2022年11月27日

昨日届いた嬉しいお便り

ブログへの転載の可否 : ブログ転載応諾
年齢 : 40歳〜49歳の女性
簡単なご住所 : 中国・四国地方
ご意見やご質問をどうぞ :

 いつもお世話になっております。

 先日、肝細胞癌の義父の受診日でした。

 造影CTの結果、3ヶ月前と変化なかったようで、むしろ腫瘍部分の画像が少し分かりづらくなっており、主治医が不思議そうにしていたとのことでした。

 診断から8ヶ月経ち、悪化も転移もなく、治療も保留のままでこれまで通りの生活が送れているのも、村田先生のおかげです。

 本当にありがとうございます。
2011年11月27日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年11月27日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 義父様の嬉しいおたより、ありがとうございます。
 さっそくブログにも役立たせていただきたいと存じます。

 できれば、患部がすべて消滅してほしいものですが、焦りは禁物ですね。

 気長く根気よく続けるのがいちばんですね。

折り返し頂いたメール:

 お忙しい中、ご返信いただきすみません。

 本人も家族も、気長に漢方を飲み続けて、現状維持できれば十分だと話しています。今後とも宜しくお願い致します。
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2011年11月27日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年11月27日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:肝細胞癌

2022年05月12日

牛黄の高騰には悩まされる

 以前も書いたことだが、これほど高騰すれば、これまでのように十分な量が使えなくなる。

 現在も肝内胆管癌の再発で、これまでは牛黄を主体に様々な中国の中草薬書に記載される抗癌中薬類など併用するサポートによって既に5年、いよいよ根治が見え始めている人もおられるが、以前のように十分な量の牛黄を継続しにくいのは残念至極。

 最近もお馴染みさんのご家族の肝臓癌に、牛黄主体のサポートをはじめたばかりだが、以前のような高用量の牛黄製剤ではなく、牛黄の含有量を抑えた製剤を主体にせざるを得ないが、この方法でも過去には実績があるので、今後の効果を期待したい。

 様々な悪性腫瘍による脳転移にも、麝香製剤とともに高用量の牛黄主体で、相当なサポート実績があるだけに、牛黄の高騰には本当に悩まされる。

 悪性腫瘍に対する牛黄主体による漢方サポートでは、肝臓癌や肝内胆管癌・膵臓癌および各種悪性腫瘍による脳転移のみならず、あらゆる進行した悪性腫瘍にも、長年大いに役立ててきた実績があるのだが、現在も多くの人が利用され続けているだけに、以前のような十分な量を継続しにくくなりそうで、申し訳ないとしか言いようがない。

 次善の策としては、服用量をやや減じて継続されるのが無難かもしれない。
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2012年05月12日の茶トラのボクチン8歳と1歳のクロちゃん
2012年05月12日の茶トラのボクチン8歳と1歳のクロちゃん posted by (C)ヒゲジジイ

2019年04月14日

残念ながら、末期癌であっても漢方サポートが可能なのは、当然のことながら漢方薬の服用が可能であることが絶対条件

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:ご病気の方は40〜49歳の男性
【 地 域 】:中国・四国地方
【 お問い合せ内容 】:

 村田先生、お世話になります。

 2017年1月27日の午前中に伺った●●と申します。
 その節はお忙しい中色々とお話をして頂き、ありがとうございました。

 前回膵臓癌の再発転移の予防の目的で、漢方の話をお聞きしました。

 夫は2016年11月に膵体尾部及び脾臓摘出リンパ節除去手術し、抗癌剤や放射線治療をしてきました。

 現在は十二指腸、右側腹部、肝臓に転移し、腸が閉塞して鼻からイレウス管を入れている状態です。

 食べることも飲むこともできません。
 腸が腫れてお腹は大きく硬くなり痛みもありますし、足も浮腫んでいます。

 村田先生、教えて下さい。
 そんな夫に何か対処法があるのでしょうか?
 宜しくお願い致します。

 宜しければ◎月〇〇日(●曜)午前にご相談にお伺いしたく思います。

2012年04月14日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月14日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 残念ながら、2017年1月27日の午前中に来られた、という記憶がまったくありません。
(追記:相談カードの記録も残ってないので、求めに応じたお話しだけに終始したものと思われる。)

 また、せっかくのご質問に対しましても、さらに残念なことながら、

> 食べることも飲むこともできません。

 というご状況では、ご承知とは存じますが、漢方薬類は内服以外には方法はありませんので、まったく無理難題としかお答えしようがありません。

 病状のレベル的には、すべて病院治療にお任せする以外には、当方の漢方薬ではまったくなす術は、残念ながらまったく不可能な状況だと存じます。

 取り急ぎ、お返事まで。

【編集後記】 口から服用不可能ながら、例外的に手術不可能な食道癌が気管支に浸潤した最悪に近いケースで、抗癌剤と放射線治療に加え、医師の許可の上で、胃瘻から多種類の漢方薬類を水に溶解させたものを注入することで、極めて良好な結果(既に7年過ぎても再発・転移の兆候なし)を得たケースもあるが、これは極めて特殊なケースだろう。

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2012年04月14日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月14日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:膵臓癌 膵臓がん

2018年05月15日

膵臓癌も漢方薬がフィットすると心身ともに爽快となる

2011年05月15日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年05月15日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

