2017年02月13日

しもやけが茵蔯蒿湯で、かなり改善されたという特殊事例

2011年02月13日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年02月13日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 ほんとうはタイトルに「特殊」という言葉を入れたくなかったが、誤解しやすいシロウトさんが多いので、敢えて入れておいた。

 実際のところ一見、特殊例に見えるかもしれないが、これが漢方薬の優れたところでもあり、弁証論治の難しいところでもある。

 10年以上前に一度来られたことがある県外の男性で、おおよその体質のイメージはあるものの、同じご家族が5年くらい通われているついでに、その10年以上前に来られたことのある男性が、現在、湿疹に悩まされておられるというので、そのご家族が知る範囲の情報で、茵蔯蒿湯なら間違っても問題ないので、一度試してもらったところ、一定の効果があったので、そのまま適宜、断続的に続けられていた模様。

 冬場に入って、茵蔯蒿湯を飲んでいると、しもやけがかなり軽減できるので、そのまま続けたいと、まとめてお送りすることになった。

 こんなブログを書くと、理解力のないシロウトさんたちが、しもやけには茵蔯蒿湯だと誤解されたら困るのだが、この情報は、あくまで同業の専門家に向けているつもりだから、そのおつもりで。

 過去にも、上半身は明らかな熱証の女性たちが二人、いずれも黄連解毒湯+茵蔯蒿湯+六味丸によって、上焦のアトピーが改善したばかりでなく、手足のひどい冷え性が驚くほど改善した特殊例を、このブログでも取り上げた記憶があるが、恐らく茵蔯蒿湯に内在する活血化瘀作用が多少とも貢献しているものと思われる。

1日1回、今日も応援のクリックをお願いします

2012年02月13日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年02月13日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 14:02| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2016年01月25日

病気の問屋さんたち

2009年01月26日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年01月26日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 「病気の問屋さんたち」などという表現は、このブログを読んだら「私のことではなっかしら?」と機嫌を悪くする人がたくさんおられることだろうが、貴方や彼方たちだけではないので、ご安心を・・・。

 ご安心をというのも、仕事歴の長い村田漢方堂薬局では、「病気の問屋さんたち」と表現するのが最も適切と思われる人達の漢方相談こそ、悪性腫瘍関連の相談以外では、最も多いのだから。

 いつの間にか、アトピー性皮膚炎の相談者よりも多くなっている。

 そのような多種類の疾患を抱えて相談に来られる人こそ、長年の病苦に悩まされているだけに、繰り返し諦めずに通われる根気がある人だけの特権として、次第にあらゆる症状を忘れるようになって健康感が得られるようになる。

 そのような人達こそ、西洋医学ではまったく不可能だった数々の慢性疾患が次第に治癒に向かって漢方薬の優れた効果を実感されることになる。

 そのような多種類の疾患が複合して長年苦しまれていた人の複雑な状態など、このブログなどで簡単に記すのは不可能なので、いつもほんの一端しか書くことができない。

 たとえば、多種類の疾患のついでに、激しい逆流食道炎が合併していた人が意外に多いが、その多くが不思議と大柴胡湯証なのだが、逆流性食道炎だけの問題に絞れば、オルスビー錠で改善する人も多いし、小陥胸湯加減方ということもあれば、ササヘルスということもあったり、そのいずれも必要であったり、イオン化カルシウムの併用が助けになったり、様々であるが、昨今目立つのは、多種類の疾患に付随して逆流性食道炎もありますというようなケースが多々見られる。

 いずれにせよ、一人の身体にまるで病気の問屋さんのように、多種類の疾患を抱えて相談に来られる人は昔からとても多いのだが、そのような人達こそ、いつの間にかお馴染みさんや常連さんとなってしまうのは、漢方薬の優れた効果を実感されるがゆえに、必然的なことかもしれない。

 その代表的な実例が、我が薬局の女性薬剤師を筆頭として、40代〜90代における数十年来の多くの常連さん達である。

 補充購入の電話やメールで発送依頼ばかりが目立ち、店頭ではほとんど開店休業に近い本日のような寒波が続く中、殊勝に通って来た人達こそ、類は友を呼ぶかのような人達ばかりだった。

1日1回、今日も応援のクリックをお願いします

2009年01月26日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年01月26日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2009年01月26日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年01月26日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 20:09| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2015年10月27日

大柴胡湯の適応証は、体力とは無関係

2008年10月27日の茶トラのボクちん(4歳)
2008年10月27日の茶トラのボクちん(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 最近も華奢な女性の逆流性食道炎に、高濃度の大柴胡湯で即効を得ているが、一時は病院で投与される医薬品で治まっていたのが、途中から効果がなくなったので、村田漢方堂薬局ではまずは例によって、オルスビー錠を飲んでもらったが無効。

 そこで、心窩部を軽く圧迫してもらうと、気持ちよいどころか、不快であるというお返事。右胸脇部も同様であった。

 このように大柴胡湯は体力とは無関係で、心窩部と右胸脇部の充実度で判断すべき方剤である。

 内緒の話だが、ヒゲジジイも今月になって、一週間に1〜2回、夜中に心窩部の不快感と胃酸の逆流症状で目が覚めることがある。
 高濃度の大柴胡湯+オルスビー錠で即効を得るが、昨夜もこれで目が覚めた。
 しばらく大柴胡湯+オルスビー錠を常用する必要がありそうだが、胃酸が逆流した日は、肉食類が旨いのなんのってっ!

 今月は、なんだか呪われているように様々な症状に見舞われ続けたが、これで終わりにして欲しいものである。
 重大な疾患のご相談が続くので、知らず知らずに相当に神経を消耗し尽しているのかもしれない。

1日1回、今日も応援のクリックをお願いします

2010年10月27日の茶トラのボクちん(6歳)
2010年10月27日の茶トラのボクちん(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年10月27日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年10月27日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年10月27日の茶トラのボクちん(8歳)
2012年10月27日の茶トラのボクちん(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 19:47| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2015年09月26日

世間では消化器疾患に六君子湯や半夏瀉心湯がよく使われるらしいけど

2009年9月26日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年9月26日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 村田漢方堂薬局でも六君子湯や半夏瀉心湯も必要になることだってあるのだが、大柴胡湯を使用する機会に比べれば、遥かに少ない。

