2012年09月24日

漢方薬は鎮痛剤と同じではないかという贅沢な苦情

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IMG_8707 posted by (C)ボクチンの母

 朝から途切れることなく、店頭や電話が忙しい月末。

 肝硬変がほとんど治っている男性や、アトピーが落ち着きかけていたのに季節的に悪化してしまった人の相談に混じって、新たに来られた地元で軽症の皮膚疾患の人にはお断りせざるをえなかった。
 
 月末は一見、客数は少ないように見えて、常連さんが漢方薬を大量に補充注文に来られる時期でもあり、そのついでに様々な相談や笑い話のような苦情も舞い込んで来る。
 常連さんのご家族の漢方薬に対する面白い苦情である。

 経営者のご家族ながら仕事上、腰痛に悩まされ続けていたのが当方の漢方薬で速効を得た。
 ところが数年にわたって常用されるも、中止すると腰痛が再発する。同じご家族でも力仕事をされない母上は、当方の漢方薬で腰痛が完璧に根治されている。
 それなのに、どうして自分の場合は漢方薬を止めると腰痛が再発するのか?もっと強い薬はないのだろうか?

 飲めば直ぐに腰痛は消えるが、中止すれば直ぐに再発するというのは、まるで単なる鎮痛剤と同じではないかという苦情である。

 仕事上それは止むを得ないことで、飲めば速効が出るだけ幸せに思うべし
 西洋医学の鎮痛剤のような副作用の不安がないだけマシではないかと、ケンモホロロに吠え立てるヒゲジジイ。
 実に贅沢な苦情と言うべきか(呵呵。

 それにしても月末は、常連さんやお馴染みさんたちが漢方薬を大量に補充に来られるといっても、せいぜい1〜2ヶ月分くらいの買い込みなのだが、数十年来漢方薬を愛用されて元気で長生きされている人達の常用される漢方薬や常備薬の種類は半端じゃない。

 このような忙しい月末に新人さんが来られても、二泊三日の泊りがけの人や、あるいは常連さんやお馴染みさんのご家族でもない限りは、あまりに軽症者や及び腰の人達には、残念ながらお引取り願わないことには薬局自体が機能不全に陥る。

 月の中頃には暇な週も多いのだから、軽症の新人さんたちは、なるべく月の中旬に来られた方が無難かもしれない。
 それでもやはり、病院に行くのがイヤさに気軽に漢方薬でもと考えるような甘い考えの場合は、お断りせざるを得ない。

 軽症でも病院に行っても治らず困り果てて本気度が強い場合はその限りではないけれど、本気かどうかをチェックすると、あっさりと退散されるケースが多いので、やはり本気度のチェックは欠かせない。

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IMG_8406 posted by (C)ヒゲジジイ

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IMG_8624 posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:腰痛 鎮痛剤

2008年08月02日

骨粗鬆症を伴う腰痛の漢方薬(六味丸系列の方剤に疏経活血湯の併用などの提案)

御質問者:東海地方の内科医師

母親の件をご相談です。
 後期高齢者ですが、腰痛がひどい模様です。以前腰椎の圧迫骨折をしています。骨そしょう症もあります(年齢からしてしかたないと思いますが)。
 白内障もあり杞菊地黄丸を一日2回8丸ずつ服用しています。舌は紅で、舌苔はなく、排便排尿に異常はありません。常日頃疲労感を訴えていまして、高血圧があるため降圧剤で良好なコントロールにあります。


御返事メール:杞菊地黄丸が適応しているようでしたら、まずは一日3回の服用に増やすべきかと思います。

 また、骨粗鬆症も含めて腰痛に対して、また疲労感に対しても吸収率の優れたウチダのイオン化カルシウムを便秘しない程度に常用されるべきかと思います。
 また、カルシウムとともにマグネシウムを補給することは、心臓にもよい影響がありますので、質のよいニガリを少量併用することで、たとえば富士バイオのbit-150という製品などの併用(コップ半分以上の水に数滴加えて薄め、その液でイオン化カルシウムを服用)が適切ではないかと愚考します。
 
 あまりお役に立てない提案かもしれませんが、これらを常用している常連さんはたくさんおられ、皆さんお元気を維持されておられます。

追伸:肝心な重要処方を忘れていました。腰痛の場合は病名治療的に疏経活血湯を併用するのが最もオーソドックスな治療方法だと思います。
 単純に杞菊地黄丸に疏経活血湯を併用する方法でもかなり腰痛は改善されるかもしれません。

