2016年10月10日

連休中の読書から・・・川島なお美さんの肝内胆管癌の闘病記録の一端が

2016年10月9日のシロちゃん(メス3歳)
2016年10月9日のシロちゃん(メス3歳) posted by (C)ボクチンの母

 横内正典医師の近著『癌になったら、やるべきこと、してはいけないこと』の中心テーマは、川島なお美さんの闘病中に漢方薬を投与された経緯と、近藤誠医師の「がんもどき」仮説の批判である。

 近藤誠医師に批判が多いのは、独善的なこじつけや、患者さんに対するやや無責任な冷酷なアドバイスであろう。
 その点については、かなり詳細な批判が書かれているが、同意する部分も多い。

 近藤誠信者には、耳に痛い実話も多いのだが、その部分はともかくとして・・・

 最も印象深いのは、川島さんは野菜の人参ジュースや食事療法を止めるようにアドバイスしても、最期まで彼女に聞き入れてもらえなかったこと。

 冷え性で電気毛布がないと眠れなかったという川島さんには、なおさら中医学的には野菜の人参ジュースなど、絶対にご法度である。

 ともあれ、投与された漢方薬類の内容は、流派が異なれば、これほど違いが出るものかと感じた。

 肝内胆管癌では、中医漢方薬学派のサポート方法は、必ず牛黄類を主体に、早晩転移の確率が高い肝内胆管癌といわれるからには、体力低下が見られる段階では補気建中湯を併用して、牛黄+補気建中湯を主体に、必要な中草薬類を多種類併用する方法をとるのであるが、そのような配合とは、かなり異なるものであった。

 もしかして、川島さんは牛黄が不適な体質だったのだろうかと考えたが、虚証が強ければ牛黄とともに朝鮮人参類をしっかり併用すれば、体力の維持向上には相当な効果が出るはずである。
 (補気建中湯には朝鮮人参がしっかり含まれている。)

 流派が異なれば、これほど漢方薬に対する考え方も異なるのだから、漢方の世界はほんとうに広大である。

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2008年10月9日のボクチン(4歳)
2008年10月9日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2016年08月17日

再発率の高い肝内胆管癌の漢方サポート

2009年8月17日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年8月17日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 連休明けの、とても嬉しいご報告。

 川島なお美さんと同じ肝内胆管癌で、手術後の経過もよいが、念のためということで、術後半年目にして、再発や転移予防のおつもりで、当方の漢方サポートを求めて来られた。

 必要最小限でということで、4種類の製剤で続けてもらっていたが、一種類がどうしても飲みにくいということで、いつの間にか3種類で続けられていたが、漢方サポートを開始して1年後、術後で言えばちょうど1年半後の今年の5月に手術の傷口に8mmの再発が発見された。

 同時に肝機能の諸検査に急な異常値が多数出揃ってしまった。

 そこで、配合を一気に6〜7種類に増強して続けてもらうこととなった。

 ところで、この8mmの再発というのは、ちょうど同じ5月頃に、いったん根治していたはずの肺腺癌の術後8年半にして、同じ8mmの再発があった人との共時性を感じないではいられなかった。

2016年07月12日 肺腺癌が再発した、と診断されたはずのものが、僅か2ヶ月で殆ど消えたものだから

 さいわい、肺腺癌の再発の人は、2ヶ月でほぼ消滅したことは、このブログでも上記の通りに書いていたが、内心では胆管癌の再発の人も同様な結果出るのを心待ちにしていた。

 案の定というか期待通りというべきか、同様に2ヶ月半の漢方サポートで、肝機能関連の諸検査も好転し、同時に超音波検査で診る限りは、完全に消滅しているとの嬉しいご報告。

 さらにCT検査を待つ必要があるが、嬉しい報告だったので、連休中にも何度か電話をかけられたそうだが、家の出入りが頻繁だったので気が付かないまま、本日に報告を受け取ることになった。

