2019年10月25日

突然生じた激しい回転性の眩暈(めまい)に即効を得る方法

 といっても、常連さんだから実現できたのだろう。
 
 常連さんというほどだから、どこへ行っても治らなかった痼疾を漢方薬で治して以後、漢方薬に惚れ込んで、漢方常備薬を20種類前後は常備されている。

 ちょうど数日前、30代の常連さんと、60代の常連さんが、回転性眩暈が突然生じて、目を開けておれないほどだという相談の電話がかかって来た。

 前者は、急激な腹痛から尿路結石を疑って、水分を積極的に摂取していたところ、突然、回転性眩暈が始まったという。

 もともと水分が過剰になると、軽度の眩暈を感じることがあった人であり、アトピー性皮膚炎の残存症状に五苓散!がよくフィットしている人でもあるから、水分摂取を少し控えて、同時に五苓散を通常より多めに服用するようにアドバイスしていたところ、昨日の午前中には、すっかり治まったとの電話報告があった。

 後者の女性は、もともと目が疲れやすい体質とともに、虚弱性体質の補強から、牛黄製剤や麝香製剤なども含めて、積極的に漢方薬を常用されている人なのだが(前者の女性も同様に様々な漢方薬を常用されている)、季節の変わり目なのか、突然、回転性眩暈が生じて、目を開けておれないほどだといわれる。

 既に半夏白朮天麻湯+高濃度の杞菊地黄丸料エキス製剤+五苓散を通常より多めに服用しているが、一向に治らないという。

 それを聞いて、はたと気が付いたことだが、もともと目が疲れやすく、高血圧傾向があったのが、いつの間にか、やや低血圧気味になっていたので、数ヶ月前に、常用されていた釣藤散を中止してもらっていたのが間違いだった。

 即刻、五苓散を必要とする証候はみられないので、それを中止して、釣藤散を復活し、半夏白朮天麻湯と高濃度の杞菊地黄丸料エキス製剤の3種類だけに絞り込んで服用するように伝えておいたところ、これも即効を得て、昨日の午後、電話で快癒した旨の報告があった。

 いずれの女性も、そんじょそこらの医師や薬剤師よりも、漢方薬の運用に習熟しており、それよりも何よりも、症状の的確な表現力があるお陰でもある。

 というのも、長年にわたって、ヒゲジジイによる、繰り返しのアドバイスのみならず、ご本人たちの、病気を治したいという強い信念のもと、諦めることなく通い詰めた、過去の長いながい年月の蓄積があったからに他ならない。

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2009年10月26日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年10月26日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:回転性眩暈

2017年07月13日

メマイというよりもフラツキに対する漢方薬は一定の効果があっても数年以上の根気が必要な場合がある

2012年7月13日の体調が悪い茶トラのボクチン(8歳)
2012年7月13日の体調が悪い茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

 本日、すでに緑内障による頭痛に一定の効果が続いていた人が、近ごろ天候には無関係で、座っていてもフラツキを感じることがあるというので、血圧も100以下に低下していることもあり、舌証などから総合的に判断して、補中益気湯を追加したところで、長期間続くフラツキで、仕事も辞めざるを得なかった人のケースを思い出した。

 8年以上前だったか、関西から飛蚊症で、杞菊地黄丸などでいつも間にか治っていたところで、数年後久しぶりにやって来られた。

 ここ2年ばかり、得体のしれないフラツキから、仕事を辞めざるを得ない状態で、近隣の漢方薬局では、まったく改善が得られないとのこと。

 そこで遠路はるばる、何度か通われるうちに、潜在的な蓄膿症が怪しいので、弁証論治にもとづいて、辛夷清肺湯・荊芥連翹湯・半夏白朮天麻湯で一定の効果があり、社会復帰が可能となったものの、もう一歩の進歩が見られないまま、その後も3年半の間、真面目にほとんど欠かさず継続服用した結果、最近ではかなりコントロール可能となり、補充注文のついでの報告では、1日2回の服用でもよいくらいになったとの報告があったばかり。

 このように頑固なフラツキに限らず、慢性疾患の中には、一定の効果があっても短期間で根治が得られないこともあるのだから、焦らずコツコツと体質改善を目指すつもりで、長期間の継続服用が必要なことも珍しくない。

 ましてや重症の成人アトピーなどでは、一定の効果があっても、状況や季節変化によって、配合の微調整を行いながら、比較的長期間の継続服用が必要である。

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2012年7月13日の体調がよくない茶トラのボクチン(8歳)
2012年7月13日の体調がよくない茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

2015年06月21日

動揺性めまい?の漢方薬のご相談(でも、お返事メールは着信不能だった!)

2009年6月22日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年6月22日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

動揺性めまい?の漢方薬のご相談(でも、お返事メールは着信不能だった!

