2013年04月09日

生姜を配合したエキス剤がベストで、乾姜を使用したものはなるべく避けるべき理由

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IMGP5265 posted by (C)ボクチンの母

 これまでも再三再四、このブログや他のブログ類でも繰り返し述べたことだが、日本で使用される乾姜は、飴色になるまで蒸しているために、温める作用は増強されても健胃消化促進作用はほとんど台無しになっている

 日本で使用される乾姜は明らかにニセモノの乾姜であり、本当の乾姜は乾燥した生姜のことであり、日本薬局方でいう「生姜」こそが本物の乾姜なのである。
 この本来の乾姜、すなわち日本薬局方の生姜こそ、本来の乾姜なのだから、十分に温める作用を発揮すると同時に、健胃消化促進作用がしっかり温存されている。
 
 ところが上述した通り、飴色に蒸された乾姜(カンキョウ)は、温める作用はより増強されても、肝腎カナメの消化促進作用が台無しになっている。
 正しい乾姜、すなわち乾燥生姜=日本薬局方の生姜であっても十分に身体を温めて血行を促進する作用を保持しながら、しかもしっかりした健胃・消化促進作用を維持しているので、ニセモノの乾姜ごときを配合するのは愚の骨頂である。

 相も変わらず煨姜(ワイキョウ)もどきの間違った日本の乾姜を使用した製剤が、性懲りもなく各種漢方処方の新製品がエキス剤で登場し続けるので、馬耳東風、馬の耳に念仏だったことに無力感を感じつつも呆れ返るばかりの昨今である。

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IMGP5862 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 22:50| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2012年03月13日

重度の悪阻に偉効を発揮していた杉原達二商店の乾姜人参半夏丸は昨今製造を中止したらしい

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ZZZZ4283 posted by (C)ヒゲジジイ

 漢方の世界でも悪貨は良貨を駆逐する現象が折々に見られて情けない。

 たとえば三十数年前のことだが、同級生の看護婦さんが、悪阻がひどく3日以上もまったく食事が摂れなくなって入院治療となったが、それでも一向に回復の兆しがない。

 外出許可をもらって蒼白にやつれ、まるで死人のような姿でやって来られた。

 小半夏加茯苓湯レベルではまったく無効で、当時の無い頭を振り絞って乾姜人参半夏丸を飲んでもらったところ、超即効を得た。

 吐くものさえ無くなって乾嘔を繰り返していた重度の悪阻がピタリと止まり、そのお陰で直ぐに退院できた。
 結果的には入院はまったくの無駄、その後も漢方薬のお陰で順調に出産。

 当時使用した乾姜人参半夏丸は杉原達二商店製のもので、

【成分・分量】100g中、人参2.0g、半夏3.5g、生姜末2.0g

 であり、つまり正しく乾燥生姜の粉末が配合されていた。

 ところが昨今製造を中止されたというから、この方剤の需要が少ないのか、言い換えれば乾姜人参半夏丸の適応証を呈する人がそれだけ少ないのかもしれない。

 現在も流通する他社製の乾姜人参半夏丸は正しい配合とは言えないので、適応証でも同様に即効が出るかどうかは覚束ない。

 すなわち、人参、半夏、乾姜の配合であり、例によって飴色になるまで蒸して製した煨姜(ワイキョウ)もどきの似非乾姜である。

 乾姜といったら必ず飴色に蒸した煨姜もどきの似非乾姜を使用して恬として恥じない日本の専門家達の学識を疑ってしまう

 こんな馬鹿げたことをやっていたら本来の乾姜(乾燥生姜)に備わっている制吐作用が台無しになるではないかっ!
 乾姜と言うからには文字通りに乾燥生姜のことだろうが〜バカっ、とつい本音で言ってしまいそうである(苦笑。