2008年06月22日

脊柱管狭窄症の中医漢方薬学的考え方

ご質問者: 北陸地方の鍼灸師

 最近、脊柱管狭窄症の患者さんを診ることが多いのですが、訴える症状の中で、痛む場所がその時によって違う(ただし腰から下の部位で)ということを共通して訴えられることが多いのですが、それだけをとらえれば行痺のようにも思えるのですが、季節的な事や、天候が悪くなると痛みが激しくなるということからすれば着痺とも考えられると思うのですが、もちろん瘀血(オケツ)の存在は外せないでしょうが、先生の経験などご教授をいただければ幸いです。

 私は薬は、使えませんが、薬から帰経や臓腑弁証が分かれば、該当の臓腑がわりだせますので参考になります。
 鍼灸は薬ほど細かく証をたてません。最近の中医学系の鍼灸は薬と同じように証をたて、それを最終的には臓腑弁証に転換していくのですが、かっといって日本の経絡治療と言われるものは余りにも貧弱すぎて、少し複雑な病気になると全然太刀打ちできない気がしているのですが…

 私が行う治療は、先生が書かれております、陳潮祖教授の理論と大変似ているというか、本来理論的には一緒になってきてとうぜんなのでしょうが…
 そういうことからも先生の話は大変理解しやすいのですが、時々質問者の中から鍼灸の話が出ますが、どうも基本的用語の概念とかが先生とあっているのか疑問に思うこともあるのですが、なんせ鍼灸業界もやけくそが多いのでちょっと困っています(苦笑)

 質問とは違う事をかいてしまいましたがご指導お願いいたします。


お返事メール:病名だけで弁証するのは不可能ですが、すくなくとも「通ぜざれば痛む」はあまりにも有名な中医学基礎ですが、陳潮祖先生の指摘する「通」という至上命題からは、脊柱管狭窄症という病名からも示されるとおり、気血津液の疎通がメインになることは当然だと思います。

 そして個人個人により、同じ病名でも現れる症候は微妙にことなるのですが、共通するところは痺証であることは間違いないにしても、個人個人によって着痺の要素が強かったり、行痺の要素が強かったりなどですので、痺証の分類にあまり拘泥する意味は乏しいと思います。

 むしろこれに伴う「間欠跛行(かんけつはこう)」には、腎虚を伴っていることが多いので、風寒湿あるいは風寒湿の熱化や、これにともなう瘀血や腎虚を個別的に細かく弁証する必要があると思います。

 中医学の教科書には大きな欠点もあり、どうしても同病異治はよいとしても、その異治の分類がクリアカットな分類で、初学者に理解しやすい方便が、却ってそれに縛られて応用力を養成するのを阻んでしまう傾向があるように思います。

 脊柱管狭窄症は、大事な病名は病名として参考にしながらも、個人個人の特殊性に対する弁証論治こそ重要で、パターン化してひとくくりには出来ないと思います。


折り返し頂いたメール:大変貴重なお話ありがとうございます。

先生がおっしゃられる、

>間欠跛行(かんけつはこう)」には、腎虚を伴っていることが
>多いので、風寒湿あるいは風寒湿の熱化や、これにともなう瘀血や腎虚を個別的に細かく弁証する必要があると思います

の部分が教科書では出てこないので大変参考になります。
 もう少し具体的な症状から弁証しないといけないとわかってはいるのですが…まだまだ未熟者です。
 あと後半にも書かれてましたが、

>異治の分類がクリアカットな分類で、初学者に理解しやすい方
>便が、却ってそれに縛られて応用力を養成するのを阻んでしまう傾向があるよう

は本当にその通りだと思います。

 お疲れのところありがとうございました。

2008年04月09日

急性の腰冷えは治ったら漢方薬を止めてもいいよ

 三十数年来の常連さん。
 日頃から多種類の漢方薬を常用されつつ、第一線で活躍されているが、そろそろ九十歳に近づいている。

 冷たい床に長時間座ることがあって、以来、腰が冷えて重だるい。カイロを腰に当てていると気持ちがよいが、何とかならないかという注文である。

 疎経活血湯2日、何の効果もない。年齢からするとやはり海馬補腎丸かと1回5丸を1日3回、これで速効を得て雲散霧消。1日で服用を止めてもらった。その後、半月、再発はない。

 現在は長年愛用の常備薬漢方を連用される元のペースに戻っている。
 この温暖化の時代、高齢者といえども大熱峻補の品は過剰に服用しない方がよい。ましてや俄かに生じた一時的な寒証である。
 再発したら、直ぐに再開するようにアドバイスして治った時点で、1日分の服用で終わり、残りの薬は次の機会に備えて、大事に保存しておいてもらう。