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:40〜49歳の女性
【 地 域 】:中国・四国地方
【 お問い合せ内容 】:
 初めてメールいたします。こちらのHPを拝見いたし、是非先生の助言をお伺いいたしたくメールした次第です。
 いま、地元の薬局で3年ほどお世話になっています。先生も少し病態を把握するのが難しいからもっと偉い先生に聞いてみてほしいといわれました。舌診、脈診でみてもらって、脾虚、肝熱、肝気うっ血、肝血虚といろいろ難しい言葉を言われております。とりあえず、胃腸を丈夫にして血虚を改善するところから、六君子、安神補心丸(不眠改善)をしております。不眠はだいぶ改善してます。
 ただ、眩暈は改善がみられず、半夏白朮がいいのか、りょうけいじゅつがいいのか悩んでおられます、
 2つとも2週間はのみましたが。先生もよくわからなくなっておられるようで。

 私は以前より、動揺性めまいのような症状に悩まされており、釣藤散、あるいは釣藤鈎を多めにいれた煎じの抑肝散で首筋のコリをとってみたり、椎骨脳底?からの眩暈かもとされてきたり、どうしてもコリがとれないときは一時的に葛根湯を飲んでみたら?と言われておりまして。
 病院検査では異常なし、ですが、ストレスから自律神経失調症だろうということで病院からのソラナックスで肩首のコリは少し楽になってますが、根本から改善したいと思っており、いつか西洋薬をやめれたらと思っております。

 先生のブログを拝見すると同じような症状の方がおられるようで、拝見いたしましたが、頸椎が原因だとすれば、整体、鍼灸とどちらがおすすめでしょうか?頸椎が原因でない場合で病院の検査も異常なしとしたら自律神経からくる眩暈と捉えるのでしょうか?

 また、首を温めて気持ちいいとは思いますが、葛根湯と釣藤散どちらが自分の眩暈に適しているかわかりません。先生もメールだけでは判断しかねると思いますが。
 寒がりでもありませんし、便通、生理ともに順調で食欲も普通です。舌は白苔が有るときもあれば、黄味があるときもあります。もとに湿はからんでいるようです。

 この漢方薬局の先生の先生という方がいらしたときに一度、診てもらい、血虚の改善を勧められましたが、もう症状も長いので気長にやっていくつもりでいますが、私にあう処方がいまいちわかりかねています。
 不眠は改善しています。ですが、まだ眩暈と眩暈からの疲れと肩首こりがあります。。どうか先生の助言を出来る範囲で結構ですので宜しくお願いいたします。。。

2009年6月22日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年6月22日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 病院で検査しても異常が見つからず、治療もしてもらえない場合は、漢方薬の流儀にしたがって判断して、適切な漢方薬を見付けるのが最善だと思います。
 病院では頚椎症を否定されていても、現象的には頚椎が原因としか思えない人達もずいぶん多いものです。
 病院で原因が見つからない場合は、東洋医学の流儀で考えるべきだろうと思います。

 首の真裏をあたためると気持ちがよいことに間違いなければ、その同じ首の真裏を揉んでみると気持ちがよい場合、この温めるのと揉むの気持ちがよいという2つの条件が揃っていれば、ほとんどのケースでは、葛根湯や独活葛根湯のいずれかで、ふらつきやめまいが改善されます。

 但し、痰湿などの他の要素も合併していれば、半夏白朮天麻湯など、その他の適切な漢方薬を併用すればよいだけの話ですが、もしも上記に2つが揃わない場合は、葛根湯も独活葛根湯も使ってもまったく無駄です。

 このような葛根湯証など項背部関連の問題が絡まない場合は、綿密な弁証論治を繰り返して、適切な漢方薬を考える必要がありますが、この場合は、体質によって配合が実にマチマチで、これ以上のアドバイスは不可能です。

>頸椎が原因だとすれば、整体、鍼灸とどちらがおすすめでしょうか?頸椎が原因でない場合で病院の検査も異常なしとしたら自律神経からくる眩暈と捉えるのでしょうか?

というご質問は、お返事不可能です。
 整体や鍼灸はこちらの専門外ですし、多くは漢方薬で解決できる問題のはずだからです。
 また後者のご質問は、弁証論治にとっては、たとえそうであっても、あまり意味をなさない問題だからです。

 取り急ぎ、お返事まで。

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2009年6月22日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年6月22日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母


2014年09月24日

「めまい」とは微妙に異なる「ふらつき」は、とくに原因に沿った漢方薬の配合が必須

2009年9月24日のボクチン(5歳)
2009年9月24日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 一昨日、病院で治らなかったふらつきと耳鳴りが、当方の数種類の漢方薬によって、かなり軽快している女性のお話では、先日、NHKで、総合診療科の『ドクターG』とかいう番組で、取り上げられた患者さんが、頚椎が原因のふわふわしためまい(要するにフラツキだろう!)だったとか。

 当方に通われているその女性も、病院で原因不明で治らず、当方では頚椎に問題アリと推定して、順調に回復しているわけだが、もともと原因不明のめまい、というよりも「ふらつき」の場合こそ、頚椎が原因となっていることが極めて多いように思われる。

 寒熱に違いがあるとはいえ、頚椎が原因となる場合は、多くの場合、西洋医学のように手術を行わなくとも、漢方薬でほとんどが治るものだと思っている。

 実際に、ここ数十年間に、相当の人数が根治している。
 その点を考えただけでも、漢方薬は凄いものだ!

