性別 : 男性
年齢 : 70歳〜79歳
ご職業 : 無職
お問い合わせ内容 : 鼻汁がよく出るようになる漢方薬はありますか。常時使って問題のないものです。
「理由」若いころ、蓄膿の手術を受け、近年鼻がつまり困っているので。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
先ほどお返事したところ、文字化けしてしまいましたので、あらためて別便にてお返事申し上げます。
頂いた文面はあまりに短く、推測に推測を重ねる以外にしようがありませんが、「鼻汁が出るようになる漢方薬」という表現をされるからには、鼻腔内が乾燥気味で、そのために鼻づまりを生じているような状態なのでしょうか?
もしもこの推測が当たっているなら、蓄膿症を繰り返している人に往々にしてみられる症状でもありますが、ややご高齢による体液欠乏も多かれ少なかれ絡んでいることと推察します。
このような場合、多くは辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)を中心にした方剤で軽快することが多いものですが、中医学的には肺陰虚に肺熱を伴った症候がみられる場合に適応する方剤です。
正確なところは、お近くの漢方専門の医師か薬剤師に直接ご相談してみなければなりません。
当方の地元近辺でも、80歳を越えた常連さんの中に、風邪を引いた後に必ず副鼻腔炎症状が勃発するので、この辛夷清肺湯を一ヶ月も服用すれば無症状になるものの、数年に一度はこの方剤が必要になる人もあれば、過去、頑固な蓄膿症で、手術を繰り返した人などでは、長期の連用を必要としている人もかなり多いという現実があります。
多くは、体質に合った他の方剤(六味丸系列など)との併用を必要としているケースが多いのですが、辛夷清肺湯にしても六味丸系列の方剤にしても、胃弱の人には使用しにくい方剤類です。
以上、僅かな文面での推測ですので、不正確なお返事にならざるを得ませんので、メール相談や電話相談だけで決めず、直接お近くの専門家に御相談下さい。
以上、簡単ながら、お返事まで。
頓首
2006年07月13日
鼻汁がよく出るようになる漢方薬はありますか?
posted by ヒゲジジイ at 10:33| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問
|
2006年06月26日
アトピー性皮膚炎のスキンケアについて
具体的な御職業 : 漢方
お問い合わせ内容: 初めまして
●●で漢方薬局に勤めているものです。村田先生のHPで いつも勉強させて貰ってます。
特に今回アトピーに関しての記事 大変勉強になりました。
さらに理解を深め 自分の物に出来たらと思っています。
誠に図々しいのですが もし良かったら アトピー性皮膚炎の先生がお使いになっている スキンケアなどございましたら教えていただければと思います。
本当にお忙しいところ 申し訳ございません。m__m
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
アトピー関連の拙論集のサイトを昨日オープンして、他サイトの記事やブログで公開していた拙論は削除して、新に
漢方と漢方薬のヒゲ薬剤師:中医漢方薬学論にもとづくアトピー性皮膚炎の研究変遷史
に集めて見ました。
前半は清熱ばかりを重視しすぎた面もありましたが、後半の拙論は比較的穏当なものに落ち着いたように思います。
さて、お訊ねの当方のスキンケアは、到って簡単です。(でも保湿という面で重要視しています。)
漢方ではお決まりの「紫雲膏」を、乾燥する部分に保湿を兼ねて塗ってもらうようにすることが多いのですが、但し、従来、たとえ病院治療などで治らなかった人でも、病院からもらっていた保湿剤があれば、それに対するアレルギーなどが生じてない限りは利用してもらいますが、意外に白色ワセリン程度を常用されていた人も多いので、それをそのまま使用してもらっています。
安価な白色ワセリンを使用している人が最も多く、次に紫雲膏という順で、病院から出されていた尿素系のものを使っている人もいるかも知れません?
このような、些かあやふやな記載になってしまう理由は、実際に保湿剤的なものは当方の薬局では、紫雲膏以外のものは販売していませんので、自分にあった保湿剤なら、何でもいいから、必ず使用するようにとアドバイスしていますので、皆さん、適当に調達しているようなのです。
結局は、そのうちに内服の漢方薬類が奏功して来るわけですので、白色ワセリンを適当に塗っている人、紫雲膏を常に購入していかれる人、あるいはどこかの気に入ったメーカーの保湿剤を使用している人など、様々のようで、ややお馴染みさんになる頃には、当方の意識から保湿剤に対する意識が消えていっていることが多いようです。
要するに身体にあった保湿剤なら何でもいいから、使用して下さいよ、ということは常に強調しているものの、当方では紫雲膏以外は販売していませんので、皆さん、適当に調達しているというのが現状です。
以上、こうしてお問合せ頂いてみると、最初に来られた新人さんには保湿をうるさく言う割には、通われるうちに、次第に当方の意識から消えて行ってることに気がついて些か苦笑している次第です。
蛇足ながら、ステロイド軟膏類は、
アトピーの漢方治療
このページに引用させてもらった江部先生の方法を真似て、リバウンドや副作用なしに、上手に利用と離脱を行っています。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
村田漢方堂薬局 ヒゲ爺
【編集後記】上記のアトピー専門サイト
http://www.kanpoyaku.info/は、まだ基礎的な拙論を投入したばかりで、これから次第に充実させていくつもりではあるが、土台が出来たら安心して、しばらく遠ざかるのではないかと、自分で自分を疑っている
お問い合わせ内容: 初めまして
●●で漢方薬局に勤めているものです。村田先生のHPで いつも勉強させて貰ってます。
特に今回アトピーに関しての記事 大変勉強になりました。
さらに理解を深め 自分の物に出来たらと思っています。
誠に図々しいのですが もし良かったら アトピー性皮膚炎の先生がお使いになっている スキンケアなどございましたら教えていただければと思います。
本当にお忙しいところ 申し訳ございません。m__m
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
アトピー関連の拙論集のサイトを昨日オープンして、他サイトの記事やブログで公開していた拙論は削除して、新に
漢方と漢方薬のヒゲ薬剤師:中医漢方薬学論にもとづくアトピー性皮膚炎の研究変遷史
に集めて見ました。
前半は清熱ばかりを重視しすぎた面もありましたが、後半の拙論は比較的穏当なものに落ち着いたように思います。
さて、お訊ねの当方のスキンケアは、到って簡単です。(でも保湿という面で重要視しています。)
漢方ではお決まりの「紫雲膏」を、乾燥する部分に保湿を兼ねて塗ってもらうようにすることが多いのですが、但し、従来、たとえ病院治療などで治らなかった人でも、病院からもらっていた保湿剤があれば、それに対するアレルギーなどが生じてない限りは利用してもらいますが、意外に白色ワセリン程度を常用されていた人も多いので、それをそのまま使用してもらっています。
安価な白色ワセリンを使用している人が最も多く、次に紫雲膏という順で、病院から出されていた尿素系のものを使っている人もいるかも知れません?
このような、些かあやふやな記載になってしまう理由は、実際に保湿剤的なものは当方の薬局では、紫雲膏以外のものは販売していませんので、自分にあった保湿剤なら、何でもいいから、必ず使用するようにとアドバイスしていますので、皆さん、適当に調達しているようなのです。
結局は、そのうちに内服の漢方薬類が奏功して来るわけですので、白色ワセリンを適当に塗っている人、紫雲膏を常に購入していかれる人、あるいはどこかの気に入ったメーカーの保湿剤を使用している人など、様々のようで、ややお馴染みさんになる頃には、当方の意識から保湿剤に対する意識が消えていっていることが多いようです。
要するに身体にあった保湿剤なら何でもいいから、使用して下さいよ、ということは常に強調しているものの、当方では紫雲膏以外は販売していませんので、皆さん、適当に調達しているというのが現状です。
以上、こうしてお問合せ頂いてみると、最初に来られた新人さんには保湿をうるさく言う割には、通われるうちに、次第に当方の意識から消えて行ってることに気がついて些か苦笑している次第です。
蛇足ながら、ステロイド軟膏類は、
アトピーの漢方治療
このページに引用させてもらった江部先生の方法を真似て、リバウンドや副作用なしに、上手に利用と離脱を行っています。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
村田漢方堂薬局 ヒゲ爺
【編集後記】上記のアトピー専門サイト
http://www.kanpoyaku.info/は、まだ基礎的な拙論を投入したばかりで、これから次第に充実させていくつもりではあるが、土台が出来たら安心して、しばらく遠ざかるのではないかと、自分で自分を疑っている
posted by ヒゲジジイ at 17:40| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年06月24日
せっかくお返事しても送信不能の返信メール(口臭の悩み)
お問い合わせ内容 : 病気という病気ではないのですが長年、口臭に悩んでおります。
思いこみや生理的なものではありません。以前、胃の調子が悪く胃カメラを飲んだことがありますが問題なしとのこと。気になって耳鼻科にも行ったことがありますが、病気ではない言われました。
私は体力もあるほうだし、毎年ある健康診断もすべて正常値です。ただ
いつもだるく、体が熱く微熱があるような感覚です。(体温を測ると平熱ですが。)
胃に時々痛みを感じることがあり、口の中が常に不快で喉が乾燥していて違和感があり、イガイガすることも多いです。
舌に地図上の苔が付いていて時々炎症をおこして舌の先がひりひりします。近頃は寝る前になると手のひらと足の裏が火照ります。吹き出物もできやすく、なかなか治りません。
最近、漢方で「胃熱」や「胃火」という言葉を知りました。症状を読んでいるとこれにあてはまるような気がするのですが・・・・。色々な漢方薬もあるようですが、自分で判断するのは危険だと思いますし、病院に検査に行く必要があるのだろうかといった疑問もあります。
そちらに一度足を運んでみようかとも思いましたが、なかなか勇気が出ません。
なにかお返事をいただけないでしょうか。よろしくお願いします。
お返事メール:拝復
実際に感じられる消化器系統の不調(様々な自覚症状)からしても、たしかに思い込みではないようですね。
本当に内臓系統のトラブルが付随している場合は、口臭の原因はそれらに帰することが多いものですので、体質に合った適切な漢方処方を適宜組み合わせて連用し、微調整を繰り返しながら対処すれば、解決できる問題のようです。
要するに、消化器系の問題点を漢方薬を用いて治してしまうということです。
但し、その前に大きな前提条件があります。これまで受けられた病院での諸検査にまだ納得がいっておられないようでしたら、納得が行くまで病院での諸検査を受けてからのことです。
文面を拝見する限りでは、まだ西洋医学でやり残しているいう思いがあるように感じられますので、それからのことになりますよ。
ところで、現実に当方に現在、やや類似した悩みで通われている方がおられます。(実際に通っておられる人のことは詳しくは書くわけにはいきませんので、ややぼかして書きますが・・)
その人は、すでに病院での診断や治療を数年行って治らなかったという経験を経て後、意を決して来られただけに、(それほど大した症状でもないのですが)、真剣な態度と、冷静沈着な決意、およびご自身の意思表示を鮮明に打ち出されておられ、自費の漢方はほどほど経費がかかるのを覚悟して来られただけに、とてもスムーズにピンとも合い、順調な経過を辿りつつあるという人がおられます。
このように、実際に当方に漢方を求めて来られる人の多くが、所期の目的をほどほど達することができるのも、たとえ軽症であっても、ご自身の悩み(病気)を何とかしてでも漢方薬で治したいという情熱があるからです。(また、当方もそのような熱意のある人しか受け入れない方針を貫いてもいますが・・・・)。
たとえば、昨日、ちょうど午後の遠方の人の為の荷造り等に追われている最中に、いかにも真剣そうな面持ちの男性が突然来訪し、病院では治らない●●病の漢方薬を求めて来られた方に、よく話を伺って、薬の組み合わせを提示した時点で、計算すれば月額1万円を越えることに驚愕された風で、ほうほうのテイで退散されたのには、こちらの方が久しぶりに大いに驚愕(笑)してしまいました。
自費の漢方というのは、月額に換算すればその程度は安いほうかもしれないのに、このレベルで驚かれたのでは、まったく仕事にならない。
逆に言えば、まだ西洋医学治療を経ておらずに、いきなり自費の漢方薬を求めるのは経費面で、驚かれることが多いもののようです。
当方のような純粋な漢方専門薬局では、どうしても一般の西洋医学治療や保険漢方もやり尽くしたがダメだったから、止むを得ず自費の漢方に頼らざるを得ないという事情に追い込まれ(?)るという条件が整ってからでないと、なかなか続かないし、及び腰になりやすいのではないでしょうか?
ぶっちゃけて言いまして、利用される人もアドバイスする当方も、真剣に手間隙かけて苦労すればするほど、多くの場合、大きな力を発揮できるものですが、もしも及び腰や、迷いつつ、という段階で来られたり相談をもちかけられても、却ってヒゲ爺のようなトウヘンボクは、こちらの方が及び腰になり敬遠してしまうばかりなのですよ。
頓首
村田漢方堂薬局 ヒゲ爺
以上のお送りした返信メールが舞い戻ってきましたよ!
思いこみや生理的なものではありません。以前、胃の調子が悪く胃カメラを飲んだことがありますが問題なしとのこと。気になって耳鼻科にも行ったことがありますが、病気ではない言われました。
私は体力もあるほうだし、毎年ある健康診断もすべて正常値です。ただ
いつもだるく、体が熱く微熱があるような感覚です。(体温を測ると平熱ですが。)
胃に時々痛みを感じることがあり、口の中が常に不快で喉が乾燥していて違和感があり、イガイガすることも多いです。
舌に地図上の苔が付いていて時々炎症をおこして舌の先がひりひりします。近頃は寝る前になると手のひらと足の裏が火照ります。吹き出物もできやすく、なかなか治りません。
最近、漢方で「胃熱」や「胃火」という言葉を知りました。症状を読んでいるとこれにあてはまるような気がするのですが・・・・。色々な漢方薬もあるようですが、自分で判断するのは危険だと思いますし、病院に検査に行く必要があるのだろうかといった疑問もあります。
そちらに一度足を運んでみようかとも思いましたが、なかなか勇気が出ません。
なにかお返事をいただけないでしょうか。よろしくお願いします。
お返事メール:拝復
実際に感じられる消化器系統の不調(様々な自覚症状)からしても、たしかに思い込みではないようですね。
本当に内臓系統のトラブルが付随している場合は、口臭の原因はそれらに帰することが多いものですので、体質に合った適切な漢方処方を適宜組み合わせて連用し、微調整を繰り返しながら対処すれば、解決できる問題のようです。
要するに、消化器系の問題点を漢方薬を用いて治してしまうということです。
但し、その前に大きな前提条件があります。これまで受けられた病院での諸検査にまだ納得がいっておられないようでしたら、納得が行くまで病院での諸検査を受けてからのことです。
文面を拝見する限りでは、まだ西洋医学でやり残しているいう思いがあるように感じられますので、それからのことになりますよ。
ところで、現実に当方に現在、やや類似した悩みで通われている方がおられます。(実際に通っておられる人のことは詳しくは書くわけにはいきませんので、ややぼかして書きますが・・)
その人は、すでに病院での診断や治療を数年行って治らなかったという経験を経て後、意を決して来られただけに、(それほど大した症状でもないのですが)、真剣な態度と、冷静沈着な決意、およびご自身の意思表示を鮮明に打ち出されておられ、自費の漢方はほどほど経費がかかるのを覚悟して来られただけに、とてもスムーズにピンとも合い、順調な経過を辿りつつあるという人がおられます。
このように、実際に当方に漢方を求めて来られる人の多くが、所期の目的をほどほど達することができるのも、たとえ軽症であっても、ご自身の悩み(病気)を何とかしてでも漢方薬で治したいという情熱があるからです。(また、当方もそのような熱意のある人しか受け入れない方針を貫いてもいますが・・・・)。
たとえば、昨日、ちょうど午後の遠方の人の為の荷造り等に追われている最中に、いかにも真剣そうな面持ちの男性が突然来訪し、病院では治らない●●病の漢方薬を求めて来られた方に、よく話を伺って、薬の組み合わせを提示した時点で、計算すれば月額1万円を越えることに驚愕された風で、ほうほうのテイで退散されたのには、こちらの方が久しぶりに大いに驚愕(笑)してしまいました。
自費の漢方というのは、月額に換算すればその程度は安いほうかもしれないのに、このレベルで驚かれたのでは、まったく仕事にならない。
逆に言えば、まだ西洋医学治療を経ておらずに、いきなり自費の漢方薬を求めるのは経費面で、驚かれることが多いもののようです。
当方のような純粋な漢方専門薬局では、どうしても一般の西洋医学治療や保険漢方もやり尽くしたがダメだったから、止むを得ず自費の漢方に頼らざるを得ないという事情に追い込まれ(?)るという条件が整ってからでないと、なかなか続かないし、及び腰になりやすいのではないでしょうか?