 逆流性食道炎には六君子湯がファーストチョイスのように仄聞するが、いまだに遭遇したことはない。

 むしろ六君子湯で効かなかった人達が、当方に来られるケースでは、オルスビー錠でダメでも、多くは大柴胡湯証を呈しており、華奢な男女が断然多い。

 六君子湯証と大柴胡湯証では、それぞれにフィットする一連の症候は大違いなのだが、どうして六君子湯が投与されていたのか不思議である。
 多くは病院で投与されていたケースが多い。

 胃が痞えるからと半夏瀉心湯を投与されていたケースでも、その多くは大柴胡湯証を呈している。

 病院で六君子湯証や半夏瀉心湯証を投与されても全然効かないからと、相談にやって来られるケースのほとんどが大柴胡湯証であった。

 こんな企業秘密をバラしても何の徳にもならないが、ボクチンの写真を貼りたいために止むを得ない(苦笑。

 胃弱の人では、大柴胡湯合補中丸がフィットするケースも意外に多いのだが、日本流ばかりに専念していた頃では、絶対に考えの及ばなかった配合である。

 たまには応援のクリックをお願いします!⇒

2010年9月26日の茶トラのボクちん(6歳)
2010年9月26日の茶トラのボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 00:05| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2015年05月22日

大柴胡湯と補中丸の併用はあり?

2015年5月21日のシロちゃん(2歳)・スコちゃん(2歳)、トラちゃん(1歳半)
2015年5月21日のシロちゃん(2歳)・スコちゃん(2歳)、トラちゃん(1歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年05月22日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年05月22日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 ちょうどこの配合の補充注文があったので、ブログに使えると思った(笑。

 弁証論治を徹底的に追及していくと、最終的には大柴胡湯+補中丸の併用を主体した配合で、各種皮膚疾患にしっかり適応するタイプがある。

 日本漢方の実証・虚証・虚実中間などという発想ではあり得ない配合だから、敢えて取り上げた。

 頑固な皮膚疾患で、都会地から通われて数年間、初期にはかなり多種類の配合を続けられて後、ここ最近はずっと上記2種類の配合で、一定レベルの改善が得られている。

 また、都会地の中医学で高名な各医院を3軒歴訪しても治らなかったアトピー性皮膚炎の人も、数年間の臨機応変の多種類の配合変化を経て、ここ一年以上は大柴胡湯+補中丸を主体に、六味丸や清心蓮子飲に茵蔯蒿湯や葛根黄連黄芩湯に莪朮・地竜など複雑な加味を必要としながらも、9割以上の寛解を得て、社会復帰を果たしている。

 そのほか、地元近辺では胃が痞えて疲れやすい人に多用して喜ばれている(呵呵。

 たまには応援のクリックをお願いします!⇒

2011年05月22日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年05月22日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年05月22日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年05月22日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年05月22日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年05月22日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年05月22日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年05月22日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2015年03月04日

デリケートでイヤらしくもある人間社会の洗礼を受け続ける毎日だった若造の頃

2009年03月04日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年03月04日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 35年以上前の思い出。

 村田漢方堂薬局の漢方ファンに連れられて、料理教室の先生が漢方相談に来られた。

 胆石が生じても不思議がないような大柴胡湯が明らかなので、コッテリした洋食系の食事を慎むように食事内容のアドバイスを行ったところ、見るみる顔が赤くなった。何を立腹されているのか?

 その時点では直ぐには気かつかなかった。

 あとで考えてみれば、結果的に彼女の営業妨害をしていたらしい。
 洋食系の料理教室の先生だったらしく、その生徒さんを目の前にして、洋食系の食事を慎むようにアドバイスしたのだから、やっぱり結果的には明らかな営業妨害だったのだろう。

 とうぜんのことながら、二度と来られることはなかったが、このような善意が仇になる現実を繰り返し経験し、デリケートでイヤらしくもある人間社会の洗礼を受け続ける毎日でもあった(呵呵。

たまには応援のクリックをお願いします!⇒ にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ

2009年03月04日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年03月04日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年03月04日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年03月04日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年03月04日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月04日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年03月04日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年03月04日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母



posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☔| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2014年07月07日

大柴胡湯証の真実

2009年7月7日のボクチン(5歳)
2009年7月7日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 今日はブログを更新したい気分になれないけど、ボケ防止とボクチンの写真を貼る口実として敢えて書くことにした。
 先々日のブログの後半でも書いたことだが、大柴胡湯証の実際について。

 大柴胡湯の効果・効能欄に記載される最初の文言「体力が充実して」というのは当てにならどころか、実際には邪魔である。
 これがあるがために現実には痩せ型で華奢な女性にも多発する大柴胡湯証を見逃してしまう専門家が多いのである。

 「体力が充実」などとは無関係な問題で、華奢の女性に適応証があるケースでは、日頃から体力に自信がない人も多い。

 大柴胡湯証に体力の問題は無関係であり、もっとも重要なのは「部分の実邪」の存在の有無なのである。
 ヒゲジジイの41年に亘る漢方相談でメシを食っている経験から、大声で断言できる問題である。

 どうしても「充実」という言葉が使いたいのなら、大柴胡湯の使用目標は「体力の充実」という文言はすべて削除して、そのかわりに「心下部や季肋部の過充実を認め」と書き換えるべきである。

 このように「充実」という言葉を敢えて使うと、ヘンテコリンな表現になってしまうので、日本語に堪能な人がもっと上手な表現を考えるとよい。

 誰かやってくれっ。

2010年7月7日のボクチン(6歳)
2010年7月7日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年7月7日のボクチン(8歳)
2012年7月7日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母


タグ:大柴胡湯
posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☔| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2014年07月05日

救急外来でお手上げだった背中の疼痛に牛黄と大柴胡湯合茵蔯蒿湯を1回の服用で即効

2009年7月5日のボクチン(5歳)
2009年7月5日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 昨日は、少し歩いても息苦しいという女性が、呼吸器内科クリニックで半月治療を受けているが、「軽度の喘息」であるという診断だけで、投与される薬を飲んでも一向に効果がなく、行く度に合成薬とツムラ漢方を様々に変更されるのだが、やっぱりまったく効果がないということだった。

 顔色から見て、直感的に誤診の可能性が考えられる。
 大きい病院で診てもらうべきで、呼吸器の薬を投与されてまったく効果がないのは、もしかして原因が循環器系統で、心疾患が原因ということもあるので、しっかり総合病院で診断と治療を受けるようにお奨めして、当方の漢方薬は一切出さなかった。

 市内の人で、西洋医学治療が半月で効果がないからと、しかも内科クリニックの検査と診断レベルでは実にこころもとない。せまい台所の端から端へ行くのにもひどい息切れがするという状態なのである。
 症状が重い疾患では、往々にしてクリニックレベルの診断では誤診だったケースは珍しくないので、まずは総合病院でしっかり診察を受けるべきである。