 ところで、頚椎が原因との推測が不可能だった例でも、弁証論治を正確に行えば、現在進行形でも、潜在的な蓄膿症が絡んでいるとの推測から、荊芥連翹湯・半夏白朮天麻湯、辛夷清肺湯の3種類の配合で、期間がかかりながらも順調に寛解中の人もおられる。

 しかしながら、頚椎が原因と推測される場合は、多くは即効で漢方薬の効果が出て来るので、患者さん本人は、病気を舐めてかかり、服薬を中断しがちになる。
 病院に何年も通って治らなかったのが、漢方薬で即効が出ると、たいした病気ではなかったのだろうと、無意識に勘違いされるのか? あるいは「幸福否定の心の闇」によるものなのか? 

 いずれにせよ、超即効が出た場合でも、効くのと治るのは大違いで、病気を侮って、直に中止すると、しばらくして再発するのは目に見えている。

 現実に漢方相談で遭遇することの多い「ふらつき」の原因は、頚椎が原因らしいことが最も多く、それ以外では脳腫瘍、悪性腫瘍の脳転移、高血圧、蓄膿症、脊髄小脳変性症、貧血、低血圧など様々であるが、たしかに頚椎が原因の場合は、病院では原因が特定されないことが多い。

 「ふらつき」という症状は、原因が何であれ、ほとんどのケースで、漢方治療が有効と思われる。病院で治らない「ふらつき」こそ、弁所論治による適切な漢方薬で、ほとんどが寛解してしまうことだろう。

 但し、高血圧だけは、漢方薬で治すのはもったいないので、適切な降圧剤を病院で投与してもらう方が、最も安上がりで即効が出るはずである(苦笑。

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2011年9月24日のボクチン(7歳)
2011年9月24日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年9月24日のボクチン(8歳)
2012年9月24日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年9月24日のボクチン(8歳)
2012年9月24日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

 

2013年08月23日

前回の続き(浮動性のめまいを主訴として様々な症状を抱える胃腸虚弱者からのご相談)

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IMGP5639x posted by (C)ボクチンの母

前回の 2013年08月22日 浮動性のめまいを主訴として様々な症状を抱える胃腸虚弱者からのご相談 の続き

折り返し頂いたメール:早速の返信ありがとうございます。
 胃のほうは逆流性食道炎かもしれないのですが、半夏はそれにも大丈夫でしょうか?

 昔から食べれないことはなかったのですが、社会に出て、ストレスに弱い体質なことに気づき、いろんな症状により、悪循環から抜け出せないようになっているみたいです。梅核気や口の苦味もしょっちゅうありました。(今はないです)

 朝は特に何も食べてないうちから胃もたれしたような感覚があり、前かがみで歩くような日もあります。なので、夜9時以降は食べないようにしてからはだいぶ楽になりましたが。
 胃下垂、胃アトニーでもあると思います。運動をしないので、筋肉もありません、猫背気味ですし・・。

 漢方薬が自分にあっているかどうかの判断はどのくらい飲んだらいいのでしょうか?
 薬を変える目安として期間があれば教えてください。

 また、薬ばかりに頼るのもいけないで自分でも努力してみるつもりです。
 希望が持てた気持ちになります。本当にありがとうございます。

2006年3月28日のボクチン(1歳半)
2006年3月28日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:素人療法は禁物です。
 このことを書き忘れていました!
 必ず地元の専門家と相談しながら漢方薬を利用すべきです。

 メールでのアドバイスは参考程度にされ、必ず信頼できそうな漢方薬局と相談しながら漢方薬を使用すべきです。
 メールと実際では大きく異なったことも珍しくないので、素人療法をされるおつもりなら、返信しなければよかったと後悔しています。

> 漢方薬が自分にあっているかどうかの判断はどのくらい飲んだらいいのでしょうか?
> 薬を変える目安として期間があれば教えてください。

 素人療法を行うようにアドバイスしたつもりはありません。
 通常は10日以内に分かりますので、専門家と直接相談の上、必要な微調整を行ってもらうべきです。

> また、薬ばかりに頼るのもいけないで自分でも努力してみるつもりです。

 素人療法をされるくらいなら、そのほうが無難です。
 時節柄、熱中症には十分お気をつけ下さい。
 これでアドバイスはすべて打ち切らせて頂きます。

2006年3月28日のボクチン(1歳半)
2006年3月28日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

上記のお返事をしたと同時に送られていた再度のご質問メール: たびたび、すみません。 もう一度質問よろしいでしょうか?
 その症状が出るきっかけとなったことは重要ですか?
 一応伝えておきますね。

 仕事は前かがみ作業で、常に緊張感を強いられる職場でした、びくびくしながらの仕事でした・・。
 げっぷが出る原因が肝からきているものなのか、胃の苦情からなのかわかりません。
 どちらにしても、肝と脾が関係しているのでしょうが・・。肝か脾でまた出される薬が変わりませんか?