 三十数年来の長期間のお付き合いともなると、ツーカーで互いに意思の疎通がとてもスムーズである。
 合成医薬品が一切服用できない特異体質であっても、漢方薬ならピントがよく合って、これまであらゆる大病を漢方薬ですべて救ってきた。

 小生も、先々月?久し振りに起こしたぎっくり腰も一週間で治って以来、一生、予防で服用するつもりが、馬鹿みたいに雲散霧消しているので、止めた。それよりも脳血管や心臓を守るために最高級品の牛黄製剤を愛用している。そちらの方が、命に関わるではないかっ。

 急性の病というものは、内容によっては治ったら直ぐに止めてもよい場合もある。
 ところが、アトピー性皮膚炎や慢性関節リウマチや慢性肝炎などの慢性疾患では、直ぐに止めたら再発するので、同列に置いてはならない。

2008年02月01日

病院で治らない病歴の短い坐骨神経痛

性別 : 女性
年齢 : 50歳〜59歳
御職業 : 公務員
簡単なご住所 : 近畿地方
サイトよりお問合せ・ご連絡内容 : 坐骨神経痛でこの1月より困っています。
 整形に行き毎日リハビリに行っていますがよくなりません。痛み止めやシップいろいろやってもだめです。

 ほかの病気もたくさんありパニック症は漢方で治りつつあります。でも漢方の先生は2人とも他の病院へ行ってしまいました。
 先生もいなくなりまたパニックしょうが戻ってこないか困っています。
 この神経痛に合う薬はありませんか。


お返事メール: 漢方薬ももちろん坐骨神経痛は得意分野の一つですが、初期の急激な症状であれば、腕のよい先生なら「整体治療」で短期間で治ってしまうことが多いものです。

 漢方薬も病歴の短い坐骨神経痛の場合、もしも芍薬甘草湯証を呈しているような場合でしたら、超速効で治ることも多いのですが、必ず正確な弁証論治が必要です。

 以前は村田漢方堂薬局でも病歴の短い坐骨神経痛を芍薬甘草湯合桂枝茯苓丸などで速治させた経験は多いのですが、昨今はもっぱら何年も患って重症化し、手術を宣告されるような段階の患者さんたちばかりが主となっています。

 慢性化すれば疎経活血湯や独活寄生湯など様々な処方が考えれますが、まだ病歴が短いだけに、手っ取り早くは「整体」に行かれてはいかがでしょうか?

 パニックの再発を心配されておられるようですが、既に適切な漢方薬を服用中であれば、同じ漢方処方を続けておれば、問題ないはずです。

2007年10月06日

中医師に処方された腰痛の漢方薬についての御質問

性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
御職業 : 主婦
簡単なご住所 : ヨーロッパ某国
具体的な御職業 : 元ナース
ご意見やご質問をどうぞ : 現住所●●●●、実家は〇〇(関東地方)です。

 今、腰痛で●●●●の中国人クリニックでハリと漢方処方を受けています。三七片、九鼎、獨活寄生丸の3種類です。
 飲み始めて3週間して目のくらみと気分不快がありました。中国人には生理一日前のせいだと言われました。漢方のためではないかと疑っています。
 言葉も不自由で十分な説明が受けられません。

 ずうずうしくて恐縮なのですがもしこの漢方についてご意見、資料などありましたらお教えいただけたら幸いです。
 お返事が無くてもしかたないことと思っていますのでお忙しければどうぞ捨て置きください。

 自分の体質や、どの薬は合わないなど、知りたいです。先生のHPからは一律の配合された漢方を決められた量飲むのはいかがなものかと思うのですが。漢方のファンになりたいのです。

 素人に理解しやすいような方法がありましたらHPでご紹介いただけないでしょうか?突然のメールで失礼いたします。


お返事メール:漢方薬服用3週間目にして不快症状が出現して、それは漢方薬が原因ではないかとのことですが、ご自身でそのように実感されるのでしたら、あるいはそうかもしれません。
 但し、通常は合わない漢方処方で不快な反応が出るとしたらもっと早い時期(一週間以内)に出現することが多いものです。

 ところで、肝腎な主訴の腰痛は改善されているのでしょうか?
 もしも三週間経ってもまったく改善されていないとしたら、処方を変えてもらわずに同じ漢方薬を続けても、腰痛は改善することはほとんどあり得ません。
 腰痛関係では通常、処方が合っておれば少なくとも10日以内になんとなく楽になるものです。