ぶっちゃけて言いまして、利用される人もアドバイスする当方も、真剣に手間隙かけて苦労すればするほど、多くの場合、大きな力を発揮できるものですが、もしも及び腰や、迷いつつ、という段階で来られたり相談をもちかけられても、却ってヒゲ爺のようなトウヘンボクは、こちらの方が及び腰になり敬遠してしまうばかりなのですよ。
頓首
村田漢方堂薬局 ヒゲ爺
以上のお送りした返信メールが舞い戻ってきましたよ!
posted by ヒゲジジイ at 00:56| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
|
2006年06月17日
ご高齢者のアルツハイマーの御相談
お問い合わせ内容: 以前、老母のアルツハイマー型痴呆症初期の件でご相談させていただいたものです。
貴薬局様では特別な病気で無い限り、高齢になってから、初めて漢方を
服用することが僅少とのこと、とても残念でしたが、アドバイスに従い、地元で漢方専門医を探し、当帰芍薬散とコウジンを処方されました。
現在もアリセプトと併用しております。服薬後もさして変化はなく、あえて挙げるなら、深呼吸に似た深いため息の回数がほんの少しだけ減ったでしょうか。
母は超ヤセ型で、発病以前から食欲不振と足の裏だけの火照り、耳鳴りという現象がもう10年以上(現在も)続いております。漢方専門医の先生は今回、さらにコウジン末を増量なさいました。
私の必死のにわか勉強では、火照りがあるのだから、穏やかとはいえ、コウジンを増量するより、むしろ西洋参に変えたほうがよいのではないかと思ったりします。
中医学の漢方専門医は、ここ東京でも、どうしても見つからず、この方も日本漢方の方です。
ご多忙中、大変申し訳ないのですが、答えていただける範囲で結構ですので、アドバイスがいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:おっしゃるとおり、同じ人参を使用するなら、足のほてりがあるくらいですから、肺腎陰虚による虚熱があることが、十分推測されます。
そのような場合に、わざわざコウジンを強調して使用するのは、中医学的には間違いと言えます。
さらに、当帰芍薬散も、肺腎陰虚には多少、まずいかもしれません。
食欲不振があれば、脾胃の問題もあるのでしょうから、むしろ「加味温胆湯」のほうがより近いのかもしれません。
少なくとも、ニンジン関係に関しては、書かれている通りだと思います。
日本漢方では、中医学ほど寒熱は重視せず、「肺腎陰虚による虚熱」などという理詰めの概念が皆無です。
なにせ、五臓六腑にたいする理論体系が構築されていないのですから、首を傾げることばかりです。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
折り返し頂いたメール:早急のアドバイス、感謝に耐えません。
> そのような場合に、わざわざコウジンを強調して使用するのは、中医学的には
> 間違い
> と言えます。
母の病気以来、私も仕事を半分放り出し、連日、中医学関係の資料を読み漁る毎日です。
以前は人参といえば、朝鮮人参しか知らず、薬性が「涼」の西洋人参が
あることも、ごく最近知りました。
> さらに、当帰芍薬散も、肺腎陰虚には多少、まずいかもしれません。
> 食欲不振があれば、脾胃の問題もあるのでしょうから、むしろ「加味温胆湯」
> のほう
> がより近いのかもしれません。
加味温胆湯については、医師にお願いしてみることとします。
保険がきくのはありがたい限りですが、母の状態、年齢からして、保険云々より、的確な処方をしてくれるところを優先し、再度、薬局・医師を探すつもりですが、特に、中医学をおさめた医師を捜し当てることができる可能性は限りなくゼロに近そうです。
梅雨の時期に入り、老母は食欲が落ち、ますます疲労感が深まっているようで心配しています。
治ることはない病気ですが、漢方薬で、少しでも進行スピードを緩め、快適に暮らせる時間を長くしてやりたくて、私は全力をつくしているつもりですが、素人判断で漢方薬を服用させるわけにはいかず、かといって今の先生の処方にも満足できず、困り果てていました。
こちらでは、村田様のような、中医学のプロに、きちんとお尋ねできる機会がないので、本当に助かります。ありがとうございました。
毎日HPを楽しみに拝見しております。わたしのような人が他にもきっとたくさんいることでしょう。
貴薬局様では特別な病気で無い限り、高齢になってから、初めて漢方を
服用することが僅少とのこと、とても残念でしたが、アドバイスに従い、地元で漢方専門医を探し、当帰芍薬散とコウジンを処方されました。
現在もアリセプトと併用しております。服薬後もさして変化はなく、あえて挙げるなら、深呼吸に似た深いため息の回数がほんの少しだけ減ったでしょうか。
母は超ヤセ型で、発病以前から食欲不振と足の裏だけの火照り、耳鳴りという現象がもう10年以上(現在も)続いております。漢方専門医の先生は今回、さらにコウジン末を増量なさいました。
私の必死のにわか勉強では、火照りがあるのだから、穏やかとはいえ、コウジンを増量するより、むしろ西洋参に変えたほうがよいのではないかと思ったりします。
中医学の漢方専門医は、ここ東京でも、どうしても見つからず、この方も日本漢方の方です。
ご多忙中、大変申し訳ないのですが、答えていただける範囲で結構ですので、アドバイスがいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:おっしゃるとおり、同じ人参を使用するなら、足のほてりがあるくらいですから、肺腎陰虚による虚熱があることが、十分推測されます。
そのような場合に、わざわざコウジンを強調して使用するのは、中医学的には間違いと言えます。
さらに、当帰芍薬散も、肺腎陰虚には多少、まずいかもしれません。
食欲不振があれば、脾胃の問題もあるのでしょうから、むしろ「加味温胆湯」のほうがより近いのかもしれません。
少なくとも、ニンジン関係に関しては、書かれている通りだと思います。
日本漢方では、中医学ほど寒熱は重視せず、「肺腎陰虚による虚熱」などという理詰めの概念が皆無です。
なにせ、五臓六腑にたいする理論体系が構築されていないのですから、首を傾げることばかりです。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
折り返し頂いたメール:早急のアドバイス、感謝に耐えません。
> そのような場合に、わざわざコウジンを強調して使用するのは、中医学的には
> 間違い
> と言えます。
母の病気以来、私も仕事を半分放り出し、連日、中医学関係の資料を読み漁る毎日です。
以前は人参といえば、朝鮮人参しか知らず、薬性が「涼」の西洋人参が
あることも、ごく最近知りました。
> さらに、当帰芍薬散も、肺腎陰虚には多少、まずいかもしれません。
> 食欲不振があれば、脾胃の問題もあるのでしょうから、むしろ「加味温胆湯」
> のほう
> がより近いのかもしれません。
加味温胆湯については、医師にお願いしてみることとします。
保険がきくのはありがたい限りですが、母の状態、年齢からして、保険云々より、的確な処方をしてくれるところを優先し、再度、薬局・医師を探すつもりですが、特に、中医学をおさめた医師を捜し当てることができる可能性は限りなくゼロに近そうです。
梅雨の時期に入り、老母は食欲が落ち、ますます疲労感が深まっているようで心配しています。
治ることはない病気ですが、漢方薬で、少しでも進行スピードを緩め、快適に暮らせる時間を長くしてやりたくて、私は全力をつくしているつもりですが、素人判断で漢方薬を服用させるわけにはいかず、かといって今の先生の処方にも満足できず、困り果てていました。
こちらでは、村田様のような、中医学のプロに、きちんとお尋ねできる機会がないので、本当に助かります。ありがとうございました。
毎日HPを楽しみに拝見しております。わたしのような人が他にもきっとたくさんいることでしょう。
posted by ヒゲジジイ at 17:49| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年06月16日
前回の続き:病院で漢方薬を指名買い?
折り返しお礼と再度の御質問メール:メール有難う御座いました。
メールを見て驚きました 別な漢方のお店の方が 女神散と六味丸がいいですね と言ってくれたので
ずっと 今まで飲んでいました
出来れば保険のきく 病院で出して戴くツムラの漢方薬で試してみたいのですが 桃核承気湯 と 黄連解毒湯 と六味丸 の3袋 一緒に服用しても 量的には大丈夫なんでしょうか?
それと下痢はしないでしょうか?
今日も仕事始めの朝がひどく 汗が出ないように と思った途端に ブワ〜〜と 頭から顔から背中、腰あたりが アッという間に ビッショリ濡れてしまいひどかったです そうすると 汗がひくまで 思考力も低下して 周りの目ばかり気になってしまい 恥ずかしくってどうして自分だけこんなにのぼせて暑いんだろう と悲しくなります
髪の毛が乾くまで時間がかかる時は ひざから下も 少しフラフラになったりします
やはり23歳でストレスが過剰にたまってしまい 生理がそれ以来 ピタリと止まってしまったのが 30代後半からずーと こんなひどい症状になってしまっています
これでも良くなってきた方です
今は 本当に私の悩みは のぼせとほてりと発汗だけです
現在 47才ですが あと何年続くやら お忙しいところ本当に申し訳ありませんが また 返信メールしていただいても宜しいでしょうか ?
すぐに 病院へ行ってもらってきたいのです <(_ _)> <(_ _)>
ヒゲ薬剤師のお返事:拝復
「桃核承気湯 と 黄連解毒湯 と六味丸」の配合は、症状が殆ど一緒の他の人に合っていたからといって、貴方の体質にピッタリとは限りませんよう!
必ず正確な弁証論治にもとづいて使用すべきで、もっと判りやすく言えば、相談相手がお医者様なら、中医学的な正しい診断を受けた上でなければならないし、漢方専門薬局で購入する場合であれば、綿密・詳細な御相談の上で、適切な漢方処方のアドバイスを受けた上で購入すべきです。
桃核承気湯が適応する人は、便秘症であると同時に「お血」が明らかに存在し、ヒステリックな性格等、細々とした相談をなさった上で使用すべきです。便秘症でなければ桂枝茯苓丸が適応するなど、漢方処方というものは、このようなメールだけのご相談で、そうそう簡単に貴方にとって適切な漢方処方が見つかるほど、安易なものではないのです。
前回お送りしたメールにも記したように、あくまでヒントであり、憶測でしかありませんよ。
少なくとも、貴方が提示された温清飲や女神散では、ちょっと温めすぎる薬物が多すぎるのではないかということです。
もう一度、繰り返し申しますが、「桃核承気湯 と 黄連解毒湯 と六味丸」が貴方に適切かどうかまでは、こちらでは判断出来る訳がない。
直接会ってご相談したわけではないのですから!
実際には、直接会ってご相談するのと、単なるメールやお電話での相談とは、それこそ百聞は一見にしかずといわれるように、全然話が違ってくる場合が、とても多いのですよ。
こちらでは、あくまでヒントを述べただけで、そちら関東は大都会なのですから、いい先生を見つけられて、正確な診断、あるいは詳細・綿密な御相談によって、漢方薬を求めるべきですよ!
安易なシロウト療法は禁物です。
たとえば、もしも「桃核承気湯 と 黄連解毒湯 と六味丸」この配合が合いもしないのに服用すれば、漢方薬といえども、不快な症状が出てきますよ!
決して、漢方をサプリメント類と同類に思わないで下さい。
某大手検索エンジンさんですら、
健康食品 > 漢方薬
などと、とんでもない分類をされるのですから、皆さんが漢方薬を安易に考えられるのも無理ないかもしれませんが、これはトンデモナイ誤解です。
漢方薬はれっきとした医薬品なのですよ。
病名治療が出来ないのが漢方薬なのですから、必ず専門家に直接会って、相当に詳しく相談して漢方薬を服用すべきです。
>>別な漢方のお店の方が 女神散と六味丸がいいですね と言ってくれたので
と書かれていますが、これがメール相談や電話相談だけで買い求めたとしたら、あまりにもお気楽すぎますよ。
医薬品である漢方薬を、対面販売を経ずに、最初から通信販売で求めたとしたら、あまりにも安易過ぎるということです。
以上、当方から具体的な漢方処方上のアドバイスは、一切、責任は持てませんので悪しからず。
さらに、
>>すぐに 病院へ行ってもらってきたいのです
などと、とても安易なことを書かれもいましたが、病院は医薬品を指名買い?出来るほどお気楽なところなのでしょうか?
このようなメールだけで安易に医薬品を選択すべきではありません。
病院で頂くつもりなら、必ず主治医に綿密に診断して頂いた上で、適切なものを投与してもらうべきです。
頓首
ヒゲ薬剤師
編集後記: 残念ながら、この方は先にお送りした当方からのメールをまともに読まれておられなかったようで、御自分の都合の良い部分だけが頭に残った模様である。
辛夷清肺湯など他方剤の可能性も大いにあり得ることも付記しているのだが、それには全然目が留まってない様子だし、もっと大切な地元で専門家を見つけて直接御相談する気があるのかないのか???
もっと真剣に当方からのメールを読んで下さっていたら、このような内容のメールが送られてくるはずがないのである
折り返しのメール: ごめんなさい <(_ _)>
先生の言う通りです 反省 漢方に詳しい病院も先生もいなく 気ばかり 焦ってしまっています
申し訳ありませんでした
メールを見て驚きました 別な漢方のお店の方が 女神散と六味丸がいいですね と言ってくれたので
ずっと 今まで飲んでいました
出来れば保険のきく 病院で出して戴くツムラの漢方薬で試してみたいのですが 桃核承気湯 と 黄連解毒湯 と六味丸 の3袋 一緒に服用しても 量的には大丈夫なんでしょうか?
それと下痢はしないでしょうか?
今日も仕事始めの朝がひどく 汗が出ないように と思った途端に ブワ〜〜と 頭から顔から背中、腰あたりが アッという間に ビッショリ濡れてしまいひどかったです そうすると 汗がひくまで 思考力も低下して 周りの目ばかり気になってしまい 恥ずかしくってどうして自分だけこんなにのぼせて暑いんだろう と悲しくなります
髪の毛が乾くまで時間がかかる時は ひざから下も 少しフラフラになったりします
やはり23歳でストレスが過剰にたまってしまい 生理がそれ以来 ピタリと止まってしまったのが 30代後半からずーと こんなひどい症状になってしまっています
これでも良くなってきた方です
今は 本当に私の悩みは のぼせとほてりと発汗だけです
現在 47才ですが あと何年続くやら お忙しいところ本当に申し訳ありませんが また 返信メールしていただいても宜しいでしょうか ?
すぐに 病院へ行ってもらってきたいのです <(_ _)> <(_ _)>
ヒゲ薬剤師のお返事:拝復
「桃核承気湯 と 黄連解毒湯 と六味丸」の配合は、症状が殆ど一緒の他の人に合っていたからといって、貴方の体質にピッタリとは限りませんよう!
必ず正確な弁証論治にもとづいて使用すべきで、もっと判りやすく言えば、相談相手がお医者様なら、中医学的な正しい診断を受けた上でなければならないし、漢方専門薬局で購入する場合であれば、綿密・詳細な御相談の上で、適切な漢方処方のアドバイスを受けた上で購入すべきです。
桃核承気湯が適応する人は、便秘症であると同時に「お血」が明らかに存在し、ヒステリックな性格等、細々とした相談をなさった上で使用すべきです。便秘症でなければ桂枝茯苓丸が適応するなど、漢方処方というものは、このようなメールだけのご相談で、そうそう簡単に貴方にとって適切な漢方処方が見つかるほど、安易なものではないのです。
前回お送りしたメールにも記したように、あくまでヒントであり、憶測でしかありませんよ。
少なくとも、貴方が提示された温清飲や女神散では、ちょっと温めすぎる薬物が多すぎるのではないかということです。
もう一度、繰り返し申しますが、「桃核承気湯 と 黄連解毒湯 と六味丸」が貴方に適切かどうかまでは、こちらでは判断出来る訳がない。
直接会ってご相談したわけではないのですから!
