2013年07月09日

骨髄異形成症候群に対する漢方薬の不確実性

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:40〜49歳の女性
【 職 業 】:会社員(技術系)
【 地 域 】:関東地方
【 住 所 】:【父の住所です】中国地方
【 お問い合せ内容 】:
父(現在80歳前)のことで問い合わせさせていただきます。
(このような内容で失礼がありましたら済みません)

 「骨髄異型性症候群」と診断され2012/11からビザーダの投薬を行いましたが効果がなく、治療を終了しました。
 その後、自宅療養と通院で白血球を上げる薬や輸血を定期的に行っていますが、あまり良い結果は得られず、万が一に備え常時診てもらえる別の病院に再入院することとなりました。

 漢方薬を投与することにより少しでも血液の状態が良くなる可能性があるのであれば検討してみようかと思ったのですが、定期通院できないと相談・販売していただけないとのこと。(正論だと思います)

 本人の体調面からこちらへの定期通院は無理だと思いますが何としても先生のような方に相談・販売していただきたく

1.本人の自宅から通える範囲にある(中国地方在住です)
2.情報を提示すれば販売してもらえる
3.私が通える範囲にあり、代理人でも可(関東地方在住です)

 のいずれかに該当するもので「ここにお願いしてみれば?」という信頼できる漢方薬局があればご紹介いただけませんでしょうか。 (父もいい漢方に出会えることを楽しみにしております)

 父と私の住所は上記住所欄に記載しました。

 お忙しいところ、このような不躾な問い合わせで本当に申し訳ありません。
 お手隙の際にでも、お返事いただければ助かります。
 どうぞ、よろしくお願い致します。
 では、失礼致します。

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
 残念ながらたとえ通える状況にあっても、年齢的にも病気のレベル的(既に輸血が必要など)にも骨髄異形成症候群の場合、さまざまな不確実性要素があり、当方の漢方では決して確実な自信が持てるものではありません。

 スムーズに造血機能が回復したケースが続いたこともある反面、もっと若い人でもほとんど効果が得られず短期間で断念されたケースもありました。

> 1.本人の自宅から通える範囲にある(中国地方在住です)
> 2.情報を提示すれば販売してもらえる
> 3.私が通える範囲にあり、代理人でも可(関東地方在住です)
> のいずれかに該当するもので「ここにお願いしてみれば?」という
> 信頼できる漢方薬局があれば
> ご紹介いただけませんでしょうか。

 これについてもまったく心当たりがありません。
 お役に立てずにまことに申し訳ありません。

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:
 お忙しいところ早々のお返事ありがとうございます。

 現在の父の状況では厳しい状況にあること、了解しました。
 また別の道を模索してみたいと思います。

 ご丁寧に回答いただきまして感謝致します。

 では、失礼致します。

IMGP5385
IMGP5385 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 22:46| 山口 ☀| 骨髄異形成症候群 | 更新情報をチェックする

2007年06月29日

骨髄異形成症候群の漢方薬

 4月7日のブログ の中で取り上げた骨髄異形成症候群で速効を得ていた例
 運の良い人は、例えば骨髄異形成症候群という白血病の前駆症状であることが多い疾患でも、最初の二種類の漢方製剤によって30日後の検査で血小板が1,5倍、白血球は2倍に増えたお陰でこちらのほうはあっさり正常化して、主治医が怪訝な顔をされているが、いつまでこの効果が持続するかが今後の問題である。
 すでにご本人は治った気分でおられて服薬を怠り勝ちなのだから、素人さんの無知なるがゆえの恐さを感じるばかりである
の続報である。

 案の定、あれだけ口を酸っぱく根治する疾患ではないので、決して油断がならないことを説明しておいたのに、二ヵ月分の漢方薬で治った気持ちになって一ヶ月半ほど廃薬しておいたところ、赤血球を含めてあらゆる血液成分が低下して、久しぶりにやって来られた昨日は、息切れが激しく、相談室に直ぐに入れず待合の長椅子に腰掛けて、しばらく動けない状態である。

 ようやく相談室までの3mを歩いて腰掛けることが出来たが、付き添いの人とお二人に向かって思わず大声で、あれほど言っていたではないですか〜〜〜、病院で一切治療方法がなく、別に心不全をかかえるなどまたその他の問題もあって、輸血する訳にもゆかないと言われており、西洋医学的な対症療法すらまったく行ってもらえなければ、なおさら運よく速効を得た漢方薬類を決して途切らせてはならないと、あれほど言っておいたではないか〜〜〜と歯がゆいばかりである。

