合比率が大きく異なるので、一連の症候に応じて使い分けるとよい。

 同じ処方名でも配合比率は大きく異なるので、そこまで注意して使い分けるのは専門家にとっては常識である。

 もちろん同じクーラー病でも、ときには藿香正気散証ではなく、葛根湯証など、他の方剤がフィットする一連の症候が出現することもある。

 それはともかく、冷たい飲食物の摂り過ぎの場合も、しばしば藿香正気散証を呈する場合が多く、ヒゲジジイなどは練乳かき氷を摂り過ぎては、繰り返しの下痢症状を呈して、藿香正気散こそ、特効薬となる日々が続いている(苦笑。

 ところが、激しい腰痛を呈する人もあって、このような場合は、疎経活血湯や独活寄生湯などの腰痛専門方剤では効果がなく、また冷たいものの摂りすぎだからといって、藿香正気散では心もとないもので、多くは大建中湯去膠飴の製剤で即効を得ることが多い。

 多いとはいっても、人それぞれの体質によっては、他の方剤がフィットすることもあるので、一概には断定できないものの、そういうパターンが多いということである。

 連日、コロナ関連のくだらないブログが続いたので、今の季節に関連する漢方薬を書いてみたが、そろそろ関東地方では、新型コロナウイルスの感染拡大第2波の明らかな前兆が出ており、他の地方へ再びばらまかれるのも時間の問題かもしれない。
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2015年7月1日のシロちゃん(2歳)
2015年7月1日のシロちゃん(2歳) posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 12:40| 山口 ☁| 時代的な傾向や使用頻度が増加中の漢方薬方剤 | 更新情報をチェックする

2020年06月12日

令和2年の女性達は加味逍遙散がフィットする時代

 長年の不妊症が、漢方薬だけで一人目も二人目も妊娠できた女性に、昨年、この女性の紹介で来られた同じく不妊症の人が、男性は無精子、奥さんの問題もあり、お二人に適切な漢方薬で、短期間で妊娠。

 その後、何の音沙汰もないので、上記の女性が安産用の漢方薬の補充注文の電話がかかった折に、紹介された例の女性はどうなったの?と訊ねると、無事、出産を終えてますよという話だった。

 昨年も、一昨年も、長年の不妊症が、ほんの短期間の漢方薬の服用で、妊娠できた女性たちが多かったが、いずれもその後は無音のまま。

 長年の不妊が、短期間の漢方薬で妊娠できたケースでは、却って価値が感じられないのか、その人たちに限って、ほとんどの場合、その後の報告がないまま、何年もたって、無事主産されたことが分かるケースが多い。

 むしろ何年もかかって、苦労の果て、ようやく妊娠・出産を終えた人達こそ、しっかり報告をしてくれる。世の中はこうしたものだろう。

 それはともかく、新型コロナウイルスの問題もあってか、令和2年の今年に限っては、例年以上に加味逍遙散がフィットする女性がかなり目立つ。

 過去、加味逍遙散証を卒業していた人達の再発や、常連さんのご家族の新規相談で加味逍遙散で即効を得られている人など。

 中には、数年前まで、不妊治療に加味逍遙散・大黄牡丹皮湯・温経湯などで、ついでの持病だったアトピー性皮膚炎まで消滅し、生理の不調も、体調も、すべてにおいて順調に経過していたものの、なかなか妊娠できないので、とうとう諦めて、いつのまにか遠ざかって何年か過ぎた頃、久しぶりの来局だった。

 聞けば、漢方薬を飲んでいたころは、すっかりアトピーまで治っていたのに、今年になって、次第にアトピーが悪化して、夜が眠られないほど痒くなるという。

 あの頃のような便秘症も治っており、皮膚の苔癬化も見られないのだから、大黄牡丹皮湯は必要ないので、まずは加味逍遙散だけで様子を見てもらっていたところ、20日分の服用で、ほとんどアトピーは寛解して、補充購入に来られた。

 このブログで少し前に書いたことのあるコロナ恐怖の女性で、咳嗽もあって、しかも急な熱感を繰り返すようになり、熱感に伴っていつもより体温が上昇するので、コロナの感染ではないかと、極端な不安に襲われていた女性も、数年前まで加味逍遙散の愛用者だっただけに、今回も加味逍遙散を1ヶ月近く連用していたら、すっかり回復してコロナ感染の不安が解消された。