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ZZZZ4183 posted by (C)ヒゲジジイ


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2011年10月14日

牛黄を使った健康チェック

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PQC_4819 posted by (C)ヒゲジジイ

 今月では金曜日の今日、雨が降ったせいか最もヒマな一日となった。

 それでも数ヶ月に一度、漢方薬の補充に来られる遠路、九州の真ん中辺から来られた人はまずまずお元気そうだった。

 それよりも関東から二度目の来局者は、10日足らずの初めての服用で明らかな効果が出て、遠隔地にも関わらず張り切ってしばらく小刻みに通える自信を得られた様子で何より。

 今月は初めて服用されて3日以内に明らかな効果が得られた人が目立った。やや特殊な関節炎、長期間続く頑固な皮膚病、非アトピー型気管支喘息、一ヶ月以内に劇的な改善を得た腎不全など、やっぱり漢方薬は素晴らしい(笑。

 話は本題に戻って、昨日に続いて牛黄の話。

 牛黄を服用して効果を感じない人は健康な証拠という一面の真理の論拠として・・・

 心臓を中心とした循環器系、脳血管系統、肝胆膵系統のいずれかに何らかの問題があれば、多くの場合、牛黄を一回服用するだけでも何らかの効果を実感できることが多い。

 だから、当然のことながら元気な若い年齢層では牛黄の効果を感じない人があるわけで、言い換えれば健康体だからこそ効果を感じないのだという推論が出てくるが、もちろん過信は禁物。

 しかしながらどんなに健康体で自信がある人でも、心身ともに疲労困憊したときに使用すれば、素晴らしい著効が得られることが多く、ましてや中年前後からはほとんどの人が疲労困憊時に使用すれば劇的な著効を奏することは多くの人で実証されいる。

 但し、牛黄の質には優劣が大きいので信用あるメーカー品を使用しなければならないが、やや高価な漢方薬なので、皆に奨めるわけにはいかないのが玉に瑕。
 
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PQC_4818 posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:牛黄製剤
posted by ヒゲジジイ at 18:55| 山口 ☔| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2011年10月13日

逆説的に「牛黄が効かない人は健康な証拠」

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PQC_4923 posted by (C)ヒゲジジイ

 年々、牛黄の仕入れ価格が上昇しても、販売価格を上げるわけには行かないので辛いところであるが、他の動物生薬と違って食肉動物であるから、枯渇することは無いだろうと思っていたが・・・

 様々な規制の関係で、牛黄の収穫量が減少しつつある上に、某国の大量買い込みも重なって高騰するばかりだという。

 各種牛黄製剤を製造販売される某メーカーのヒゲジジイよりも年上のベテラン社員さんの定期訪問を受けて交わした情報と談笑。

 若い頃には牛黄を飲んでも一向に効果が分からなかったが、中年を迎える頃に、疲労困憊の時に服用したら明らかに著効を感じたというベテラン社員さんと村田漢方堂薬局の女性薬剤師。

 ところがヒゲジジイは二十歳代の頃から、睡眠時間を削って漢方医学や中医学の書籍を読み漁りながら、日々の漢方相談業務のストレスも重なってか、寝際に呼吸停止発作を日々繰り返すのを確実に救ってくれたのがこの牛黄だった。

 就寝前の牛黄製剤の服用を怠ると、きまって呼吸停止発作に見舞われたので、以来、三十五年以上、連用し続けてきたが、やや高齢になってからは、就寝前の服用を忘れても、ここ数年以上発作は皆無となっている。

 世の中に居直って発作が消えたともいえなくもないが、やはり牛黄の速効のお陰であることに間違いはないと実感している。

 若い頃には牛黄の効果を感じなかった上記の二人に比べ、若い頃から牛黄の速効の恩恵を蒙ってきたヒゲジジイではあるが、ベテラン社員さんは感慨深げに・・・

 牛黄を飲んでも効果を感じない人は健康な証拠ですよ。

 とはまさに至言!

