2008年08月25日

蕁麻疹は漢方薬により速効が得られやすいが扱いたくない理由は・・・

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 関西地方
お問合せ・ご連絡内容 : 村田先生、はじめまして。ブログを拝見しお問い合わせをさせて頂きます。

 今年の5月より、蕁麻疹に悩まされています。もともと、親からの遺伝で子供のころから蕁麻疹が出ておりましたが、30本以上の体質改善の注射を行った後、ほぼ完全に出なくなりました。
 大人になり、26歳の時、ランチでとんかつを食べた後、顔が変わるほど全身に蕁麻疹が出て、子供のことに体質改善した内科で治療してもらいました。(この時は、注射1本ですぐに引きました。・・・口の中が魚のような味のする注射でした)

 その後、疲れたときに内股に少し出るくらいで翌日には引いていました。
 それが、今では全身に毎日のように出ます。皮膚科も2件行きましたが、抗アレルギー剤のジルテックを処方され毎日服用しています。改善にもならず、一向に治る兆しもありません。
 肝機能も親譲りで悪く、あまり長くは服用できません。

 5月から今日までにわかった事は、アルコール類を飲むとひどく出るように思います。蕁麻疹の状況は、赤く凸になり出ます。全身です。ほとんど痒くはありません。
 それと、夜に出ていないときでも朝起きてから15分くらいの間に出て、その後1時間ぐらいで消えます。これはジルテックを服用しているときでも毎日です。

 なにか、良い方法はございますでしょうか。近ければお伺いしてご相談したい所ですが、行けません。どうかよいアドバイスをよろしくお願い致します。


お返事メール: 昨今、当方には激しい蕁麻疹症状が病院治療によっていつまでも治らず、全身真っ赤になってやって来られる人さえおられます。

 激しいアレルギー症状ですので、他の病気と異なって、もっとも神経を使う皮膚病です。ですからここで安易に漢方処方のヒントを差し上げるわけには行きません。間違った処方で逆効果になっても困るからです。うかつな処方が使えません。正確な弁証論治を必要とします。

漢方薬による瞑眩(めんげん)⇒好転反応は超稀にはあるっ!

 ここにも記載しているようにしっかりピントがあっている処方でさえ、稀には好転反応により一時悪化することさえあり得ます。
 ところが、この好転反応は超稀にしか起こらないものですから、結果論でしか分からない問題です。
 もしも途中で連絡があったら必ず中止してもらっていたはずのものです。相手が杜撰な男性だったから、結果的に万々歳だったというだけのことです。

 お近くでなくて幸いです(苦笑。
 とてもデリケートな疾患だけに、極端に気を使って神経を消耗する割には極めて少ない方剤で緩解する疾患です。
 蕁麻疹の問題で、毎年何人も来局され、結果的にはいまのところ有効例は百発百中ですが、一部少数の人は根治には至らず、延々と漢方薬の服用を必要とします。漢方薬を継続していれば、8割以上の寛解を維持できるものの、油断して中止すると直ぐに再発する人たちです。

 半数以上の人がビックリするほどの著効を得ていますが、治ったと勘違いして直ぐに中断するために、ひどく再発して来られます。薬を出すこちらの気も知らないで、いい気なものです。
 アナフィラキシーショックを起こして死んでも責任は持てないぞっ!とオーバーに脅してやることもしばしばです。
 だから、最近では蕁麻疹患者さんはお断りにしようかっ、とさえ思っているほどです。

 話が横道にそれてしまいましたが、蕁麻疹に関する限り、ピントが合えば漢方薬はかなりな速効が出ます。
 しかしながら、ピントが合わなければ稀には逆効果で悪化することさえあります。
 地元で信頼できそうなベテランの漢方薬局を見つけて下さい、というありきたりなアドバイスで終わります。
posted by ヒゲジジイ at 01:28| 山口 ☀| 蕁麻疹 | 更新情報をチェックする

2007年10月08日

あなどれない蕁麻疹

 蕁麻疹にわずか1週間足らずで速効を得て、直ぐに廃薬していた 重度の慢性蕁麻疹をあなどる付き合いきれない人 が再度、やって来た。(数日前のこと)
 風邪を引いたらまたひどく蕁麻疹が全身に広がって、病院から指示されていた医薬品類を服用せざるを得なかったという。当然である。
 前回の10日分1,500円の漢方薬だけで治りきるはずがない。(漢方薬を無表示販売やってる薬局では10日分を分包器で格好をつけて5,000〜7,000円取るところもあるというから噴飯ものである。

 あれだけ言っておいたのに馬鹿じゃないか〜、病気を舐めてかかってアナフィラキシー・ショック死しても良いのかっと、いささか辛辣である。(いつになくヒゲジジイの激しい叱責に、先客の男性が萎縮して青い顔をしていたという。