実際には、直接会ってご相談するのと、単なるメールやお電話での相談とは、それこそ百聞は一見にしかずといわれるように、全然話が違ってくる場合が、とても多いのですよ。
こちらでは、あくまでヒントを述べただけで、そちら関東は大都会なのですから、いい先生を見つけられて、正確な診断、あるいは詳細・綿密な御相談によって、漢方薬を求めるべきですよ!
安易なシロウト療法は禁物です。
たとえば、もしも「桃核承気湯 と 黄連解毒湯 と六味丸」この配合が合いもしないのに服用すれば、漢方薬といえども、不快な症状が出てきますよ!
決して、漢方をサプリメント類と同類に思わないで下さい。
某大手検索エンジンさんですら、
健康食品 > 漢方薬
などと、とんでもない分類をされるのですから、皆さんが漢方薬を安易に考えられるのも無理ないかもしれませんが、これはトンデモナイ誤解です。
漢方薬はれっきとした医薬品なのですよ。
病名治療が出来ないのが漢方薬なのですから、必ず専門家に直接会って、相当に詳しく相談して漢方薬を服用すべきです。
>>別な漢方のお店の方が 女神散と六味丸がいいですね と言ってくれたので
と書かれていますが、これがメール相談や電話相談だけで買い求めたとしたら、あまりにもお気楽すぎますよ。
医薬品である漢方薬を、対面販売を経ずに、最初から通信販売で求めたとしたら、あまりにも安易過ぎるということです。
以上、当方から具体的な漢方処方上のアドバイスは、一切、責任は持てませんので悪しからず。
さらに、
>>すぐに 病院へ行ってもらってきたいのです
などと、とても安易なことを書かれもいましたが、病院は医薬品を指名買い?出来るほどお気楽なところなのでしょうか?
このようなメールだけで安易に医薬品を選択すべきではありません。
病院で頂くつもりなら、必ず主治医に綿密に診断して頂いた上で、適切なものを投与してもらうべきです。
頓首
ヒゲ薬剤師
編集後記: 残念ながら、この方は先にお送りした当方からのメールをまともに読まれておられなかったようで、御自分の都合の良い部分だけが頭に残った模様である。
辛夷清肺湯など他方剤の可能性も大いにあり得ることも付記しているのだが、それには全然目が留まってない様子だし、もっと大切な地元で専門家を見つけて直接御相談する気があるのかないのか???
もっと真剣に当方からのメールを読んで下さっていたら、このような内容のメールが送られてくるはずがないのである
折り返しのメール: ごめんなさい <(_ _)>
先生の言う通りです 反省 漢方に詳しい病院も先生もいなく 気ばかり 焦ってしまっています
申し訳ありませんでした
posted by ヒゲジジイ at 21:34| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問
|
10年来ののぼせ、ほてり、発汗にツムラ漢方で効果的なもの教えて欲しい
40〜49歳代女性
ご意見やご質問をどうぞ : 特に頭ののぼせ、ほてり、発汗が10年ほど続いています。
手足はいつも暖かく冷えは全身全くありません。
ツムラの女神散と六味丸を服用していますが、ツムラの漢方薬でもっと効果のあるものと考えています。
今自分なりに考えてみたのですが、温清飲と女神散を一緒に服用したら、どうか大変悩んでいます。
是非 教えて下さい。自律神経と更年期が一緒にきているからだと先生に言われました。
体がオーバーヒートを起こしているんです。
少し蒸したり暑いと感じたりプレッシャーが感じたりすると タラタラと頭から汗が出てしまいます。
夏は特に辛いですね。
それと目と喉が乾燥しやすいです。生理はありません。
返信メール宜しくお願いいたします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:貴方とそっくりさんを、数年以上前、比較的急速に悩みを解決して差し上げた経験があります。
その時の漢方処方は、桃核承気湯と黄連解毒湯に六味丸でした。
その前に、桃核承気湯と黄連解毒湯だけではやや効き目が弱いので、六味丸を加えたら急速に回復しましたが、それでも弱ければ、猪苓湯を加えるつもりでしたが、その必要もなく軽快しました。
最近では、服薬を怠ってますが、夏の暑いときだけで間に合うようです。昨年の夏にも、一時的に服用していたほうが楽みたいだと言われ、秋になるとその必要も無くなったようです。
このような方がいたからと言って、貴方の場合も全く同じ処方で治るとは限りません。
正確な弁証論治にもとづいて方剤を決めなければ、逆効果になることだってありえます。
冷えは全身全く無いとのことでしたら、温清飲の中には四物湯という、かなり温める薬物が多いので、貴方には逆効果になる可能性すらあります。
女神散にしても、やや温める薬物が多すぎるように思いますよ。
目と咽喉が乾燥しやすいとのことですが、案外、辛夷清肺湯と六味丸に猪苓湯、あるいは血の滞りが強いようでしたら、桂枝茯苓丸や桃核承気湯などが適応かどうかを考慮すべきです。
メールでの判断は、直接お会いしての類推とは異なり、すべてかなりな憶測に過ぎません。決して正確ではありませんが、すくなくとも上記の服用しても無駄なものの中には、温清飲や女神散のような気がしてなりません、ということです。
以上、あくまで一つのヒント程度に思われて、あまり素人療法は考えらず、そのツムラ漢方を出してもらえるお医者様ともよく御相談されることです。
但し、その先生が漢方に詳しい先生であることを祈るばかりですが・・・・・・
頓首
追記 多汗症に猪苓湯を用いることがあり得る理由は、津気の通り道である少陽三焦のルートを利用して汗を小便に導き、結果として発汗量を少なくする方法である。
これはヒゲ薬剤師の試案としてやや古い論文もある。
猪苓湯が滑石茯苓湯に変わるとき(アトピー性皮膚炎)など
ご意見やご質問をどうぞ : 特に頭ののぼせ、ほてり、発汗が10年ほど続いています。
手足はいつも暖かく冷えは全身全くありません。
ツムラの女神散と六味丸を服用していますが、ツムラの漢方薬でもっと効果のあるものと考えています。
今自分なりに考えてみたのですが、温清飲と女神散を一緒に服用したら、どうか大変悩んでいます。
是非 教えて下さい。自律神経と更年期が一緒にきているからだと先生に言われました。
体がオーバーヒートを起こしているんです。
少し蒸したり暑いと感じたりプレッシャーが感じたりすると タラタラと頭から汗が出てしまいます。
夏は特に辛いですね。
それと目と喉が乾燥しやすいです。生理はありません。
返信メール宜しくお願いいたします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:貴方とそっくりさんを、数年以上前、比較的急速に悩みを解決して差し上げた経験があります。
その時の漢方処方は、桃核承気湯と黄連解毒湯に六味丸でした。
その前に、桃核承気湯と黄連解毒湯だけではやや効き目が弱いので、六味丸を加えたら急速に回復しましたが、それでも弱ければ、猪苓湯を加えるつもりでしたが、その必要もなく軽快しました。
最近では、服薬を怠ってますが、夏の暑いときだけで間に合うようです。昨年の夏にも、一時的に服用していたほうが楽みたいだと言われ、秋になるとその必要も無くなったようです。
このような方がいたからと言って、貴方の場合も全く同じ処方で治るとは限りません。
正確な弁証論治にもとづいて方剤を決めなければ、逆効果になることだってありえます。
冷えは全身全く無いとのことでしたら、温清飲の中には四物湯という、かなり温める薬物が多いので、貴方には逆効果になる可能性すらあります。
女神散にしても、やや温める薬物が多すぎるように思いますよ。
目と咽喉が乾燥しやすいとのことですが、案外、辛夷清肺湯と六味丸に猪苓湯、あるいは血の滞りが強いようでしたら、桂枝茯苓丸や桃核承気湯などが適応かどうかを考慮すべきです。
メールでの判断は、直接お会いしての類推とは異なり、すべてかなりな憶測に過ぎません。決して正確ではありませんが、すくなくとも上記の服用しても無駄なものの中には、温清飲や女神散のような気がしてなりません、ということです。
以上、あくまで一つのヒント程度に思われて、あまり素人療法は考えらず、そのツムラ漢方を出してもらえるお医者様ともよく御相談されることです。
但し、その先生が漢方に詳しい先生であることを祈るばかりですが・・・・・・
頓首
追記 多汗症に猪苓湯を用いることがあり得る理由は、津気の通り道である少陽三焦のルートを利用して汗を小便に導き、結果として発汗量を少なくする方法である。
これはヒゲ薬剤師の試案としてやや古い論文もある。
猪苓湯が滑石茯苓湯に変わるとき(アトピー性皮膚炎)など
posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
|
2006年06月14日
産後に発病したアトピー性皮膚炎?の御相談
女性
お問い合わせ内容: 結婚してから家事をするようになったからか、子供を産んで体質が変わったからか、5年位前から皮膚の状態が良くなくて悩んでいる。アトピーらしいものがひじ裏、ひざ裏、うなじなどに出ている。全身(顔以外⇒顔や頭はあぶらっぽい)、ひどい乾燥で、痒みがすごい。
掻いた跡や色素沈着もあって汚い。母乳後はおっぱいも痒い。
手や足、おしりを強く掻くと、一時的に盛り上がったものがぼつぼつでてくる。
また、主婦湿疹?手湿疹?も指に出ていて、とっても痒い。
皮膚とは別に、昔から首こり、肩こり、腰痛もひどい。
出産後は少し目頭の辺りも痛いほどではないが気になる。
子育て中なので、寝不足・食生活の乱れからか・・・、とにかく困っています。
漢方は飲んだことはありません。
皮膚にはステロイドや保湿クリームを塗っていますがよくなりません。
ざっと症状をお伝えしましたが、なにかアドバイスいただけると助かります。漢方でどうにかなりますか?
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
ご様子から察するにアトピー性皮膚炎のようですね。通われている皮膚科?の先生もそのような診断ではないのでしょうか?
ステロイドや保湿クリームを使用されていると書かれているところを察すると、皮膚科で標準治療を受けられているのであろうと察するわけですが、西洋医学治療でも、
http://murata-kanpo.ftw.jp/u48283.html
上記のように、金沢大学の皮膚科の竹原先生が示されている西洋医学治療を正しく行う限りは、ステロイドの副作用をほとんど出すことなく、上手にコントロールできるということのようですよ。
但し、キメ細かな指導を受けられているかどうかで、経過はかなり異なってくるようです。
これまで、どの程度、西洋医学治療を行って来られたのでしょうか?
本当に西洋医学治療が無効なのかどうか?
あるいは正しい指導を受けているかどうか? このへんも問題だと思います。
漢方薬治療は、西洋医学治療で頑張っても治らなかったアトピー性皮膚炎の多くを軽快させることが出来るものです。
但し、正確な弁証論治(その人の体質と症状に見合った適切な漢方薬の配合や組み合わせ)があって、はじめて可能なことです。
よくみられる疾患の中でも、アトピー性皮膚炎は、かなり正確で慎重なピントの合わせ方をしないと、おざなりで漢方薬を合わせても、効果が出ないどころか、時には却って逆効果ということもありますので、経験を積んだ専門家と綿密詳細な御相談の上でないとこころもとないものです。
当方でもしばしば西洋医学治療で治らなかったばかりでなく、漢方治療を受けても治らなかった人達の御相談は毎年かなりな人数になりますが、ピントのずれた漢方薬が出されているのをよく目撃しています。
お近くで、アトピーに自信を持っている経験豊富な漢方専門の薬局などであれば、自費の漢方というのはほどほど経費がかかるものですが、軽快することは可能です。
要するに、アトピー性皮膚炎に関しても、漢方薬はとても効果的なのですが、はっきり言いまして、腕の優劣が歴然と出てしまうデリケートな疾患ですので、専門家を慎重に選ばなければならない、ということです。
たとえば村田漢方堂薬局の仕事で言えば、服用される人が本気で切羽詰った思いで来られる方が多く、しばらく漢方に賭けてみるという熱意で来られる方しかお受けしない習慣から、そのお陰でジックリとピントを合わせることができるので、ここ何年も有効率殆ど100パーセントで、多くは比較的スムーズに軽快されています。
以上、ちょっと寝ぼけた散漫なお返事になって恐縮です。
頓首
お問い合わせ内容: 結婚してから家事をするようになったからか、子供を産んで体質が変わったからか、5年位前から皮膚の状態が良くなくて悩んでいる。アトピーらしいものがひじ裏、ひざ裏、うなじなどに出ている。全身(顔以外⇒顔や頭はあぶらっぽい)、ひどい乾燥で、痒みがすごい。
掻いた跡や色素沈着もあって汚い。母乳後はおっぱいも痒い。
手や足、おしりを強く掻くと、一時的に盛り上がったものがぼつぼつでてくる。
また、主婦湿疹?手湿疹?も指に出ていて、とっても痒い。
皮膚とは別に、昔から首こり、肩こり、腰痛もひどい。
出産後は少し目頭の辺りも痛いほどではないが気になる。
子育て中なので、寝不足・食生活の乱れからか・・・、とにかく困っています。
漢方は飲んだことはありません。
皮膚にはステロイドや保湿クリームを塗っていますがよくなりません。
ざっと症状をお伝えしましたが、なにかアドバイスいただけると助かります。漢方でどうにかなりますか?
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
ご様子から察するにアトピー性皮膚炎のようですね。通われている皮膚科?の先生もそのような診断ではないのでしょうか?
ステロイドや保湿クリームを使用されていると書かれているところを察すると、皮膚科で標準治療を受けられているのであろうと察するわけですが、西洋医学治療でも、
http://murata-kanpo.ftw.jp/u48283.html
上記のように、金沢大学の皮膚科の竹原先生が示されている西洋医学治療を正しく行う限りは、ステロイドの副作用をほとんど出すことなく、上手にコントロールできるということのようですよ。
但し、キメ細かな指導を受けられているかどうかで、経過はかなり異なってくるようです。
これまで、どの程度、西洋医学治療を行って来られたのでしょうか?
本当に西洋医学治療が無効なのかどうか?