 一面の真理を穿っている。

 ヒゲジジイは二十代から牛黄と縁が深く、スポーツにおいてもストレス解消のサンドバックと格闘する毎日のお伴であり、三十代から五十代半ばまで凝りに凝ったチヌ釣りでは、各種牛黄製剤のお陰で徹夜も平気な日々もあり、牛黄のお陰で破天荒なチヌ釣り行脚が長く続いた。

 そして現在は重い望遠レンズをセットしたカメラのお伴に、牛黄のお陰でまだこの世に生存している。

 常連さんたちの多くも一般漢方処方のみならず、各種牛黄製剤に嵌った人達が大多数で、そのお陰で病院で治らなかった各種疾患を克服して、遅まきながらも文字通りの青春を取り戻しているのだった(笑。

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PQC_4603 posted by (C)ヒゲジジイ



 
ラベル:牛黄製剤
posted by ヒゲジジイ at 22:12| 山口 ☀| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2011年10月11日

白衣泣かせの牛黄

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ZZZ_7479 posted by (C)ヒゲジジイ

 連休明けの火曜日、朝から旧人さんや新人さんが続き、地元近辺から来られた新人さんは次に来られた新人さんが中部地方からであることに目を丸くしていたが、こちらにとっては珍しくもない。

 その後も旧人さんや常連さんがまとめ買いにやって来られて、テンテコ舞い。

 ようやく午後一時半には静かな薬局となり、溜まっていたメールの返信を打っている最中、強烈な睡魔が襲来。
 気がつくとそのまま意識が途絶えた瞬間、よだれが白衣に落ちた。

 慌てて目を覚ましたが・・・何とナントっ

 疲労回復のために口には牛黄製剤をくわえていたものだから、落ちたよだれに牛黄が溶け込んでいて白衣に黄色のシミが・・・っ、

 洗っても取れない。

 先週も同様に連続の弁証論治に疲れ果てて、牛黄で黄色く染まったよだれが白衣に落ちたばかりだった(涙。

 牛黄の色素は強烈だから、そのうち白衣が黄変してしまいそう。

 とうとう、どうしようもない老いぼれジジイに成り下がったかっ

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ZZZ_7707 posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:牛黄 牛黄製剤
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2011年06月17日

新製品の漢方エキス製剤=優劣の吟味

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CSC_2315 posted by (C)ヒゲジジイ

 漢方薬は合成医薬品とは異なり、原材料が天然自然の生薬だけに、しばしば効能に優劣が生じるのは止むを得ない現実があるように思われる。

 但し、白朮であるべきところを蒼朮で代用するなどは、もってのほか、このような錯誤を犯した漢方薬は問題外。

 エキス製剤においても品質の優劣に五月蝿いヒゲジジイや受付嬢だから、しばしば各社の新製剤の現実的な優劣の吟味を依頼されることが多い昨今。

 先日も優れた新製剤の分消湯の製剤に遭遇して、従来品の他社製品とは雲泥の差の効能を発揮するのにおどろいたが、やはり従来品は蒼朮が省略されているために効果が激減することは想像にかたくなかったものである。

 ところが新製品が優秀とばかりはいえず、自信満々で作られたはずのその製剤が、他社の従来品の方が遥かに有効性が顕著で、これでは新製剤は使えないな〜という現実にも遭遇している。

 その効果の優劣は劇的な違いが出る場合があるから不気味である。

 過去の例でも、猪苓湯製剤などは極めて多くの漢方製造メーカーから販売されているが、これほど優劣の差が激しい製剤も珍しいだろう。

 といっても、当方には当方の目的意識をもった猪苓湯の効能を目的としているだけに、猪苓湯製剤の吟味方法と効能の発揮する方向性で独自の視点で選択しているので、やや独断と偏見が混じる部分もあるのは止むを得ない。

 但し、数十年前に遭遇した顔面の皮膚病治療に、当方の販売する茵蔯五苓散合猪苓湯の各エキス製剤で著効を奏しながら、医療用の某社に切り替えた途端、三日で再発する現実に遭遇したときは、同じ処方名でも、効能には雲泥の差がでることに恐怖を覚えたものである(苦笑。