 日本の風土であれば、一般的には疎経活血湯レベルで充分に奏効することが多いものです。もちろん、体質がまったく分らないのに迂闊なことは言えませんが、日本人の腰痛でもっとも多いのがこの疎経活血湯証だということです。

 漢方のことを知りたいとのことですが、はっきり申し上げて、素人が理解しやすい方法は思いつきません。唯一思いつくとしたら、10日毎に村田漢方堂薬局に腰痛治療の為に通い詰めることです(笑)。

 現実に、アトピー性皮膚炎などで7〜10日毎に通って来られる人は多いのですが、皆さん知識だけでなく体感的に本来あるべき臨機応変の漢方薬の綿密さを実感されておられます。

なお、この往復メール、お約束では 風邪やインフルエンザの漢方薬 に転載させて頂くという注意書きを書いていますが、風邪のブログに相応しい内容ではありませんので、メインブログの 漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告 に転載させて頂くことを御了承下されば幸いです!
 むしろ、この 漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告ど を時々御覧になれば、本来の漢方薬のイメージくらいはつかめるかもしれません。


折り返し頂いたメール:返信をありがとうございます。
 漢方処方での副作用は一週間以内が多いとのことで漢方を再開してみようと思いました。
 腰はハリの効果を特に実感していて、日に日によくなっています。

 先生のサイトを参考にいろいろ中国人に質問できそうです。
 本当にありがとうございました。
 転載は了承です。

2007年09月16日

長期間続いた原因不明の臀部激痛が即日で寛解

 長年漢方相談をやっていると、病院のあらゆる諸検査でも原因不明の激痛が、一つの漢方処方一発で速効を得る事例に遭遇することは、それほど稀なことではない。
 先日も、臀部の激痛で原因不明、病院の強力な鎮痛剤でも歯が立たない。以前、坐骨神経痛をヒゲジジイの漢方薬で治したことのある人から紹介されてやって来られた。

 ところが原因不明と言われるだけに、通常の腰痛や坐骨神経痛とは種類がややことなることに気がついた。
 閉経後に発症しているので、調経解鬱・清熱健脾の効能を有する著名な漢方処方をイオン化カルシウムとともに併用してもらったところ、初日から8割以上が消失。
 長期間、激痛発作に涙を流していたほどだが、あまりにもあっけない結末である。

 治療を徹底すべく連用中であるが、敢えて使用した方剤名を書かないのは、弁証論治を経ぬまま、あらゆる激痛がこんなに甘いものと誤解を招いては困るからである。

 (たとえばアトピー性皮膚炎でも、体質によって様々な配合があり得るように、先日も大柴胡湯・六味丸・猪苓湯・インチンコウ湯と体質改善三点セットが適応した人、黄連解毒湯・補中益気丸・六味丸の三者併用とカルシウムだけでスムーズに寛解中の人。玉屏風散製剤が必須となる人も多い反面、これを加えると逆に悪化する人。知柏地黄丸製剤単方と体質改善三点セットだけで、あるいは補中益気丸と猪苓湯だけで一気に寛解する人、体質改善三点セットだけが適応する人などなど、あらゆる無数の配合パターンがあり得るのと同様である。

 あくまで弁証論治に基づいて服用してもらった解鬱調経・清熱健脾の方剤とだけ記すのである。これだけ老婆親切に記せば、中医学の初心者でも、すぐに方剤名を正確に言うことが出来るはずである(呵呵大笑)。

 種を明かせば何のことはない、つまり某社の加味逍遙散製剤ということだが、この加味逍遙散製剤はメーカー間の優劣が大きいので、どこのメーカーでも良いとは限らない。

2007年03月17日

2007年02月23日のアメリカからのお問合せ「腰の捻挫によって生じた長年の腰痛に対する漢方薬」の続報

2007年02月23日:腰の捻挫によって生じた長年の腰痛に対する漢方薬 の御質問者(アメリカ駐在)からのご連絡メール:村田先生侍史

 二月に先生からお返事を頂戴したしました◎◎と申します。
先生のお返事をうけて、▲▲▲▲▲▲にある漢方クリニックにいってきました。
 そこで、処方された薬をご連絡いたします。
 ちなみにそこでの診断は気虚、血虚、寒証、跌打損傷的瘀血との事でした。

<処方内容(全てエキス剤です)>
1.十全大補湯
2.逍遥丸
3.療傷丸(成分は当帰、川芎、白芍、香附子、牛膝、元瑚(延胡索)、桃仁、紅花、木瓜、桂枝、乳香、没薬)
4.黄連片
 の4処方です。

 これらの処方を服用し始めて1週間になりますが、気のせいかなんとなく痛みが軽減されたような気がします。

 こちらからの勝手なご相談に非常にご丁寧な回答を頂いたのにも関わらず、事の顛末をご連絡しないのは失礼と思いメールさせていただきました。

 重ねて御礼申し上げますと同時に、今後の先生の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
 専門のクリニックがあってよかったですね。
 そのまま緩解することをお祈り申し上げますが、もしも効果が不十分な場合は、折々に配合の微調整を行ってもらうべきだと思います。
 一回目ですべてピントがあっているとは限りませんので、あせらずコツコツ頑張って下さい。
 なお、興味深い処方構成ですので、ブログに再録させて頂きたく、御了承下さいませ。
             頓首

ラベル:腰痛

2007年02月23日

腰の捻挫によって生じた長年の腰痛に対する漢方薬

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : アメリカ合衆国
具体的な御職業 : 管理職
お問い合わせ内容 : メールにて失礼いたします。米国に駐在中の00歳(男)の会社員です。

 10年前に空手の練習中、腰と右足の付け根(太ももと腰の繋がる辺り)を酷くひねって(捻挫)以来坐骨神経痛のような痛みに苦しんでいます。
 昨年末に中華街の漢方薬屋で座骨神経痛には「独活寄生湯(エキス剤)」が良いと言われて服用しています。
 ただ気になっているのは先生のサイトでは「漢方薬はきちんと漢方医にかかって服用するもの」とありましたので、このまま服用しても問題が無いか心配しています。(今のところは特に副作用はありません)
 また、漢方薬で実際に私のような外傷性の坐骨神経痛に効果があるのか、そのような症例はあるのかが気になっています。
 お忙しい中を大変恐縮ではございますが、アドバイスを頂戴できれば幸いです。よろしくお願いいたします。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 漢方薬はどんなに優れた処方を用いても、その人の病状と体質にマッチしてなければ、まったくの暖簾に腕押しで、ほとんど効果を発揮しないものです。ですから、その漢方処方の効果・効能に、たとえピッタリの症状が書かれていたとしても、ぜんぜん効果がない、ということもシバシバ生じるのが漢方の微妙で繊細なところなのです。

 それゆえ、専門家に会って直接御相談して体質と病状にピッタリ合った方剤を調合してもらうなり選択してもらうなりしないことには、店頭で気軽に「これがいいですよ」くらいのことでは、適切な方剤が選ばれるとは限りません。
 たとえば貴方が現在服用中の「独活寄生湯」は、中医学的効能では、肝腎不足の風寒湿痺に対する方剤としてとても重宝な方剤です。
 ところが貴方の場合は、捻挫によって生じているだけに中医学的には跌打損傷によるオ血阻滞が直接的原因になっているわけですから、

http://blog.livedoor.jp/cyosyu1/archives/50581046.html (このページのFに該当)

 少なくとも貴方が服用中の独活寄生湯の中には跌打損傷によって生じた血瘀に対する薬味の配合があまりにも少ないので、ややピントがずれているように思われます。
 むしろ文面だけでは断定できないのですが、まったく日本ではありきたりな方剤、疎経活血湯 http://cyosyu.exblog.jp/i35 や 条件によっては
 桂枝茯苓丸料  などの方向に解決策があるはずですが、もちろん、このようなことは単なるメールのやり取りくらいでは、正確なことはいえるものではありません。
 
 近年、アメリカでは中医学熱が盛んで、日本では日本漢方やエビデンス漢方の総本山のようなメーカーさんですら、アメリカでは中医学専門の病院(医院?)をオープンしているとのきわめて矛盾した噂を聞いたりするほどです。
 そちらでも探せば、中医学や漢方専門のクリニックや薬局があれば直接、診断を仰ぐなり詳細な漢方相談をされるなりされて、ピッタリ合った処方を手に入れるべきだと思います。
 
 なお「漢方薬で実際に私のような外傷性の坐骨神経痛に効果があるのか」との御質問ですが、まったくもって日常茶飯事のご相談内容で、漢方薬の最も得意とする分野の一つでもあるわけです。西洋医学では手術以外に治療方法がないとて、手術を免れたい為に漢方治療を求めて来られた多くの男女を、村田漢方堂薬局の仕事だけでも三十数年間にどれだけの人が治っていかれたか、ややオーバーに言えば数限りがないほどです!

 以上、取り急ぎお返事まで。
                          頓首
村田漢方堂薬局 村田恭介拝


折り返し頂いたメール村田先生侍史

ありがとうございます。
早速、中華街にある中医学のクリニックに行こうと思います。
お忙しい中を貴重なアドバイスを頂戴し、ありがとうございました。