 但し、胆管癌や膵臓癌は再発率が高いので、今後も油断は禁物ゆえ、漢方サポートの配合内容をなるべく省略することのないようアドバイス。

 ともあれ、本日は午前中とは打って変わって、昼からは極端に暇が出てきたが、その反動で明日から集中的に混雑しないように祈るばかりである(苦笑。

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2009年8月17日のボクチン(5歳)
2009年8月17日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年8月17日のボクチン(5歳)
2009年8月17日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
 

2015年10月24日

余命を半年と宣告された人に、漢方薬の利用を反対する主治医ではなく薬剤師!

2010年10月24日の茶トラのボクちん(6歳)
2010年10月24日の茶トラのボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 膵臓癌で肝転移がある高齢者に、副作用の強い抗癌剤は当然と考えて、一方では漢方薬の利用には反対する無知でバカな薬剤師。
 主治医は漢方薬を使ってもよいと言ったらしいが、薬剤師が反対するので、結局は漢方薬は遠慮するように進言された患者さん。

 病状が進行している上に抗癌剤の副作用も相俟って、食欲は激減して尿を漏らすほどに衰弱しているので、その病院薬剤師の進言は無視して、2回目の抗癌剤をやる前から漢方薬を利用しはじめたところ、体力が一気に向上して、副作用も激減。

 毎週抗癌剤治療を行って今日に至るが、運よく骨髄のダメージはほとんど見られず、白血球は6,000代を維持できている。

 毎日食欲も落ちることなく朝夕畑仕事や、時には友人たちのお見舞いに車を運転して駆け回っている。

 余命を宣告されて既に2ヵ月半が経過する。
 通常なら、抗癌剤の副作用で苦しみ続けているはずが、確実に漢方薬類が副作用を激減させて、ご本人はあと5年は生きれるだろうとファイトを燃やしておられる。

 ところで先日、ヒゲジジイが夜間、激しい胸痛と背部痛に見舞われて、てっきり心筋梗塞と観念した。牛黄類などを服用してもまったく効果はない。
 夜も一睡も出来なかった日があった。

 そこで、一か八か、葛根湯を服用したら諸症状が氷解した。
 何のことは無い、風邪気味で、日頃から姿勢が悪いので胸椎椎間関節症の類を誘発していたに違いない。

 これがもしも本当に狭心症や心筋梗塞だったときに、葛根湯を服用するのは問題が大き過ぎる。

 以上は冗談ではない真面目な話で、ヒゲジジイが死に損なった話から、そのご高齢者と、あの世がいかに素晴らしいか、お互いにその楽しみは、とうぶん先のことになりそうだと、話し合ったばかりである。
(但し、自殺すると最悪で、あの世でロクナコトはない。)

 死の恐怖を克服できれば、明らかに免疫力が向上して、漢方薬の効果にまでよい影響が出る。

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2011年10月24日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年10月24日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ボクチンの母


2015年09月09日

膵臓癌で肝臓転移も伴う諸症状に対する漢方薬服用1週間以内の改善効果

2009年9月10日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年9月10日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 膵臓癌で肝臓転移があり、食欲減退で疲労倦怠感も顕著、腹部膨満に遺尿まで伴い、一度目の抗癌剤治療で高熱を発して副作用にのた打ち回ったといわれる80代の男性。
 主治医からは余命半年と宣告されている。

 そこで膵臓癌に対する過去の相談事例も参考に、精一杯の配合を飲んでもらったところ、短期間に即効を得た。

 1週間の服用で劇的な効果あり、暗くくすんでいた顔色は生気を取り戻し、うつろだった眼光はしっかりと精彩を取り戻し、遺尿もなくなり、食欲も回復した。
 その間には2度目の抗癌剤治療を受けたが、今回は高熱を発することも無く、ほとんど副作用は感じなかった。