あるいは正しい指導を受けているかどうか? このへんも問題だと思います。
漢方薬治療は、西洋医学治療で頑張っても治らなかったアトピー性皮膚炎の多くを軽快させることが出来るものです。
但し、正確な弁証論治(その人の体質と症状に見合った適切な漢方薬の配合や組み合わせ)があって、はじめて可能なことです。
よくみられる疾患の中でも、アトピー性皮膚炎は、かなり正確で慎重なピントの合わせ方をしないと、おざなりで漢方薬を合わせても、効果が出ないどころか、時には却って逆効果ということもありますので、経験を積んだ専門家と綿密詳細な御相談の上でないとこころもとないものです。
当方でもしばしば西洋医学治療で治らなかったばかりでなく、漢方治療を受けても治らなかった人達の御相談は毎年かなりな人数になりますが、ピントのずれた漢方薬が出されているのをよく目撃しています。
お近くで、アトピーに自信を持っている経験豊富な漢方専門の薬局などであれば、自費の漢方というのはほどほど経費がかかるものですが、軽快することは可能です。
要するに、アトピー性皮膚炎に関しても、漢方薬はとても効果的なのですが、はっきり言いまして、腕の優劣が歴然と出てしまうデリケートな疾患ですので、専門家を慎重に選ばなければならない、ということです。
たとえば村田漢方堂薬局の仕事で言えば、服用される人が本気で切羽詰った思いで来られる方が多く、しばらく漢方に賭けてみるという熱意で来られる方しかお受けしない習慣から、そのお陰でジックリとピントを合わせることができるので、ここ何年も有効率殆ど100パーセントで、多くは比較的スムーズに軽快されています。
以上、ちょっと寝ぼけた散漫なお返事になって恐縮です。
頓首
posted by ヒゲジジイ at 02:15| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問
|
2006年06月07日
入院中で胃ゾンデ使用中の患者さんの御相談
お問い合わせ内容: 私の父(〇〇歳)について、初めてご相談します。
私の父は、昨年10月に脳梗塞で入院し、左手と左顔面麻痺のリハビリを続けておりましたが、4月に食道がんが見つかり、・・・・・・・・・・に転院し、現在入院治療中です。
高齢ということもあり、放射線治療のみを受けております。
水も飲むことができず、栄養摂取は点滴からだけだったため、すっかり衰弱し寝たきりとなっておりますが、3日前に鼻から胃へチューブを入れることにより、栄養補給ができるようになりました。
そこで、漢方治療が受けられないものかと情報を集めているときに、先生のHPに出会い、ぜひご相談したいと思ってメールしました。
本人も漢方薬による治療を希望しているのですが、現在寝たきりのため、当分の間、ご相談にお伺いすることは無理だろうと思います。
私が代わりにお伺いすることではどうにもなりませんでしょうか。
アドバイスをよろしくお願いいたします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
お父上様の現在の様子がかなり詳細に分る身近な方であれば、可能かもしれません。
過去にも入院中の状態で来局が無理だという場合でご本人様が当方の漢方薬類を試して見たいという明らかな御意思がおありのばあい、あくまでクオリティー・オブ・ライフ向上を目的としてお出しするケースはあります。
(今年も既に一例あります。)
ただ少し問題なのは、胃ゾンデを利用した栄養摂取の場合、漢方薬類を利用することの許可が得られるのかどうかの問題と、許可を得られた場合でも、液体でなければ使用できないとなれば、漢方系の医薬品でも液体の製品があるものや、またその近縁の食品系の液体で作られたものを補助的に使用するなどで、使用できる範囲がやや不自由かもしれません。
但し、実際にはエキス剤を白湯で溶解して液体として利用などすれば、より適切な漢方薬類を利用できます。
なるべく面倒な煎じ薬は、不必要にはしない方が良いように思います。
長丁場となることや、臨機応変の配合変化の必要性などを考えると、液体の製品やエキスになった製品を組み合わせて白湯や水に溶解して利用する方が便利でしょう。
以上のような諸条件がととのっておられるのであれば可能ですが、必ず代理の方が直接来られて、お医者様の診断等のみならず、身近な御家族から見ての現在の詳しい状況等の御報告をして頂く必要があります。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
折り返しのメール:早速丁寧な御返事をいただき、ありがとうございます。
御返事を読み、希望が涌いてきました。
父の今後の治療計画等について、補足説明いたいしますと、今週の金曜日に内視鏡検査を行い、土曜日に主治医からその結果と治療計画の説明を受けることになっております。
検査の結果により、胃ろうをつくる手術の検討をしたいとの事前説明を受けています。
胃ろうができれば、漢方薬の選択肢も増えるのではないかと思います。
また、漢方薬を利用することについて、主治医の理解は得ています。
あくまで、QOL向上の目的での利用ということで、使いたい漢方薬があれば、相談するようにと言われておりますので、村田先生にお願いしたいと考えていることを主治医に相談したいと思います。
現在このような状況ですので、土曜日以降に改めてご相談させていただきたいと思います。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
私の父は、昨年10月に脳梗塞で入院し、左手と左顔面麻痺のリハビリを続けておりましたが、4月に食道がんが見つかり、・・・・・・・・・・に転院し、現在入院治療中です。
高齢ということもあり、放射線治療のみを受けております。
水も飲むことができず、栄養摂取は点滴からだけだったため、すっかり衰弱し寝たきりとなっておりますが、3日前に鼻から胃へチューブを入れることにより、栄養補給ができるようになりました。
そこで、漢方治療が受けられないものかと情報を集めているときに、先生のHPに出会い、ぜひご相談したいと思ってメールしました。
本人も漢方薬による治療を希望しているのですが、現在寝たきりのため、当分の間、ご相談にお伺いすることは無理だろうと思います。
私が代わりにお伺いすることではどうにもなりませんでしょうか。
アドバイスをよろしくお願いいたします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
お父上様の現在の様子がかなり詳細に分る身近な方であれば、可能かもしれません。
過去にも入院中の状態で来局が無理だという場合でご本人様が当方の漢方薬類を試して見たいという明らかな御意思がおありのばあい、あくまでクオリティー・オブ・ライフ向上を目的としてお出しするケースはあります。
(今年も既に一例あります。)
ただ少し問題なのは、胃ゾンデを利用した栄養摂取の場合、漢方薬類を利用することの許可が得られるのかどうかの問題と、許可を得られた場合でも、液体でなければ使用できないとなれば、漢方系の医薬品でも液体の製品があるものや、またその近縁の食品系の液体で作られたものを補助的に使用するなどで、使用できる範囲がやや不自由かもしれません。
但し、実際にはエキス剤を白湯で溶解して液体として利用などすれば、より適切な漢方薬類を利用できます。
なるべく面倒な煎じ薬は、不必要にはしない方が良いように思います。
長丁場となることや、臨機応変の配合変化の必要性などを考えると、液体の製品やエキスになった製品を組み合わせて白湯や水に溶解して利用する方が便利でしょう。
以上のような諸条件がととのっておられるのであれば可能ですが、必ず代理の方が直接来られて、お医者様の診断等のみならず、身近な御家族から見ての現在の詳しい状況等の御報告をして頂く必要があります。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
折り返しのメール:早速丁寧な御返事をいただき、ありがとうございます。
御返事を読み、希望が涌いてきました。
父の今後の治療計画等について、補足説明いたいしますと、今週の金曜日に内視鏡検査を行い、土曜日に主治医からその結果と治療計画の説明を受けることになっております。
検査の結果により、胃ろうをつくる手術の検討をしたいとの事前説明を受けています。
胃ろうができれば、漢方薬の選択肢も増えるのではないかと思います。
また、漢方薬を利用することについて、主治医の理解は得ています。
あくまで、QOL向上の目的での利用ということで、使いたい漢方薬があれば、相談するようにと言われておりますので、村田先生にお願いしたいと考えていることを主治医に相談したいと思います。
現在このような状況ですので、土曜日以降に改めてご相談させていただきたいと思います。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
posted by ヒゲジジイ at 12:24| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問
|
2006年06月06日
漢方医を紹介して欲しいとのお問合せ
男性
年齢 : 20歳〜29歳
簡単なご住所 : ●●●県
お問い合わせ内容 : お忙しいなか、お時間を取らせてしまいまして、申し訳ございません。
本当は先生のような信頼できる方のもとで治療をうけたいのですが、なにせ◎◎と山口は遠く、地元の漢方医を探しております。
そこで、先生のお知り合いの方で、◎◎辺で開業されている方はいらっしゃいますか?
教えてはいただけないでしょうか?
大変失礼なお願いかと重々承知しておりますが、どうぞお願いいたします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:〇〇様
ご紹介には自信が持てません。
以前もブログに書きましたように、以下のようなことがありました。
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/10707363.html
この方にしても、当方にこられて以後、ピントが合うまでに一ヵ月半かかり、その後も微調整を繰り返し、約半年間経過した現在、ご本人の感想では5〜6割改善したというレベルです。
もちろん病気の性質にもよりますが、この方の場合は経費的にも思いがけず一月分に換算すれば6万円を超えるほどの配合となってしまいました。
お尋ねの件以外に、余計なことも書きますのは、自費の漢方というものは思いがけず経費がかさむことが多いものですから。かといって、自費であるから保険では使用できない様々な漢方薬(医薬品)が使用できる自由さもあるのも確かです。
そちらは大都会ですから、たくさん漢方専門の先生は多いことでしょうが、どこが良いかまでは正直言って、全然見当がつきません。
同様な御質問をシバシバ受けておりますが、どなたにも上記と同様のお返事している次第です。
頓首
ヒゲ薬剤師
編集後記:上記のような御質問は実にシバシバ受ける内容なので、再び代表して掲載するものである。
蛇足ながら経費的な問題も付け加えているのは、難病指定を受けるような病気でも、稀には10日分の経費が三千円もかからず、しばらく安定しているので一ヵ月分七千円以内で、経過をみているケースがあるかと思えば、上記のように眩暈やフラツキ程度の問題でも、しっかりした効果を得るのに思いがけず経費が嵩むこともある。
転移ガンなどでは、出来るだけのクオリティー・オブ・ライフ向上のためには、さらにもっと経費がかかっている場合もある。
このように経費的な面を書くようになったのも、
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/17848531.html
上記のようなことがあったからに他ならない。
年齢 : 20歳〜29歳
簡単なご住所 : ●●●県
お問い合わせ内容 : お忙しいなか、お時間を取らせてしまいまして、申し訳ございません。
本当は先生のような信頼できる方のもとで治療をうけたいのですが、なにせ◎◎と山口は遠く、地元の漢方医を探しております。
そこで、先生のお知り合いの方で、◎◎辺で開業されている方はいらっしゃいますか?
教えてはいただけないでしょうか?
大変失礼なお願いかと重々承知しておりますが、どうぞお願いいたします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:〇〇様
ご紹介には自信が持てません。
以前もブログに書きましたように、以下のようなことがありました。
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/10707363.html
この方にしても、当方にこられて以後、ピントが合うまでに一ヵ月半かかり、その後も微調整を繰り返し、約半年間経過した現在、ご本人の感想では5〜6割改善したというレベルです。
もちろん病気の性質にもよりますが、この方の場合は経費的にも思いがけず一月分に換算すれば6万円を超えるほどの配合となってしまいました。
お尋ねの件以外に、余計なことも書きますのは、自費の漢方というものは思いがけず経費がかさむことが多いものですから。かといって、自費であるから保険では使用できない様々な漢方薬(医薬品)が使用できる自由さもあるのも確かです。
そちらは大都会ですから、たくさん漢方専門の先生は多いことでしょうが、どこが良いかまでは正直言って、全然見当がつきません。
同様な御質問をシバシバ受けておりますが、どなたにも上記と同様のお返事している次第です。
頓首
ヒゲ薬剤師
編集後記:上記のような御質問は実にシバシバ受ける内容なので、再び代表して掲載するものである。
蛇足ながら経費的な問題も付け加えているのは、難病指定を受けるような病気でも、稀には10日分の経費が三千円もかからず、しばらく安定しているので一ヵ月分七千円以内で、経過をみているケースがあるかと思えば、上記のように眩暈やフラツキ程度の問題でも、しっかりした効果を得るのに思いがけず経費が嵩むこともある。
転移ガンなどでは、出来るだけのクオリティー・オブ・ライフ向上のためには、さらにもっと経費がかかっている場合もある。
このように経費的な面を書くようになったのも、
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/17848531.html
上記のようなことがあったからに他ならない。
posted by ヒゲジジイ at 00:35| 山口 🌁| 漢方と漢方薬関連の御質問
|
2006年06月04日
肺癌の患者さんをサポートする漢方処方についてのお問合せ
簡単なご住所 : ●●県
お問い合わせ内容: 私の父(五十代後半)が肺癌のため、余命長くないもしかしたら三ヶ月程度かもしれないと診断を受けました。
父は、仕事が好きで、手術や抗ガン剤を受けるときっとフラフラになって仕事ができなくなってしまうだろうと判断し、自然に任せることにしたようです。
でも、日に日に弱っていく父を見て、私は耐え切れません。息苦しそうで、ハーハー言っており、筋肉が痛むようです。父は、典型的な虚のタイプです。
非常にやせており、貧血もあり、未熟児で、生まれた時から体が弱く、喘息ももっています。
癌治療に漢方薬が見直されていると言う記事を読み、先生にお尋ねしたく思いました。
よく記事で目にするのは、補中益気湯、十全大補湯なのですが、どちらを飲ませるべきなのか悩んでいます。この二つはどのような違いがあるのでしょうか?
また、こういうのも追加して飲むと効果があるなどありましたら教えていただけませんでしょうか。
お忙しいとは思いますが、どうかお力をくださいませんでしょうか。
ヒゲ薬剤師からのお返事メール:当方では手術不能の地元の肺がん患者(60代)さんで、某新聞社に紹介されて御相談に来られた方に、適切な漢方薬類を併用してもらいながら、病院では抗癌剤や放射線を適宜おこなってもらったところ、副作用なども余り出ず、ほぼ肺がんは消退してしまいました。
「悪がたまり」した?ということで、定期的に病院で観察しながら3年経過したところで、漢方薬類も飽きがきて、中止したところ、その二年後には、転移ではなく、新たに胃癌が出来ました。
この胃癌は手術可能だったので、切除しましたが、こんどは心を入れなおして一生漢方薬類を続けるつもりだということで、胃癌切除後2年経過していますが、今のところ全く順調です。
とても不思議なことは、癌の大きさと位置の関係で手術不能だった肺がんは、抗癌剤や放射線治療および漢方薬類のサポートで、「悪がたまり」しているとて、何とも非科学的な表現をされる患者さんなのですが、確かに当方に相談に見えられるようになってから7年以上経過していますが、肺がんは暴れることも、転移することもなく、順調に経過しているのです。
また、もっと若い人の40代の手術不能の肺がんの方も、病院における適切な抗癌剤や放射線に漢方薬類の併用により、四年以上、順調な経過を辿っている例もあるのです。
ですから、貴女のお父様の場合も、もしも手術が出来ない場合でも、抗癌剤や放射線を適宜受けられ、同時に漢方薬類の併用も考慮すべきではないでしょうか?
おたづねの漢方処方につきましては、弁証論治という精度の高いピンと合わせを行うべきですので、一概にここで処方を述べることは出来ません。
必ずそちらの地元近くで通える範囲内で、詳細・綿密な御相談とともに適切な漢方薬をアドバイス・販売交付してもらえる漢方専門薬局か、あるいは真に深く漢方を研究されている医師がおられたら、そのような専門家に見てもらいながら、適切な漢方薬類をもとめるべきです。
西洋医学治療をすべて拒否するのはもったいないことだと存じます。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
お問い合わせ内容: 私の父(五十代後半)が肺癌のため、余命長くないもしかしたら三ヶ月程度かもしれないと診断を受けました。
父は、仕事が好きで、手術や抗ガン剤を受けるときっとフラフラになって仕事ができなくなってしまうだろうと判断し、自然に任せることにしたようです。
でも、日に日に弱っていく父を見て、私は耐え切れません。息苦しそうで、ハーハー言っており、筋肉が痛むようです。父は、典型的な虚のタイプです。
非常にやせており、貧血もあり、未熟児で、生まれた時から体が弱く、喘息ももっています。
癌治療に漢方薬が見直されていると言う記事を読み、先生にお尋ねしたく思いました。
よく記事で目にするのは、補中益気湯、十全大補湯なのですが、どちらを飲ませるべきなのか悩んでいます。この二つはどのような違いがあるのでしょうか?
また、こういうのも追加して飲むと効果があるなどありましたら教えていただけませんでしょうか。
お忙しいとは思いますが、どうかお力をくださいませんでしょうか。
ヒゲ薬剤師からのお返事メール:当方では手術不能の地元の肺がん患者(60代)さんで、某新聞社に紹介されて御相談に来られた方に、適切な漢方薬類を併用してもらいながら、病院では抗癌剤や放射線を適宜おこなってもらったところ、副作用なども余り出ず、ほぼ肺がんは消退してしまいました。
「悪がたまり」した?ということで、定期的に病院で観察しながら3年経過したところで、漢方薬類も飽きがきて、中止したところ、その二年後には、転移ではなく、新たに胃癌が出来ました。
この胃癌は手術可能だったので、切除しましたが、こんどは心を入れなおして一生漢方薬類を続けるつもりだということで、胃癌切除後2年経過していますが、今のところ全く順調です。
とても不思議なことは、癌の大きさと位置の関係で手術不能だった肺がんは、抗癌剤や放射線治療および漢方薬類のサポートで、「悪がたまり」しているとて、何とも非科学的な表現をされる患者さんなのですが、確かに当方に相談に見えられるようになってから7年以上経過していますが、肺がんは暴れることも、転移することもなく、順調に経過しているのです。
また、もっと若い人の40代の手術不能の肺がんの方も、病院における適切な抗癌剤や放射線に漢方薬類の併用により、四年以上、順調な経過を辿っている例もあるのです。
ですから、貴女のお父様の場合も、もしも手術が出来ない場合でも、抗癌剤や放射線を適宜受けられ、同時に漢方薬類の併用も考慮すべきではないでしょうか?