 ともあれ、本日の本題に入ると、一家大人3名が、折々に当方の漢方薬を利用されているお馴染みさんの急性疾患のケース。
 背中のかなり激しい疼痛が勃発して、食事も摂れずに難儀し、救急外来で診察を受けたところ、様々に検査しても一向に原因が判明しない。
 挙句は帯状疱疹の前兆かもしれないなどと明らかな誤診をされる始末で、辟易して当方に助けを求めて来られた。
 
 ヒゲジジイと同年代の痩せ型の女性であるが、以前から舌の奥の黄膩苔があることから、茵蔯蒿湯など常用されてはいたが、もともと少食の上に、昨今は胃の調子があまりよくなかったという。その原因が今回の突然生じた背中の疼痛で、判明したも同然である。

 早速、常用中の茵蔯蒿湯に大柴胡湯を併用してもらった。
 念のため、常備されている牛黄を1度は頓服で使用するようにアドバイスしておいた。

 半月たった昨日、従来から病院で原因も診断も不明なやや難治性の疾患を当方の漢方薬でかなり改善中の漢方薬類の補充がてら報告に来られた。
 背中の疼痛は、こちらのアドバイス通り大柴胡湯合茵蔯蒿湯と牛黄を一回服用しただけで諸症状が雲散霧消し、それ以後半月、まったく再発の兆候すらないということだった。(もちろん念のため、しばらくは2方剤を併用しておくようにアドバイス。)

 検査では写らなかった胆石ではあるが、こちらの推測通り、少なくとも急性の胆嚢炎類縁疾患であった可能性大である。

 前置きで書いた息苦しさを訴える女性の場合、当方には初めての来訪であったから、従来からの体質がまったく不明ゆえ、また内科クリニックの診断は誤診の可能性も無きにしも非ずゆえ、慎重を期して総合病院で受診することを奨め、当方からは一切漢方薬を販売しなかった。

 一方、本題の背中の激しい疼痛の女性の場合は数年来のお馴染みさんであり、しばしば通われていたことから、中医学的な体質を既にしっかりと把握していたので、救急外来で診断がつかなくとも、こちらでは応急処置が可能だったのは当然の成り行きである。

 今回も痩せ型で小食の女性ながら大柴胡湯が的確にフィットしている。
 大柴胡湯の効果・効能に記載される筆頭の文句「体力が充実して」が、いかに当てにならないか、中医学的な弁証論治の正確性こそが重要である。

 あえて「充実」という言葉をどうしても使いたいなら、大柴胡湯の使用目標は「体力の充実」なんぞは一切アテにはならず、「心下部や胸脇部の充実」の存在こそが必須条件なのである。

 以上を禅問答と思うなかれ。これほど老婆親切な表現はありません(笑。

2010年7月5日のボクチン(6歳)
2010年7月5日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年7月5日のボクチン(8歳)
2012年7月5日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 00:04| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2014年02月26日

舌の奥の黄膩苔は肝胆湿熱による茵蔯蒿湯証が内在していることが多い

2008年8月5日のボクチン4歳
2008年8月5日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

おなじみの東海地方の内科医の先生からの症例報告

64歳 女性
2012.6.4 「一ヶ月まえから右足の甲が腫れていて、足首も痛い。ひどい便秘もあるので直して欲しい」とおっしゃって受診されました。臍部から両側下腹部にかけて瘀血を認め、舌の中央から奥にかけて薄い黄色の舌があり、茵蔯蒿湯(T社)と桂枝茯苓丸(K社)を処方しました。

2週後 「排便は二日に一度になりました。でも足のほうは全然良くなっていない」と満足していない様子でした。しきりに、右足触りながら、「この浮腫がねー」と不満そうにしておられたので、「膝から下のむくみは防己黄耆湯」といつかの漢方研究会で聞いたフレーズを思い出して、「足の甲浮腫が取れるかもしれないので」と言って防己黄耆湯と桂枝茯苓丸を合方で処方しました。

2週間後、「先生は足の浮腫が取れるといったけど、全然よくなっていないよ」と凄く不満そうで、「足の裏がジンジンしてきたよ。冷房効いているとこはダメだね」とのこと。そこで、冷えで増悪しているとのことから、桂枝茯苓丸を桂枝加朮附湯に変更して、茵蔯蒿湯(T社)を3包に増量しました。

2週間後、「便通は変わらないけど、足のジンジン感は良くなったよ」と満足そうでした。すこし、こちらも胸を撫で下ろす気持ちになり、すこし気をよくして「じゃあ、毎日排便がでるようにしたいですね、20番を防風通聖散に変更します」といって帰宅を促しました。防風通聖散に変更した理由ははっきりしません。便秘・浮腫・下腹部がややぽっちゃりタイプでしたので、何となく変更したのかもしれません。

2週間後、 「便秘はまあまあで、足のジンジンもあまり感じないけど腕と脚が痒くなってきた。どういうこと?」組織内の水分を引っ張り過ぎたのか、と思いながら、桂枝加朮附湯を人参養栄湯に変更しました。

3週間後、「脚のジンジン感はほぼ無くなった。腕のかゆみがすこし残っている」といってあまり不満そうではありません。処方継続としました。

3週間後、「腕のかゆみも随分よくなった」と言ってようやく笑顔を見せてくださいました。「1ヶ月分お薬出します」といって内心ホットしました。

4週間後、変化なし。

4週間後、「インフルエンザをもらってしまったようです、のどがいたい! 早く直してください」とのことで検査したところ、A型インフルエンザで、イナビルと柴胡桂枝湯合桔梗湯を処方しました。風邪の症状ですんなりお引き取りいただけました。

4週間後、「このまえのインフルエンザは熱が出なくて治ってしまいました。漢方を続けて飲みます」とびっくりしておられましたが、こちらもびっくりでした。

8週間後、「5月の連休の頃から顔が赤くなって、今腫れて困っている。早くなんとかして! 腰も痛くて生活ができない」
と患者さんの表情が険しくなっていました。ちょうど花粉で顔から首にかけて発疹が出ていて清上防風湯で改善した方が幾人かいたことを思いだして、清上防風湯合茵蔯こう湯(O社)と牛車腎気丸合疎経活血湯に変更しました。