 いつまでこの症状が続くのかと思うとイライラして気持ちの余裕がなくなります・・ (>_<)
 
 今の薬局では、いろいろなものを試しに飲むよりはと、●●●(鹿茸製剤)や気の流れをよくする◎◎◎◎◎◎(麝香製剤)というものを出されたりもします。
 ただ高価なためにずっと毎日は飲めないでいます。

2006年3月28日のボクチン(1歳半)
2006年3月28日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:メールが行き違いになったようですが、そのような綿密な弁証論治を行ってくれないような漢方薬局では治る病気も治らないので、もっと親身に相談に乗ってくれる薬局に変わるべきです。

 メールでは限界がありますが、発病のきっかけも重要です。
 現実的には症状が複雑な場合には実際の漢方相談では2時間くらいかかることも珍しくありません。
 2回目からでも一時間以上かかることも珍しくなく、それほど綿密な弁証論治を行わないと正確な判断と微調整は不可能な場合があります。

 胃弱から来る不定愁訴に悩む人はとても多いのですが、繊細な体質を改善するにはそれなりの正確な弁証論治が必要です。
 最初から高額商品にばかり頼るのは早計で、ものには順序がありますが、虚弱な体質をしっかり変えるには病人さんはもとより、相談に乗るほうも相当な根気と忍耐力を必要とします。

 双方のいずれかにそれが欠ける場合はうまく行かないことが多いものです。
 アドバイスはこれが限界ですので、これで本当に打ち切らせて頂きます。

 通っている人たちのメールも溜まっているので、これで失礼させて頂きます。

IMGP0821
IMGP0821 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:
 お忙しい中、ありがとうございました。
 自分の判断で治療するつもりはもちろんありませんから大丈夫です。誤解を招く文面をお許しください。

 こちらの薬局の先生と相談してみます。
 ありがとうございました。

IMGP0827
IMGP0827 posted by (C)ボクチンの母

ラベル:めまい

2013年08月22日

浮動性のめまいを主訴として様々な症状を抱える胃腸虚弱者からのご相談

IMGP6503
IMGP6503 posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の女性
【 地 域 】:中国・四国地方
【 お問い合せ内容 】:初めまして。初めてメールいたします。

 昨年11月くらいから、仕事のストレスで浮動性めまいのような症状に悩んでます。
 MRIや耳鼻科でも異常はなく、もともと自律神経失調症でもあったため、(もう長いです)そのせいかと思います。

 何かをしているときにというわけではなく、1日朝から頭がくらくら左右あるいは前後に小刻みに揺れている感覚です。
 あと後頭部が重く、頭がボーとしており、耳の閉塞感も多少あります、肩こり、首こりもあります。

 現在、ストレスが原因ということで柴胡疎肝湯を出されています。効果は実感できません。

 あと、胃の調子がいつもよくないことが多く、食べるとすぐ、または2時間以内には胃もたれなど、気分が悪いです。げっぷも空腹のときにでもあり、(朝起きたてのときでも)少し何かを飲んでもげっぷがでます、でもげっぷが出るとすっきりして楽になります。

 先日、胃カメラ検査をして、多数のポリープがあり、(良性)逆流性食道炎になりやすい傾向だといわれました。ただ、胃酸や胸焼けの症状はありません。胃もたれするので、小食で痩せてしまいました。落ち込みます。
 嘔吐恐怖があるので、ご飯を食べれなくなることもあり、過呼吸になります。

 胃に関しては、香砂六君子湯、小半夏袈茯苓湯(頓服)、沢瀉湯(頓服)で飲んでいます。

 体格は痩せていて、虚弱です。舌は白いです。

 漢方薬局では水分代謝の悪さからのめまいではないかともいわれますが、げっぷは肝の流れが悪いから出ているといわれています。

 自分に何が適しているかわかりません。性格は神経質で不安傾向が強いみたいです。
 どうかよろしくお願いいたします。

2006年3月28日のボクチン(1歳半)
2006年3月28日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
 文面だけから拝察すると、半夏白朮天麻湯で胃弱とそれによって生じるめまいに対処できそうで、耳が塞がりやすいのと不安神経症気味な部分は香蘇散で対処できそうで、半夏白朮天麻湯に香蘇散の併用で一定の効果が得られるとように思います。
 あくまでメールの文面だけからの推測です。

 ただ、香蘇散には抗不安作用もありますが、とはいえ不安傾向が強い場合は派生する様々な症状に上記だけでは対処不十分な場合があり、その場合はやや特殊な漢方薬が必要である可能性があり、この部分は文面だけからはアドバイス不能です。
 でも、案外上記の2種類の併用だけでもかなり改善するかもしれません。