 以前のように、またしばらく常用したいと、しっかり補充購入されたのだった。
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2010年6月12日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年6月12日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
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2018年07月13日

四逆散で人生が、少しは、明るくなる人が多い

2009年6月13日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年6月13日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 薬味の少ない古方の漢方処方は、幅広い領域に優れた効能を発揮するものがとても多い。

 茵蔯蒿湯はもとより、真武湯や猪苓湯も、芍薬甘草湯もしかりといえども、この芍薬甘草湯に関しては、日本の硬直した漢方製剤の配合規定が、芍薬と甘草が同比率というのは、現代社会においては、極めて問題が多過ぎる。甘草は芍薬の二分の一から三分の一くらいまで減らすべきである。

 それはともかく、真面目系の人達で、人生がやや暗い人達に、四逆散をたとえ少量でも他方剤と併用して、人生が明るくなる人がとても多い。

 中には受験生なとで、真面目過ぎるがゆえに、却って空回りして悲観的になっていた状況下で、四逆散のみの服用で、がぜん明るくなって、勉強に能率が上がった浪人生もいるくらいだ。

 村田漢方堂薬局では、四逆散を他薬と併用している常連さんやお馴染みさんは、想像以上に多人数。

 ところが、若い頃よりショーペンハウエルに親しんできたほど厭世観極まるヒゲジジイには、鬱を通り越して諦観に達しているのか、ぜんぜん必要としない不思議。

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2010年6月13日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年6月13日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:四逆散
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2018年06月18日

規定量よりも少量で、十分効果を発揮する一部の中成薬

2018年6月17日のスコちゃん(雄5歳)
2018年6月17日のスコちゃん(雄5歳) posted by (C)ボクチンの母

 機能性ディスペプシアの相談者に、しばしば配合の一角として開気丸を加えることが多いが、規定量より少なめの1回2〜4丸1日3回、他の漢方製剤と併用してもらうのが通例である。

 実際問題として、1回2〜6丸くらいで十分に効果を発揮するので、規定量の1回8丸まで必要だったことは滅多にない。

 海馬補腎丸も同様で、村田漢方堂薬局では不妊症に対する必須アイテムだが、他の漢方製剤とともに、1回1〜5丸の範囲内、1日3回で十分効果的で、規定量の1回10丸まで必要とすることは滅多にない。

 ところが逆に、一般漢方製剤においては、消風散や茵蔯蒿湯などでは、あり得ない話で、規定量でも物足りないことがザラである。

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2018年6月17日の茶トラのトラちゃん(雌4歳)
2018年6月17日の茶トラのトラちゃん(雌4歳) posted by (C)ボクチンの母

2018年6月17日のシロちゃん(雌5歳)
2018年6月17日のシロちゃん(雌5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年6月18日のボクチン(6歳)
2010年6月18日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
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2016年02月19日

ネットでいくら漢方薬を調べても、一定レベル以上の頑固な疾患になると

2009年02月19日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月19日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 一定レベル以上の頑固な疾患になると、いくらネットで調べても、なかなか容易に正解が出るはずもない。

 すなわち、西洋医学治療や病院の漢方で、いくら続けても治らないようなレベルになると、ネットでは、それらの高度な部分は一切公開されてない部分は膨大である。

 その証拠に、これだけ長く続けている我がくだらないブログであっても、しかも各種疾患の運用方剤も適宜書いているように見えても、ほんの僅かな部分に過ぎない。

 難治性の各種疾患に最もしばしば運用している古方の各種某重要方剤のことは、ほとんどこのブログに取り上げたこともない。
 
 そのエキス製剤の製造メーカーも限られ、しかも生産量は少ない。

 だから、安易に公開したために、製剤が一時的にでも枯渇するようなことがあっては、せっかく効果が上がっている人達に多大な迷惑をかけることになるので、そんなバカな真似をすることは絶対にできない。

 比較的流通がスムーズな一般的な方剤は、おおよそのことは気軽に公開しているものの、現実は上記のような事情により、実際の仕事上では極めて頻繁に使用している方剤であっても、一切公開していないものも多いのである。

 また、村田漢方堂薬局で行っているような運用方法によって絶大な効果をあげている方剤でも、方剤名は有名だから当然その記載はあっても、特殊な運用方法については中国国内はもとより、日本国内の専門書にも一切の前例やヒントすらないものも、しっかりと存在する。