 今年のステージ4の悪性腫瘍で漢方相談に来られる人は、いずれも村田漢方堂薬局の漢方薬類で難病の改善を得た過去を持つ常連さんや、再発癌の強い疑いが全面的な漢方サポートによって、めでたく無罪放免になった人などの紹介による人達が目立つ。

 かといって、経費的な問題もあって、十分に理想的な漢方サポートが可能となるわけでもないのだが、それでも・・・

 なかでも目立つのが膵臓癌だが、前向きな女性の場合、麝香製剤がいたく気に入られ、これを服用すると心身爽快となって、病気のことは忘れて日々の行事を楽しむことができると、どこまでも前向きである。

 性格的に明るい人や、万一のことがあってもまた来世があるさ、と高を括れるような人達は、同じ漢方薬を使っても、反応が想像以上に効果を発揮することが多いのは、長年の相談経験から、断定しても間違いないことと思われる。

 ともあれ、近々にはまた別の膵臓癌の人が常連さんに紹介されてやって来られることになっている。

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2011年05月15日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年05月15日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:膵臓癌

2018年04月07日

ステージ4の膵臓癌や胆管癌・肝臓癌および各種血液癌に対して漢方薬類でサポートするとき

2012年04月07日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月07日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 ステージ4の膵臓癌や胆管癌・肝臓癌および悪性リンパ腫や慢性リンパ性白血病に対して、多くは片仔廣(へんしこう)の成分をすべて含有させるべく、各種製剤を組み合わせ、同時に体質に応じた補益剤や様々な病状に応じた中草薬類に、可能な場合は多種類のキノコ関連製品を加えて一定のサポートが可能となることが多い。

 体質的に陰虚火旺体質のステージ4の悪性リンパ腫で予後不良を宣告された高齢者には、麝香は不適だったケースがあったが、これを省略しても、抗癌剤の副作用をほとんど消去することに成功して、すでに3年で完全寛解を告げられて、その後数年が経過してもやはり再発は見られない。

 過去、肺線維症の持病がありながら、膵臓癌で肝臓転移も指摘されていた人でさえ、肺線維症による酸素吸入以外は、西洋医学治療をまったく受けないまま、これらの配合で急速に体力と食欲を回復して、まる3年間、まったくの無症状で過ごせた男性もおられた。

 今年の新規相談者で、ステージ4の膵臓癌や腹水を伴った胆管癌の人など、肝胆膵系統の相談者にも同様のサポートを行っているが、サポート効果は個人差があるとはいえ、昨年9月に余命宣告された膵臓癌のやや高齢の女性は、性格も前向きで、あらずもがなの抗癌剤に対する副作用も少なく、どうみても余命宣告は主治医の勇み足に思えてならない。

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2012年04月07日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月07日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2017年12月18日

胆管癌の漢方相談を、まともに受けてくれる漢方薬局は、どこに?

2010年12月18日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年12月18日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:40〜49歳の女性
【 地 域 】:東海地方
【 お問い合せ内容 】:

 問い合わせてよい内容かわからないのですが、もしお答えできるならお願いします。

 私は胆管癌(多分末期)です。

 漢方を試してみようと近所の漢方薬のお店を二軒尋ねてみたのですが、片方ではクロレラ濃縮液をまず飲むように言われ、もう片方ではシイタケを使った粉を飲むように言われ、漢方薬にまで辿り着けません。

 癌には漢方薬は効果が薄いからまずそれらのサプリメント?を使うべき、自分の家族が癌になってもまず、それらを使うなどと言われてしまいました。

 サプリメントを勧めないで効果がある普通の漢方薬の処方をしてくれる漢方のお店かどうかを判断するにはどうしたらよいですか?

 もし、そういうちゃんとしたお店の全国の一覧や何かの会?などがあって、それらから検索できるなら教えていただけたら助かります。

 3軒目に行くのを諦めて通販サイトの漢方薬のお店を探していて偶然そちらを見つけたのですが、どうも、直接会わないと漢方薬の販売は良くないようだとわかり、困ったなと思ってます。

 病院の先生に頼めば粉の漢方薬は出してくれるのですが、気休めに過ぎないからと念を押されます。

2010年12月18日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年12月18日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

>胆管癌(多分末期)

 というのでしたら、すい臓がんや下咽頭がんなどに次いで、ややきびしいところがありますが、あくまで漢方サポートというレベルで、現在の状態を少しでも良い方向にサポートが一定レベル可能なのは、やはり中医学的な弁証論治を交えて、中国本場の漢方(中草薬)を用いると、ありきたりなサプリメントを用いるよりも、体調を良い方向に向かわせることが可能だと思います。

 そこで、そのような相談に乗ってくれそうな漢方薬局ですが、薬局によって知識と能力と経験の差が極端に大きく、驚くほどピンキリなのですが、お近くの「日本中医薬研究会」に所属される、いわゆる「パンダ薬局」で相談されるのが近道かもしれません。

 もしもお近くのパンダ薬局で相談して、やや不安なようであれば、同じパンダ薬局でも経験の豊富な薬局を紹介してくれることでしょう。

 ネットでは『会員店紹介 – 日本中医薬研究会』で検索すれば、お近くのパンダ薬局を見つけることができます。

 繰り返しになりますが、それぞれの薬局で、極端なほどピンキリであることをご承知の上で、もしもお近くが経験が浅いところのようでしたら、経験豊富なところを紹介してもらうとよいかと存じます。