 但し、冷え症が強くて、なおかいつも雲の上に乗っているふわふわ感を伴っている場合は、半夏白朮天麻湯よりも真武湯の方が適応する場合が多いものですが、しかしながら貴女には吐き気恐怖もあることから推察すると吐き気止めの半夏を含んだ半夏白朮天麻湯+真武湯+香蘇散で対処した方が無難なように思えます。

 げっぷに関しては上記の方剤で改善できない場合は、他にもいくらでも方法はありますが、貴女のような胃弱の人には柴胡疏肝湯という処方は川芎など不適切な成分も含まれており胃の機能を却って低下させたり、枳実や青皮などによって体力を次第に奪うことだってあり得ますので使っても無駄あったことは当然だと思います。

 文面だけで処方を提示できることは少ないのですが、症状の記載がかなり具体的でイメージが把握しやすかったので敢えて参考処方を提示させて頂きましたが、現実には症状を消しながら真の体質改善を行うには、10日毎の詳細な観察と折々に症状に応じた微調整が必要で、少なくとも数処方の処方を併用する必要があるのが通例です。

 以上はあくまで文面だけから判断したヒントに過ぎませんので、固定的には考えないで下さい。
 文面だけでの推測と現実に直接面談しての判断とは大きくことなったケースは稀では無いので、あくまで文面だけからの推測に過ぎません。
 あしからずご了承下さい。
 とり急ぎ、お返事まで。

2006年3月28日のボクチン(1歳半)
2006年3月28日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:めまい

2010年11月04日

日本漢方では思いつかなかった配合

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IMGP0318 posted by (C)ボクチンの母

 子供さんが喘息のために禁煙を決意された人が、病院で出された禁煙治療薬を服用すると、服用直後の吐き気と不眠で薬物治療をあきらめた。でも一ヶ月の禁煙に成功されている。
 禁煙治療薬となる漢方薬があればよいが、そんな便利な漢方薬はあるのかね〜?!

 ともあれ、本題の結果的に興味深い配合の数々のほんの一部。

 杞菊地黄丸+補中益気湯+茵陳蒿湯がピッタリ適応している人の症状は、仕事中のひどい睡魔と疲労倦怠感および眼精疲労、常時感じるフラツキ感などに著効。
 なぜ茵陳蒿湯まで必要だったかと言えば、明らかに肝胆系統に湿熱が併存していたからである。恐らく過去に合成医薬品の使用過剰によるものと思われる。

 当方に来られる前には病院で保険漢方の桂枝茯苓丸が投与され常用されていたが、ピント外れ以上に、症状をさらに悪化させ兼ねない明らかな誤投与であった。

 今回のブログは、ブログの更新を怠ると、とうとうヒゲジジイは再起不能かとへんな憶測をしてぬか喜びされ兼ねないので、敢えて書いたに過ぎない。

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IMG_6072a posted by (C)ヒゲジジイ

 

2009年08月01日

耳鳴の漢方薬は気剤が有効なことも多い

美しいカメムシ
美しいカメムシ posted by (C)ヒゲジジイ

 耳鳴の漢方相談では、多くの人が根気がないので手間隙かける割には短期間で諦めてしまう人が多いので、あまり好きな漢方相談ではないが、気剤が有効なケースでは比較的速効であることは少し前にも書いた。

 現実にはジメイ丸だけが耳鳴の漢方薬というわけではないのである。

 最近も仮面鬱病的な人にかなりな速効が出ているが、今後も真面目に継続するかどうかは御本人の問題である。

 耳鳴で神経症に陥っているケースでは、焦りが強くて客観的な報告が得られないケースもあり、御高齢者では若い人よりも焦りの度合いがあまりに強いケースが多いので、常連さんやお馴染みさんの御家族でもない限りはお断りしている。

 それでも香蘇散や四逆散などの気剤が適応する場合は、複数の配合方剤を綿密に計算すれば意外な速効が得られる。

 真剣に腰を入れて相談してくれれば、高確率で耳鳴もかなり軽減できることが多いのに、実際は耳鳴の御相談者の多くは「せっかち」な人が多いようで、腰を据えて頑張ろうという気概に乏しいように思われる。

 最近も四逆散レベルでも速効が得られた人がいるが、これらの方剤を含めて、体質に合った複数の方剤を徹底的に続けている人は一部の人に限られている。

 かなり複雑な配合になるケースもあるからかもしれない。

 どうも他の疾患とは異なって、熱しやすく冷めやすい人が多い疾患なのかもしれない。
 加えて、生命に関わる疾患でもないという安易さが相談者にもあるのかもしれず、漢方薬を民間療法レベルにしか考えてない人達が多いような雰囲気がある。

今日も曇天の中のツバメ
今日も曇天の中のツバメ posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:耳鳴 頭鳴 耳鳴り

2009年01月14日

著効がありながら直ぐに効果を失った場合は・・・

年齢 : 40歳〜49歳
ご職業 : 主婦
お問い合わせ内容 : 村田先生はじめまして、●●●在住の○○△△と申します。お忙しい所突然メール致しまして申し訳ございません。是非先生にご助言をお願い出来ればと思いまして、メールをさせていただきました。何卒宜しくお願い致します。