2ヶ月後、「顔の赤みと晴腫れは引いてきたが、排便が隔日しかでない。毎日だしたい」とのことで、茵蔯蒿湯(O社)を一日3包増量しました。

1ヶ月後、「・・・」 患者さんは何も訴えがないので、こちらから「お困りになっていることはありませんか?」とお尋ねしたところ、「別に変わりない」とのお返事で、前回症状は改善しているものと判断し継続投薬としました。

1ヶ月後、「この前に言うのを忘れていたが、便通が硬くて困っている」とのこと。腰痛よくなっているようであったので、疎経活血湯を麻子仁丸に変更。

1ヶ月後、「透明な鼻水がでる。毎年春は鼻がぐちゃぐちゃで困っている。何とかなりませんか」いつもと比べて神妙におっしゃった。「花粉に良く効くお薬を出しておきます」といって、辛夷清肺湯合麻黄附子細辛湯を1週間分だけにして、いつものくすりは4週間分処方した。

1ヶ月後、「便通も快便で、例年だとこのじき花粉の鼻水と鼻閉で大変だけど、何ともない。漢方は良く効くね。また続けて飲むよ」とおしゃってくださって、初めて満面の笑顔を見せていただくことができました。辛夷清肺湯合麻黄附子細辛湯は前回1週間分しか処方していませんので、常用薬である清上防風湯合茵蔯蒿湯(O社)と牛車腎気丸合麻子仁丸でアレルギー体質が改善している愚考しました。

 患者さんの訴えに対していろいろ思案して投薬を変更してきましたが、やっと体質のゆがみを少し修正できてアレルギー体質も改善できてよかった症例です。

 それにしても、茵蔯蒿湯(O社)は舌に黄色い苔があって便秘のときは適量(この患者さん場合1日3回)が必要であるという村田さんのお話に真実さを実感できた一例でもありました。

 患者さんの険しい表情を見なくてすむようになって村田さんに感謝します。
 またよろしくお願いします。

2008年8月5日のボクチン4歳
2008年8月5日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 興味深い症例、とても楽しく拝見しました。

 茵蔯蒿湯を終始一貫投与されたこともさることながら、折々に臨機応変に行われた配合変化こそ興味深く、清熱剤とともに附子剤を併用するところなどは、附子瀉心湯という方剤の存在を考えると、実に奥深い配合をなされることだと感服申し上げました。

 今回もブログの継続にご協力頂けるものと感謝申し上げます。

 早速、明日のブログに掲載させて頂きたいと存じます。
 ありがとうございました。

2008年8月5日のボクチン4歳
2008年8月5日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母



posted by ヒゲジジイ at 00:06| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2012年09月25日

肝胆膵系統が弱い人が常用していた大柴胡湯製剤を他社に変更したら再発してしまったお話し

シジュウガラ(シジュウカラ)
シジュウガラ(シジュウカラ) posted by (C)ヒゲジジイ

 大柴胡湯が適応する人は、常々書いているように「がっしりとした体格で比較的体力があり」というのはまったく参考価値はない。

 当方の常連さんで中医学的な弁証論治によれば、肝胆膵系統が脆弱な女性が、しばしば心窩部がつっかえて食欲不振となり、背中が凝って疲労困憊状態に陥る。
 油ものに弱く、しばしば下痢をしたり便秘になったり排便は一定せず、いかにも虚弱そうな女性であったが、長年、大柴胡湯を主体に様々な方剤を併用することでかなり健康に自信を持てるようになっていた。

 ところが、某社の医療用の大柴胡湯に切り替えるチャンスがあり、少し節約になったと喜んでいたところ、次第に身体が重くなり、家事が大儀になるにつれ、胃部もつっかえて背中が凝る。
 日々の生活が次第につらくなって生きた心地がしなくなった。
 どうも調子が悪いので知識欲の旺盛な彼女は、大柴胡湯の中国における常用量に近づけても一向に症状が改善しない。

 一ヶ月経ってようやく気が付いた。もともと愛用していた大柴胡湯とは効能が違うのではないかと。

 あわてて残っていた従来の大柴胡湯に戻したところ、覿面、数日を経たずして諸症状は雲散霧消!
 同じ大柴胡湯であっても、製造元によってこれほど違うのかと恐ろしくなったと述懐される。
  
 不遜なヒゲジジイが腹立たしくて縁を切りたかった?らしいが、忘恩の無礼、天罰覿面、自業自得(呵呵。

 類似した話しでは、防風通聖散(ボウフウツウショウサン)製剤ナイシトールの過剰宣伝による弊害の事例なども決して珍しくない現象である。
 つまり同じ防風通聖散でも三社を使ってみたところ、一社のみ激しい副作用に見舞われてびっくりしたお話しである。同じ漢方処方名の製剤でも、製造元によってこれほど効能・効果・副作用の有無に違いがでるのが、天然生薬を原料とする漢方薬の宿命であろう。

 なかでも最も印象深い事例は、
成川一郎氏の「漢方製剤の偽装」を読んで感じたことでも取り上げている驚くべき現実。
 たとえば、これは既に十年くらい前に「和漢薬」誌などにも発表したことだが、顔面に生じた慢性の皮膚疾患に、医師の出された医療用の猪苓湯と茵蔯五苓散の配合で全く無効であったものが、市販されているエキス量二分の一の猪苓湯とエキスと粉末が混合された茵蔯五苓散の併用によって比較的速やかな効果を示した例など、患者さん御本人と、主治医に薬剤師2名によって、何度も確認したものである。
 さらに最近しばしば遭遇することだが、複数の女性が医療用の猪苓湯エキスを出され、小生から見ても適切な投与であると思われるのに、一向に効かないからもっといい漢方薬が欲しいという要求に、濃度は二分の一だが効力の点では長年信頼している某メーカーの猪苓湯エキス製剤を試してもらったところ、速やかな効果を得ている事実をどう解釈すべきだろうか?