 体力も一気に回復したことから、趣味の農作業も日々楽しんでやられている。

 僅か短期間で超即効が出ているのも、体質と病状にしっかりフィットした漢方薬の配合もさることながら、数十年来の常連さんの御家族という信頼感も大きく手伝っているのは間違いないことだろう。

 決して甘くはない手術不能の膵臓癌でも、過去には抗癌剤治療なしに、漢方薬類によって諸症状を3年間も完全に消滅させた事例もあるので、記録を伸ばして最低でも5年間は無症状で、できれば根治までを期待したいところである。

 但し、主治医からは抗癌剤を受けるかどうかは御家族で話し合って決めて欲しいということだったので、御家族は受けるべきではないという意見なのに、ご家族の反対を押し切って、ご本人は抗癌剤治療も積極的に受けたいということなので、今後も受ける抗癌剤の副作用の推移も気にかかる問題である。

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2010年9月10日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年9月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 
ラベル:膵臓癌

2013年12月01日

11月の新人さんたちは速効続きだったが

2007年11月11日のボクチン(3歳)
2007年11月11日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母

 とうとう12月になってしまった。11月は速効続きで気分よい日々が多かったが、12月もこの調子が維持できることを願いたい。

 重度の疾患では胆道癌で肝転移があって手術不能とされていた人が、当方の漢方薬類を利用しはじめた途端に体力と病状が一気に回復して、これなら手術が可能だということになって、ご家族は嬉しいやら不安やらで苦慮されている。

 というのも漢方薬を利用していることを医師に告げていないために、急に体調が回復した理由を主治医が明らかに誤解されているからである。
 つまり西洋医学治療の成果(TS1の投与)であると。こんなことでまた抗がん剤のエビデンスを実際には異なった過剰な評価を与えかねない由々しきことではある。

 ところで、本日報告があった人では、過去に大腸癌、前立腺癌と続いてその都度漢方薬を利用されていた人が、こんどは肺癌を疑われてその時点でも徹底的に漢方を利用されていたが、本日電話で、あらゆる精密検査の結果、まったく問題なしとされたので、漢方を利用したことを告げたところ、漢方にはそんな効果はないと否定されたという。

 ともあれ、11月は速効続きで、アトピーはもとより、関節リウマチ、帯状疱疹後神経痛、五十肩、子宮内膜症による強烈な生理痛など、癌サポートにおける速効のみならず、こられのありきたりな慢性疾患にも、いずれも10日以内に速効が得られている例が目立った。

 10日以内に速効が得られたからといって、そのまま根治するとは限らないので、引き続き折々の弁証論治が必須ではある。

 それにしても昨今の新人さんたちには霊界の漢方系の医療団が折々にサポートしてくれているに違いない。
 薄利で奉仕する粉骨砕身の努力を多としてくれ、それゆえに影に日にサポートが得られているのだろうかっ?(苦笑。
 
 奇跡的治癒が得られる場合などでは霊界の医療団の協力が大きいことは、イギリスの心霊治療の歴史でも状況証拠としてしっかり証明されていることである。

2007年11月11日のボクチン(3歳)
2007年11月11日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:胆道癌 肝転移

2013年10月14日

転移を伴う胆管癌や胆道癌にしばしば投与されるTS-1による副作用の有無

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 昨今、胆管癌や胆道ガン(原発がどことは断定できない)で、周囲に一定の転移がみられる人たちの漢方相談が偶然続いている。

 お二人とも手術不能で、TS-1が投与されているが、お一人はまったく副作用がなく食欲良好。
 しかしながら、お一人は吐き気止めが出ていた3日間はなんともなかったが、吐き気止めがなくなった途端に激しい食欲不振と悪心に見舞われだした。

 もともとTS-1の副作用は多彩なものであるが、わけても食欲不振や悪心・嘔吐といった消化器系の副作用はかなりな確率で生じるものとされている。
 実際にこのために服薬を中止しても疼痛まで勃発し、食欲不振や悪心のために食事も摂れずに、却って免疫力を低下させ、運が悪いと踏んだり蹴ったりのように思えてならない。