おたづねの漢方処方につきましては、弁証論治という精度の高いピンと合わせを行うべきですので、一概にここで処方を述べることは出来ません。
必ずそちらの地元近くで通える範囲内で、詳細・綿密な御相談とともに適切な漢方薬をアドバイス・販売交付してもらえる漢方専門薬局か、あるいは真に深く漢方を研究されている医師がおられたら、そのような専門家に見てもらいながら、適切な漢方薬類をもとめるべきです。
西洋医学治療をすべて拒否するのはもったいないことだと存じます。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
posted by ヒゲジジイ at 12:20| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年05月29日
漢方、生薬による、メタボリックシンドロームの改善または予防で使用される方剤と予後について
医療・福祉関係
ご質問メール : 漢方、生薬による、メタボリックシンドロームの改善または予防で使用される方剤と予後を教えてください。
お返事メール:拝復
漢方は西洋医学とは異なり、人間様の共通性よりもそれぞれの特殊性を重視しますので、一概に言えるものではありません。
西洋医学で注目されだしたからと言って、防風通聖散が適応するなど様々言われていますが、そんな一般化した方剤で対処できるものではないと思います。
あくまでその人その人に正確な弁証論治に基づいて使用すべきであり、そうでなければ効果を発揮出来るものではありません。
そんなことよりも、この長く続く飽食の習慣を止めるのが一番の予防ではないでしょうか?
当方の薬局では、この問題で相談に来られる人があったら、まず「食べるのを止めよ」と言って、漢方薬は一切奨めないことでしょう。
もちろん、本気で体質改善の意欲と熱意があって、是非にと懇願されれば、まずは食事制限と共に、弁証論治に基づいた方剤をアドバイスすることでしょう。
中医学的にはおそらく血瘀○(けつお)の問題のみならず湿濁・痰濁・湿熱・痰熱の問題がかなり絡んでくるものと想像します。
しかしながらどのようなご相談であれ、当方では西洋医学で治りが悪い、あるいは治らないというような段階でないと御相談に乗ることは稀ですので、シンドロームの段階では扱うことは滅多に無く、大事になって以後の漢方相談ばかりですよ。
予防となれば食事制限以外にも、規則正しい生活と適度な運動などというのは、言わずと知れたことなので、そんな常識的なことをここで述べてもしようがないことと思います。
結論として、「痰濁や湿熱と血瘀○(けつお)の問題が絡むであろう」ということですが、それぞれの体質上の個別性というものを正確に弁証分析して方剤を考えなければならないのですから、一般論としてこの方剤です、などと単純化は決して出来ないということです。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
ご質問メール : 漢方、生薬による、メタボリックシンドロームの改善または予防で使用される方剤と予後を教えてください。
お返事メール:拝復
漢方は西洋医学とは異なり、人間様の共通性よりもそれぞれの特殊性を重視しますので、一概に言えるものではありません。
西洋医学で注目されだしたからと言って、防風通聖散が適応するなど様々言われていますが、そんな一般化した方剤で対処できるものではないと思います。
あくまでその人その人に正確な弁証論治に基づいて使用すべきであり、そうでなければ効果を発揮出来るものではありません。
そんなことよりも、この長く続く飽食の習慣を止めるのが一番の予防ではないでしょうか?
当方の薬局では、この問題で相談に来られる人があったら、まず「食べるのを止めよ」と言って、漢方薬は一切奨めないことでしょう。
もちろん、本気で体質改善の意欲と熱意があって、是非にと懇願されれば、まずは食事制限と共に、弁証論治に基づいた方剤をアドバイスすることでしょう。
中医学的にはおそらく血瘀○(けつお)の問題のみならず湿濁・痰濁・湿熱・痰熱の問題がかなり絡んでくるものと想像します。
しかしながらどのようなご相談であれ、当方では西洋医学で治りが悪い、あるいは治らないというような段階でないと御相談に乗ることは稀ですので、シンドロームの段階では扱うことは滅多に無く、大事になって以後の漢方相談ばかりですよ。
予防となれば食事制限以外にも、規則正しい生活と適度な運動などというのは、言わずと知れたことなので、そんな常識的なことをここで述べてもしようがないことと思います。
結論として、「痰濁や湿熱と血瘀○(けつお)の問題が絡むであろう」ということですが、それぞれの体質上の個別性というものを正確に弁証分析して方剤を考えなければならないのですから、一般論としてこの方剤です、などと単純化は決して出来ないということです。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
posted by ヒゲジジイ at 00:03| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年05月25日
昨日の続き(大黄牡丹皮湯の通信販売?)
昨日のブログ の続き
折り返しのお返事:村田様
お返事ありがとうございます。
昨日は1日出かけており、お礼が遅れ失礼しました。
本当は処方してくれた医院に行ってお薬を替えてもらうとかした方が良いのでしょうが、今までの経験からするとなかなか上手く行く例は少ないかなと思います。
村田様がアドバイス下さいました大黄牡丹皮湯または腸癰湯が出てくる可能性はゼロに近いと思います。
3週間分のお薬を出された時点でちょっと不安でした。
やはり、おっしゃいますように1週間から10日位で微妙に体質といいますか、薬の効き方が変わってくるように感じます。
インターネットで上記のお薬について調べてみました。
昔から便秘気味で、右の下腹部がいつも痛いような重いような感じがしていました。
アトピーの悪化も腸の状態に関係しているのではないかと思うこともしばしばありました。
ですから是非試してみたいと思います。
それでご相談ですが、いつも相談するばかりで、村田様には1銭にもならないのは失礼かと思いますが、大黄牡丹皮湯を通信販売で売ってくださいというのはやはり無理なことでしょうか?
やはり村田様の真意に反することになってしまいますでしょうか?
本当にいつも相談ばかりで、しかも親身に回答してくださり感謝の念で一杯なのですがそれを表す方法が、そちらに伺うのが一番なのでしょうが、なかなか自由にならない身でどうしたものかと思っております。
どうぞご一考くださいませ。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
お返事は急いでされる必要はありませんよ。
こちらもブログに使わせてもらっているのですから、お互い様です。
ところで、大黄牡丹皮湯についてのアドバイスはあくまでヒントですので、必ずそちらの専門の先生と御相談の上で使用して欲しいと思います。
直接お会いして相談を受けたのと異なり、メールでのアドバイスはどうしても不確かな部分もありますので、あくまで一つのヒントとして受け取って欲しいと思います。
桂枝茯苓丸や大黄牡丹皮湯あるいは腸癰湯のいずれにも「桃仁」というシアンが含まれた生薬が配合されていますので、決して二重に服用してはならない方剤同士です。
それら専門的な諸注意など、いま罹られている先生に御相談の上、桂枝茯苓丸を一旦中止して、そのかわりに大黄牡丹皮湯を竜胆瀉肝湯と併用してみるなど、主治医と相談されるのが一番です。
まだ安定した効果が確認できないときから、3週間も同一方剤を投与される感性は、当方の神経質なやり方では、やや理解にくるしむところです。
しっかりピントがあうまでは、やはり一週間から10日くらいで臨機応変に方剤を切り替えなければ、やや重症に近いアトピー性皮膚炎では、対処しにくいのではないかと存じます。
そのまま調子が悪いのなら、残りの漢方薬は犠牲にするつもりで、主治医に腹を割って御相談されてみられてはいかがでしょうか?
当方では、直接お会いしてじっくり時間をかけて御相談したわけでもないのに、漢方薬を通信販売するわけにはいかないのです。(大変恐縮ながら、無責任な販売はできないということです。)
このお返事も、あくまでヒント程度に思われ、現在服用中の方剤が思わしく無い場合は、やはり早めに主治医に御相談されることが一番です。
なお、重ねて書きますが、お返事は気になさらないで下さい。
ブログに掲載させて頂くことで、アトピーで悩まれている多くの方の参考になると思い、その点ではお互い様ですので。
また、困った時にはいつでもお便り下さいませ。(僅かなヒント程度にしかならないかもしれませんが・・・・)
頓首
編集後記:医薬品である漢方薬のネット販売をしない理由⇒当局も自粛を促しているネット通販(具体的な漢方薬類を陳列・掲載したお誘い販売)や電話相談あるいはメール相談のみによる販売のあやふやさ
折り返しのお返事:村田様
お返事ありがとうございます。
昨日は1日出かけており、お礼が遅れ失礼しました。
本当は処方してくれた医院に行ってお薬を替えてもらうとかした方が良いのでしょうが、今までの経験からするとなかなか上手く行く例は少ないかなと思います。
村田様がアドバイス下さいました大黄牡丹皮湯または腸癰湯が出てくる可能性はゼロに近いと思います。
3週間分のお薬を出された時点でちょっと不安でした。
やはり、おっしゃいますように1週間から10日位で微妙に体質といいますか、薬の効き方が変わってくるように感じます。
インターネットで上記のお薬について調べてみました。
昔から便秘気味で、右の下腹部がいつも痛いような重いような感じがしていました。
アトピーの悪化も腸の状態に関係しているのではないかと思うこともしばしばありました。
ですから是非試してみたいと思います。
それでご相談ですが、いつも相談するばかりで、村田様には1銭にもならないのは失礼かと思いますが、大黄牡丹皮湯を通信販売で売ってくださいというのはやはり無理なことでしょうか?
やはり村田様の真意に反することになってしまいますでしょうか?
本当にいつも相談ばかりで、しかも親身に回答してくださり感謝の念で一杯なのですがそれを表す方法が、そちらに伺うのが一番なのでしょうが、なかなか自由にならない身でどうしたものかと思っております。
どうぞご一考くださいませ。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
お返事は急いでされる必要はありませんよ。
こちらもブログに使わせてもらっているのですから、お互い様です。
ところで、大黄牡丹皮湯についてのアドバイスはあくまでヒントですので、必ずそちらの専門の先生と御相談の上で使用して欲しいと思います。
直接お会いして相談を受けたのと異なり、メールでのアドバイスはどうしても不確かな部分もありますので、あくまで一つのヒントとして受け取って欲しいと思います。
桂枝茯苓丸や大黄牡丹皮湯あるいは腸癰湯のいずれにも「桃仁」というシアンが含まれた生薬が配合されていますので、決して二重に服用してはならない方剤同士です。
それら専門的な諸注意など、いま罹られている先生に御相談の上、桂枝茯苓丸を一旦中止して、そのかわりに大黄牡丹皮湯を竜胆瀉肝湯と併用してみるなど、主治医と相談されるのが一番です。
まだ安定した効果が確認できないときから、3週間も同一方剤を投与される感性は、当方の神経質なやり方では、やや理解にくるしむところです。
しっかりピントがあうまでは、やはり一週間から10日くらいで臨機応変に方剤を切り替えなければ、やや重症に近いアトピー性皮膚炎では、対処しにくいのではないかと存じます。
そのまま調子が悪いのなら、残りの漢方薬は犠牲にするつもりで、主治医に腹を割って御相談されてみられてはいかがでしょうか?
当方では、直接お会いしてじっくり時間をかけて御相談したわけでもないのに、漢方薬を通信販売するわけにはいかないのです。(大変恐縮ながら、無責任な販売はできないということです。)
このお返事も、あくまでヒント程度に思われ、現在服用中の方剤が思わしく無い場合は、やはり早めに主治医に御相談されることが一番です。
なお、重ねて書きますが、お返事は気になさらないで下さい。
ブログに掲載させて頂くことで、アトピーで悩まれている多くの方の参考になると思い、その点ではお互い様ですので。
また、困った時にはいつでもお便り下さいませ。(僅かなヒント程度にしかならないかもしれませんが・・・・)
頓首
編集後記:医薬品である漢方薬のネット販売をしない理由⇒当局も自粛を促しているネット通販(具体的な漢方薬類を陳列・掲載したお誘い販売)や電話相談あるいはメール相談のみによる販売のあやふやさ
posted by ヒゲジジイ at 18:25| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年05月24日
保険漢方による竜胆瀉肝湯に桂枝茯苓丸各エキス剤にして一時好転しかけていたがまた悪化し始めたという女性に対するお返事
5月20日の5月15日の続き:アトピー性皮膚炎の方からのお返事メールの続きである。
昨日、この方からメールで上記の報告のように一事好転しかかっていたが再び悪化しているという落胆のメールを頂いていたので、すかさず下記のお返事をメールで送信したつもりが、借りている某Webメールが一時使用不能となってしまい、その文面の詳細も再確認することも出来ず、お相手のメールアドレスも現状では確認もできないために、送信手段を断たれている状態なので、急遽下記に当方からのお返事だけを転載する。(幸いにこういう事故にそなえて当方からのお返事内容をコピーしておいてよかった。)
追記:ようやくWebメールが使用可能になったので・・・・
先方様からのメール: 悪化しています
村田様
先日、桂枝茯苓丸を飲んで調子が良くなったとご報告したばかりですが、今は悪化しています。
皮膚が乾燥している感じはしていましたが、それが痛痒くなり、今は赤く細かいブツブツが出てきています。表面が熱い感じです。
温清飲のときもこんな感じでした。ただ温清飲は表面が潤うようで、桂枝茯苓丸は乾いている感じです。
やっぱり一筋縄ではいかないのです。
村田様のお世話になることもあるかと思います。
その節は宜しくお願いします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
桂枝茯苓丸で一時良かったのが逆に悪化しているのは、最も考えられる原因は、処方中の桂枝の温散の性質が災いしている可能性が高いと思います。
それゆえ、このような場合は、すかさず桂枝の含まない「腸ヨウ湯(ちょうようとう)」か、あるいは「大黄牡丹皮湯(←もしも便秘気味なら)」に切り替える臨機応変さが欲しいものです。
弁証論治にもとづくアトピー性皮膚炎の治療は、とても厳密なものですから、やはり一週間から10日くらいで臨機応変にピントを合わせる努力をしないと、なかなかピントが合わない場合がありますよ。
折々に主治医にご相談されて、根拠のある配合を試行錯誤を繰り返しながら頑張る以外に仕方がないでしょう。
アトピー性皮膚炎はT型およびW型アレルギーが関与しているとの西洋医学的観点による中西医結合的な配慮も必要でしょう。
成人のアトピーでこれまで当方で御相談を受けた事例のほとんどは各医療機関や漢方療法によってもこじれまくってしまった状態ですが、多くは比較的順調に改善されていくものの、最初の数ヶ月は効果が安定しないで、微調整に手間取ることもあるのです。
県内や隣県の人の場合は、しっかりピントが合うまで10日毎に通い詰めてもらいますから、比較的早めに効果が安定して来るのです。
アトピー性皮膚炎はアレルギー関与のとてもデリケートな疾患ですから、隣県などと違ってかなり遠方から来られる人の場合、その後は10日毎にメールや電話での細かな微調整、かなりな神経質さと同時に大胆さも必要で、お互いに繊細でかつ臨機応変の柔軟性も必要とします。
できるだけそちらで頑張って見て下さい!