IMGP2752
IMGP2752 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 23:50| 山口 ☀| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2011年11月06日

大柴胡湯証は必ずしも「がっしりとした体格で比較的体力が」あるとは限らない

FSC_8884
FSC_8884 posted by (C)ボクチンの母

 大柴胡湯製剤の効果・効能には・・・
がっしりとした体格で比較的体力があり、便秘の傾向のあるものの次の諸症:胃炎、常習便秘、高血圧に伴う肩こり・頭痛・便秘、肩こり、肥満症
 とあるが、実際には大柴胡湯適応者といえども、必ずしもがっしりとした体格で比較的体力があるとは限らない。

 むしろみかけが華奢な女性が多いのは常々、このブログでも書いて来た通りだが、村田漢方堂薬局に訪れる人達はかなり虚弱体質が複雑化した人が多いから、大柴胡湯単方で使用することは少ない。

 桃核承気湯や茵蔯蒿湯などと併用することが多いので、方剤の配合では日本古方派と一見変るところがない。
 大いに異なる点は「がっしりとした体格で比較的体力が」ある人で適応者に遭遇することは比較的少なく、むしろ外見は華奢でひ弱そうな女性達に使用すべきときがとても多いことである。

 華奢な女性達に意外に胆石症が隠れていたり、あるいは共通して心下痞硬を訴える。

 また、中国では膵炎治療に大活躍の大柴胡湯であるが、大柴胡湯を敢えて西洋医学流の臓器で表現すれば、肝臓・胆嚢、膵臓関連の疾患に使用することの多い方剤といえよう。

 ところで、どうして大柴胡湯証が「がっしりとした体格で比較的体力が」ある人などと限定して効果効能に記載されるようになったのだろうか?

 どうせ、日本の頭でっかちの学者さんたちが、いかにも知ったかぶって僭越にもこのような効果効能に限定して決められたに違いない。

 そもそも、日本ではどの専門分野でも、帝大出の権威ある学者さんたちがどこにでも口出しできるシステムとなっているように思われる。

 先の地震でも学者さんたちの「想定外」という言葉を発するのを耳にタコが出来るほど聞かされてきたが、この漢方界でもきっと、大柴胡湯が華奢な女性達でも大いに適応があるなどとは、彼等にとっては例によってまたまた「想定外」であるに違いない。

 たまたま今回は大柴胡湯の効果効能の記載を取り上げたが、他の多くの漢方製剤で記載される「体力」があるなしの記載についてはすべてにおいて大いなる疑義ある。

 そもそも体力の良し悪しはどのようにして判断すればよいのかっ? 体力テストでもさせよ、というのだろうか???
 
 納得できる説明をその学者さんたちに求めたいものである。

 蛇足ながら、一見「がっしりとした体格で比較的体力」ありそうなヒゲジジイが大柴胡湯を服用すると、次第に倦怠感を感じ始める。明らかに大柴胡湯がフィットしていないからである。

 ところが見るからに華奢な愚妻や、さらにもっと華奢で今にも腕が折れそうな愚娘が、この大柴胡湯によって様々な消化器症状が雲散霧消するのである。
 
 つまりどんなに華奢に見える女性達でも、心下痞硬に胸脇苦満を伴っていれば大柴胡湯が適応する可能性が高い。
 心窩部の痞えがスッキリ取れて次第に元気を回復するのである(呵呵。

 心下痞硬があっても半夏瀉心湯証とは限らないのであるっ!

FSC_9128
FSC_9128 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:16| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2011年05月25日

大柴胡湯合四逆散なんてっ!?

IMGP4971
IMGP4971 posted by (C)ヒゲジジイ

 昨日は、ランキング競争のバナーのクリック数激減を嘆いたら、久しぶりにクリックしてくれる人が増えた。
 このお陰でまだしばらくはブログを継続する気になったものの、いつまでクリックを続けてくれるか、これまでの僅少クリックを思い出せば、皆さんの気まぐれは些か頼りないのだが・・・
 
 タイトルの大柴胡湯と四逆散は配合上、柴胡・芍薬・枳実が共通生薬であり、これに甘草が加わったのが四逆散である。
 それゆえ、これだけ共通した生薬が含まれるので、大柴胡湯合四逆散はほとんどあり得ないと考えていたのが三十年前の古方派時代の浅はかな考えで、現実にはしばしば遭遇する。

 大柴胡湯の生薬構成で煎じられたエキスと、四逆散の生薬構成で煎じられたエキスとは、適応証が明らかに異なることは常識である。いくら共通生薬が三種類あるからといって、適応証はかなり異なるということである。

 肝胆系の影響から胃の痞えなどの症状が顕著なものに大柴胡湯、気鬱傾向が目立ち、溜息や深呼吸の目立つ体質に四逆散。おおざっぱに書けばそれぞれこんな症状を呈しやすい。

 このような体質と病状を呈する人に、大柴胡湯だけでは胃や肝胆症状しか改善できず、気鬱症状は取れにくい。煎じ薬なら大柴胡湯に甘草を加えれば、それだけで両者の効能を同時に発揮できそうだが、手っ取り早くは各エキス製剤を半量ずつ合方することで目的は十分に果たせる。

 血の道症が合併している人にはさらに加味逍遥散を合法すればジャストフィットするケースも珍しくない。

 このような寝言に似た合方は、現実に各地方から来訪される複雑に拗れた虚弱体質の人達に、しばしば行なう合方で、優れた効果を発揮することが多いので記してみた。

 なお、加味逍遥散は女性に限らず、しばしば男性の更年期障害?にも適応する。

 但し、合方時の配合比率には当然のことながら創意工夫を要する。

IMGP5580
IMGP5580 posted by (C)ヒゲジジイ

IMGP5581
IMGP5581 posted by (C)ヒゲジジイ

IMGP5588
IMGP5588 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 23:12| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2011年04月18日

体力のない人にも大柴胡湯の適応者は五万といる

シックなカラーで人懐っこいイソヒヨドリの雌
シックなカラーで人懐っこいイソヒヨドリの雌 posted by (C)ヒゲジジイ

 今年も非常に華奢に見える女性達で、大柴胡湯適応者が頻発する。
 ところが大柴胡湯エキス製剤の効能・効果には

「体力が充実して,脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく,便秘の傾向があるものの次の諸症:胃炎,常習便秘,高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘,神経症,肥満症 」

という記載がある。

 このような記載はまったく信用ならない。
 記載されていることは間違いではないが、正しくもない。
 「体力が充実」してなくとも、とても華奢で体力が非常に低下している女性達にも適応者が五万といる。

 「脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく」という記載はまったく正しい。ここだけは文句のつけようがない。

 「便秘の傾向」というのはあってもなくても問題はない。

 「胃炎」がある人にも適応証があれば使える。

 同様に「高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘」も適応証があれば、このような症状に効果が出ることもあるあるが、他の合併証によって生じているケースも多いので、頭痛や肩こりまで改善できるとは限らない。

 「神経症」については適応証があれば効果的なこともあるが「肥満症」に関してはたとえ適応証があってもこの方剤だけでは弱いことも多く、合併する適応証に対する方剤の併用が必要なことが多いし、第一、過食を止めて運動不足を解消する必要がある。