 取り急ぎ、お返事まで。

2010年12月18日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年12月18日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:

 ご返答ありがとうございます。
 訪れたうちの一軒はパンダ薬局だったので、ダメとパンダ薬局全体については諦めていましたが、差がおおきいのですね。

 私自身の期待も大きすぎたかもしれません。
 治してくれ!という気持ちで行きましたから。

 (以下省略)

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2010年12月18日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年12月18日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2016年10月10日

連休中の読書から・・・川島なお美さんの肝内胆管癌の闘病記録の一端が

2016年10月9日のシロちゃん(メス3歳)
2016年10月9日のシロちゃん(メス3歳) posted by (C)ボクチンの母

 横内正典医師の近著『癌になったら、やるべきこと、してはいけないこと』の中心テーマは、川島なお美さんの闘病中に漢方薬を投与された経緯と、近藤誠医師の「がんもどき」仮説の批判である。

 近藤誠医師に批判が多いのは、独善的なこじつけや、患者さんに対するやや無責任な冷酷なアドバイスであろう。
 その点については、かなり詳細な批判が書かれているが、同意する部分も多い。

 近藤誠信者には、耳に痛い実話も多いのだが、その部分はともかくとして・・・

 最も印象深いのは、川島さんは野菜の人参ジュースや食事療法を止めるようにアドバイスしても、最期まで彼女に聞き入れてもらえなかったこと。

 冷え性で電気毛布がないと眠れなかったという川島さんには、なおさら中医学的には野菜の人参ジュースなど、絶対にご法度である。

 ともあれ、投与された漢方薬類の内容は、流派が異なれば、これほど違いが出るものかと感じた。

 肝内胆管癌では、中医漢方薬学派のサポート方法は、必ず牛黄類を主体に、早晩転移の確率が高い肝内胆管癌といわれるからには、体力低下が見られる段階では補気建中湯を併用して、牛黄+補気建中湯を主体に、必要な中草薬類を多種類併用する方法をとるのであるが、そのような配合とは、かなり異なるものであった。

 もしかして、川島さんは牛黄が不適な体質だったのだろうかと考えたが、虚証が強ければ牛黄とともに朝鮮人参類をしっかり併用すれば、体力の維持向上には相当な効果が出るはずである。
 (補気建中湯には朝鮮人参がしっかり含まれている。)

 流派が異なれば、これほど漢方薬に対する考え方も異なるのだから、漢方の世界はほんとうに広大である。

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2008年10月9日のボクチン(4歳)
2008年10月9日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2016年08月17日

再発率の高い肝内胆管癌の漢方サポート

2009年8月17日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年8月17日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 連休明けの、とても嬉しいご報告。

 川島なお美さんと同じ肝内胆管癌で、手術後の経過もよいが、念のためということで、術後半年目にして、再発や転移予防のおつもりで、当方の漢方サポートを求めて来られた。

 必要最小限でということで、4種類の製剤で続けてもらっていたが、一種類がどうしても飲みにくいということで、いつの間にか3種類で続けられていたが、漢方サポートを開始して1年後、術後で言えばちょうど1年半後の今年の5月に手術の傷口に8mmの再発が発見された。

 同時に肝機能の諸検査に急な異常値が多数出揃ってしまった。

 そこで、配合を一気に6〜7種類に増強して続けてもらうこととなった。

 ところで、この8mmの再発というのは、ちょうど同じ5月頃に、いったん根治していたはずの肺腺癌の術後8年半にして、同じ8mmの再発があった人との共時性を感じないではいられなかった。

2016年07月12日 肺腺癌が再発した、と診断されたはずのものが、僅か2ヶ月で殆ど消えたものだから

 さいわい、肺腺癌の再発の人は、2ヶ月でほぼ消滅したことは、このブログでも上記の通りに書いていたが、内心では胆管癌の再発の人も同様な結果出るのを心待ちにしていた。

 案の定というか期待通りというべきか、同様に2ヶ月半の漢方サポートで、肝機能関連の諸検査も好転し、同時に超音波検査で診る限りは、完全に消滅しているとの嬉しいご報告。

 さらにCT検査を待つ必要があるが、嬉しい報告だったので、連休中にも何度か電話をかけられたそうだが、家の出入りが頻繁だったので気が付かないまま、本日に報告を受け取ることになった。

 但し、胆管癌や膵臓癌は再発率が高いので、今後も油断は禁物ゆえ、漢方サポートの配合内容をなるべく省略することのないようアドバイス。

 ともあれ、本日は午前中とは打って変わって、昼からは極端に暇が出てきたが、その反動で明日から集中的に混雑しないように祈るばかりである(苦笑。

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2009年8月17日のボクチン(5歳)
2009年8月17日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年8月17日のボクチン(5歳)
2009年8月17日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
 

2015年10月24日

余命を半年と宣告された人に、漢方薬の利用を反対する主治医ではなく薬剤師!