 製剤を切り替えて直ぐに再発した人も、当方で販売する茵蔯五苓散合猪苓湯の各エキス製剤に戻した途端、三日でほとんど回復した事実は、何とも説明のつかない問題のようにも見えるが・・・

 このケースにおいても、あとからよくよく考察すると、配合生薬中のまたもやっ!茵蔯五苓散中の白朮であるべきところが、医療用の方では蒼朮であったことの違いが最も顕著な問題点だったのかもしれない。

 さらには当方で使用していた茵蔯五苓散には煎液のエキスだけでなく原末生薬も配合されていた製剤であった。

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DSC_4032 posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:漢方薬の品質
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2010年06月30日

六味地黄丸製剤の地黄は原点では熟地黄であっても乾地黄が望ましい

トンビ
トンビ posted by (C)ヒゲジジイ

 昼食時にやって来られた常連さんが、受付嬢と談論風発、老婆達のお喋りは聞くに堪えない(苦笑)のでカメラを持って庭に出ると電柱の天辺にトンビがいたっ!

 曇天の逆光だが、連写に連射を重ねて千枚近くを撮った。

 昨日は一日中、朝から閉店まで千客万来で、危うく突然死の不安を抱くほど疲労困憊。その挙句に夜中の悔しいW杯の結果に眠れぬ夜を過ごした本日。
 W杯の敗戦ショックの影響か、昨日とは打って変わって混雑もなく、のんびりとした来客ばかりであるが、相変わらず紫根(シコン)の問い合わせが五月蝿い。

 それはともかく、本題の「六味地黄丸製剤の地黄は原点では熟地黄であっても乾地黄が望ましい」という個人的な見解であるが、清熱滋陰、涼血止血の乾地黄を使用した六味丸は、本来邪道のはずであるが、村田漢方堂薬局にとっては、願ったり叶ったりである。

 理由は簡単、六味丸をアトピー性皮膚炎の体質改善に利用する機会が多いからである。
 これが原点通りの熟地黄であれば、滋陰養血や益精の効能はよいとしても微温の性質はアトピー性皮膚炎の体質改善により適切なケースもなしとしないものの、多くは乾地黄の清熱滋陰の効能こそ便利なのである。

 乾地黄を使った六味丸製剤を製造されている某メーカーさんが、しばしば熟地黄を使ってないことで原点と異なる製剤は使用できないと非難されて困っている風であったので、別に弁護してあげるつもりもないが、村田漢方堂薬局では現実に、乾地黄を使用した六味丸こそ重宝しているので、敢えてブログに書く気になった。

 すべて原点に忠実なのが良い製剤とは限らず、常に書いているように、芍薬甘草湯などが典型例である。
 原点では芍薬と甘草は同比率であっても現実的には不都合なことが多いので、芍薬は多量に用いても、その割りに甘草をウンと減量するのが中医学では常識である。

 中医学では常識的なことが日本では非常識となるから困るのである。その証拠に猫も杓子も、芍薬と甘草が同比率の製剤ばかりが各社から製造されている現状。いいかげんアホかいなと呆れるばかり。

 これが日本漢方の幼稚な現実である。

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DSC_8717 posted by (C)ヒゲジジイ

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2010年06月25日

鬱金(ウコン)と姜黄(キョウオウ)の違いについて

ムクドリ
ムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 20〜29歳の男性
ご職業 : 学生 (海外にて勉強中)
お問い合わせ内容: 村田先生初めまして。
 中国語圏の台湾で勉強をしているものです。鬱病等で漢方薬を飲んでいます。

 HPのほう、自分などにはまだまだ理解が追いつかない深い内容で、毎回興味深く拝見させていただいております。
 質問の内容なのですが、下記URL http://murata-kanpo.ftw.jp/u15207.htmlにある鬱金と姜黄の違いについてです。無学な自分の知る範囲の指摘で恐縮ですが、以前農業関係に携わっていましたので、疑問に思った次第です。無礼をお許しください。