現時点では正確なアドバイスは不可能ですが、上記のように桂枝茯苓丸を腸ヨウ湯に変えることや、インチンコウ湯を加えるなど、まだまだ工夫する余地があるようにも思えます。
頓首
昨日、この方からメールで上記の報告のように一事好転しかかっていたが再び悪化しているという落胆のメールを頂いていたので、すかさず下記のお返事をメールで送信したつもりが、借りている某Webメールが一時使用不能となってしまい、その文面の詳細も再確認することも出来ず、お相手のメールアドレスも現状では確認もできないために、送信手段を断たれている状態なので、急遽下記に当方からのお返事だけを転載する。(幸いにこういう事故にそなえて当方からのお返事内容をコピーしておいてよかった。)
追記:ようやくWebメールが使用可能になったので・・・・
先方様からのメール: 悪化しています
村田様
先日、桂枝茯苓丸を飲んで調子が良くなったとご報告したばかりですが、今は悪化しています。
皮膚が乾燥している感じはしていましたが、それが痛痒くなり、今は赤く細かいブツブツが出てきています。表面が熱い感じです。
温清飲のときもこんな感じでした。ただ温清飲は表面が潤うようで、桂枝茯苓丸は乾いている感じです。
やっぱり一筋縄ではいかないのです。
村田様のお世話になることもあるかと思います。
その節は宜しくお願いします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
桂枝茯苓丸で一時良かったのが逆に悪化しているのは、最も考えられる原因は、処方中の桂枝の温散の性質が災いしている可能性が高いと思います。
それゆえ、このような場合は、すかさず桂枝の含まない「腸ヨウ湯(ちょうようとう)」か、あるいは「大黄牡丹皮湯(←もしも便秘気味なら)」に切り替える臨機応変さが欲しいものです。
弁証論治にもとづくアトピー性皮膚炎の治療は、とても厳密なものですから、やはり一週間から10日くらいで臨機応変にピントを合わせる努力をしないと、なかなかピントが合わない場合がありますよ。
折々に主治医にご相談されて、根拠のある配合を試行錯誤を繰り返しながら頑張る以外に仕方がないでしょう。
アトピー性皮膚炎はT型およびW型アレルギーが関与しているとの西洋医学的観点による中西医結合的な配慮も必要でしょう。
成人のアトピーでこれまで当方で御相談を受けた事例のほとんどは各医療機関や漢方療法によってもこじれまくってしまった状態ですが、多くは比較的順調に改善されていくものの、最初の数ヶ月は効果が安定しないで、微調整に手間取ることもあるのです。
県内や隣県の人の場合は、しっかりピントが合うまで10日毎に通い詰めてもらいますから、比較的早めに効果が安定して来るのです。
アトピー性皮膚炎はアレルギー関与のとてもデリケートな疾患ですから、隣県などと違ってかなり遠方から来られる人の場合、その後は10日毎にメールや電話での細かな微調整、かなりな神経質さと同時に大胆さも必要で、お互いに繊細でかつ臨機応変の柔軟性も必要とします。
できるだけそちらで頑張って見て下さい!
現時点では正確なアドバイスは不可能ですが、上記のように桂枝茯苓丸を腸ヨウ湯に変えることや、インチンコウ湯を加えるなど、まだまだ工夫する余地があるようにも思えます。
頓首
posted by ヒゲジジイ at 10:43| 山口 🌁| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年05月20日
5月15日の続き:アトピー性皮膚炎の方からのお返事メール
2006年05月15日:下関まで直接来局予定の●●さんへの追伸の続き
村田様
メールのお返事ありがとうございました。
村田様のメールを読み、あるいはホームページを読み、自分なりにいろいろ考えたりすることもあり、なかなかお返事が出来ませんでした。
十味敗毒湯は効いているのかいないのか、はっきり言ってよくわかりませんでした。
水泡のある湿疹があって、その先が白とか黄色とか化膿する可能性があるということで出されていたのだと思いますが、それを改善している気配はありませんでした。
かゆみの原因になっていたのか、痒いのは生理周期のせいなのか、或いはお天気(ここのところのぐずついたお天気)のせいなのか。
ちょうど村田様のメールをいただき、十味敗毒湯を中止したタイミングで生理になり、その生理も数ヶ月ぶりに、普通のものだったので、生理不順も加味逍遥散の影響だったのかと改めて確認した次第です。
生理がくるとぐっとアトピーの症状が楽になります。
更に、通院している病院で温清飲を飲めないと言うと、桂枝茯苓丸を処方してくれたのですが、それを飲みはじめたら、体に合っているのか、調子が良いのです。
まず小水の出がよくなり、そのせいか水泡も減ってきて、痒疹が縮んできています。
生理前はステロイドを塗っても効き目がないのですが、生理後はすっきりするのでそのせいかもしれません。
それから、漢方薬の治療は、保険が効かなければ2.3万円かかるというのは承知はしています。
以前飲んでいた薬も1日500円ほど掛かっていました。
1種類でしたので15000円程でしたが、種類が増えれば金額がかさむというのは頭ではわかっています。
ただ、毎月のこととなるとだんだん負担になってくるかもしれないとは思いました。
(中略)
・・・・・長期となると苦しくなるかもしれません。
又、エキス剤ですと、1日3回飲むのが苦しいときもあります。(肉体的に)
煎じ薬でしたら、その辺は個人に合わせて量も調整していただけるのでしょうが。
今は竜胆しゃ肝湯と桂枝茯苓丸を飲んでいます。
そんなこんなで、こちらが焦って却って村田様にご迷惑をおかけしてしまうといけませんね。
これから梅雨・夏と悪化する季節なので、不安でいっぱいなのですが、しばらくは様子を見て、夏休み頃決心しようと思います。
その節にはどうぞよろしくお願いします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
わざわざ下関に来られなくとも、今の調子で治るかもしれませんよ?!
というのも、
>>生理がくるとぐっとアトピーの症状が楽になります。
と書かれていますように、このような体質の方はオケツが多い体質の方ですから、桂枝茯苓丸がフィットするのでしょう!
ですから、しばらく竜胆瀉肝湯と桂枝茯苓丸で様子をみて、これでも弱ければ、もしかしたら茵チン蒿湯(インチンコウトウ)を加えるくらいのことで、もっと効果が上がるのかも知れませんよ!?
そのお医者様が漢方に熱心で、よく研究される先生でしたら、今後も治る可能性は十分にあると思います。
それには患者さんのほうも、貴女のように客観的な観察力があって正直な報告を先生にされたり、あるいは提案をされていけば、保険漢方の続行でも今後の見通しは明るいような気がしますよ!
(ただ、水分の停滞しやすい体質のアトピー患者さんに温清飲を出されのは禁忌の配合ですので、基礎的な部分でやや不安が残りますね。)
ところで、問題の自費の漢方の世界は、保険がきかない分、経費はかかるものの、自由自在な漢方が使える利点を最大限に活かせるから、病院でもうまくいかないものや、他の漢方薬局でもダメだったというのを解決できるのです。
それだけに経費的な問題は、どうしても互いに足かせになる場合があるので、決して無理はされない方が良いと思います。
現実に、ネットで遠方からやって来られた方でも、極めて順調に行きかけているのに、経費の問題で1日2回にしてしまっている人もいるわけですが、今のところさいわい順調に経過しているものの、これは運がいいほうで、多くは1日2回の服用になると、効果が不安定になるものなのです。
ほとんど目途が付いてから、予防的な段階に入って服用回数を減らすのは構わないにしても、初期からこのようでは、正直言って、こちらの方がやる気が失せてしまうのです。
だから、当方ではそのような中途半端な仕事はしたくないので、今後もますます多くの方に地元で治すようにアドバイスすることが増えるばかりでしょう。
正直言って、ネットを通じて来られる方の多くは、当方の綿密で神経質な方法は一部の人しか通用しないことを最近ようやく悟っていますから、それはそれでいいのです。
もともと当方のHPとブログ類の大目的は、我が愛する日本国のために(笑)、日本漢方に中医学理論を合体させるべきことを専門家に訴えるための方便の一つに過ぎないのですから。
頓首
村田様
メールのお返事ありがとうございました。
村田様のメールを読み、あるいはホームページを読み、自分なりにいろいろ考えたりすることもあり、なかなかお返事が出来ませんでした。
十味敗毒湯は効いているのかいないのか、はっきり言ってよくわかりませんでした。
水泡のある湿疹があって、その先が白とか黄色とか化膿する可能性があるということで出されていたのだと思いますが、それを改善している気配はありませんでした。
かゆみの原因になっていたのか、痒いのは生理周期のせいなのか、或いはお天気(ここのところのぐずついたお天気)のせいなのか。
ちょうど村田様のメールをいただき、十味敗毒湯を中止したタイミングで生理になり、その生理も数ヶ月ぶりに、普通のものだったので、生理不順も加味逍遥散の影響だったのかと改めて確認した次第です。
生理がくるとぐっとアトピーの症状が楽になります。
更に、通院している病院で温清飲を飲めないと言うと、桂枝茯苓丸を処方してくれたのですが、それを飲みはじめたら、体に合っているのか、調子が良いのです。
まず小水の出がよくなり、そのせいか水泡も減ってきて、痒疹が縮んできています。
生理前はステロイドを塗っても効き目がないのですが、生理後はすっきりするのでそのせいかもしれません。
それから、漢方薬の治療は、保険が効かなければ2.3万円かかるというのは承知はしています。
以前飲んでいた薬も1日500円ほど掛かっていました。
1種類でしたので15000円程でしたが、種類が増えれば金額がかさむというのは頭ではわかっています。
ただ、毎月のこととなるとだんだん負担になってくるかもしれないとは思いました。
(中略)
・・・・・長期となると苦しくなるかもしれません。
又、エキス剤ですと、1日3回飲むのが苦しいときもあります。(肉体的に)
煎じ薬でしたら、その辺は個人に合わせて量も調整していただけるのでしょうが。
今は竜胆しゃ肝湯と桂枝茯苓丸を飲んでいます。
そんなこんなで、こちらが焦って却って村田様にご迷惑をおかけしてしまうといけませんね。
これから梅雨・夏と悪化する季節なので、不安でいっぱいなのですが、しばらくは様子を見て、夏休み頃決心しようと思います。
その節にはどうぞよろしくお願いします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
わざわざ下関に来られなくとも、今の調子で治るかもしれませんよ?!
というのも、
>>生理がくるとぐっとアトピーの症状が楽になります。
と書かれていますように、このような体質の方はオケツが多い体質の方ですから、桂枝茯苓丸がフィットするのでしょう!
ですから、しばらく竜胆瀉肝湯と桂枝茯苓丸で様子をみて、これでも弱ければ、もしかしたら茵チン蒿湯(インチンコウトウ)を加えるくらいのことで、もっと効果が上がるのかも知れませんよ!?
そのお医者様が漢方に熱心で、よく研究される先生でしたら、今後も治る可能性は十分にあると思います。
それには患者さんのほうも、貴女のように客観的な観察力があって正直な報告を先生にされたり、あるいは提案をされていけば、保険漢方の続行でも今後の見通しは明るいような気がしますよ!
(ただ、水分の停滞しやすい体質のアトピー患者さんに温清飲を出されのは禁忌の配合ですので、基礎的な部分でやや不安が残りますね。)
ところで、問題の自費の漢方の世界は、保険がきかない分、経費はかかるものの、自由自在な漢方が使える利点を最大限に活かせるから、病院でもうまくいかないものや、他の漢方薬局でもダメだったというのを解決できるのです。
それだけに経費的な問題は、どうしても互いに足かせになる場合があるので、決して無理はされない方が良いと思います。
現実に、ネットで遠方からやって来られた方でも、極めて順調に行きかけているのに、経費の問題で1日2回にしてしまっている人もいるわけですが、今のところさいわい順調に経過しているものの、これは運がいいほうで、多くは1日2回の服用になると、効果が不安定になるものなのです。
ほとんど目途が付いてから、予防的な段階に入って服用回数を減らすのは構わないにしても、初期からこのようでは、正直言って、こちらの方がやる気が失せてしまうのです。
だから、当方ではそのような中途半端な仕事はしたくないので、今後もますます多くの方に地元で治すようにアドバイスすることが増えるばかりでしょう。
正直言って、ネットを通じて来られる方の多くは、当方の綿密で神経質な方法は一部の人しか通用しないことを最近ようやく悟っていますから、それはそれでいいのです。
もともと当方のHPとブログ類の大目的は、我が愛する日本国のために(笑)、日本漢方に中医学理論を合体させるべきことを専門家に訴えるための方便の一つに過ぎないのですから。
頓首
posted by ヒゲジジイ at 20:11| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年05月19日
温経湯を男性に用いる場合はどのような症状があるときでしょうか?
お問い合わせ内容:温経湯は代表的な女性向けの漢方薬で、不妊症や更年期障害に有効であると聞きましたが、男性に用いる場合はどのような症状があるときでしょうか?
ヒゲ薬剤師のお返事メール:前略
温経湯の中医学的な効能は、衝任虚寒・於血阻滞に対する温経散寒・養血去於(ようけつきょお)です。(本ブログでは旧漢字が使用できないので、詳細は⇒温経湯で!)
この病機(衝任虚寒・於血阻滞の証候)であれば、男性・女性の区別なく使用できます。
但し、小生自身の経験では、ご夫婦で手の湿疹で病院治療で不可能だった病名はショウセキノウホウショウだったかどうか、ちょっと記憶は定かではありませんが、拙著「求道と創造の漢方」にも実例を簡単に書いております。
ご夫婦とも、とりわけご主人の方が、かなり即効だった記憶があります。
それ以外では、男性に使用した経験はありません。(女性には数知れず!ですが・・・)
しかしながら、上記の病機を呈する場合は、男性・女性区別なく応用はできます。
いずれにせよ、中医学あるいは漢方医学においても病名も大切ですが、病名ばかりに拘っていては、漢方と漢方薬の本領が発揮できるものではありません。
(ご質問者のご職業や資格が書かれていませんので、どの程度のレベルに基準を合わせてお答えすべきか難しいのですが、)
病名だけで、漢方処方を選ぶのは間違いのもと、ということです。
不悉
ヒゲ薬剤師のお返事メール:前略
温経湯の中医学的な効能は、衝任虚寒・於血阻滞に対する温経散寒・養血去於(ようけつきょお)です。(本ブログでは旧漢字が使用できないので、詳細は⇒温経湯で!)