 いまさらながら近藤誠氏の固形癌に対する抗癌剤の投与に否定的な見解が思い出される。

 ともあれ、先月のステージ4の肺腺癌の人たちのように、喜ばしい共時性(シンクロ)を期待したいところである。
2013年09月14日肺腺癌ステージ4のお二人に生じた共時性

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母
 

2012年07月06日

肺線維症の患者さんが膵臓癌で肺に1cmの転移がありながらも食べれるようになって丸3年

IMGP6250
IMGP6250 posted by (C)ボクチンの母

 肺線維症のため、自宅では酸素吸入を必要とする男性が、膵臓が8倍に腫れ上がって食事がほとんど摂れなくなった。肺に1cmの転移が認められる。肺の問題があるのでハナから手術不能の宣告。

 ご夫婦でやって来られ、なるべく服用量が少ない方法を取るために牛黄製剤を主体に三種類の高貴薬で服用を開始してもらったところ、速効を得て極端な食欲不振が解消し、毎月定期便のように通われて丸三年。

 検査上は転移巣も含めて進行もしないかわりに縮小や消失している気配はないが、自覚症状だけはほぼ完璧に消えた状態がまる3年続いていた。

 あるとしの年末に上記の常用される漢方薬類をいつもながら感謝の言葉を述べられながら、お元気な様子でいつになくたくさんまとめ買いされて以降、まったく無音となられた。
 既に十年近くが経つだろうか。

 ハタと思い当たることがあった。
 もともとの持病、肺線維症の問題である。
 当方に来られるまでに既にかなり進行して、自宅では常に酸素吸入をしているというお話しだったので、最後に来られたのが年末。

 冬の寒さに肺の方にもしかして、と折々に思い出しては、肺線維症の方にも漢方薬を本格的に取り入れてもらっておけばよかったのでは・・・・・・!?

IMGP6218
IMGP6218 posted by (C)ボクチンの母

 

2007年07月16日

膵臓癌末期、善意が逆恨みとして帰って来るなど、過去に経験した多くのトラウマ

 このブログではここ数日、安易な電話相談をいかに警戒しているかを書き続けている。
 過去の苦い数々の経験知によれば、安易な電話相談こそ最も警戒すべきであるから、ここに記すのも自衛策である。
 先週はあまりにも理不尽な電話相談の要求が多かったので、無理難題を吹っかける人々に警告の意味から記している。
 既に休み明けの混雑必至の17日にも再度電話をかけると威嚇めいたFaxさえ入っている。

 昨日のブログにも書いたが、各医療機関では医師に対する患者の暴言や暴力の頻発が大問題となっている。とりわけ女医さんに対する暴言や暴力は目に余るものがある。
 勤務医の過重労働に何の理解も示さず、そのツケはすべて国民に跳ね返って来ることだろう。

 そのような困難な時代だからこそ、巷の漢方薬局風情でも様々な防衛策を必要とするのである。


 過去には末期癌を含めた各種難治性の疾患に、遠方なるがゆえのご家族からの電話相談で、たっての依頼に応じてしまい、運よく驚くべき効果を発揮して喜んでいたのもつかの間、高価な配合(牛黄製剤や麝香製剤など)であったからか次第に注文が遠ざかっているのを心配していたところ、最近急に効果が無くなったが薬がオカシイのではないかと疑惑の電話。
 ハテはそのご家族間の意見の対立も強く、その板挟みにあって電話でそれぞれから怒鳴り込まれる始末。

 これに類似した例は枚挙に暇がなく、末期の膵臓癌で少しでもクオリティ・オブ・ライフ向上の目的でご家族からの依頼でお送りしたところ、これまた運よく速効を得たものの、心配性の別のご家族から神経質にもホドがある本末転倒した漢方薬の副作用問題をウルサイほどに質問攻め。