 昨年4月に難聴(病名は低音障害型感音難聴です)になりました。症状は低音の耳鳴り、耳閉感、自分の声や周りの音が響くなどです。

 地元の漢方薬局で相談をさせていただきまして、柴胡加竜骨牡蠣湯、香蘇散、温胆湯で、低音の耳鳴り、耳閉感は治まったのですが、自分の声や周りの音が響いて聞こえる症状がいっこうに治まらず、その後、柴胡加竜骨牡蠣湯、温胆湯にお薬を変えていただいたところ、3日目頃から効果が出始めまして、4、5日でほとんど気にならないほど良くなったのですが、10日もたたないうちにまた症状が出始めまして、その後良くならないままで、またこの症状にめまいも伴いまして毎日辛い日々を送っております。

 昨年11月26日に村田先生がブログで書かれておられました内容と同じような状況ですが、私の場合も当てはまるのでしょうか?

 今、相談させていただいております先生も困っておられる様子で、私も毎日がとても辛く、是非村田先生のご意見をお聞かせいただければと思います。
 どうか宜しくお願い致します。


御返事メール:ご相談内容を拝読して、確かに昨年の11月26日に書いた「初回から速効があった漢方薬が次第に効力を失うことがあるのはなぜか???」通りの可能性が高いと思います。
 もしも腎虚があれば、六味丸に柴胡と磁石を加えた耳鳴丸を加えてみるとか、様々な工夫があると思います。

 それはそれとしても、柴胡加竜骨牡蛎湯と温胆湯の併用で一時的にでも効果があったということは、かなり神経質で繊細なところがあるように拝察します。もともと過敏性体質であったとするなら、焦りは禁物で、焦ることが却って病状を頑固にしてしまいます。

 せっかくそこまで見つけて下さった先生ですから、最後まで信頼して様々な配合の工夫をして頂けば、遅かれ早かれ適切な併用方剤がみつかることと思います。
 
 以上、取り急ぎお返事まで。

2008年07月12日

高血圧体質の人に葛根湯を用いることの是非

昨日の続き

折り返し頂いたメール: 葛根湯は血圧のことがすこし気になりますが、適宜使用であれば影響はすくないかもしれませんね。
 いつもありがとうございます。


ヒゲジジイの御返事メール:ちょうど本日(昨日11日)「真珠腫性中耳炎」が原因とみられる頑固なフラツキで来られた同年代の方がおられました。

 まさに葛根湯証の条件(首の真裏を軽く揉むと気持ちが良いというのと、同じ首の真裏を温めると気持ちが良いという二拍子揃う)ぴったりの女性でしたので、胃弱を考慮してオルスビー錠とともに葛根湯製剤(1日量:葛根4、麻黄2、甘草1の配合比率)を直ぐに薬局で服用されましたが、帰られる30分後には効果が出ていましたっ!
 その方は右肩がひどく下がって背骨も曲がり、明らかな頚椎症合併が疑われる様子でした。

 なお、日本流の漢方では葛根湯が高血圧にも有効例があるとの記載を古方派当時何度も目にしていますが、葛根の分量が多ければ多いほど脳内の血流量を改善し、葛根自体が高血圧にも有効です。

 但し、麻黄や甘草の配合比率の多い製剤では高血圧を悪化させる可能性がありますので、葛根湯製剤の選択には慎重さが要求されると思います。
 その点ではツムラの葛根湯製剤は比率的に問題がありますので、高血圧傾向の患者さんには半分量で様子を見ざるを得ないと思います。


追記: 過去、中国国内では葛根単味による臨床実験による高血圧およびこれに付随する頭痛やフラツキ症状に対する有効性を証明するデーターが各種発表されている。湖北中医雑誌1985(1):27や中国医学科学院など。
 それゆえ、葛根湯中の麻黄や桂枝・甘草・生姜が心配な場合は、葛根単味を煎じて利用することが無難かもしれないが、明らかな葛根湯証を呈している場合は、葛根の比率の高い配合で慎重を期して少量から適宜使用してみることも必要だろう。

 また、中年前後からは八味丸ではなく六味丸合葛根湯というケースはしばしば見られることであり、葛根湯合杞菊地黄丸ともなれば、受験生から高齢者まで、意外に適応する人が多いものである。

2008年07月11日

もしかして葛根湯証を呈する頸椎症が原因の「フラツキ感・軽度耳鳴り・めまい」では?