 こんなに酷い状態になって、何とかしてくれというのだからその一ヵ月半の漢方薬中断によって、もしかすると取り返しがつかないかもしれないのに・・・
 すでに前回の配合(加味帰脾湯+α)だけでは到底間に合わない状況だから、朝鮮人参が配合された牛黄製剤とヘム鉄入り液体を直ぐにその場で服用してもらう。

 その後数十分に渡る訓示?が終わって次の相談者と交替する時の足取りは、まったく正常に戻って息切れの痕跡すら無くなっているのにホッとする。

 順番を待っておられた常連さんには「いつになく大声で叱っているのを見てビックリしましたよ〜〜〜」とからかわれる始末。
 
 二ヶ月前の血液に戻ってくれれば良いのだか!?

posted by ヒゲジジイ at 13:28| 山口 ☁| 骨髄異形成症候群 | 更新情報をチェックする

2007年04月07日

1回目で速効を得ても同じ漢方処方でいいとは限らないのが中医漢方薬学の常識

 最初の1〜3回で効果がまったく見られないからといって早々に諦められる場合は(ヒゲジジイの腕が悪いことはチョット棚に上げて)、あまりに根気がなさ過ぎるので直ぐに記憶から遠ざかってしまう。
 本当は内心忸怩たるものが大いにあるものの、そんな短期間でギブアップするような方に多くの時間を割いたことの無力感は否定できない。
 今後も、以前にも増して根性ありやなしやの審査を厳重にしなければならないだろう(笑)

 現実には互いに苦労した人ほど、真の漢方の膂力を理解してもらえて、漢方ファンになった人も多いのだが、いつの時代も根気のない人の方が多く、速効を得て短期間で8割近くの効果が見えた人の中にこそ、次第に遠ざかっていつのまにか消え去っている。そして再発して、慌ててやって来る人の何と多いことかexclamation&question ところが同じ方剤で再び緩解するとは限らないのだから、頑固な慢性疾患というのは侮れるものではない。

 運の良い人は、例えば骨髄異形成症候群という白血病の前駆症状であることが多い疾患でも、牛黄製剤を主体にした最初の二種類の漢方製剤によって30日後の検査で血小板が1,5倍、白血球は2倍に増えたお陰でこちらのほうはあっさり正常化して、主治医が怪訝な顔をされているが、いつまでこの効果が持続するかが今後の問題である。
 すでにご本人は治った気分でおられて服薬を怠り勝ちなのだから、素人さんの無知なるがゆえの恐さを感じるばかりである。

 昨今、立て続けに葛根黄連黄芩湯(カッコンオウレンオウゴントウ)を使用することが多いが、初日から速効を得る人もあれば、途中から他方剤とのバランスがとりにくくなっている人もいる。かと思えば、明日から追加方剤として併用を開始する予定の人もいる。

 アトピー性皮膚炎では、初期に茵蔯蒿湯や猪苓湯の併用で順調に軽快して2ヶ月で8割以上の緩解の兆しが見えたと思ったところで、突然の再燃ならぬ全身重度のトビヒが生じても、托裏消毒飲の方意を上回る「玉屏風散製剤・荊防敗毒散加減製剤・白花蛇舌草」などでアッサリと即効的に緩解しているものの、この病気の油断大敵なることをあらためて認識させられる。

 以下、ロウジンの繰言的なマトメ、

 最近も相変わらず、初期から比較的順調に緩解している人ほど、真の体質改善を行わないまま、あっさりと短期間で服薬を中止する傾向が目立っている。

 効くように見えてなかなかピントの合わない人では、短期間でで諦める人もいるかわりに、辛抱強く根気勝負で頑張る人も多い。
 こういう互いに苦労して複雑な配合と臨機応変の配合変化を必要とする人達ほど、漢方の奥深さを真に理解してもらえることが多いもので、複雑な体質を持たれている人達だけに、もっとも深く熟考して力を注ぐ必要があるため、こうして深夜まで眠れずに考え込むのであった(笑)腕が悪くてアホだから〜
posted by ヒゲジジイ at 01:54| 山口 ☁| 骨髄異形成症候群 | 更新情報をチェックする