 それを書籍にすれば、軽く1冊が書けてしまうほどである。

 自身の現実の感覚から容易に類推できることは、いくらネットで検索しても、公開されない重要な方剤の優れた運用方法は、完璧に埋もれたまま、というよりも敢えて埋もれさせているものは、極めて膨大な量にのぼっているはずである。

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2009年02月19日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月19日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2009年02月19日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月19日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2009年02月19日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月19日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年02月19日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月19日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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2016年01月20日

ここ数十年は寒鬱化火や湿鬱化火の証候を呈する人が多かったのだが

2016年1月19日のスコちゃん(3歳オス)
2016年1月19日のスコちゃん(3歳オス) posted by (C)ヒゲジジイ

 昨日のブログにも関連した昨今の理論的な傾向の偶感。

 昨今の温暖化の問題のみならず、暖房設備の充実の影響のみならず、栄養豊かな食生活の影響もあったことだろう。

 おそらくそれらが複合した影響によって、寒鬱化火や湿鬱化火の現象が頻繁に見られる時代が数十年続いたように思われる。

 ところが、昨今ではどうしたことか、それらの証候を呈する人達も、次第に減少しつつあるようにも思われる。

 つまり、寒湿の邪気に侵襲されて、遷延すると次第に「化火」することがしばしば見られるのが通例だったのだが、昨今は何だか化火を呈する人が何となく減少傾向にあるのではないだろうか。

 それぞれの基本的な体質は異なっても、その時代特有の傾向というものは、現実には存在するのである。

 シロウトさんには意味不明な内容だろうけど、中医学の専門家であれば、意味するところが分かる人もおられるはず。

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2009年01月20日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年01月20日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2009年01月20日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年01月20日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年01月20日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年01月20日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年01月20日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年01月20日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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2016年01月09日

今年の新規相談者は、当然ながら、西洋医学では限界があり過ぎるものばかり

2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 連日、新規相談者が続いたが、本日土曜日は新規相談は受付できない日。

 今年の新規相談者は、いずれも西洋医学治療では、まったく無効。

 西洋医学治療で十分に治療できる分野では、しっかり西洋医学治療を受けるように進言して、漢方相談をお断りするのが我が薬局のポリシーであるが、なるほど西洋医学では限界があり過ぎるというものばかり。

 病名が分かっていても、治療方法がなかったり、あるいは繰り返し検査をしても西洋医学的な原因がサッパリ見つからないケースなども含まれる。

 病院のツムラ漢方も無効だった人達。

 病院の漢方薬を続けることで、ますます病状が悪化した人すら漢方相談に来られた。

 昨年末から相談を受けていた胃腸が弱くて食欲不振や悪心・嘔吐など、吐き気が止まらなかった人達も、西洋医学では完全に行き詰って、ツムラ漢方も投与されても無効だった人達でも、比較的安価なものばかりの組み合わせで順調に快方に向かっている。

 そういえば、最今は様々な疾患に合併して吐き気に悩んでいる人がやや目立つ。
 精神的な分野では、それぞれの人が、何かに対する拒絶反応のシグナルも含んでいるのかもしれない。

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2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月09日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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2015年12月05日

衛益顆粒が適応する玉屏風散証体質者は、折々に葛根湯証に変化する人が意外に多い

2009年12月05日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年12月05日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 昨今、ヒゲジジイ自身が、やや汗かきになって衛益顆粒が適応するようになった。
 汗をかいてそのままにしていると、時には急に寒くなって汗がピタリと止まる。
 咽喉がむず痒くなって軽度の咳も伴うこともあって、すかさず葛根湯(+板藍茶)を1回服用すれば、すぐに温かくなって、風邪気味の症状が一挙に雲散霧消する。

 自身のことを書いてみたが、アレルギー性鼻炎の持病がある人の多くが衛益顆粒で即効を得て、体質改善に常用されている人が多いが、やや風邪気味になるとほとんどの人が上記のヒゲジジイのように、初期には葛根湯証を呈しているので、すかさず葛根湯(+板藍茶)を服用すると治まっている。

 変わった例では、やや熱証のアトピー性皮膚炎の人が、村田漢方堂薬局に通うために飛行機を頻繁に利用されているが、冷房にやられて寒くなったときには必ず葛根湯の頓服で即効を得る。
 清熱剤を使い過ぎて、却って頭痛が生じた時には葛根湯の頓服で解消する。
 同じ人が透明な鼻水の多い急性鼻炎を生じたときは、衛益顆粒の頓服で治まっている。