おたより:東海地方の内科医師

 ブログを拝見していますとお忙しい毎日をお過ごしのようですね。当クリニックも、中医漢方薬学もどきの投薬を行いすこしずつではありますが、馴染みの患者さんが増えていまして、何とか息をつないでいるところです。
 なかには、一回の受診だけでそのあと来院していないかたもいらっしゃいます。効果の現れるのが遅いという印象をお持ちのかたの場合、もうすこし時間を頂戴できればと思うこともあります。

 最近のご時勢からいって超即効をご期待のかたがだんだん多くなり、当方も余裕のない診療を余儀なくされる傾向が日増しに大きくなってきている感じがします。でも可及的速やかに正確な弁証を行えるように日々研鑽を心していかなければとも思っています。

 前置きがやや長くなりましたが、個人的に相談にのっていただければと存じます。
 血圧は降圧剤とチョウトウサン、ハチミガン少量(一日10丸)を服薬し、夕食のあとジュンチョウトウを1包内服しています(内服しないと硬い排便となります。リアルの話で恐縮です)。
 
 おかげさまで血圧はまずまずで、排便も出だしはやや硬いですが、普通便からやや軟便がでています。
 舌は紅で、以前は薄い黄色苔がありましたが、目立たなくなっています。

 この最近午前中の診療の10時半過ぎになりますとやたらと眠くなります(就寝が1時過ぎになることも影響しているかもしれません)。
 そして、これは随分まえからの症状ですが、フラツキ感・軽度耳鳴り・めまいがあります。
 土曜日の診療を終了すると結構フラフラになるのは脳疲労のせいでしょうか。さほど頭を酷使しているとも思えないのですが。

 さすがに、患者さんの前でウトウトすることはありませんが(笑)、何とかできないかと愚考しています。
 ご助言くださいますようにお願いします。


御返事メール:先生も御多忙続きのご様子、お互い老体?には応える毎日のようにお察し申し上げます。
 といっても先生はまだ中年真っ盛り、小生は五十代でもすでに老体の気分です。

 実に馬鹿げた妄想ですが、いつまでも血気盛んな頃の自身のイメージから脱し切れないまま、気が付けば既に中年っ!
 まさかこんなに年を取るはずではなかったのだがっ!

 三島由紀夫の小説にしばしば出て来る「夭折」するはずだったはずだが・・・、このような老醜を晒す身になるなど信じられない毎日。
 どうせ老醜を晒すくらいなら、この腐り切った日本を少しでも古きよき時代を思い出させようとはじめたはずのブログ 文武両道・失われた日本の心も、昨今は放置したままのテイタラク。

 何を書いてるのやら、心身ともに疲れ切る毎日。昨今、新しい来訪者がずっと続くことは喜ばしい事ながら、繊細な神経が常にピ〜〜ンと張り詰めた状態で、牛黄製剤や哲学の煙で何とか毎日を過ごしている状態。暑くなって血圧は正常化したものの、冬になればアテにならないし・・・と、当方も冗漫な前置きが長くなるのも、この度の先生のご相談内容、小生自身が昨今、同類の悩みを上記の哲学の煙や牛黄製剤や麝香製剤で何とか誤魔化している毎日。

 こちらからも先生にご相談したいくらいです(苦笑。
 むしろ先生のように診療中に眠くなるのはうらやましいくらいです。

 ただ小生も、耳鳴りこそありませんが、フラツキ感は折々に感じることがありますが、これは目を酷使することと若い頃に右腕ばかり使う運動をやり過ぎたため(と頭部打撲もあり)の頚椎症が原因であろうと考えています。
 しかしながら、ここ一年近くは首を縮めない姿勢を保つ、首をなるべく伸ばすことを心がけることで、ほとんど解消しています。

 先生の「フラツキ感・軽度耳鳴り・めまい」も頚椎症関連、あるいは頚動脈の狭窄などが原因ではないかと勝手に推測するのですが、案外、葛根湯証があるのではないでしょうか?

 首の真裏を軽く揉むと気持ちが良いというのと、同じ首の真裏を温めると気持ちが良いという二拍子揃えば間違いなく葛根湯証です。但し、この条件が揃っていても高血圧傾向があることを考えますと、ツムラなど医療用の葛根湯では甘草の比率が多過ぎます(逆の表現をすれば甘草の配合分量に比較してに葛根の量が足りないので、一回に服用する量を半量に減らす必要があります。

 上記の条件が揃っていれば、葛根湯の半量を適宜使用することで、葛根湯による覚醒作用と同時に軽度の頚椎症が原因だった場合の「フラツキ感・軽度耳鳴り・めまい」であれば、そのほとんどが雲散霧消する可能性が高いと思います。

 世の中、意外に釣藤散証と葛根湯証が合併することも多いのですが、葛根湯は比較的速効があるので、あえて常用する必要はなく、適宜使用する方法でも十分な効果が出ることが多いものです。

 まずは、葛根湯証が潜んでないかを点検されてみては如何でしょうか?
 もしも葛根湯証がなければ、姿勢を正す整体治療が有効なように思います。

2007年08月28日

真武湯証が疑われる高校生の御相談

性別 : 男性
年齢 : 10歳〜19歳
ご職業 : 高校生
簡単なご住所 : 北陸地方
お問い合わせ内容 : ご相談があります。名前は●●といいます。
 1?歳なんですが、12歳の時に携帯用ゲーム機で遊んでいたら急にフワッとした(エレベータで上に上がるような昇降感)めまいがしてから以下のような症状が起きるようになりました。