 上記をみると、いかにも体格の良い人達や肥満症の人達以外には使用できないような誤解を招く効果・効能であるが、現実には大柴胡湯が適応する人には意外に痩身で華奢な女性達の方が多い。

 40年近い漢方相談経験から断定できる。上記の記載中で最も正しく重要なのは「脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく」という箇所だけで、逆に最も邪魔になる記載は「体力が充実して」という部分である。

 何をもって体力が充実してと判断するかは議論のあるところであるが、現実にはいわゆる体力が低下して華奢で比較的小食な女性達にも適応者がとても多い。

 このような華奢な女性達でも適応証に間違いないケースでは、大柴胡湯によって「脇腹からみぞおちあたりにかけて苦」しい症状が改善されるとともに、逆に体力が充実して来るのだから、漢方薬の実力は侮れない。

 しかしながら、一見体力のありそうなヒゲジジイが、大柴胡湯の適応証の人達の喜びにあやかりたいと、みずから服用実験をしてみたところ、次第に倦怠感を感じるようになり、仕事の途中でも横になりたくなったり、なんとはなしに体力と気力の低下を感じることが増えて来たので、適応証もないのに使用すると、真逆の反応することを確認することが出来た(苦笑。

 このように漢方薬は真の適応証を見つけるにはかなり熟練が要る。
 それゆえ、巷の病院や医院で安易に投与される医療用の漢方製剤(最近では大建中湯や桂枝茯苓丸の問題が多い)による誤投与で困った人達の問い合わせ電話が絶えないのである。

 合成医薬品の誤投与と異なり、漢方薬の誤投与は問題が少ないとはいえ、少なくとも連用してもまったく無駄になるので、巷のお医者さんたちも日本漢方だけでなく、中医学の弁証論治の基礎くらいは学んで欲しいものである。

ESC_2846
ESC_2846 posted by (C)ヒゲジジイ

タグ:大柴胡湯
posted by ヒゲジジイ at 08:33| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

大柴胡湯と生理痛の関連性

BSC_6700
BSC_6700 posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:関東の内科医師

 東海地方の内科医の先生の大柴胡湯と生理痛の関連性に関してお話いたします。

 自分の感覚では「生理痛は肝臓と生殖器の生理学的な距離感が原因では?」と感じています。

 生理痛が柴胡剤で治ることは自分も経験しているのですが、これが「どの様なメカニズムによるものか?」ということを考える方も多いと思います。ちなみに自分も不思議な現象の一つと感じておりました。

 「柴胡剤は肝臓部分の鬱血を取る薬草」と自分なりに考えております。加えて…生殖器の鬱血は左下腹部から右季肋部の肝臓への伝搬して行く様に感じております。ですから、生殖器の鬱血が長期に続くと生殖器の鬱血だけではなく次に肝臓の鬱血も加わると推測しています。

 この様なメカニズムによって、生殖器が鬱血するときには「生殖器と肝臓との生理学的な距離」が短縮されると解釈されます。その時に肝臓の鬱血を取れば、肝臓と生殖器の生理学的な距離が正常近くに戻ることから生理痛が和らぐと推測されます。

 「痛みは気の停滞によって起きうる」と亡き鍼灸師の恩師が話していました。とすれば…肝臓と生殖器の距離が適当でないと気の停滞が生じ痛みを生じるのでは?と勝手に考えています。ですから、生殖器に直接関係しないような柴胡剤を使うことによっても生理痛を減少させることが出来ると結論づけられるのではないかと思います。

 最後に…自分の医院ですか?(笑
 スタッフに「電柱に広告を貼ってきてよぉ〜!」とか話しています!(汗
 笑い声の絶えないスタッフに恵まれて幸せです。何であんなに笑えるんだぁ〜?

 先生からご紹介頂いた患者さんの治療については、患者さんと共にエベレストに登るような感覚です(汗。「自分について来て下さるなら…エベレストであろうとも登るぞ!」とか思うのですが、本当に登れるのだろうか?(苦笑

 では、またメール致します。

 おやすみなさい。

 関東の内科医師(笑

ASC_4117
ASC_4117 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:ブログへのご協力ありがとうございます。

 中医学的には肝鬱気滞による生理痛は普遍的なものですから、この場合、ご承知のように通常では逍遙散や加味逍遙散など、柴胡、芍薬とともに活血調経薬の当帰などが配合された方剤を使用することが多いのですが、調経活血薬の配合のない大柴胡湯で生理痛に効果を発揮したところが面白いところだと思います。

 活血調経薬の存在しない大柴胡湯中の柴胡、芍薬、枳実による純粋な調気疏肝法によっても、十分に生理痛に効果を発揮したことは、ヒゲジジイも経験している四逆散による子宮内膜症の治癒例からも推察するに、純粋でしかもかなり単純な肝鬱気滞による生理痛や子宮内膜症のタイプもあり得る証左ともなることでしょう。

 また、中医学的に言われる「不通則痛、通則不痛」という格言は、気、血、津液(水)に共通した概念ですので、あらゆる疼痛を伴う疾患には確かに基本事項だと思います。
さらに気は血や津液の流通にそのまま影響を与えていますので、さっこんのようにストレスの多い社会では気滞を伴う疾患が目立ちます。

 このような中医学的な分析部分を、先生オリジナルのユニークな中西医結合的な方向で解釈され、とても興味深く拝読致しました。

 本にまとめられる時には、中医学的な弁証論治も並行して記載されると、中医学派により理解されることと思います。

 ともあれ、先生もいよいよ開業され、千客万来のご様子。
 ご多忙中のところを、このお時間(01:13)にメールを頂けるとは、とても恐縮しております。
 ありがとうございました。

 蛇足ながら、私淑する陳潮祖先生の御高著「中医病機治法学」の序文中に、
※五臓の生理機能はいずれも気血津液の生化輸泄{生成・輸布・排泄}に関係があり、「通」{流通}という共通した働きを示している。
※五臓六腑は「流通しているべきもの」という命題こそは、病機と治法を分析する上での重要な指針となるものである。   ━http://cyos.exblog.jp/3394788/
とあります。

【編集後記】 大柴胡湯や四逆散に配合される芍薬について。

 日本で使用される芍薬は、中医学で使用されるものと異なっている。ところが、異なっていることで有利に働いているケースがしばしばである。

 今から書くことは、中医学の専門家にしか理解してもらえないだろうが、日本漢方で使用される芍薬や日本で製造される各種漢方エキス製剤で使用される芍薬は、中医学で使用される芍薬とはことなっているということである。
 詳細な説明を省いて、結論から言えば、日本の漢方製剤で使用される芍薬は、中医学の白芍でもなければ赤芍でもない。

