常連さんのご家族だが、大腸がんの可能性があるので、是非とも病院で診察してもらうように強く、アドバイスするも、病院は嫌いなので、絶対に嫌だと。
他のご家族もご本人も、もしも癌であればこそ、なおさら手術や抗癌剤など、もってのほかだと、対症療法でよいから、漢方薬を出してほしいという強い依頼。
柴胡疎肝湯+桃核承気湯や通導散に開気丸などとともに、風邪予防と体力維持に食欲増進目的の「参蘇飲」を適宜使用することで、食欲は以前よりも良くなり、排便も何とかスムーズに通るようになった。
その間、いわゆる抗癌中草薬類を、一切使わなかったのは、上記以上の多種類の服用は困難だったからである。
腹部に異物を感じるということを、比較的早くから漏らされていたので、ご家族にも、折々に病院での受診を強く促していたが、いわゆる確信犯を、どうしても説得することはできなかった。
家業の経理などをずっと続けること、ほんの先月まで、大きな問題もなく過ごされていたが、月末ごろから食欲があるのにお腹がつっかえて、思うように食べられないと言われていた間もなく、呼吸が突然苦しくなって、ただならぬ様子に、はじめてご家族が無理やり病院に連れて行かれた。
胸水が認められ、検査で大腸がんが見つかったが、胸水を抜くと呼吸は楽になったものの、数日後には意識が混濁し、眠るように亡くなられたのが今月の初旬。(意識が混濁する前後、漢方薬は牛黄のみ服用。)
6年半、上記の漢方薬による対症療法で、疼痛は皆無で大出血を起こすこともなく、胸水を抜いてもらってからは、一切の苦痛もなく、意識が次第に混濁されて眠るように八十数歳で亡くなられた。
結果的に、癌を放置したらどのような経過を辿るか、という、常々近藤誠医師が訴え続けていた教科書通り以上の推移だったといえるが、近藤氏が絶対に認めようとされない、各種の漢方薬の貢献も大きかったことは否定できないだろう。
亡くなられる2週間前までは、通常の仕事と生活ができていたこと、疼痛も一切でなかったが、胸水による呼吸の苦しさが、それを抜いてもらうまでの数日、苦しかったのみ。
長年の確固とした信頼関係のある常連さんのご家族だからこそ、情に負けて対症療法的な漢方薬を使ってもらったが、そうでなければ、病院での診察を拒否する人達の要望を受け入れることは、絶対にあり得ないことだった。
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2012年02月21日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:大腸癌