 姜黄は沖縄で春ウコンとされているものでマメ科の植物の根ではありませんでしょうか。これはいわゆるカレーのターメリックではなく、味が格段に苦いです。
 鬱金のほうですが、これがカレー粉に入っているターメリックであり、ショウガ科の植物の根ではありませんでしょうか。沖縄では秋ウコンなどと言われていて、色はこちらのほうが黒っぽいのですが、黄色の成分クルクミンはこちらのほうが多かったと記憶しております。

 あるいは、中医学ではこのような分類をせず、仰られるように部位の違いなのかもしれません。お暇な時にでも、ご教授いただけますと幸いです。
 読んでいただきありがとうございました。

ムクドリ
ムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:
漢方薬のウコン(うこん:鬱金)と健康食品のウコンはどう違うのか?

 上記、現在は開店休業のブログですが、数年前に書いた上記の内容、とりわけ前半部分をしっかり読まれれば、ご理解頂けるのではないかと思います。
 つまり、「植物名」としての鬱金と姜黄と、「中医学における中草薬名」としての鬱金と姜黄の違いです。

 このことは専門家でも混同している人がいまだに多数おられますので、一般の方が疑問に思われるのは当然でしょう。

以上、取り急ぎお返事まで。

ムクドリ
ムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ

おり返し頂いたご質問メール: 村田先生、お返事ありがとうございます。
 ご多忙でお身体があまりよろしくないとのことですが、迅速に返信いただきとてもありがたいです。
  
 ブログのほう何度か読ませていただいているうち、またわからない点が浮かび上がって参りました。もう少し質問させていただいてもよろしいでしょうか? 本当にお暇のある時でかまいません。

 中医学では姜黄と鬱金と呼ばれているものは同じ植物で、すなわちショウガ科の植物、沖縄でいう春ウコンという理解でよろしいのでしょうか。どうも、何度読んでも誤解しているような気がします。
 理解力が無くて申し訳ありません。

 また、中医学では鬱金は常用されているとのことですが、
下記(台湾の中薬エキスメーカー双璧の1つです)
http://w3.sunten.com.tw/product_list.php?mode=1 では鬱金が見あたらず、姜黄のみとなっています。
 非常に有名で中薬は網羅している会社なので、常用されている品が入っていないというのは考えにくいのですが、これはなぜ掲載されていないのでしょうか?

 これは台湾の中薬は中医学とはまた少し系統が違うということなのでしょうか。

 よろしくお願いいたします。

ムクドリ
ムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ

ヒゲジジイのお返事メール:貴方だけに限らないのですが、明らかに読解力不足です。さきほど、

 「植物名」としての鬱金と姜黄と、「中医学における中草薬名」としての鬱金と姜黄の違いです。

と書きましたが植物名というのは基原植物を指しますが、さらに「日本における植物名と、中国における植物名もそれぞれ異なる」のです。
 これに中草薬名が薬用部位によってそれぞれ異なるので、とてもややこしくなり、皆さんが混乱して理解できなくなるようです。


>  中医学では姜黄と鬱金と呼ばれているものは
> 同じ植物で、すなわちショウガ科の植物、
> 沖縄でいう春ウコンという理解で
> よろしいのでしょうか。

 このご質問こそ、皆さんがよく陥る読解力不足です。
 日本で言う「ハルウコン」は、中国での植物名、あくまで植物名(基原植物)は鬱金です。このことはご案内のブログにしっかり書いているはずです。
 植物名としての鬱金と、中医学における中医方剤の配合薬として使用するときの鬱金を混同してはなりません。

 配合薬(中草薬)としての鬱金は、基原植物いずれであっても塊根部分が鬱金として使用され、基原植物が鬱金と姜黄の根茎は姜黄であり、莪朮の根茎は莪朮として中医学で使用される方剤の配合薬として使用されるわけです。

 なお、台湾の漢方に鬱金がないのはとてもあり得ない話です。すくなくとも中草薬としての鬱金は、繁用中の繁用生薬で、中医学を少し学んだものなら基本的で常識的なものであり、やや御幣がある言い方かもしれませんが、姜黄よりもはるかに鬱金の方が重要です。

 もしも上記の説明でも理解困難であれば、万事休すです。

ムクドリ
ムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ

再度おり返し頂いたメール:村田先生、返信ありがとうございます。
 ご指摘のとおり、誤解していました、お恥ずかしいです。改めて読み込みました。

 中医学で言う鬱金と姜黄の違いとは、植物の品種の違いではなくて、1群の品種内の 部位の違い(塊根と根茎)で、前者を鬱金、後者を姜黄と言う、という理解でよろしいでしょうか。

 ちなみに、どうも自分の調べた範囲では乙金というのが鬱金とのことで、これは中薬会社の販売リストにも入っています。台湾では鬱金のことを乙金と言っているようなのですが、これは正解でしょうか? (玉金は、やはりリストにありませんでした)

 おかげさまで、現在かかっている中医の先生の話をもっとしっかりと理解できます。
 鬱病および事故による脳出血、硬膜外血腫に先生の根気と覚悟の精神でこれからも向かっていきます。
 簡単なことではありませんが、高杉晋作が幕府軍に向かった時も同じような状況だったと思います。
 本当にありがとうございました。

ムクドリ
ムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ

おり返しヒゲジジイのお返事メール:
>  中医学で言う鬱金と姜黄の違いとは、
> 植物の品種の違いではなくて、1群の品種内の
> 部位の違い(塊根と根茎)で、前者を鬱金、後者を姜黄と言う、
> という理解でよろしいでしょうか。

 それで間違いありません。よく理解されました。
 専門家でも理解されてない人のほうが多数派ですよ(苦笑。
 
 但し、莪朮(ガジュツ)の根茎だけはそのまま莪朮(ガジュツ)で、姜黄とは別の中草薬となります。

 なお、中草薬としての鬱金は別名は玉金であり、またご指摘の通り「乙金」という呼び方もあるようですね。それで間違いありません。

 貴方は現在闘病中とか、小生の先祖は高杉晋作にやられた長州藩の多数派だったようですが、多数派を屈服させた高杉晋作は立派なものですね。
 焦らず根気よく頑張って下さい。


編集後記:
重要参考文献:
中医学上の鬱金(玉金)と姜黄と日本の健康食品「ウコン」の錯誤問題について
  ●中医学上の鬱金(玉金)と姜黄と日本の健康食品「ウコン」の錯誤問題について 

 中医学では繁用されながら、日本国内では比較的流通量の少ない中草薬に「鬱金(うこん)」がある。性味は辛苦寒で、帰経は心・肺・肝・胆と作用領域が広く、効能については、@活血止痛・A行気解鬱・B清熱涼血止血・C清心開竅・D利胆退黄など、単味でこれほど多方面の効能を持つ中草薬も珍しい。

 ところで、中医学における鬱金は、日本国内で「ウコン」の名で流通している健康食品類とは別物である。日本市場の「ウコン」は原植物名をあてたもので、中医学では「姜黄(きょうおう)」に該当する。

 中医学上の鬱金は日本の植物名における[1]ウコン(中国の植物名では姜黄)や[2]ハルウコン(中国の植物名では鬱金)または[3]ガジュツ(中国の植物名も莪朮)類の塊根である。

 いっぽう、中医学上の姜黄は[1]や[2]の根茎を指しており、これこそが日本国内における「ウコン」の名の市販品(健康食品類)に該当する。

 また[3]の根茎は中医学・日本市場ともに莪朮(がじゅつ)である。

 以上のように、中医学上の鬱金と姜黄の違いは、決して植物の品種の違いではなく、主には同一植物における薬用部分の違いなのである。

 なお、中医臨床においては鬱金類の効能の特徴にもとづいて「広鬱金」と「川鬱金」の二系統に分類して使用され、前者は行気解鬱に長じる[1]の塊根であり、後者は活血化オに長じる[2][3]の塊根である。