 日本で使用される芍薬は、白芍でもなければ赤芍でもないかわりに、効能としては白芍と赤芍の両者の効能を併せ持っている可能性が高い。

 中医師が芍薬を配合するとき、白芍と赤芍が同時に配合されることが多いが、日本で使用される芍薬は両者の効能を併せ持つので、実に便利であると言いたいわけである。

 そのお陰で日本で使用される芍薬の効能には、補血活血、柔肝止痛の効能があるので、生理痛に対する効果がより発揮しやすいものと思われる。

 中医学においては「月経痛に対する方剤には必ず白芍を配合する」(『中薬臨床応用』広東衛生出版社⇒『漢薬の臨床応用』医歯薬出版)とされるが、実際には赤芍も併用するケースが多い。
 
ASC_3665
ASC_3665 posted by (C)ヒゲジジイ

IMGP7602
IMGP7602 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 20:18| 山口 ☀| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2011年02月22日

大柴胡湯で生理痛が楽になったお話し

IMGP6154
IMGP6154 posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の内科医師

 30代後半の女性です。ちょっと太っていて(患者さんのお話ではお産をして10kg以上太ってしまったそうです)肩コリ・便秘と体重をなんとか減らしてください、とのことで約1カ月まえに受診なさいました。

 舌はうすく黄色の苔、みぞうちに痞えがあり、胸脇苦満もありました。大柴胡湯を処方しました。

 2週間あとの再診で、便秘が改善し肩コリが消失したそうでした。これは著功例かもしれないと考え、おなじく2週間処方しました。そして本日受診されました。

 患者さんは開口一番、「いままで生理がめちゃくちゃでひどくつらかったですが、今回の生理はすごく楽でした。あのくすりはそちらにも効くんですか」とのことでした。

 私も、生理困難症があると初めからお聞きしていなかったので、「そんなこともあるのかな」と心の内で思いながら、患者さんには、「よくあることのようですよ」と口から出ていってしまいました。

 つぎに患者さんは、「これだけいろいろ良くなるのであれば、きっと体重も減りますよね」とおっしゃいました。

「いちおう運動してくださいね」とお返事していました。

 村田さんの長年の経験症例のなかでは、このような事例はけっして珍しくはないと思いましたが、やはり「漢方薬恐るべし」と実感しました。

 それから、このブログ上で恐縮ですが、関東で開業準備なさっている先生(ひょっとして開業なさったかも)のご健闘を祈願しております。

 漢方の世界は大変面白いですし、やりがいたっぷりです。

スズメ
スズメ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:ブログへのご協力ありがとうございます。更新を怠っていたのでさいわいですっ!

 関東の先生も今月初旬に開業され、千客万来で目下大忙しのことと思います。落ち着かれたらきっとブログにも御報告頂けることと楽しみにしています。

 ところで、御報告頂いた大柴胡湯による生理痛に対する効果、漢方薬は実に面白い・・・実に同感です。

 四逆散ではしばしば経験することですが、大柴胡湯にも四逆散と同様に柴胡、芍薬、枳実が配合されていますので、四逆散と同様の調気疏肝作用により、肝気鬱結が解消され、これによって筋膜の柔和を得て月経困難症が改善されたものと思われます。

 以前、子宮内膜症による生理痛が激しい人に、意外にも芎帰調血飲第一加減では生理痛にはまったく効果がなく、そのかわりに重度の顔面の吹き出物は短期間で消失しました。なんとも不思議なこともあるものです。
 そこで方剤を変えて四逆散に切り替えた途端、あの激しい生理痛が雲散霧消してしまいました。

 このような奇妙な経験もしています(苦笑。

IMGP5471
IMGP5471 posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 21:23| 山口 | 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2009年08月02日

肥満には大柴胡湯?

DSC01043
DSC01043 posted by (C)ヒゲジジイ

 肥満薬として防風通聖散が乱売されるのはもってのほかだが、昨今、大柴胡湯製剤も派手に乱売されている模様。

 まだこちらの方がマシかもしれない。僅かながらも信憑性があるからである。
 但し、実証タイプ云々の「実証」や「虚実中間証」などという日本漢方特有の幼稚な概念には問題があるが、ここではこれらの迷妄について論じるつもりはない。

 最も問題なのは、確かに正確な弁証論治にもとづいて使用される場合、偶然、肥満者に適応することはあるものの、現実的には痩身の男女にもしばしば適応するケースが多く、村田漢方堂薬局で大柴胡湯を販売している対象者は8割近く、比較的痩せ型の人が多いのである。

 それゆえ、大柴胡湯は肥満者にだけ適応があって、痩身の人間には御法度などと考える不勉強な専門家が多いので、ここで大きく警告しておきたいのである。

 既に拙著「求道と創造の漢方」にもはっきりと記載している。
 同書は30歳までに各専門誌に執筆したものをまとめただけに、まだ日本古方派時代のものであるが、胆石症に大柴胡湯と題して、かなり的確なことを書いているので次に引用する。
胆石症に大柴胡湯

 胆石症の多くは大柴胡湯の応じる場合が殆どであるということは常識的なことになっている。日頃の健康時の体質傾向的な虚証、実証にはあまり関係しないことも事実であり、実際のところは、胆石症や胆嚢炎に限らず、一見卑弱に見える痩せ型で、胃下垂、内臓下垂型と思われる人にも、季肋部や心下部のみが特別に充実しているのを案外見かけるものである。
 そんな現実を考えると、一般に言われるところの、大柴胡湯は実証向きで、小柴胡湯は虚実中間、柴胡桂枝乾姜湯は虚証向きである、などという言い方は、私は嫌いなのである。こうい見方、言い方は全体的な、総合的で、しかも却って漠然としたもので、実地に役立つのは胸脇部や心下部の部分的な充実度が重要なのである。したがって身体各部の部分的な虚実を云々するならともかく、漠然と、実証だ、虚証だというのは、そのことにくらべればあまり意味のあることとも思えない。
 表現としてはまだまだ拙いながらも既に日本漢方で盛んに言われる実証や虚証、あるいは虚実中間証の意味するところはナンセンスであることに気付いしまった頃の表現である。

 昨今では痩せ薬として派手に宣伝される大柴胡湯だが、たとえ適応証があっても大柴胡湯単独ではかなり非力である。
 実際に肥満に対する効果を増強するには適切な方剤の併用が必要だが、それを実践して肥満体を完全に解消された人は村田漢方堂薬局では数多い。

 適応証があれば肥満にもやや効果があるだけでなく、肝胆系が原因で胃腸のトラブルを生じやすい痩身の男女にも大いに効果があるので、単なる肥満専用の漢方薬などに貶めて欲しくないものである。

DSC01084
DSC01084 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 21:31| 山口 | 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2007年06月22日

茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)で冷え性が治る場合があるのはなぜか?