 他のアトピーの人でも、衛益顆粒+独活葛根湯を主体に他方剤の併用が明らかにフィットしている。

 止汗的に作用する衛益顆粒(玉屏風散エキス製剤)がフィットする体質の人が、発汗的に作用する葛根湯証を折々に呈する人ばかりでなく、両方剤を常用すべき体質の人すら存在する。

 中医学的な高度な応用方法の一つに、衛気虚体質の人が麻黄湯証を呈したときには、麻黄湯加黄蓍を使用すべきであると記載する中医学書があったが、中医学世界は奥深いところがある。
 つまり、麻黄湯に黄蓍を加えるのは、日頃の衛気虚によって消耗した汗の原料を加えることによって、麻黄湯による発汗作用を無理なく促進させるのである。

 このような使い方によっては黄蓍は汗の原料ともなるとは、いやはや、実に奥深い。

 ところが、衛益顆粒+独活葛根湯のような黄蓍を含めて薬味の多い配合ともなると、麻黄の発汗作用をしっかり防御して、表衛を温める作用だけが増強されるのだから、ますます中医学は奥が深いのである(呵呵。

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2009年12月05日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年12月05日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年12月05日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年12月05日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年12月05日の茶トラのボクちん(5歳)
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2009年12月05日の茶トラのボクちん(5歳)
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2015年07月07日

腸管免疫が人間の免疫の8割を占める、と言われるだけに暑いときこそ、必要に応じて胃腸を温める藿香正気散

2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 暑いからといって、冷たいものばかりを摂り過ぎていたら、胃腸が冷えて気分が悪くなる人が増加する季節。

 そんなとき、日本漢方では一般的に人参湯が使われるようだが、甘草や朝鮮人参が多量に含まれるだけに、高血圧傾向のある人や、浮腫が生じやすい体質の人には不適である。

 無難なところでは藿香正気散や胃苓湯である。
 但し、藿香正気散を不必要に乱用すると、身体が温まり過ぎたり、粘膜の乾燥症状が出て来る場合もあるが、多くは即効が得られるので、それほど連用する必要はないだろう。
 やや温まり過ぎたり、少し乾燥を感じるかな〜と思った時点で中断すればよい。

 昨今も、ヒゲジジイはみずから犠牲的精神を発揮して、折々に冷たい氷菓子やアイスクリーム、冷えた果物を過食しては体調を崩しても、頓服で藿香正気散を使うと、即効が得られることを再確認している。

 問題はこれからである。
 折々に藿香正気散や胃苓湯などを必要とするような食生活習慣こそ、不健康で各種の病気を誘発する原因となり、極端な場合は短命の原因となる。

 腸管免疫こそ、人間の免疫の8割を占めると言われるだけに、冷飲や冷食こそ免疫系を狂わす元凶となるので、健康で長生きしたければ、冷飲や冷食の摂り過ぎは絶対に慎むべきである。

 ところで、日頃から免疫系統を正常に保つ漢方としては、安上がりなもので莪朮(ガジュツ)やクマザサを原料とする製剤などがよいかもしれないし、やや高価なものでは●●●●や◎◎など。

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2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母


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2015年02月06日

消風散の配合内容は、どうしても好きにはなれないのだが・・・

2011年02月06日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年02月06日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 嫌いだ、キライだ、という割にはしばしば使用してもらうことの多い消風散。
 この方剤でなければ治らないアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬、一般の湿疹類があるのだから、止むを得ない。
 のみならず、あらゆる方剤で無効な浮腫に、即効を得たりする不思議な方剤でもある。

 配合内容が、あらゆるタイプの皮膚病に応じようとしたかのような、たとえて言えば、卑怯な配合と言ってしまいたくなるような内容である。
 古方の方剤のような「いさぎよさ」がない。しかしながら、消風散でなければ治らない皮膚疾患も多々あるのだから、場違いな言葉ながら、実に歯がゆい。

 但し、一歩間違えると、逆効果になる方剤でもあるので、もしも逆効果の兆しがあれば、直ぐに中止してもらうように強調している。
 好転反応なんて、そうそう滅多にあるものではないので、消風散を飲んでもらうときには、細心の注意が必要である。

 ところが、消風散がフィットすると、多くの場合、数日以内で効果が判明する。

 先日も、皮膚科のあらゆる治療で効果が無く、次第に拡がって行く湿疹で、漢方治療を求めてやって来られた人の状況が、どう見ても「教科書的な消風散証」を呈していた。
 だからといって、実際に使ってみないことには、その良し悪しの判断が出来ないのが、消風散のイヤらしいところである。

 そこで、まずは単方で飲んでもらったところ、数日の服用で明らかな効果があったとの連絡があった。

 消風散には、皮膚病に対する効果とは別に、特定の体質の人に対して、浮腫を改善する効果が得られる。
 浮腫みやすい体質の人が、あらゆる方剤で抵抗を示していたのに、消風散であっさりと浮腫みが改善されることがある。
 最近も、一般的な利水剤ではびくとも効果がなかった女性で、消風散による浮腫の軽減効果を発揮したケースに遭遇したが、決して珍しいことではない。

 これだから、42年の長きにわたって漢方薬の仕事をしていても、漢方薬の奥深さ、というよりも、やや超常的な不思議さを感じないわけにはいかないのである。

 だから、消風散は逆の言い方をすればヒゲジジイレベルでは、究極的な本質を並大抵では理解困難なほどの神業(かみわざ)的な配合方剤なのかもしれない。

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2011年02月06日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年02月06日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年02月06日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年02月06日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年02月06日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年02月06日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年02月06日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年02月06日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ


ラベル:消風散
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2014年09月20日

四逆散と柴胡疏肝湯

2008年9月20日のボクチン(4歳)
2008年9月20日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 もともと四逆散の融通無碍の活用は、お手の物であるはずが、昨今、間違いなくフィットしているものの、シャープさに欠け、ちょっと物足りないな〜という人が、立て続けに3名続いた。
 そこで、ここ連日その3名の人に、それぞれ四逆散を柴胡疏肝湯に切り替えて、どちらがよりフィットしているか? 比較してもらうケースが続いた。

 水曜日・木曜日・昨日の金曜日と連日3名である。

 それぞれ病気はまるで異なっても、実に興味深い共時性である。

 水曜日は、鬱傾向と慢性疲労に牛黄製剤との併用。
 木曜日は、コリン性蕁麻疹と機械性蕁麻疹の合併に、猪苓湯、イオン化カルシウムとの併用。
 金曜日は、クローン病に他の数種類のやや特殊な方剤および中草薬類との併用。

 そのうち一名は、常々頑固に続いていた手足の冷え症が、四逆散を服用しはじめて間もなく、短期間で即効を得て、むしろ手足がポカポカするくらいに温まっている。
 これぞまさしく熱厥に対する四逆散の即効例である。

 いずれにせよ、柴胡疏肝湯に切り替えて、効果を比較する必要がある。

 ともあれ、華奢で昔から少食、せっかちな割りに体力のない痩身の70代の女性。
 常連さんの母親であるが、腹痛・腹満・便秘が苦しく、大腸癌など内臓の悪性腫瘍であっては困るので、病院で検査と治療を受けるように強く奨めても、絶対にイヤだ、たとえ癌であっても知らぬが仏、その時はその時の問題だから、漢方薬でやれるだけやって欲しいというたっての願い。
 意志強固な確信犯なので、最悪の時は自己責任。

 見事にフィットした配合が、大柴胡湯・茵蔯蒿湯・桃核承気湯・開気丸に、本日のテーマの柴胡疏肝湯。
 これら5種類の併用が、的確にフィットして、多くの症状が改善して、無症状とまでは行かないまでも、食欲は回復し、腹痛・便秘も解消。
 40Kgも満たない体重ながら、元気で家業に勤しんでいる。

 中医学的に弁証論治すれば、このようなケースもあるものだが、もしもこの女性が、日本古方派に相談していたなら、少食で痩身、体力低下の外見と症状から、間違いなく虚証と決め付けて、桂枝加芍薬大黄湯など、やわな漢方薬ばかり投与されて、ろくなことになってなかったことだろう。

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2009年9月20日のボクチン(5歳)
2009年9月20日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

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2014年08月20日

猪苓湯は単なる膀胱炎の漢方薬ではない

2010年8月20日のボクチン(6歳)
2010年8月20日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 専門書を紐解けば分かるように、猪苓湯は単なる膀胱炎の漢方薬ではなく、応用範囲は多岐にわたる。