 あれだけの驚くべき効果が出ているのに、出てもない将来の副作用の可能性を述べよと気味が悪いほど異様で執拗な要求である。
 神経過敏で警戒心過剰の付き添い家族のお陰でドンドン服薬量が落ち込んでくる。

 大して飲んでもないのだから、それほどご心配なら服用を止めてくれと思わず言ってしまったために、水戸黄門の印籠とばかりに、癌患者の家族を抱える皆の苦衷が分らぬ残忍な薬局であると、それぞれのご家族から凄まじい暴言を交えた抗議の波状攻撃を受ける破目に陥ったのだった。

 日本国中に八つ当たりと責任転嫁の風潮が蔓延しているのである。

 だからこそ、安易な電話相談なんぞで見ず知らずの御家族の要求に負けて漢方薬を販売することは断じて出来ない。
 
 特に重大な疾患であればあるほど、御本人みずからの意志で通える範囲の近隣で、早目からお互いの気心が知れるよりよい人間関係が築ける条件下でなければ、迂闊に請合う訳には行かない困難な時代である。

 もちろん気心の知れた常連さんやお馴染みさんの御家族の場合は例外で、互いに長期間の信頼関係を築いているから可能であるので、むしろ当然の義務であると考えている。

2007年02月12日

胆管癌の肝臓転移

御質問者:東海地方の内科医師

 いつも有益な助言をいただきまして、ありがとうございます。
 昨日、29歳のアトピー歴十数年の女性が再診されました。村田流にそった漢方薬をエキス製剤で処方しているかたですが、すっかり綺麗になっていまして、豊かな表情で「ありがとうございました」と言ってくださいました。
 当クリニックへ受診されるまえには、有名な漢方処方をする診療所や皮膚科を受診なさっていたそうです。
 個人的には難治性の患者さんにどの程度お役に立つのか正直いってプレッシャーを覚えていましたので、こちらこそ「ありがとうございました」という感じです。まずは、そのまま村田さんに感謝の言葉をメールさせて頂きます。

 さて、本日ご助言いただきたい患者さんは、50台後半の女性で胆管ガンで肝臓転移を指摘されたかたです。
 手術後、当クリニックを受診されたかたで、受診時には、肝臓内にやはり転移病巣を指摘されていましたが、一般的によく知られている定番の十全大補湯と補中益気湯でフォローしました。半年、1年後の病院での検査(CTなど)では、一旦転移病巣は縮小ないし消失していましたが、今回2年目の定期検査で転移病巣の悪化があったそうです。
 舌は中央に薄い白色苔があり、舌質は淡紅から紅で、胸脇苦満、臍下虚がある位です。最近は体調がよいためかなり忙しくお過ごしであったそうです。
 黄疸は勿論なく、食欲も良好で、排便も通常と伺っています。
 本来ですと直接村田さんに拝見していただいた方がよいと思いますが、村田さんの経験上何かご助言があれば幸いです。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
 アトピー性皮膚炎は、今年もかなり沢山の新人さんが来られ、皆さん全員比較的順調なのですが、ただ昨年初秋よりお一人だけ遠方から二度も泊りがけで来られた四十代のアトピー歴が四十年選手のかただけは、陰陽の閾値幅が大変狭く、心と胃・肝胆系は熱証で、脾陽虚と脾肺気虚を合併したとても複雑な方がおられます。肺気虚がありながら時々肺熱による辛夷清肺湯証を呈することもあるのです。ですから、黄連解毒湯などの清熱解毒剤を必要としながらも食積から生じた頑固な白粘膩苔が並存し、この食積によって生じた脾陽虚による脾湿の除去には藿香正気散(カッコウショウキサン)が必須であり、肺気虚にたいする黄耆も必要とするなど、相当にキメ細かな弁証論治による分析に苦労しました。(【メール後の追記】初期から折々に黄色粘膩苔を呈するため猪苓湯と茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の基礎の上にですから、とても複雑な配合です。)
 さいわいにも御本人がとても熱意と頑張りのある方で、毎日ほとんど欠かさずご連絡頂いて(舌の画像のメール添付等)、常に微調整を繰り返し行うこと4〜5ヶ月。毎晩の痒み発作もかなりな程度コントロールできるほどになっていますが、アトピー性皮膚炎の方の中には、稀には中医学的にかなり複雑な病態を呈する方もおられます。

 ところで本題の「胆管ガンで肝臓転移」の方は、「定番の十全大補湯と補中益気湯」これらだけで、結果的には一時「転移病巣は縮小ないし消失」されていたとは、とても素晴らしいことですね!
 長年こちらでは病院で投与される、とりわけ「定番の十全大補湯」による温補過剰による弊害ばかりが目に付くことが多かったのですが、補剤ばかりの投与でも、それほど有効な成果が得られることもあるわけですね。

 転移ガンの再発状況から、また御報告の舌象や胸脇苦満、臍下虚の存在を考慮すれば、漢方的な方証相対論では、柴胡桂枝乾姜湯がいかにも適応しそうに思えますがいかがでしょうか?
 ただ、西洋医学的な診断内容が明らかなだけに、当方のやり方ではクオリティー・オブ・ライフ向上の目的で牛黄製剤を主体にした、たとえば中国のヘンシコウ(片子広?)に似た成分を模倣したものをしっかりと加えることが多いものですが、残念ながら牛黄製剤や麝香製剤は保険適応にはなっていないように思います。

 とても微妙な段階のようですが、これらの方法でうまく行けば、相当に長い間、楽な生活が送れた経験をかなり持っています。(原発が膵臓か胆管か不明なほど周囲に浸潤していた例や、手術不能の膵臓がんで肺転移があった例でも、食べれなかったのが一気に食欲を回復して丸三年全く元気で、むしろ持病の肺繊維症が命取りになったなど)。
 どうしても病気の内容が内容だけに、当方のような自費の漢方では、経費がかかる保険適用外の高貴薬類(牛黄・麝香など)をかなり思う存分使用できることが多いので、個人差はもちろんあるものの、クオリティー・オブ・ライフ向上および元気なままでの長期生存には多かれ少なかれ貢献できていると思うのですが、保険適用範囲の方剤となると、この方の場合は、ご報告いただいた症候から分析できることは、柴胡桂枝乾姜湯が主体になるように感じた次第です。

以上、お役に立てずに恐縮ですが、取り急ぎお返事申し上げます。
                           頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介拝


【編集後記】 難治性となったアトピー性皮膚炎の例では、昨年暮れから来られている方の中に、病歴30年、IgEが3万〜1万五千という方でも、数度の微調整により、四逆散・黄連解毒湯・猪苓湯・茵蔯蒿湯にイオン化カルシウムなどで比較的順調に経過しており、配合比率の慎重な調整が今後も必要ではあるが、見通しはかなり明るい。
 頑固に慢性化した一定レベル以上のアトピー性皮膚炎であっても、中医学的な弁証が比較的スムーズに行えるケースも多い。このことから、やはり、アトピー性皮膚炎は多くの場合、漢方はかなり得意分野と言えそうに思う。
 
 またまたここでとんでもない蛇足ながら、様々な疼痛性疾患も漢方の得意とするところであるから、漢方以外の3番目の特技(2番目の特技は勿論チヌ釣り!)となったHTMLとCSS技術を駆使して「痛み」を主訴とする疼痛専門サイトを作ろうかな〜〜〜と考えているところである。
 たとえば、「慢性関節リウマチと腰痛」専門サイト。「生理痛・頭痛・肩こり・めまい」専門サイトなど、まだHP制作に厭きてないので・・・・・と言っている間に突然シラケてしまえば、再び孤独なチヌ釣りへと逃亡であるが・・・?


折り返し頂いたメール:いつも速やかにお返事くださいましてありがとうございます。
 柴胡桂枝乾姜湯という手はちょっと思いつきませんでした。選択枝として考慮してみます。

 四十年選手のアトピーの方の中医的病態は本当に複雑ですね。当クリニックへ通っておられる方の中で一進一退の方も見えますので、弁証論治を見直してみます。

 ところで、この複雑なかたは病態連鎖という視点ではどのように考察できるのでしょうか。


ヒゲジジイのお返事: そのアトピーの方はこのブログをよく御覧になるので、御自身のことが書かれていることを知ってどう思われるか、ちょっと申し訳なくてやや気が引けてしまいます。

 その方の場合、重症度というよりも中医学的な複雑さにおいては最高峰に位置するように思っています。たとえば蓄膿症も合併していたのですが、肺熱・肺陰虚・肺気虚があきらかに同居している珍しい例で、その三者が同時に顕著に出るときもあれば、辛夷清肺湯を一時期加えておれば直ぐに効果を発揮して、肺熱肺陰虚の病態は沈静化して肺気虚関連の黄耆の症状(掻くとサラサラした透明な汁か出るなど:追記=表衛の虚証)だけが持続して不変であり、そのことを最近発見したばかりで、この肺気虚関連には防已黄耆湯が今のところ効果を発揮しています。
 しかしながら一方では舌先が折々に赤く、御相談当初には強い黄色が顕著な苔があったことと言い、心・肝胆には実熱が多かれ少なかれ宿っているものの、よく効果を発揮している黄連解毒湯の分量を常に臨機応変に加減しなければ氷伏気味になるなど、大雑把に言えば陰陽の領域幅が極めて狭い体質で寒熱にぶれが生じたり逆転しやすい。さらに特徴的なことは食積による黄粘膩苔と白粘膩苔が交互に、最近は白粘膩苔が多く、これが一番のネックになっているものと考え、藿香正気散を加減しながら現在も毎日何度が往復メールで細かな検討を加えているところです。(過食が原因であるらしいことも最近発見。)
 幸いなことに、ご自身もよく漢方を勉強されておれら、小生のアトピー関連のHP上で公開しているものはすべて何度も繰り返し読まれておられますので、的確な情報を怠らずに送ってもらえています。
 少なくとも様々な要素が輻輳していますが、究極的には五行相関にもとづく五臓それぞれを頂点とした五角形にひずみが生じたときが病態であり、そのひずみが生じた五角形を正常な五角形に戻してあげれば、おのずと病態は改善されるというのは中医漢方薬学の原点でありますので、まだまだ互いに切磋琢磨している状況です。


折り返しのご連絡:デリケートな状況でしかも詳細な病態分析をお返事くださいましてまことに恐縮です。
 当クリニックに通院の患者さんに対しまして、詳細な中医的所見の把握、それを基盤としたきちんとした病態の分析を行い、できるだけ正確なピントの合った患者さんのお役にたつ処方をしてゆくよう、肝に命じたいと思い、大変参考となりました。
 重ねて深謝いたします。


【編集後記】 「肺熱・肺陰虚・肺気虚があきらかに同居している珍しい例」と書いてしまったが、肺の気陰両虚などは珍しくもなく、これに肺陰虚による虚熱ばかりでなく実熱も同居する例は、それほど珍しくもないな〜〜と過去の事例を思い出していると、これを見た愚妻(薬剤師)が、彼女自身が過去その体質だったし、現在もその傾向は明らかに残っていると言われたが、確かに愚妻も昔から陰と陽それぞれの領域幅がとても狭い体質で、このことは20年近く前、当時、本場中国で25年の中医師経験を持つ某氏に指摘されたことでもあった。

 なお、肺に停留する実熱の原因は、現代医学的に言えば蓄膿症や慢性の感染性気管支炎などの細菌感染が元凶である。