 同じ蕁麻疹患者さんでも、病院の漢方薬(五苓散)を服用して却って悪化の一途を辿った男性は、イオン化カルシウムとともに同様の漢方薬を一生飲み続けるつもりで既に一年以上、蕁麻疹は二度と出なくなっているが、酒を飲みたさに一生涯漢方とは縁が切れないかもしれない。
 附録として腹部肥満が完全に解消している。

 蛇足ながら、最も頻繁に漢方相談の多い成人のアトピー性皮膚炎では、一定レベルの状態を超えれば多種類の方剤が必須となる。
 しかも慢性蕁麻疹や喘息あるいはヘルペスなどを合併している人も多い。だからなおさら多種類の方剤が必要となるのである。
 また多くは臨機応変の配合変化が必要であるから、服用者の不屈の精神は必須である。
 先日、一年近く煎じ薬の補中益気湯を服用してもらっている幼児の母親から、6月以来ステロイドから完全離脱できたとの報告を得た。それまでは毎日ステロイド漬けの日々を送っていたのだが、村田漢方堂薬局で子供さんの相談に乗ることは例外的なことである。
 その例外的な子供さん達が10人以上いるのだから、絶対多数の大人のアトピー患者さんをよせると相当な人数になるが、いずれも真面目な人たちばかりである。
posted by ヒゲジジイ at 14:58| 山口 ☁| 蕁麻疹 | 更新情報をチェックする

2007年10月02日

重度の慢性蕁麻疹をあなどる付き合いきれない人

 一般的な皮膚病の中では、アトピー性皮膚炎よりも最も警戒するのが蕁麻疹である。
 急性蕁麻疹はもとより、慢性蕁麻疹でもあなどれない。
 侮れないだけに最も警戒しているので、ここ何年も百発百中で仕留めて来ている(笑)ので、不敗神話がいつ崩れるか戦々恐々というほどでもないが、相変わらず警戒している。

 ところが世の中には物の道理が分らぬ理解力がほとんど皆無に等しい連中がいるもので、時間外の電話の問い合わせの段階で保険が効くのか?など馬鹿げた質問が飛び出していたので、お断りしていた。
 近くの某薬局で掌の湿疹治療の為に薬品名はおろか効能・効果などもすべてが無表示の調合漢方薬を二年間服用したが治らず、以前から出没していた蕁麻疹が悪化の一途を辿り、現在、ステロイドの内服治療で漸く軽くはなっているがまだまだ続いているという。

 電話の段階ですでに理解力の点で問題があり過ぎるので、お断りしていた筈だが、忘れたころにやって来た。
 蕁麻疹で抗ヒスタミン剤だけでは埒が明かずにステロイドの内服薬が出されるのは余程のことである!
 服用前は全身広がって悪化の一途を辿っていたところで出されているだけに、話を効くだけでもぞっとする内容である。

 以前通っていた薬局が平身低頭の揉手薬局だから、何処の薬局も同類とみてやって来られる態度には閉口だが、かように重症の蕁麻疹であっても10日分僅か????円前後の漢方薬で著効を示す例は再三再四である。

 ステロイド内服を連用しても軽くなっているとはいえ、常に出没している状態を目撃したからには、病気を甘く見るこの手合いに、いつになく懇々と説教を企てたものの、どれだけ理解しているやら?・・・%#&$R(¥U&$%$#IU・・・閉店間際から延々二時間にも亘って、まったく割に合わない仕事だが止むを得ない。
 病気を侮られてアナフィラキシーショックを起こされたのではかなわない。

 ステロイド内服は医師の指示を最後まで厳重に守ることを厳命し、本当は関わりたくなかった相手に10日分の漢方薬を渡したのだった。

 そして一週間後の電話。忙しい時間帯に応対に出たのは女性薬剤師だが、漢方薬服用後に蕁麻疹は完全に消えたので病院のステロイドは中止した。漢方薬は続けても大丈夫なのか?という馬鹿げた報告と質問である。たたみかけて、吹き出物や手の湿疹も治してもらえるか? などと、フザケルナ〜〜と言いたいオメデタサである。

 当然、病院の薬も漢方薬も続けるべきことを繰り返し説得しても、聞く耳を持たない。それじゃ〜〜〜自己責任で、お好きにどうぞっ!
 今、薬局が立て込んでいるので、これで失礼しますと電話を切ったのだった。
 
 その後1週間、無音のままである。縁なき衆生とはまさにこのことである。
posted by ヒゲジジイ at 20:50| 山口 ☀| 蕁麻疹 | 更新情報をチェックする