この病機(衝任虚寒・於血阻滞の証候)であれば、男性・女性の区別なく使用できます。
但し、小生自身の経験では、ご夫婦で手の湿疹で病院治療で不可能だった病名はショウセキノウホウショウだったかどうか、ちょっと記憶は定かではありませんが、拙著「求道と創造の漢方」にも実例を簡単に書いております。
ご夫婦とも、とりわけご主人の方が、かなり即効だった記憶があります。
それ以外では、男性に使用した経験はありません。(女性には数知れず!ですが・・・)
しかしながら、上記の病機を呈する場合は、男性・女性区別なく応用はできます。
いずれにせよ、中医学あるいは漢方医学においても病名も大切ですが、病名ばかりに拘っていては、漢方と漢方薬の本領が発揮できるものではありません。
(ご質問者のご職業や資格が書かれていませんので、どの程度のレベルに基準を合わせてお答えすべきか難しいのですが、)
病名だけで、漢方処方を選ぶのは間違いのもと、ということです。
不悉
posted by ヒゲジジイ at 16:10| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問
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通常ならお返事も出さないお問合せの典型的な御質問(実例)
医療・福祉関係の方からの御質問
お問い合わせ内容 :
加工ブシ末、〔三和生薬〕オースギ桂枝加苓述附湯、コタロー九味びん榔湯、の薬効についてお教え下さい。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
このような基礎的な御質問は、ネットで調べるなり、製造メーカにお尋ねになるなり、あるいは基本図書を購入するか借りるなりしてお調べ下さい。
なにも小生が貴重な時間を浪費してまでお答えするほどのものではないと存じます。
悪しからず御了承下さいませ。
頓首
ヒゲ薬剤師
お問い合わせ内容 :
加工ブシ末、〔三和生薬〕オースギ桂枝加苓述附湯、コタロー九味びん榔湯、の薬効についてお教え下さい。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
このような基礎的な御質問は、ネットで調べるなり、製造メーカにお尋ねになるなり、あるいは基本図書を購入するか借りるなりしてお調べ下さい。
なにも小生が貴重な時間を浪費してまでお答えするほどのものではないと存じます。
悪しからず御了承下さいませ。
頓首
ヒゲ薬剤師
posted by ヒゲジジイ at 12:15| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問
|
漢方薬局の漢方薬と病院から出される医療用漢方の違い
そう言えば、従来からよく電話で訊ねられていたことに、お宅の漢方薬は保険がききますか?という不思議なお問合せである。
不思議なというのは、医療制度をご存知であれば、保険がきくというからには必ず医師による処方箋が必要なのが常識のはず?だからである。
でも、このような常識と思われることでも、よくご存じない方もおられるようで、従来からしばしばお電話で問合せのあった「保険がききますか?」という御質問には、「病院ではありませんから一切ききませんよ」というお返事で、アッサリと御質問にお答えして直ぐに電話を終えるのが常であった。
漢方薬局の漢方薬と、病院で処方される医療用漢方の違いを詳細に述べればキリがないので、的確に答えているブログがあるので、ご紹介する。
漢方薬に保険はききますか、というお問合せ
医療用漢方と漢方薬局の漢方薬の違いは、保険がきくきかないの違い以外にも保険に適用されている漢方処方と、保険は一切適用されない特殊な処方のバリエーションの豊富さの違いもあり、また、それぞれに特徴があるといえばいえるのであるが、さて、「なんとかとハサミは使いよう」というコトワザ以上の専門的な難しさがあるのも事実である。
なるべく経費をかけたくなければ、保険漢方に限る。
しかしなから、それでも効果が不十分である場合は、かなり経費はかかるものの特殊な漢方処方も使用できるので、経費的な覚悟さえあれば、漢方薬局の漢方薬を試して見る価値があるかもしれない。
但し、安易・お気楽なご相談では、なかなか適切な漢方処方は見つかるものではない。
たとえば、当方では最近、毎日、新しい人が来られているが、鬱病・鬱病・腎不全・アトピー性皮膚炎と、毎日、新しい方には最低でも二時間はかけて、時には三時間以上も珍しくはない。
それだけ手間隙かけるから、初回で9割の打率で的中しているのである。
しかしながら、微調整はその後も続くことになる。
不思議なというのは、医療制度をご存知であれば、保険がきくというからには必ず医師による処方箋が必要なのが常識のはず?だからである。
でも、このような常識と思われることでも、よくご存じない方もおられるようで、従来からしばしばお電話で問合せのあった「保険がききますか?」という御質問には、「病院ではありませんから一切ききませんよ」というお返事で、アッサリと御質問にお答えして直ぐに電話を終えるのが常であった。
漢方薬局の漢方薬と、病院で処方される医療用漢方の違いを詳細に述べればキリがないので、的確に答えているブログがあるので、ご紹介する。
漢方薬に保険はききますか、というお問合せ
医療用漢方と漢方薬局の漢方薬の違いは、保険がきくきかないの違い以外にも保険に適用されている漢方処方と、保険は一切適用されない特殊な処方のバリエーションの豊富さの違いもあり、また、それぞれに特徴があるといえばいえるのであるが、さて、「なんとかとハサミは使いよう」というコトワザ以上の専門的な難しさがあるのも事実である。
なるべく経費をかけたくなければ、保険漢方に限る。
しかしなから、それでも効果が不十分である場合は、かなり経費はかかるものの特殊な漢方処方も使用できるので、経費的な覚悟さえあれば、漢方薬局の漢方薬を試して見る価値があるかもしれない。
但し、安易・お気楽なご相談では、なかなか適切な漢方処方は見つかるものではない。
たとえば、当方では最近、毎日、新しい人が来られているが、鬱病・鬱病・腎不全・アトピー性皮膚炎と、毎日、新しい方には最低でも二時間はかけて、時には三時間以上も珍しくはない。
それだけ手間隙かけるから、初回で9割の打率で的中しているのである。
しかしながら、微調整はその後も続くことになる。
posted by ヒゲジジイ at 01:01| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年05月14日
アトピー性皮膚炎の漢方薬(再度の御質問)
4月23日の21日の続き:アトピー性皮膚炎の漢方薬の御相談 の続き
お問合せ:村田先生
先日はアトピーの漢方薬に関してご相談に乗っていただきありがとうございました。
いただきましたアドバイスを生かすべく、近隣の漢方薬局を探したりしておりますが、ピンとくる薬局が見つからず、以前通っていた漢方医のところへ塗り薬と痒み止めを貰うために未だに通っているという感じです。
漢方薬は十味敗毒湯と竜胆しゃ肝湯を1日2回エキス剤で服用しています。
5月になって漢方医に行ったときに、漢方薬も処方してもらったのですが、なんとなく今飲んでいる薬のほうがそのときの処方より、効いているような気がして上記の薬を飲んでいます。
その処方は十味敗毒湯1+猪苓湯1+三物黄ごん湯1/2を1日2回というものです。
今の症状は、一目見てアトピーとわかる容貌です。特に脚の内腿と腕の内側に痒疹がたくさんできていて、そこがじくじくして痒いというのが主な症状で、竜胆しゃ肝湯は下半身に良いということで、飲んでいるうちに脚の痒疹がだんだん小さくなって来ています。
上半身に効いているかどうかは判りません。特に首の後ろ側がひどく、夜寝るときにはじくじくしてきます。
3月位から悪化していて、湿疹が全身に及んでいます。
ブログに書かれていた先生のアトピーに関する論文を読ませていだだきました。
素人には難しく、斜め読みの、自分に都合の良い解釈ですが、温清飲に関することはまさにそうだ、と深くうなずいてしまいました。
表面は乾いていても、皮膚の下は浮腫んでいたりして、その水が行き場が無くて逆流してくるんじゃないかと感じます。
それで、熱くもないのに汗をたくさんかいたりします。
それを止めるために、防巳黄ぎ湯や桂枝加黄ぎ湯を処方されたときもあったのですが、飲んですぐは皮膚が乾いて、調子が良いのですが、その水の行くところがなくて皮膚の下に溜まっていて、それを尿として排出するだけの腎臓の機能がないのか、そのうちに再び汗がたくさん出るようになったりします。
じくじくすることはとても気持ちが悪くて、私にとっては一番避けたい事です。
それで、尿が増える処方が、自分にあった処方と思う傾向はあると思います。
私が今まで処方されて、尿が増えたものは消風散と竜胆しゃ肝湯、当帰四逆加ごしゅゆ生姜湯等です。
猪苓湯は尿が増えたと実感したことはありませんが、他の漢方薬との組み合わせもあるのでしょうか。
五苓散は時には増えて、時には変化なしでした。
それで、今回の先生の論文を読んで、自分は竜胆しゃ肝湯を飲み続けてもよいのではないかと思ったのですが、当帰と地黄を抜いたものとなると煎じ薬が良いということでしょうか。
それから胃強というのは胃が強いということでしょうか。
アトピーの人は大食いが多いといいますが、私も胃は強い方で、健啖家だと思います。
食べすぎがアトピーの原因ともいうので、少し食欲を抑えるお薬を飲んだ方がよいのではないかと思う位で...。
私の一方的な思い込みかもしれませんが、先生なら私のアトピーを治していただけるのではないかと、今回痛切に思いました。が、いかがなものでしょうか?
一度も・・もしないで処方してくださいというのは無理だと承知しております。
すぐにそちらへ伺うことも多分できないので1ヶ月が2ヶ月か先になると思いますが、
みていただけますでしょうか?
どうかよろしくお願いします。
ヒゲ薬剤師のお返事:拝復
ブログに再録した拙論は、当時ステロイドの乱用によるリバウンドなどで、炎症症状の激しい人ばかりを扱っていた関係で、強力な消炎作用のある黄連解毒湯を中心にした考察でしたので、やや偏っています。
かなり中医学的に正統なやり方は、その後に書いた、
http://www.kanpoyaku.info/hihaibyou.html
こそが、かなり中医学の正統的なやり方です。
しかしながら、ここ5年以上はもっと改良を加えた中西医結合的な方法で、個別性のみならず普遍的に、I型アレルギーに高確率で有効な方法を土台に、弁証論治に基づく方剤を加えることでやっていますので、進化し続けているつもりです。
ところで、竜胆瀉肝湯があっているようでしたら、その方剤は基本としてしばらくは続けるべきでしょう。また、地黄や当帰を除去せずに様子をみてもいいと思います。
http://www.kanpoyaku.info/hihaibyou.html
こちらのほうの拙論には、当帰や地黄入りの方剤も必要に応じて使用していますよ。
むしろ問題は去風薬の配合された十味敗毒湯が合っていないのかも知れませんが、どう思われますか?貴女の実感としては?
去風薬の配合問題は、十数年前にも拙論があるので、近々にはブログにでも再録しておきたいと思います。(全面的に正しいとは言えないかもしれませんが、かなり一理あることを述べています。)
貴方はとても観察力がおありですので、あとは舌の状態で、かなり判断がつくかもしれませんよ。
ところで、当方でも、もっぱら下半身のアトピーが重度であった30前の女性に、同じ竜胆瀉肝湯でも「一貫堂の竜胆瀉肝湯」に猪苓湯や地竜(みみず)あるいは茵チン蒿湯など適宜加えるなどして八割がた略治している人もおられます。
もしも舌に黄膩苔などがあれば、竜胆瀉肝湯・茵チン蒿湯・猪苓湯、このへんで合いそうにも思いますが、なにせ少ない情報での推理ですから、決してアテにはなりませんよ。
猪苓湯にしても組み合わせる相棒次第で、効果は大きく左右されます。
どうも、貴方には十味敗毒湯が怪しい(というのも、ゆえあって小生の大嫌いな方剤ですが、カンジタにはシバシバ効果を発揮します、アトピーに使用するのは問題の多い方剤だと思います。)
これ等の方法でも無理であれば、やっぱり直接来られないと、いいアドバイスは無理かもしれません。
やはりあとは舌の状態です。
頓首
お問合せ:村田先生
先日はアトピーの漢方薬に関してご相談に乗っていただきありがとうございました。
いただきましたアドバイスを生かすべく、近隣の漢方薬局を探したりしておりますが、ピンとくる薬局が見つからず、以前通っていた漢方医のところへ塗り薬と痒み止めを貰うために未だに通っているという感じです。
漢方薬は十味敗毒湯と竜胆しゃ肝湯を1日2回エキス剤で服用しています。
5月になって漢方医に行ったときに、漢方薬も処方してもらったのですが、なんとなく今飲んでいる薬のほうがそのときの処方より、効いているような気がして上記の薬を飲んでいます。
その処方は十味敗毒湯1+猪苓湯1+三物黄ごん湯1/2を1日2回というものです。
今の症状は、一目見てアトピーとわかる容貌です。特に脚の内腿と腕の内側に痒疹がたくさんできていて、そこがじくじくして痒いというのが主な症状で、竜胆しゃ肝湯は下半身に良いということで、飲んでいるうちに脚の痒疹がだんだん小さくなって来ています。
上半身に効いているかどうかは判りません。特に首の後ろ側がひどく、夜寝るときにはじくじくしてきます。
3月位から悪化していて、湿疹が全身に及んでいます。
ブログに書かれていた先生のアトピーに関する論文を読ませていだだきました。
素人には難しく、斜め読みの、自分に都合の良い解釈ですが、温清飲に関することはまさにそうだ、と深くうなずいてしまいました。
表面は乾いていても、皮膚の下は浮腫んでいたりして、その水が行き場が無くて逆流してくるんじゃないかと感じます。
それで、熱くもないのに汗をたくさんかいたりします。
それを止めるために、防巳黄ぎ湯や桂枝加黄ぎ湯を処方されたときもあったのですが、飲んですぐは皮膚が乾いて、調子が良いのですが、その水の行くところがなくて皮膚の下に溜まっていて、それを尿として排出するだけの腎臓の機能がないのか、そのうちに再び汗がたくさん出るようになったりします。
じくじくすることはとても気持ちが悪くて、私にとっては一番避けたい事です。
それで、尿が増える処方が、自分にあった処方と思う傾向はあると思います。
私が今まで処方されて、尿が増えたものは消風散と竜胆しゃ肝湯、当帰四逆加ごしゅゆ生姜湯等です。
猪苓湯は尿が増えたと実感したことはありませんが、他の漢方薬との組み合わせもあるのでしょうか。
五苓散は時には増えて、時には変化なしでした。
それで、今回の先生の論文を読んで、自分は竜胆しゃ肝湯を飲み続けてもよいのではないかと思ったのですが、当帰と地黄を抜いたものとなると煎じ薬が良いということでしょうか。
それから胃強というのは胃が強いということでしょうか。
アトピーの人は大食いが多いといいますが、私も胃は強い方で、健啖家だと思います。
食べすぎがアトピーの原因ともいうので、少し食欲を抑えるお薬を飲んだ方がよいのではないかと思う位で...。
私の一方的な思い込みかもしれませんが、先生なら私のアトピーを治していただけるのではないかと、今回痛切に思いました。が、いかがなものでしょうか?
一度も・・もしないで処方してくださいというのは無理だと承知しております。
すぐにそちらへ伺うことも多分できないので1ヶ月が2ヶ月か先になると思いますが、
みていただけますでしょうか?
どうかよろしくお願いします。
ヒゲ薬剤師のお返事:拝復
ブログに再録した拙論は、当時ステロイドの乱用によるリバウンドなどで、炎症症状の激しい人ばかりを扱っていた関係で、強力な消炎作用のある黄連解毒湯を中心にした考察でしたので、やや偏っています。
かなり中医学的に正統なやり方は、その後に書いた、
http://www.kanpoyaku.info/hihaibyou.html
こそが、かなり中医学の正統的なやり方です。
しかしながら、ここ5年以上はもっと改良を加えた中西医結合的な方法で、個別性のみならず普遍的に、I型アレルギーに高確率で有効な方法を土台に、弁証論治に基づく方剤を加えることでやっていますので、進化し続けているつもりです。
ところで、竜胆瀉肝湯があっているようでしたら、その方剤は基本としてしばらくは続けるべきでしょう。また、地黄や当帰を除去せずに様子をみてもいいと思います。
http://www.kanpoyaku.info/hihaibyou.html
こちらのほうの拙論には、当帰や地黄入りの方剤も必要に応じて使用していますよ。
むしろ問題は去風薬の配合された十味敗毒湯が合っていないのかも知れませんが、どう思われますか?貴女の実感としては?