2010年10月24日の茶トラのボクちん(6歳)
2010年10月24日の茶トラのボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 膵臓癌で肝転移がある高齢者に、副作用の強い抗癌剤は当然と考えて、一方では漢方薬の利用には反対する無知でバカな薬剤師。
 主治医は漢方薬を使ってもよいと言ったらしいが、薬剤師が反対するので、結局は漢方薬は遠慮するように進言された患者さん。

 病状が進行している上に抗癌剤の副作用も相俟って、食欲は激減して尿を漏らすほどに衰弱しているので、その病院薬剤師の進言は無視して、2回目の抗癌剤をやる前から漢方薬を利用しはじめたところ、体力が一気に向上して、副作用も激減。

 毎週抗癌剤治療を行って今日に至るが、運よく骨髄のダメージはほとんど見られず、白血球は6,000代を維持できている。

 毎日食欲も落ちることなく朝夕畑仕事や、時には友人たちのお見舞いに車を運転して駆け回っている。

 余命を宣告されて既に2ヵ月半が経過する。
 通常なら、抗癌剤の副作用で苦しみ続けているはずが、確実に漢方薬類が副作用を激減させて、ご本人はあと5年は生きれるだろうとファイトを燃やしておられる。

 ところで先日、ヒゲジジイが夜間、激しい胸痛と背部痛に見舞われて、てっきり心筋梗塞と観念した。牛黄類などを服用してもまったく効果はない。
 夜も一睡も出来なかった日があった。

 そこで、一か八か、葛根湯を服用したら諸症状が氷解した。
 何のことは無い、風邪気味で、日頃から姿勢が悪いので胸椎椎間関節症の類を誘発していたに違いない。

 これがもしも本当に狭心症や心筋梗塞だったときに、葛根湯を服用するのは問題が大き過ぎる。

 以上は冗談ではない真面目な話で、ヒゲジジイが死に損なった話から、そのご高齢者と、あの世がいかに素晴らしいか、お互いにその楽しみは、とうぶん先のことになりそうだと、話し合ったばかりである。
(但し、自殺すると最悪で、あの世でロクナコトはない。)

 死の恐怖を克服できれば、明らかに免疫力が向上して、漢方薬の効果にまでよい影響が出る。

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2011年10月24日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年10月24日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ボクチンの母


2015年09月09日

膵臓癌で肝臓転移も伴う諸症状に対する漢方薬服用1週間以内の改善効果

2009年9月10日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年9月10日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 膵臓癌で肝臓転移があり、食欲減退で疲労倦怠感も顕著、腹部膨満に遺尿まで伴い、一度目の抗癌剤治療で高熱を発して副作用にのた打ち回ったといわれる80代の男性。
 主治医からは余命半年と宣告されている。

 そこで膵臓癌に対する過去の相談事例も参考に、精一杯の配合を飲んでもらったところ、短期間に即効を得た。

 1週間の服用で劇的な効果あり、暗くくすんでいた顔色は生気を取り戻し、うつろだった眼光はしっかりと精彩を取り戻し、遺尿もなくなり、食欲も回復した。
 その間には2度目の抗癌剤治療を受けたが、今回は高熱を発することも無く、ほとんど副作用は感じなかった。

 体力も一気に回復したことから、趣味の農作業も日々楽しんでやられている。

 僅か短期間で超即効が出ているのも、体質と病状にしっかりフィットした漢方薬の配合もさることながら、数十年来の常連さんの御家族という信頼感も大きく手伝っているのは間違いないことだろう。

 決して甘くはない手術不能の膵臓癌でも、過去には抗癌剤治療なしに、漢方薬類によって諸症状を3年間も完全に消滅させた事例もあるので、記録を伸ばして最低でも5年間は無症状で、できれば根治までを期待したいところである。

 但し、主治医からは抗癌剤を受けるかどうかは御家族で話し合って決めて欲しいということだったので、御家族は受けるべきではないという意見なのに、ご家族の反対を押し切って、ご本人は抗癌剤治療も積極的に受けたいということなので、今後も受ける抗癌剤の副作用の推移も気にかかる問題である。

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2010年9月10日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年9月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 
ラベル:膵臓癌

2013年12月01日

11月の新人さんたちは速効続きだったが

2007年11月11日のボクチン(3歳)
2007年11月11日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母

 とうとう12月になってしまった。11月は速効続きで気分よい日々が多かったが、12月もこの調子が維持できることを願いたい。

 重度の疾患では胆道癌で肝転移があって手術不能とされていた人が、当方の漢方薬類を利用しはじめた途端に体力と病状が一気に回復して、これなら手術が可能だということになって、ご家族は嬉しいやら不安やらで苦慮されている。

 というのも漢方薬を利用していることを医師に告げていないために、急に体調が回復した理由を主治医が明らかに誤解されているからである。
 つまり西洋医学治療の成果(TS1の投与)であると。こんなことでまた抗がん剤のエビデンスを実際には異なった過剰な評価を与えかねない由々しきことではある。

 ところで、本日報告があった人では、過去に大腸癌、前立腺癌と続いてその都度漢方薬を利用されていた人が、こんどは肺癌を疑われてその時点でも徹底的に漢方を利用されていたが、本日電話で、あらゆる精密検査の結果、まったく問題なしとされたので、漢方を利用したことを告げたところ、漢方にはそんな効果はないと否定されたという。

 ともあれ、11月は速効続きで、アトピーはもとより、関節リウマチ、帯状疱疹後神経痛、五十肩、子宮内膜症による強烈な生理痛など、癌サポートにおける速効のみならず、こられのありきたりな慢性疾患にも、いずれも10日以内に速効が得られている例が目立った。