 ところが大きな問題は、エキス剤においては、各メーカー間で優劣の差が激しいことである。
 これまでも各所で記載してきたが、顔面の皮膚病で漢方に熱心な医院から紹介されて村田漢方堂薬局にやって来られた患者さんに、茵蔯五苓散+猪苓湯+イオン化カルシウムで即効があった。

 そこで、紹介された医院にお戻ししたところ、イオン化カルシウムとともに医療用のツムラ漢方の同じ配合では3日で再発してしまった!
 再度、こちらの自費の方剤に切り替えると、早速3日間で顔面の皮膚症状が消失するのである。

 地元近辺の御高齢の婦人たちが、医療用のツムラ猪苓湯で効果がなく、病院で漢方薬を出されるくらいなら、漢方専門薬局の方が信用できるだろうとやって来られ、村田漢方堂薬局の自費の某メーカーの猪苓湯では超即効を得たことが続いた年があった。

 ともあれ、泌尿器系疾患には必須の漢方薬ではあるが、その他にも少量の滲出液を伴うアトピー性皮膚炎などに対する応用機会は頻繁である。
 大量の滲出液では、猪苓湯に加えてさらに衛益顆粒(玉屏風散エキス製剤)と適量の六味丸系列の方剤を併用する必要がある。

 アトピー性皮膚炎でしばしば生じる凸凹を、平坦にする効果を有しており、時に優れた効果を発揮する。

 また、ある種の大腸疾患にも有効性を示すことがあるが、これは意外に知られてない。
 
 利水薬の配合が主体であるから、原因がはっきりしない浮腫にも、とうぜん有効性がある。

 変わったところでは、チョコレート嚢胞や卵巣嚢腫に対して、適切な活血化瘀方剤とともに、猪苓湯を必ず併用してもらい、脇役として、過去大きな実績を残している。

 まだまだ応用範囲は尽きないが・・・
 配合される茯苓や猪苓には補益作用があるので、猪苓湯という単一方剤自身で扶正祛邪を体現しており、想像以上に疲労回復作用も発揮することがある。
 そういう意味では五苓散も同様である。

 猪苓は、現代中医学の教科書的には、補益性を認めない風潮にあるが、大いに疑義がある。

 猪苓の補益性については、拙著の利水滲湿薬「猪苓」の補益性についてに詳しく指摘している。
 利水滲湿薬は水道を通利し、水湿を滲出除去(滲み出させて除去)する薬物である。淡味の薬物が多いので淡滲利湿薬とも称し、服用によって小便が通暢して排尿量が増加するので利尿薬とも呼ばれる。
 代表的な薬物に茯苓・猪苓・沢瀉・ヨクイニンなど、日本の漢方でもお馴染みの薬物が多い。
 
 これら淡滲利湿薬のなかには補益性を有するものがあり、なかでも甘淡の「白茯苓」は利水滲湿・健脾補中・寧心安神の効能があり、甘で補い、淡で滲湿し、利水滲湿と同時に補脾益心の効能がある。
 したがって、茯苓は正虚邪盛(脾虚湿盛)の病態に不可欠であり、作用の穏やかな扶正去邪の薬物として、中薬学における一般常識となっている。

 ところで、不思議なことに茯苓と同じ甘淡の「猪苓」については、補益性が否定されおり、このことは現代中薬学の大きなミステイクの一つであると愚考している。
 
 神農本草経には「久服すれば身が軽くなって老いに耐えるようになる」と述べられており、清代の名医葉天士は「猪苓の甘味は益脾する。脾は統血するので猪苓の補脾によって血が旺盛となり、老いに耐えるようになる。また猪苓の辛甘は益肺する。肺は気を主るので猪苓の補肺によって肺気が充実して身は軽くなる」と解説している。

 このように、猪苓には単なる利水滲湿の効能のみならず、茯苓と同類の脾肺を補益する効能がある訳で、近年特に注目されている抗癌作用も考えあわせれば、もっと広く活用されてしかるべき薬物である。
  ━利水滲湿薬「猪苓」の補益性についてより


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2010年8月20日のボクチン(6歳)
2010年8月20日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年8月20日のボクチン(8歳)
2012年8月20日のボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ



ラベル:猪苓湯 猪苓 茯苓
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