去風薬の配合問題は、十数年前にも拙論があるので、近々にはブログにでも再録しておきたいと思います。(全面的に正しいとは言えないかもしれませんが、かなり一理あることを述べています。)
貴方はとても観察力がおありですので、あとは舌の状態で、かなり判断がつくかもしれませんよ。
ところで、当方でも、もっぱら下半身のアトピーが重度であった30前の女性に、同じ竜胆瀉肝湯でも「一貫堂の竜胆瀉肝湯」に猪苓湯や地竜(みみず)あるいは茵チン蒿湯など適宜加えるなどして八割がた略治している人もおられます。
もしも舌に黄膩苔などがあれば、竜胆瀉肝湯・茵チン蒿湯・猪苓湯、このへんで合いそうにも思いますが、なにせ少ない情報での推理ですから、決してアテにはなりませんよ。
猪苓湯にしても組み合わせる相棒次第で、効果は大きく左右されます。
どうも、貴方には十味敗毒湯が怪しい(というのも、ゆえあって小生の大嫌いな方剤ですが、カンジタにはシバシバ効果を発揮します、アトピーに使用するのは問題の多い方剤だと思います。)
これ等の方法でも無理であれば、やっぱり直接来られないと、いいアドバイスは無理かもしれません。
やはりあとは舌の状態です。
頓首
posted by ヒゲジジイ at 20:14| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年04月26日
アメリカ大陸の某国の日本人男性からのお問合せ(ひどいのぼせ)
年齢 : 70歳〜79歳
簡単なご住所 : 海外・・・
お問い合わせ内容 : 現在の主な症状は、『のぼせで赤ら顔』、『難便』、『頻尿−特に夜間)、『頭痛』、『肩こり』、そして『手のひら、足裏の痛み』です。日常は良く山野を歩き回っていますが、疲れやすくなったと感じています。
食欲はありますが量は減りました。
血圧は65/115と低めです。酒、タバコはたしなみません。現在喘息を持っています。
当地の中国の漢方店で生薬を一年ほど配合してもらいましたが(配合名不明)効果なく、ある日本の漢方薬店に問い合わせの結果、桂枝茯苓丸と六味丸をひと月試しましたが、何の効果もありません。
現在ひどいのぼせに悩まされていますが、有効と思われる漢方薬を教えていただけると幸いです。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
お送り頂いた文面だけでは情報が不十分ですので、およその推測しかできません。
お問合せによって「桂枝茯苓丸と六味丸」を服用しても効果がなかったとのことですが、多分六味丸系列についてはかなり近い線をいっていたのではないかと推測されます。
ただし、のぼせで赤ら顔ということから、六味丸に知母と黄柏が加わった「知柏腎気丸(ちはくじんきがん)」が相応しいのかもしれません。
これ以上の推測は無理ですので、●●●で漢方専門店で日本人がやっているところがあれば、言語による意思の疎通がスムーズに行くメリットを利用され、直接の対面相談を綿密に行わなければ、微妙なところが把握できないと思います。
漢方と漢方薬といっても、世間様で想像する以上にデリケートで微妙なところがあり、大雑把なやりかたではいつまでもピントが合わないことが多いものです。
その患者さん御自身の固有性というものを綿密に把握しないことには、単純なパターン認識だけではなかなか適切な漢方処方が得られないことが多いということです。
なお、上記のヒントとして提示した漢方処方についても、あくまで推測に過ぎませんので、たとえご依頼頂いても、当方から販売することは出来ませんので、その点は御許し下さいませ。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
簡単なご住所 : 海外・・・
お問い合わせ内容 : 現在の主な症状は、『のぼせで赤ら顔』、『難便』、『頻尿−特に夜間)、『頭痛』、『肩こり』、そして『手のひら、足裏の痛み』です。日常は良く山野を歩き回っていますが、疲れやすくなったと感じています。
食欲はありますが量は減りました。
血圧は65/115と低めです。酒、タバコはたしなみません。現在喘息を持っています。
当地の中国の漢方店で生薬を一年ほど配合してもらいましたが(配合名不明)効果なく、ある日本の漢方薬店に問い合わせの結果、桂枝茯苓丸と六味丸をひと月試しましたが、何の効果もありません。
現在ひどいのぼせに悩まされていますが、有効と思われる漢方薬を教えていただけると幸いです。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
お送り頂いた文面だけでは情報が不十分ですので、およその推測しかできません。
お問合せによって「桂枝茯苓丸と六味丸」を服用しても効果がなかったとのことですが、多分六味丸系列についてはかなり近い線をいっていたのではないかと推測されます。
ただし、のぼせで赤ら顔ということから、六味丸に知母と黄柏が加わった「知柏腎気丸(ちはくじんきがん)」が相応しいのかもしれません。
これ以上の推測は無理ですので、●●●で漢方専門店で日本人がやっているところがあれば、言語による意思の疎通がスムーズに行くメリットを利用され、直接の対面相談を綿密に行わなければ、微妙なところが把握できないと思います。
漢方と漢方薬といっても、世間様で想像する以上にデリケートで微妙なところがあり、大雑把なやりかたではいつまでもピントが合わないことが多いものです。
その患者さん御自身の固有性というものを綿密に把握しないことには、単純なパターン認識だけではなかなか適切な漢方処方が得られないことが多いということです。
なお、上記のヒントとして提示した漢方処方についても、あくまで推測に過ぎませんので、たとえご依頼頂いても、当方から販売することは出来ませんので、その点は御許し下さいませ。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
posted by ヒゲジジイ at 09:24| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問
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2006年04月23日
21日の続き:アトピー性皮膚炎の漢方薬の御相談
アトピー性皮膚炎の漢方薬の御相談の続き:村田様
漢方薬はなかなか難しいものですね。
以前、補中益気湯を1ヶ月位飲んでいたところ、おへその周辺が差し込むように痛くなったことがありましたし、人参が入った煎じ薬を飲んでいたとは、飲んでしばらくすると汗が全身から吹き出てきました。いずれも夏です。
秋以降は消風散を飲んでいて、生理前はとてもよく効くのですが、生理が終わって2.3日すると、却って痒くなって飲めなくなったりします。
そういったことは快い症状ではないので、漢方薬を飲むことによって生じているのなら、先生に言って何か手を打ってもらえばよいのですが、こちらの話し方が悪いのか、なかなか話が上手く通じなかったりします。
三物黄ごん湯などはやはり夏でしたが、冷えて冷えて。
猪苓湯は「却って浮腫む気がします。」と言っても「そんなにおしっこでないの?」
と不思議がられてしまいました。
そういった症状が一次的なものなのか、薬があってないからなのか素人には判断できませんし、不快な症状が続くとそれがストレスになって、自律神経がおかしくなったのではないかと思います。
加味逍遥散は半年以上飲んでいたのですが、ここ3日ばかり飲むのをやめたら、寝汗はまだかきますが、寝汗とともにあった動悸とほてりがなくなりました。
それだけでも、夜寝ている間に数回あって、その度に目が覚めていたので、目が覚める回数が減り、半年ぶりに安眠できるようになりました。
動悸とほてりも更年期の症状だからと言われていたのですが、寝ている間だけで、昼間は肩や腰や足が冷えて、寒くて仕方ないのです。
アトピーの薬は身体を冷やすものが多いと聞いていますが、そのせいなのか、夏に冷えた分が今も影響しているのか、もともとが冷え性で汗っかきですが。
冷えとかお血とか治さないとアトピーも治らないよ、と言われているのですが、じゃあどうすれば治るのかって悩みます。
言われるままに半身浴もしているし、5本指の靴下も重ねばきしているし、洗剤は使わず、食べるものにも気をつかい。
保険が効くからと医師免許を持った医者に行ったのが間違いだったのでしょうか。
中医薬の専門の薬局で相談した方が、効果的だったのでしょうか。
ずっと以前、20才台の頃、中医薬の薬剤師さんに漢方薬を処方してもらい、とてもよく効いたことがありました。そのお薬は対症薬だそうで「体質改善もしないとだめだよ。」と言われていたのですが、その頃はその薬がよく効いていたので、体質改善はおざなりになってしまいました。
その時は即効で効いたので、漢方薬は時間が掛かるということはないと思っています。
効く薬は即効くと思います。
こちらは●●●の◎◎市というところですが、この近くで村田先生のおすすめの先生はいらっしゃいませんか。
先生のところまで行けたらとは思いますが、子どもが3人(・・、・・、・・)いて1週間滞在するのは無理だと思いますし、夏休みなら可能かと思いますが、今すぐはどうしたらよいのか、本当に悩みます。
厚かましいお願いかと存じますが、ご存知でしたら御教え願います。
どうぞよろしくお願いします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
漢方はなかなか難しいどころか、とっても難しいものですよ。
そうだからこそ一定レベルの知識と経験のある人が、慎重に綿密にやっていけば、多くの場合、最終的にはかなりピッタリの方剤が選択できるもので、アトピーのみならず全身症状も同時にかなり改善されるものです。
ただ、時にはとてもピントが合わせにくい体質の人、つまりとても複雑な要素が錯綜している方もあり、四季折々に方剤を変化させないといけないデリケートな体質の人があったりで、世の中、あるいは人様々です。
貴女の体質は案外複雑で錯綜した体質かもしれませんので、中医学も日本漢方も一定レベル習得した先生でなければ難しいかもしれません。
どこがいいだろうかという御質問ですが、これまでもここはいいかも?と思ってご紹介しても、案に相違したというケースばかりで、もうご紹介する自信がありません。
お近くで勉強熱心な先生がおられたら(漢方薬局の方がそれだけでメシを食っているだけに)、その先生を育ててあげるくらいのつもりで、適切な漢方薬が見つかるまで、根気よく通い詰めるのも一つの方法だと思います。
当方でも、毎年一人から三人くらいは、なかなかピントが合わずに難航して、そのうち親しくなって体質のみならず性格や趣味などが分るくらいになった頃に、ようやくトンデモナイ発想が浮かんで、突然ズバリ的中しだしたという経験は毎年のようにあるのです。
ただ自費の漢方ですから、最初はなるべく少ない配合で見ていても、結局は複雑な配合が必要となってやや高価な経費を強いられる場合もあれば、意外に単純な漢方処方の組み合わせでよかったりと様々で、簡単にピントが合う人が9割以上とはいっても、毎年ごく少数の人には、当方でも難航し続けるケースがあるわけです。
それでもお互いに根気さえあればどんなに長くても一年以内に安定した方針が定まるもので、そんなに難航した人に限って、漢方の大フアンになって、アラユル病気を漢方で対処されるようになった常連さんが沢山おられると言う事実は、とても不思議でならないほどですよ。
ということで、アドバイスの結論としては、なるべくお近くで漢方薬の勉強に熱心な先生を見つけられ、その先生を育てるつもりで賭けてみるのが一番かと愚考しますよ、ということです。
ともあれ、こんな言い方は適切でないかもしれませんが、アトピーなんてありきたりな病気なんですから、当方でも最近は近くの新しいアトピーの人が連続して、もちろん全員病院治療で治らない人達ばかりですが、一定期間は病院から出されていたステロイド軟膏を必要最小限使用してもらいながら、みなさん順調に軽快して行っていますよ。
文明の力であるステロイドも正しく使えば、漢方薬とも相俟って案外に順調に緩解していくものと思います。
(昨今では、アトピー性皮膚炎に関しては、案外やさしい病気かもと思い上がったりしている所です。)
以上、余分な感想まで付け加えて(笑)・・・お返事まで。
頓首
追記:ステロイドを必要最小限使用すべき根拠となる文献
アトピー性皮膚炎の漢方治療 東洋学術出版社
漢方薬はなかなか難しいものですね。
以前、補中益気湯を1ヶ月位飲んでいたところ、おへその周辺が差し込むように痛くなったことがありましたし、人参が入った煎じ薬を飲んでいたとは、飲んでしばらくすると汗が全身から吹き出てきました。いずれも夏です。
秋以降は消風散を飲んでいて、生理前はとてもよく効くのですが、生理が終わって2.3日すると、却って痒くなって飲めなくなったりします。
そういったことは快い症状ではないので、漢方薬を飲むことによって生じているのなら、先生に言って何か手を打ってもらえばよいのですが、こちらの話し方が悪いのか、なかなか話が上手く通じなかったりします。
三物黄ごん湯などはやはり夏でしたが、冷えて冷えて。
猪苓湯は「却って浮腫む気がします。」と言っても「そんなにおしっこでないの?」
と不思議がられてしまいました。
そういった症状が一次的なものなのか、薬があってないからなのか素人には判断できませんし、不快な症状が続くとそれがストレスになって、自律神経がおかしくなったのではないかと思います。
加味逍遥散は半年以上飲んでいたのですが、ここ3日ばかり飲むのをやめたら、寝汗はまだかきますが、寝汗とともにあった動悸とほてりがなくなりました。
それだけでも、夜寝ている間に数回あって、その度に目が覚めていたので、目が覚める回数が減り、半年ぶりに安眠できるようになりました。
動悸とほてりも更年期の症状だからと言われていたのですが、寝ている間だけで、昼間は肩や腰や足が冷えて、寒くて仕方ないのです。
アトピーの薬は身体を冷やすものが多いと聞いていますが、そのせいなのか、夏に冷えた分が今も影響しているのか、もともとが冷え性で汗っかきですが。
冷えとかお血とか治さないとアトピーも治らないよ、と言われているのですが、じゃあどうすれば治るのかって悩みます。
言われるままに半身浴もしているし、5本指の靴下も重ねばきしているし、洗剤は使わず、食べるものにも気をつかい。
保険が効くからと医師免許を持った医者に行ったのが間違いだったのでしょうか。
中医薬の専門の薬局で相談した方が、効果的だったのでしょうか。
ずっと以前、20才台の頃、中医薬の薬剤師さんに漢方薬を処方してもらい、とてもよく効いたことがありました。そのお薬は対症薬だそうで「体質改善もしないとだめだよ。」と言われていたのですが、その頃はその薬がよく効いていたので、体質改善はおざなりになってしまいました。
その時は即効で効いたので、漢方薬は時間が掛かるということはないと思っています。
効く薬は即効くと思います。
こちらは●●●の◎◎市というところですが、この近くで村田先生のおすすめの先生はいらっしゃいませんか。
先生のところまで行けたらとは思いますが、子どもが3人(・・、・・、・・)いて1週間滞在するのは無理だと思いますし、夏休みなら可能かと思いますが、今すぐはどうしたらよいのか、本当に悩みます。
厚かましいお願いかと存じますが、ご存知でしたら御教え願います。
どうぞよろしくお願いします。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
漢方はなかなか難しいどころか、とっても難しいものですよ。
そうだからこそ一定レベルの知識と経験のある人が、慎重に綿密にやっていけば、多くの場合、最終的にはかなりピッタリの方剤が選択できるもので、アトピーのみならず全身症状も同時にかなり改善されるものです。
ただ、時にはとてもピントが合わせにくい体質の人、つまりとても複雑な要素が錯綜している方もあり、四季折々に方剤を変化させないといけないデリケートな体質の人があったりで、世の中、あるいは人様々です。
貴女の体質は案外複雑で錯綜した体質かもしれませんので、中医学も日本漢方も一定レベル習得した先生でなければ難しいかもしれません。
どこがいいだろうかという御質問ですが、これまでもここはいいかも?と思ってご紹介しても、案に相違したというケースばかりで、もうご紹介する自信がありません。
お近くで勉強熱心な先生がおられたら(漢方薬局の方がそれだけでメシを食っているだけに)、その先生を育ててあげるくらいのつもりで、適切な漢方薬が見つかるまで、根気よく通い詰めるのも一つの方法だと思います。
当方でも、毎年一人から三人くらいは、なかなかピントが合わずに難航して、そのうち親しくなって体質のみならず性格や趣味などが分るくらいになった頃に、ようやくトンデモナイ発想が浮かんで、突然ズバリ的中しだしたという経験は毎年のようにあるのです。
ただ自費の漢方ですから、最初はなるべく少ない配合で見ていても、結局は複雑な配合が必要となってやや高価な経費を強いられる場合もあれば、意外に単純な漢方処方の組み合わせでよかったりと様々で、簡単にピントが合う人が9割以上とはいっても、毎年ごく少数の人には、当方でも難航し続けるケースがあるわけです。
それでもお互いに根気さえあればどんなに長くても一年以内に安定した方針が定まるもので、そんなに難航した人に限って、漢方の大フアンになって、アラユル病気を漢方で対処されるようになった常連さんが沢山おられると言う事実は、とても不思議でならないほどですよ。
ということで、アドバイスの結論としては、なるべくお近くで漢方薬の勉強に熱心な先生を見つけられ、その先生を育てるつもりで賭けてみるのが一番かと愚考しますよ、ということです。
ともあれ、こんな言い方は適切でないかもしれませんが、アトピーなんてありきたりな病気なんですから、当方でも最近は近くの新しいアトピーの人が連続して、もちろん全員病院治療で治らない人達ばかりですが、一定期間は病院から出されていたステロイド軟膏を必要最小限使用してもらいながら、みなさん順調に軽快して行っていますよ。
文明の力であるステロイドも正しく使えば、漢方薬とも相俟って案外に順調に緩解していくものと思います。
(昨今では、アトピー性皮膚炎に関しては、案外やさしい病気かもと思い上がったりしている所です。)
以上、余分な感想まで付け加えて(笑)・・・お返事まで。
頓首
追記:ステロイドを必要最小限使用すべき根拠となる文献
アトピー性皮膚炎の漢方治療 東洋学術出版社
posted by ヒゲジジイ at 00:34| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問
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