 10日以内に速効が得られたからといって、そのまま根治するとは限らないので、引き続き折々の弁証論治が必須ではある。

 それにしても昨今の新人さんたちには霊界の漢方系の医療団が折々にサポートしてくれているに違いない。
 薄利で奉仕する粉骨砕身の努力を多としてくれ、それゆえに影に日にサポートが得られているのだろうかっ?(苦笑。
 
 奇跡的治癒が得られる場合などでは霊界の医療団の協力が大きいことは、イギリスの心霊治療の歴史でも状況証拠としてしっかり証明されていることである。

2007年11月11日のボクチン(3歳)
2007年11月11日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:胆道癌 肝転移

2013年10月14日

転移を伴う胆管癌や胆道癌にしばしば投与されるTS-1による副作用の有無

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 昨今、胆管癌や胆道ガン(原発がどことは断定できない)で、周囲に一定の転移がみられる人たちの漢方相談が偶然続いている。

 お二人とも手術不能で、TS-1が投与されているが、お一人はまったく副作用がなく食欲良好。
 しかしながら、お一人は吐き気止めが出ていた3日間はなんともなかったが、吐き気止めがなくなった途端に激しい食欲不振と悪心に見舞われだした。

 もともとTS-1の副作用は多彩なものであるが、わけても食欲不振や悪心・嘔吐といった消化器系の副作用はかなりな確率で生じるものとされている。
 実際にこのために服薬を中止しても疼痛まで勃発し、食欲不振や悪心のために食事も摂れずに、却って免疫力を低下させ、運が悪いと踏んだり蹴ったりのように思えてならない。

 いまさらながら近藤誠氏の固形癌に対する抗癌剤の投与に否定的な見解が思い出される。

 ともあれ、先月のステージ4の肺腺癌の人たちのように、喜ばしい共時性(シンクロ)を期待したいところである。
2013年09月14日肺腺癌ステージ4のお二人に生じた共時性

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母
 

2012年07月06日

肺線維症の患者さんが膵臓癌で肺に1cmの転移がありながらも食べれるようになって丸3年

IMGP6250
IMGP6250 posted by (C)ボクチンの母

 肺線維症のため、自宅では酸素吸入を必要とする男性が、膵臓が8倍に腫れ上がって食事がほとんど摂れなくなった。肺に1cmの転移が認められる。肺の問題があるのでハナから手術不能の宣告。

 ご夫婦でやって来られ、なるべく服用量が少ない方法を取るために牛黄製剤を主体に三種類の高貴薬で服用を開始してもらったところ、速効を得て極端な食欲不振が解消し、毎月定期便のように通われて丸三年。

 検査上は転移巣も含めて進行もしないかわりに縮小や消失している気配はないが、自覚症状だけはほぼ完璧に消えた状態がまる3年続いていた。

 あるとしの年末に上記の常用される漢方薬類をいつもながら感謝の言葉を述べられながら、お元気な様子でいつになくたくさんまとめ買いされて以降、まったく無音となられた。
 既に十年近くが経つだろうか。

 ハタと思い当たることがあった。
 もともとの持病、肺線維症の問題である。
 当方に来られるまでに既にかなり進行して、自宅では常に酸素吸入をしているというお話しだったので、最後に来られたのが年末。

 冬の寒さに肺の方にもしかして、と折々に思い出しては、肺線維症の方にも漢方薬を本格的に取り入れてもらっておけばよかったのでは・・・・・・!?

IMGP6218
IMGP6218 posted by (C)ボクチンの母

 

2007年07月16日

膵臓癌末期、善意が逆恨みとして帰って来るなど、過去に経験した多くのトラウマ

 このブログではここ数日、安易な電話相談をいかに警戒しているかを書き続けている。
 過去の苦い数々の経験知によれば、安易な電話相談こそ最も警戒すべきであるから、ここに記すのも自衛策である。
 先週はあまりにも理不尽な電話相談の要求が多かったので、無理難題を吹っかける人々に警告の意味から記している。
 既に休み明けの混雑必至の17日にも再度電話をかけると威嚇めいたFaxさえ入っている。

 昨日のブログにも書いたが、各医療機関では医師に対する患者の暴言や暴力の頻発が大問題となっている。とりわけ女医さんに対する暴言や暴力は目に余るものがある。
 勤務医の過重労働に何の理解も示さず、そのツケはすべて国民に跳ね返って来ることだろう。

 そのような困難な時代だからこそ、巷の漢方薬局風情でも様々な防衛策を必要とするのである。


 過去には末期癌を含めた各種難治性の疾患に、遠方なるがゆえのご家族からの電話相談で、たっての依頼に応じてしまい、運よく驚くべき効果を発揮して喜んでいたのもつかの間、高価な配合(牛黄製剤や麝香製剤など)であったからか次第に注文が遠ざかっているのを心配していたところ、最近急に効果が無くなったが薬がオカシイのではないかと疑惑の電話。
 ハテはそのご家族間の意見の対立も強く、その板挟みにあって電話でそれぞれから怒鳴り込まれる始末。

 これに類似した例は枚挙に暇がなく、末期の膵臓癌で少しでもクオリティ・オブ・ライフ向上の目的でご家族からの依頼でお送りしたところ、これまた運よく速効を得たものの、心配性の別のご家族から神経質にもホドがある本末転倒した漢方薬の副作用問題をウルサイほどに質問攻め。