 夏でも手足が冷える人の蕁麻疹とアトピー性皮膚炎が同居して悩んでおられる女性に、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)によって短期間で蕁麻疹の消退とともに手足がぽかぽかと暖かくなった。
 昨日、御本人による報告である。(舌は淡紅で黄膩苔が顕著、しかも舌先は紅。)

 このような事例は決して珍しくはないが、弁証論治にもとづく適切な漢方処方であれば、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)のような湿熱を除去する、むしろ冷やす作用ばかりの方剤によっても、かなりひどい冷え性でも急速に治癒する場合がしばしば見られる。僅か20日の服用による速効である。
 脾胃虚寒や腎陽虚衰などによる冷え性ではなく、明らかに湿熱に伴う瘀血(血流の停滞)が原因であったから清熱利湿・活血行瘀の茵蔯蒿湯が適切な方剤だった訳である。

 大黄には優れた活血化瘀作用がある。

 また先日、例の体質改善三点セットで服用その日の内から手足が温まり始めたとの報告を得たが、これなどもまったく温める作用はないかわりに血行改善作用があるから、結果として上部にばかりに集中している温かい血流が、しっかり手足に流通するようになった結果に過ぎない。
 だからこそ警告:無謀な温め療法! というサイトの趣旨を片一方の耳にだけでも入れておいて損はないだろう。

posted by ヒゲジジイ at 01:33| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2007年05月28日

柴胡剤の秘密

 昨日の日本漢方における口訣の価値について触れたことから、どこかで記録を残して置きたいと思っていた柴胡剤の興味深い秘密?を書いておこうと思った。
 本来なら 漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記 に記録しておくべきことかもしれないが、あとでこのページを引用として転載してもよいだろう。

 不真面目な話に取られても困るから、あまり公然と書けなかった内容である。それは男性の精力減退の悩みに関連した事柄だからである。
 昨今ではこのような問題だけでお問合せや御相談があった場合はすべてお断りしているのだが、多少ともお馴染みになった方から打ち明けられた場合は例外なく御相談に応じて対処している。

 通常では精力減退となれば海馬補腎丸や至宝三鞭丸あるいは八味丸などが一般的にお奨めらしいが、現実にはこれらで奏効するとは限らない。
 この栄養過剰の時代状況を反映して、こられの温補過多の方剤が良いとは限らないのである。むしろストレス除去能力のある柴胡剤こそ適応する場合が多いのが現実である。

 すなわち大柴胡湯や四逆散、とりわけ大柴胡湯証の人には効果絶大であると言いたいくらいである。
 まあ、こういう内容はあまりダラダラとこれ以上続けない方が良いだろう。

 鼻の下の長いヒゲジジイなどと誤解されたら腹が立つ。
 こんな秘密を惜しげもなく公開するサイトやブログが、どこにあると言うんだねっ!?

posted by ヒゲジジイ at 01:44| 山口 🌁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

「猪苓湯+茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)」と茵蔯五苓散の違い

御質問者:東海地方の内科医師

 氷伏については有益な助言ありがとうございました。

 当診療所では、アトピーの患者さんに対して、清熱剤+チョレイトウ+インチンコウトウの合方を処方することがありますが、チョレイトウ+インチンコウトウの部分をインチン五苓散にすると支障がありますでしょうか。
 
 チョレイトウのなかのカッセキ・アキョウ、インチンコウトウのなかのサンシシ・ダイオウがなくなりますが。ちょっと事情がありまして、ご助言をお願いします。

お返事メール:拝復
 あくまで一般論としてお返事させて頂くとして、猪苓湯を完全に外すのはまずいと思います。
 五苓散そのものにはかなり強い乾燥性があり、体質によっては粘膜組織まで乾燥させてしまいます。ですから、主軸は清熱剤と滋陰利水の猪苓湯として、氷伏を防げる桂枝の含まれた茵蔯五苓散を「適量」配合するのが無難だと思います。

 この「適量」というのがとても微妙で、製剤の満量を使用しては燥性が強すぎますので、半分量とか、あるいは三分の一量を加えるとかです。またこの場合、猪苓湯にしても満量使用して良いとは限らず、半分量に減量するというのもあり得るかと思います。
 つまり、五苓散には強い乾燥性がありますので、アトピー性皮膚炎には満了使用では利水力が強すぎて、ますます体表を乾燥させ兼ねない危険性があります。
 
 なお、長期に及んだアトピー性皮膚炎ではやはり影響が腎に波及していることがとても多く、体質によっては清熱剤が不要な場合もあり、また清熱剤の要不要に関わらず八仙丸などの六味丸系列方剤に猪苓湯の合方が主軸になるケースも多々あるかと存じます。
 ご存知の小生の拙論「脾肺病としてのアトピー性皮膚炎」について補足をしておきたいと存じます。本来ならあの拙論の続編として「脾肺腎病としてのアトピー性皮膚炎」を書く予定だったのですが、事情があって書かずに終わってしまいました。
 このタイトルの変遷にもありますように、病歴が長くなればなるほど「脾肺腎」の病としてのアトピー性皮膚炎が顕著になる傾向にあると愚考するところです。

 それゆえ、現在でも最も繁用する方剤は猪苓湯を中心に八仙丸を代表とする六味丸系列の補腎剤を加える方法が主流となっております。あくまで村田漢方堂薬局での話ですが(笑)。

 話は大分逸れましたが、アトピー性皮膚炎に五苓散を使用することは、たとえ茵蔯五苓散であれ、使用分量に対する配慮が必要であり、強い燥性に注意しながら、他薬とのバランスを考えて配合される場合は、氷伏を防ぐ桂枝が有効に利用できるかもしれません、というあくまで小生の個人的な見解です。

 以上、簡単ながらお返事まで。

村田漢方堂薬局 村田恭介拝

編集後記:理論的には長期間続いたアトピー性皮膚炎では、必ず影響が腎に波及しており、またその腎虚によって更にアトピーを悪循環に陥らすように思われる。
posted by ヒゲジジイ at 17:43| 山口 | 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする