2024年06月26日

なつかしい防已黄耆湯

 本題に入る前に、コロナは相変わらず盛んに流行しているようで、3週間前くらいだったか、コロナで学校閉鎖!が地元の高校であったり、キシュ錠の愛用者が会社でコロナがうつっても、病院ではカロナールだけで、一週間も寒気と高熱を繰り返しのどが痛く、漢方薬を買いに来られた。

 キシュ錠と板藍茶に金羚感冒錠のトローチで治らなければ柴葛解肌湯を購入するように言っても、そまま来られないので治った可能性大。

 地元の人といえども、もともと記憶がないくらい、滅多に相談に来なかった人だったが、過去、キシュ錠主体で風邪様の症状はすべてが治って来た過去の本人の体感から、一週間たっても寒気の後、体温の上昇の繰り返しだから、キシュ錠信仰が強い人だった。

 実際には既に柴葛解肌湯証に移行していた可能性大なのだが、コロナとてかなり弱毒化しているので、そのまま治ったのだろう。

 ということで、本題の防已黄耆湯。

 常連さんのご家族(中年女性)が、この季節になると注文があるのは、膝関節の問題ではなく、浮腫に著効を得るから、常連さんの他の漢方薬のついでに防己黄耆湯の注文もあった。

 それで思い出すのは、40〜50年前、我が薬局ではもっぱら変形性膝関節症の特効薬として大活躍したもので、当時は煎じ薬が主体だったが、いずれも膝を温めると気持ちが良いタイプ。

 冷やすと気持ちが良い場合は、別に石膏や地竜を加えるなりの一工夫が必要だったが、当時はほとんどの人が温めると気持ちがよいタイプだった。

 いずれの相談者も、整形外科に何年も通っても埒が明かず、しばしば水を抜くのを繰り返す悪循環の無限ループに陥っている人達だった。

 さらにはそのような人達の、いわゆる水太りが、利尿作用によって短期間で体重が激減するケースも珍しくなかった。

 懐かしい思い出だが、コロナ前の多忙な日々を思い出しても、そのようなレベルの相談者はいつの間にか激減して、昨今などは防己黄耆湯エキスの販売量は、びっくりするほど激減している。
応援したくないアンチの人が多いですね

2011年6月26日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年6月26日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2023年05月13日

過去、漢方で治っていたことを完全に忘れる人達

 当時70代後半だったか10年以上前に、膝関節の疼痛が、防已黄耆湯+活楽宝の連用で快癒していた人が、最近になって再発された。

 ところが漢方を再度求めるわけではなく、しばらく病院に通っても治らないと、ご家族の常用されている漢方を購入に来られたついでに、そのような愚痴を漏らされた。

 えっ!と、こちらではビックリ! 以前、当方の漢方薬類で快癒されたのをお忘れか???

 まるで記憶がないと言われるので、まずは当時と同じ、防已黄耆湯だけでも服用するようにアドバイスによって、次に来られた時は、少し良いようだと言われるが、もっと強い効果が欲しいと言われるので、当時と同じ活楽宝の追加を提案して、商品を見せると、これにはかすかに記憶があるような、ないような?と言われる。

 この追加で、昨日の来局時には、よく効いたと喜ばれていたが、90歳超えともなると、過去の大事なことでも忘却されるらしい。

 といっても、もっともっと若い年齢の人達でも、こちらが歯がゆくなるくらい、以前こちらの漢方で即効を得ていたのに、あまりの即効で短期間で中止したからか、数年後に再発しても、当時のことは完全に忘却している人も意外に多い現実がある。

 喉元過ぎれば熱さを忘れるというのは、広い意味でも間違いない。
応援したくないアンチの人が多いですね

2011年05月13日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年05月13日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:防已黄耆湯

2015年05月21日

下肢静脈瘤に僅か1方剤のみで即効があるのに

2009年05月21日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年05月21日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 病院では手術を奨められているが、どうしてもその気になれない下肢静脈瘤の某さん。

 見かけはかなりひどく、下肢の静脈が広い範囲で凸凸に浮き出ている!
 立ち仕事の毎日だから、疼痛も発生して辛いのだが、あまりにも幸運に、優良な製剤のお陰か、某社のエキス製剤を服用すると短期間で疼痛は雲散霧消し、まったくの無自覚となる。
 その即効がアダとなって、10日分を服用したら数ヶ月は完全に休薬してしまうのである。

 通常なら、3種類前後の方剤や中草薬の併用を必要とするのに、あまりにも幸運な人である。
 過去にも、某中草薬1種類のみで根治し、手術を免れた初老の女性もおられるが、この某さんの場合は、一般的な漢方エキス製剤1種類のみで不快な疼痛に対して毎回即効が得られている。

 だから、しっかりと連用すれば、過去の実績から考えても、根治する可能性大である。
 実際のところ42年間に、下肢静脈瘤で手術を宣告された人が、漢方薬の長期連用によってほぼ根治し、手術を免れた人は枚挙に暇がない。

 下肢静脈瘤に対する適応方剤は、寒熱虚実などの違いによって、大きく異なるので、ここでは敢えて方剤を明記しないのは、病名治療が出来るものと誤解されては困るからである。

 昨日も疼痛が辛くなって久しぶりに同方を求めてやって来られたので、欠かさず毎日服用するように強く奨めておいた。

 そこで決心されたか、1ヶ月分以上を購入されて行かれたが、実に勿体無い話しである。

 咽喉もと過ぎれば、熱さを忘れる悪循環は、個人的にはまったく理解できないわけではない。

 といっても、漢方薬局の仕事というのは、病気が治ってもらわなければ話しにならないので、少しは強くアドバイスするのが使命というものだろう(苦笑。

 たまには応援のクリックをお願いします!⇒

2009年05月21日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年05月21日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年05月21日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年05月21日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年05月21日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年05月21日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年05月21日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年05月21日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

 
ラベル:下肢静脈瘤

2014年01月21日

立ち仕事の多い変形性膝関節症の激しい疼痛に防已黄耆湯では無効でまたも疎経活血湯

スコちゃんとシロちゃん
スコちゃんとシロちゃん posted by (C)ボクチンの母

 脂肪肝に変形性膝関節症の疼痛に悩まれる中年女性。

 こんなありきたりな疾患に、やや水太り気味であることを根拠に、防已黄耆湯主体に茵蔯蒿湯・雲南田七や活絡宝などの配合で、速効が得られるものと信じていたところ、意外にも効果がなく、相変わらず病院で注射を断続的に必要とした。

 あらためて生活状況を精査すると、冷え込みやすい環境で、仕事上ズボンは穿けずにスカートのままで立ち仕事が多く、冷える状況下でなお疼痛が激しくなる。

 そこで昨年に続いて、またも変形性膝関節症に疎経活血湯かと考えを改め、防已黄耆湯の部分のみ、これに切り替えると、明らかな効果を発揮して、次第に疼痛は消失して既に20日以上、注射を打ってもらう必要が皆無となった。

 本日、報告を得て安堵の胸を撫で下ろしたが、このようなありきたりな疾患にもたもとするとは、とうとうヒゲジジイも焼きが回ってしまったかっ?

2008年4月20日のボクチン3歳
2008年4月20日のボクチン3歳 posted by (C)ボクチンの母
 

2013年07月17日

膝の不調に防已黄耆湯が効かなくなっても常連さんの発想は素晴らしい

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 90歳を超えた常連さん。まだまだ現役で日本の伝統芸能の師範?をつとめられている。
 あらゆる合成医薬品で副作用が強く出るために漢方薬以外に頼るものがないので、当方とのお付き合いも三十五年を超える。
 常用される漢方薬類も最高級品の牛黄製剤を筆頭に、各種中草薬類のエキス製品など多種類に及ぶ。

 問題の膝関節は、正座するのにやや難儀を感じ出した頃から、防已黄耆湯がよく奏功してまったく無症状のことが何年も続いていた。
 ところが昨年来、防已黄耆湯を常用しても以前ほど効果がみられなくなった。

 当方の漢方薬にめぐり合うまではとんだ虚弱体質で、長い年月をかけて完璧なまでにあらゆる自覚症状を消してきた歴史がある。
 それゆえ今回も僅かな膝の違和感が我慢ならず、何とか正座が楽に出来るようにとの依頼であるが、防已黄耆湯が以前ほど奏功しなくなったのは年齢のせいだから止むを得ないだろうという禁句?をつい口走ってしまったのだが、90歳を超えればこの発言も禁句とは言えないだろう。

 ところが常連さんの発想から、だいぶ前に腰痛に素晴らしく奏功した疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)を思い出して、保存していた棚から取り出しためしに服用したところ即効があり、その日のうちから膝の違和感がほとんど感じなくなったとの報告である。

 持つべきものは多くの常連さん達で、長年の漢方薬の様々な指南やアドバイスが蓄積されて、こちらが考えあぐねているときでも、みずからが名案をひねり出してくれるのである。

 めでたし、めでたし。(こちらの方が先にボケはじめたのかも・・・苦笑。)

IMGP8968
IMGP8968 posted by (C)ボクチンの母

ラベル:膝関節炎

2008年06月27日

葛根湯を飲んではいけない人たちの話しと下肢静脈瘤が中草薬で消えたお話し

 ジジイになって体力が無くなっていることをヒシヒシと感じる。木曜日からもうバテてしまった。昨夜は風呂から上がるとそのままボクチンと一緒にベットで寝込んでしまって早朝4時まで起きれなかった。
 薬剤師は二人いても人員不足だから寝ているとき以外は仕事が山積み、せいぜい鬱憤をブログで晴らすしかない惨めさ(苦笑。

 ところで相変わらず葛根湯を飲んではいけない人達が、医師の奨めで常用されていたり、素人判断で使用するなど、このために却って病状を少し悪くしているケースさえみられる。

 といっても村田漢方堂薬局においては優れた配合比率の葛根湯製剤を適応証の人達にしばしば販売し、とんでもない病状が治って喜ばれることがサイサイである。

 しかしながら世間一般の素人判断や病院から奨められる葛根湯の適応症が誤っていることが多いのである。
 いわゆる熱証が主体の患者さんたちに風邪様の症状であれば何でも葛根湯という風潮が災いの元である。

 幸いにも合成医薬品ほどの激しい副作用はないものの、全然適用が誤っていることが多く、むしろ飲むべきでない人が常用したり、愛用?されているケースが目立つのである。

 とくに今月目立ったことは、小陥胸湯証の人や辛夷清肺湯証の人、銀翹散(天津感冒片など)が適応する人などが、村田漢方堂薬局に来るまで葛根湯を常用されているから、却って病状を治りにくくしているケースが目立った。

 なかでも気管支炎喘息や慢性気管支炎の熱証で、肺熱を伴っている人達が目立つが、このような体質の人達にまで葛根湯が投与されるという世の中の漢方知識レベルだから、村田漢方堂薬局もまだまだ廃業できないのだろう。

 ところで世の中は想定外のことが稀には起こるもので、不思議でならない現象を申し出られても困惑するばかりのことがある。
 足の静脈瘤が悪化して手術の予定日が決まっていた女性が、以前、当方で販売していた清熱解毒消癰の中草薬「●●●●●」があったのを思い出し、手術まで必死で服用したら短期間で綺麗さっぱり消えてしまったというのである。

 当然、手術は中止となり喜んでご報告されたが、どうして単味の中草薬だけで下肢静脈瘤が速効で消えたのか、清熱解毒消癰作用により消失したのは厳然たる事実である。
 そのご家族の中には様々な難病が当方の漢方薬で治った実績があったので、鰯の頭も信心の類も薬効を増進したとしか考えようがないのである。

 先日あったばかりの話であるが、喜ばしい話であっても理詰めで考えても単味の中草薬だけでそれほど効果があるとはっ!些か信じられないケースは、トウヘンボクなヒゲジジイにとってはあまり気持ちの良い話とは言えないのである(笑。

2007年04月27日

膝関節部の水液貯留が漢方薬わずか一ヶ月の服用で10年間再発しなかった希有な症例

 月曜・火曜と御相談者が途切れず、食事する時間を逸してぶっ倒れそうに疲れ果てた時、いつもの牛黄製剤が速効が得られないので、久しぶりに麝香製剤を服用してみるとビックリするほど元気になった。
 麝香製剤は、男性ホルモン様作用があるといわれるだけに、女性にはトテモ評判がよく、男性的な男性には効力が乏しく、女性的な男性には優れた効果があるんだよ〜〜と嘯いていたくらいだから、男性的なヒゲジジイには効力が乏しいものと信じ込んでいたが、今回の素晴らしい効き目はどうしたことか?
 さては老化現象の進捗により、男性ホルモンがいつの間にか減退したことの証明かもしれない。
 そういえば、若い頃から筋骨隆々のコリコリに硬かった胸筋部もいつしかやんわりと女性的にみえなくもない?!

 水曜日は意外に暇になってホッとしていたら、木曜日は地獄のような電話攻勢で、遠方の人達や常連さん達の補充の発送処理に店頭の相談が混雑してパニック寸前。麝香製剤に大いに救われた1日だった。
 というところで金曜日の本日は、店頭にポツリポツリの常連さん。
 昨日も今日も、電話で「伺います!」と一方的に予約?された人たちは無音のまま。(だから予約制をしないのである。

 ようやくここでタイトルのお話。極めて稀な速効例。
 本日、10年ぶりに膝関節炎の漢方薬を求めて来られた女性が、当時一ヶ月間の服用でそのまま治ってしまって10年再発しなかった。久しぶりに再発したので同じ漢方処方が欲しいとのこと。
 現象的には当時と同じ証候であるので、同様の方剤をお渡しした。