 あれだけの驚くべき効果が出ているのに、出てもない将来の副作用の可能性を述べよと気味が悪いほど異様で執拗な要求である。
 神経過敏で警戒心過剰の付き添い家族のお陰でドンドン服薬量が落ち込んでくる。

 大して飲んでもないのだから、それほどご心配なら服用を止めてくれと思わず言ってしまったために、水戸黄門の印籠とばかりに、癌患者の家族を抱える皆の苦衷が分らぬ残忍な薬局であると、それぞれのご家族から凄まじい暴言を交えた抗議の波状攻撃を受ける破目に陥ったのだった。

 日本国中に八つ当たりと責任転嫁の風潮が蔓延しているのである。

 だからこそ、安易な電話相談なんぞで見ず知らずの御家族の要求に負けて漢方薬を販売することは断じて出来ない。
 
 特に重大な疾患であればあるほど、御本人みずからの意志で通える範囲の近隣で、早目からお互いの気心が知れるよりよい人間関係が築ける条件下でなければ、迂闊に請合う訳には行かない困難な時代である。

 もちろん気心の知れた常連さんやお馴染みさんの御家族の場合は例外で、互いに長期間の信頼関係を築いているから可能であるので、むしろ当然の義務であると考えている。

2007年02月12日

胆管癌の肝臓転移

御質問者:東海地方の内科医師

 いつも有益な助言をいただきまして、ありがとうございます。
 昨日、29歳のアトピー歴十数年の女性が再診されました。村田流にそった漢方薬をエキス製剤で処方しているかたですが、すっかり綺麗になっていまして、豊かな表情で「ありがとうございました」と言ってくださいました。
 当クリニックへ受診されるまえには、有名な漢方処方をする診療所や皮膚科を受診なさっていたそうです。
 個人的には難治性の患者さんにどの程度お役に立つのか正直いってプレッシャーを覚えていましたので、こちらこそ「ありがとうございました」という感じです。まずは、そのまま村田さんに感謝の言葉をメールさせて頂きます。

 さて、本日ご助言いただきたい患者さんは、50台後半の女性で胆管ガンで肝臓転移を指摘されたかたです。
 手術後、当クリニックを受診されたかたで、受診時には、肝臓内にやはり転移病巣を指摘されていましたが、一般的によく知られている定番の十全大補湯と補中益気湯でフォローしました。半年、1年後の病院での検査(CTなど)では、一旦転移病巣は縮小ないし消失していましたが、今回2年目の定期検査で転移病巣の悪化があったそうです。
 舌は中央に薄い白色苔があり、舌質は淡紅から紅で、胸脇苦満、臍下虚がある位です。最近は体調がよいためかなり忙しくお過ごしであったそうです。
 黄疸は勿論なく、食欲も良好で、排便も通常と伺っています。
 本来ですと直接村田さんに拝見していただいた方がよいと思いますが、村田さんの経験上何かご助言があれば幸いです。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
 アトピー性皮膚炎は、今年もかなり沢山の新人さんが来られ、皆さん全員比較的順調なのですが、ただ昨年初秋よりお一人だけ遠方から二度も泊りがけで来られた四十代のアトピー歴が四十年選手のかただけは、陰陽の閾値幅が大変狭く、心と胃・肝胆系は熱証で、脾陽虚と脾肺気虚を合併したとても複雑な方がおられます。肺気虚がありながら時々肺熱による辛夷清肺湯証を呈することもあるのです。ですから、黄連解毒湯などの清熱解毒剤を必要としながらも食積から生じた頑固な白粘膩苔が並存し、この食積によって生じた脾陽虚による脾湿の除去には藿香正気散(カッコウショウキサン)が必須であり、肺気虚にたいする黄耆も必要とするなど、相当にキメ細かな弁証論治による分析に苦労しました。(【メール後の追記】初期から折々に黄色粘膩苔を呈するため猪苓湯と茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の基礎の上にですから、とても複雑な配合です。)
 さいわいにも御本人がとても熱意と頑張りのある方で、毎日ほとんど欠かさずご連絡頂いて(舌の画像のメール添付等)、常に微調整を繰り返し行うこと4〜5ヶ月。毎晩の痒み発作もかなりな程度コントロールできるほどになっていますが、アトピー性皮膚炎の方の中には、稀には中医学的にかなり複雑な病態を呈する方もおられます。

 ところで本題の「胆管ガンで肝臓転移」の方は、「定番の十全大補湯と補中益気湯」これらだけで、結果的には一時「転移病巣は縮小ないし消失」されていたとは、とても素晴らしいことですね!
 長年こちらでは病院で投与される、とりわけ「定番の十全大補湯」による温補過剰による弊害ばかりが目に付くことが多かったのですが、補剤ばかりの投与でも、それほど有効な成果が得られることもあるわけですね。

 転移ガンの再発状況から、また御報告の舌象や胸脇苦満、臍下虚の存在を考慮すれば、漢方的な方証相対論では、柴胡桂枝乾姜湯がいかにも適応しそうに思えますがいかがでしょうか?
 ただ、西洋医学的な診断内容が明らかなだけに、当方のやり方ではクオリティー・オブ・ライフ向上の目的で牛黄製剤を主体にした、たとえば中国のヘンシコウ(片子広?)に似た成分を模倣したものをしっかりと加えることが多いものですが、残念ながら牛黄製剤や麝香製剤は保険適応にはなっていないように思います。