・一日中頭がボーっとしているような感じ(霞むような感じではないです、夢を見ているような感じに近いです)
・一日中頭(目)がクラクラしている感じ・時々寝ているとき沈むような感じ(谷底に引き込まれるような感じです)
・急にフワッとして(エレベータで上に上がるような昇降感)その症状が次の日まで続く(寝て朝になるとフワッとした感じがなくクラクラしたままです。

 そして一ヵ月後、二ヵ月後、三ヵ月後。といつ起こるかはわかりませんが、またフワッとなります)小児科、内科、耳鼻科、神経内科に行きましたが、自律神経失調症じゃないかと片付けられました。
 心電図やCTも撮りましたが異常なしでした。

 すいません以下の問題を回答?返答していただきたいです。
・何の病気でしょうか?
・視神経に支障でもありますか?
・漢方薬で治りますか?(あと、完全に治りますか?)

 以前に友人からもらった苓桂朮甘湯を飲みましたが効果なしでした。
 お返事待ってます。


お返事メール:御質問に対するお返事

何の病気でしょうか?⇒診断は病院の医師のする仕事です。
視神経に支障でもありますか?⇒上記に同じ

漢方薬で治りますか?(あと、完全に治りますか?)⇒漢方薬で治る可能性は充分にあります。可能性として真武湯(しんぶとう)が適応するかもしれない症状(フワッとする)があるようですので、地元の漢方専門薬局で御相談してみて下さい。

 間違っても素人療法は禁物です。指名買いすることなく、直接出向いて、詳しい症状を聞いてもらって、適切な漢方薬を選んでもらうと良いでしょう。
 その中の大きな候補として真武湯の可能性があるというだけで、お問合せ内容だけで迂闊に適切な処方まで断定することは不可能なのです。
 他にも条件によっては、半夏白朮天麻湯などの方が適切なのかもしれませんので、かならず地元の漢方薬専門のところで御相談してみて下さい。


折り返し頂いたメール: お返事ありがとうございます。

わかりました。
一度近くの病院でもう一度聞いてみます。


【編集後記】 漢方薬のことが近くの病院で分れば世話はない。
 一般病院の医師の多くは、漢方薬の知識がほとんど皆無に等しいことはあまり世間には知られてないのも不思議である。
 漢方薬の販売だけで生計を立てている漢方専門薬局で相談するのがもっとも無難なのだが・・・
 まるで噛み合わないお返事であるが、高校生だから止むを得ないのだろう。

2007年05月17日

耳鳴りが20日分の漢方薬で7年間再発しなかった例

4月27日の 膝関節部の水液貯留が漢方薬わずか一ヶ月の服用で10年間再発しなかった希有な症例 と同類の著効例の話である。

 今回の症例も8年前に来局された中年女性で、当時1年前から始まった耳鳴り難聴で、弁証論治により少量の葛根湯エキス製剤と香蘇散エキス製剤を10日分。著効を得て更に10日分お出ししたところでそのまま音信不通ゆえ、まったく忘れていた人である。
 その人が昨日来局され、10年前(実際は8年前)に耳鳴りが村田漢方堂薬局の漢方薬で治ったので、また今度も御願いしますとのことだが、まったく記憶にないお顔と名前なので古い相談カードを探してみると、確かにあった。
 その内容が上記の2方剤で、2回しか来られておらず、しかも合計20日分服用されただけの計算である。
 その後、やや聞こえが悪いのは残ったが、耳鳴りは完璧に消えていたというのである!

 ところが昨年、突然のメマイと吐き気で倒れて以後、耳鼻咽喉科で出された医薬品で却って猛烈な副作用に見舞われ、それ以後、7年ぶりに当時の同じ耳鳴りが再発して夜が眠れなくなったというのであった。

 ともあれ、このように1回目で著効を得た多くの人が、その後1〜2回続けて以後は直ぐに音信不通になったケースは毎年相当な数に上るので、多くはこの女性や上記の膝関節部の水液貯留が漢方薬わずか一ヶ月の服用で10年間再発しなかった希有な症例のように、短期間の漢方薬で当分の間再発せずにいる人は、決して希有な症例とは言えないことに気がついた。

 たまたま再発したから再来されるので、その後の経過が判明するのである。

 一回目から著効を得た人に限って直ぐに音信不通になるので、バカだな〜〜〜くらいに思っていたが、その多くは上記の人達のように(病根は残っていようとも)現象的には無症状となって根治したつもりでいるのかもしれない。

 こういう運の良い連中が多いから「石の上にも三年」という気合をかけても、運悪く直ぐすぐには効果が出ない人達は、

「あの人は直ぐ治ったのに、私はきっと漢方薬が効かないんだ〜〜〜?!」
 と勘違いして半年どころか一ヶ月も頑張れない人が出て来るのだろうか?

 実際、毎年マイトシ、一発目で著効を得た人に限って、数回も続かないことを長年不思議に思っていたが、ようやくその理由が分かったようなわからないような・?・!・?・!

ラベル:耳鳴り 著効例