 とても微妙な段階のようですが、これらの方法でうまく行けば、相当に長い間、楽な生活が送れた経験をかなり持っています。(原発が膵臓か胆管か不明なほど周囲に浸潤していた例や、手術不能の膵臓がんで肺転移があった例でも、食べれなかったのが一気に食欲を回復して丸三年全く元気で、むしろ持病の肺繊維症が命取りになったなど)。
 どうしても病気の内容が内容だけに、当方のような自費の漢方では、経費がかかる保険適用外の高貴薬類(牛黄・麝香など)をかなり思う存分使用できることが多いので、個人差はもちろんあるものの、クオリティー・オブ・ライフ向上および元気なままでの長期生存には多かれ少なかれ貢献できていると思うのですが、保険適用範囲の方剤となると、この方の場合は、ご報告いただいた症候から分析できることは、柴胡桂枝乾姜湯が主体になるように感じた次第です。

以上、お役に立てずに恐縮ですが、取り急ぎお返事申し上げます。
                           頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介拝


【編集後記】 難治性となったアトピー性皮膚炎の例では、昨年暮れから来られている方の中に、病歴30年、IgEが3万〜1万五千という方でも、数度の微調整により、四逆散・黄連解毒湯・猪苓湯・茵蔯蒿湯にイオン化カルシウムなどで比較的順調に経過しており、配合比率の慎重な調整が今後も必要ではあるが、見通しはかなり明るい。
 頑固に慢性化した一定レベル以上のアトピー性皮膚炎であっても、中医学的な弁証が比較的スムーズに行えるケースも多い。このことから、やはり、アトピー性皮膚炎は多くの場合、漢方はかなり得意分野と言えそうに思う。
 
 またまたここでとんでもない蛇足ながら、様々な疼痛性疾患も漢方の得意とするところであるから、漢方以外の3番目の特技(2番目の特技は勿論チヌ釣り!)となったHTMLとCSS技術を駆使して「痛み」を主訴とする疼痛専門サイトを作ろうかな〜〜〜と考えているところである。
 たとえば、「慢性関節リウマチと腰痛」専門サイト。「生理痛・頭痛・肩こり・めまい」専門サイトなど、まだHP制作に厭きてないので・・・・・と言っている間に突然シラケてしまえば、再び孤独なチヌ釣りへと逃亡であるが・・・?


折り返し頂いたメール:いつも速やかにお返事くださいましてありがとうございます。
 柴胡桂枝乾姜湯という手はちょっと思いつきませんでした。選択枝として考慮してみます。

 四十年選手のアトピーの方の中医的病態は本当に複雑ですね。当クリニックへ通っておられる方の中で一進一退の方も見えますので、弁証論治を見直してみます。

 ところで、この複雑なかたは病態連鎖という視点ではどのように考察できるのでしょうか。


ヒゲジジイのお返事: そのアトピーの方はこのブログをよく御覧になるので、御自身のことが書かれていることを知ってどう思われるか、ちょっと申し訳なくてやや気が引けてしまいます。

 その方の場合、重症度というよりも中医学的な複雑さにおいては最高峰に位置するように思っています。たとえば蓄膿症も合併していたのですが、肺熱・肺陰虚・肺気虚があきらかに同居している珍しい例で、その三者が同時に顕著に出るときもあれば、辛夷清肺湯を一時期加えておれば直ぐに効果を発揮して、肺熱肺陰虚の病態は沈静化して肺気虚関連の黄耆の症状(掻くとサラサラした透明な汁か出るなど:追記=表衛の虚証)だけが持続して不変であり、そのことを最近発見したばかりで、この肺気虚関連には防已黄耆湯が今のところ効果を発揮しています。
 しかしながら一方では舌先が折々に赤く、御相談当初には強い黄色が顕著な苔があったことと言い、心・肝胆には実熱が多かれ少なかれ宿っているものの、よく効果を発揮している黄連解毒湯の分量を常に臨機応変に加減しなければ氷伏気味になるなど、大雑把に言えば陰陽の領域幅が極めて狭い体質で寒熱にぶれが生じたり逆転しやすい。さらに特徴的なことは食積による黄粘膩苔と白粘膩苔が交互に、最近は白粘膩苔が多く、これが一番のネックになっているものと考え、藿香正気散を加減しながら現在も毎日何度が往復メールで細かな検討を加えているところです。(過食が原因であるらしいことも最近発見。)
 幸いなことに、ご自身もよく漢方を勉強されておれら、小生のアトピー関連のHP上で公開しているものはすべて何度も繰り返し読まれておられますので、的確な情報を怠らずに送ってもらえています。
 少なくとも様々な要素が輻輳していますが、究極的には五行相関にもとづく五臓それぞれを頂点とした五角形にひずみが生じたときが病態であり、そのひずみが生じた五角形を正常な五角形に戻してあげれば、おのずと病態は改善されるというのは中医漢方薬学の原点でありますので、まだまだ互いに切磋琢磨している状況です。


折り返しのご連絡:デリケートな状況でしかも詳細な病態分析をお返事くださいましてまことに恐縮です。
 当クリニックに通院の患者さんに対しまして、詳細な中医的所見の把握、それを基盤としたきちんとした病態の分析を行い、できるだけ正確なピントの合った患者さんのお役にたつ処方をしてゆくよう、肝に命じたいと思い、大変参考となりました。
 重ねて深謝いたします。


【編集後記】 「肺熱・肺陰虚・肺気虚があきらかに同居している珍しい例」と書いてしまったが、肺の気陰両虚などは珍しくもなく、これに肺陰虚による虚熱ばかりでなく実熱も同居する例は、それほど珍しくもないな〜〜と過去の事例を思い出していると、これを見た愚妻(薬剤師)が、彼女自身が過去その体質だったし、現在もその傾向は明らかに残っていると言われたが、確かに愚妻も昔から陰と陽それぞれの領域幅がとても狭い体質で、このことは20年近く前、当時、本場中国で25年の中医師経験を持つ某氏に指摘されたことでもあった。

 なお、肺に停留する実熱の原因は、現代医学的に言えば蓄膿症や慢性の感染性気管支炎などの細菌感染が元凶である。


2005年11月17日

前回の胆嚢ガン末期の腹水のお問い合わせのお返事に対する折り返しの御質問

折り返しの御質問メール:早速のres、誠に有難うございました。
ぜひ試してみたい、と思います。

ところで大変あつかましいお願いなのですが、××の方でお知り合い、或いは、評判の良い漢方薬調剤薬局 or 漢方医は、
ご存じないでしょうか?(小生は、××/◎◎◎在住です。)

残念な事に、主治医も、掛かり付けの医師も、漢方薬については、懐疑的、或いはまるっきりご存じない方々なので。
又、漢方薬調剤薬局は、××は余りに数が多く、玉石混交状態な為、どこをあたれば良いか、途方に暮れてしまうのです。

本当に度々申し訳ありませんが、時間が無い故、ご無礼をお許し下さい。
宜しくお願い致します。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

この御質問ばかりは、大変難しいです。

ヒントとしては、電話帳などで漢方専門薬局や漢方専門医らしきところをのきなみ電話でお問い合わせして、あとはなんとなくの相性とカン、勘に賭ける以外ないかもしれません。

ある意味、すべて賭けの連続、というのが医療の実態かもしれませんから。

お医師さまたちに漢方薬に御理解がないのは、大変残念です。

こういう点で、日本はある種、ひどい後進国だと存じます。

お役に立てず、申し訳ありません。

頓首

2005年11月16日

胆嚢ガンから全身転移による腹水の漢方薬の御相談

お問い合わせ内容 : 胆嚢がんから、胆管・肝臓、リンパに乗って全身に転移しており、末期の状態です。
又、二ヶ月ほど前から「腹水」が酷くなり、ほぼ臥した状態で日々過ごしています。
「腹水」を抜いた方が楽になるとは思うのですが、高齢である為、体力の激減は免れない事や、本人が以前、胆管にステントを挿入した際の痛さや怖さが残っている為、見合わせています。
食事は少しですが、まだ経口で摂取する事は出来ます。
ただ困った事に、次の段階に進みつつあり、肝性脳症を併発しつつあります。
それに関しては、つい数日前から「アミノ製剤」と、「高アンモニア血症治療薬」が処方されました。
なお、特に病院から施される処置がない為、丸山ワクチンと、勧められた漢方(「五苓散」と、中国の「回生口服液」)をつい最近から始めました。
(他にも試しましたが、著しい効果はありませんでした。)
兎に角、癌そのものは難しいにしても、苦しんでいる「腹水」を何とかしてやりたく、アドバイスをお願い致します。
※既往症//高血圧、不整脈

ヒゲ薬剤師の返信メール: 拝復

ご本人のお歳が70代の女性ということなのでしょうか?

小生の長年の経験で言うことですから、絶対的なものではありませんが、補気建中湯(ほきけんちゅうとう)という漢方処方に、商品名が梅寄生(コフキサルノコシカケ)と竹寄生(カワラタケ)をそれぞれ1日分につき10gずつを加えて、煎じて服用する方法です。

これをヒントにされ、お近くの漢方専門薬局で、事情を話して作ってもらえるかどうか、あるいはこれをヒントによりよい方剤はないか、御相談してみられては如何でしょうか?

(たとえば、現段階のような比較的厳しい条件で依頼された場合、小生の薬局ではしっかりした御紹介者があるかどうか、たとえば医師の紹介であるとか、以前から 小生の薬局の常連さんのご家族とかの条件がない限りは、難しい時代ですので、アドバイスはしても当方ではお出しできないことが多いなど、そこそこの薬局でも方針があると思いますので・・・)

この漢方薬方剤に関する情報は、小生自身のブログで、

漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記』の中の

補気建中湯


上記に、四回に亘って書いています。必ず、お近くの漢方専門薬局や主治医の先生とも御相談になって、使用を考えてみられたら如何でしょうか。

もし使用される場合、煎じた1日分を3回に分けて服用するのでは、多くて飲めない場合でも、小さじに少量ずつ、数十回以上に小刻みに服用することで、しっかり効き目が出た人も多い、一時的であるにせよ、起死回生の効果を発揮したこともありました。

以上、取り急ぎお返事まで。
                                      頓首大事な追記!