 ところで、広鬱金[1]の主産地は四川省であり、川鬱金[2]の主産地は浙江省であるから、川鬱金の「川」を四川省の意味に取ってはならないのだが、「中薬材」関係の書籍では[1]の主産地が四川省であることから、広鬱金であっても川鬱金と称することが多いので、決して混同してはならない。

 中医学における鬱金の適応領域は多岐に渡っており、肝臓・胆嚢・胃腸・脳血管・心臓・肺臓・泌尿器系・婦人科系などの各種疾患、および各種の出血証に対する要薬であるだけに、日本の健康食品類のウコンと混同を避けるために、鬱金の別名である「玉金」と称したほうが無難である。

 日本市場のウコンは中医学における姜黄であり、玉金とは寒熱が相反し、効能もかなり異なっているので、混同して用いてはならないのである。


ムクドリ
ムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ


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2010年01月27日

いよいよ新発売の補気建中湯や帰脾湯など

オオタカ(成鳥)
オオタカ(成鳥) posted by (C)ヒゲジジイ

 いよいよ小太郎漢方から補気建中湯や帰脾湯、茵蔯五苓散、荊防敗毒散(ケイボウハイドクサン)、三物黄芩湯(サンモツオウゴントウ)の五品目が新発売された。

 いずれもヒゲジジイの要望を叶えてもらったもので、特筆すべきは補気建中湯はもっとも実績のある配合比率と適切な生薬が使用されていることである。

 すなわち、白朮と蒼朮が共に配合されていることである。白朮しか使用されないものは、正しい補気建中湯とはなり得ないからである。

 帰脾湯においても、巷では補剤中の補剤であるのに白朮であるべきところを蒼朮で代用している改悪品が横行するなか、本製品はもちろん正しく白朮が使用されている

 白朮と蒼朮の違いに鈍感な日本の漢方界にあって、学術面で真摯な研究を怠らない優秀な漢方製造メーカーであればこそである。

 今後、これら五方剤は日本の漢方レベルを押し上げる優秀な製剤として大活躍することであろう。


関連文献: 補気建中湯

オオタカ(幼鳥)の雄姿
オオタカ(幼鳥)の雄姿 posted by (C)ヒゲジジイ


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2010年01月08日

杞菊地黄丸製剤の製造方法による微妙な違い

山茶花
山茶花 posted by (C)ヒゲジジイ

 以前から杞菊地黄丸はエキスを丸薬に製した製品と、粉末を丸薬に製した製品の二種類を販売していた。
 両者の効能・効果に違いがあるのかどうか、同一人物で実験した結果、明らかに粉末を丸薬に製した製品の方が評判がよかった。

 ところが、その後、エキス製剤の杞菊地黄丸でも、若い年齢層のパソコンなどによる眼精疲労に規定の半分量でも速効が出るケースも続いた。

 それゆえ、仕入れルートの関係からエキス製剤を主力に販売して来たが、製造元の止むを得ない都合により、突然、販売中止となってしまった。

 それゆえ、当然のことながら、粉末で丸剤とした製剤にもっぱら切り替えて販売することとなったが、最も心配だったのは、規定の半量で十分に効果が出ている人達にも同様の効果が維持できるかどうか?ということだった。

 結果はさいわいなことに、今度の杞菊地黄丸の方がよく効くように思うという感想を述べられる人もあって胸を撫で下ろしたところである。

 これからが本題でもあるが、いまだに裸眼で針に糸を通せるほどの90歳近い常連さんが目の霞を訴えて、妹さんが当方で常用している杞菊地黄丸を服用してもよいか、と許可を求めて来られた。
 
 ところがこの常連さん、もともと生姜湯でも頭痛が生じるような極めて過敏な体質だったのを長年かかって漢方薬で体質改善したほどの超過敏性体質である。

 以前も眼精疲労などの治療目的で、エキスで製造された杞菊地黄丸の規定の半量で食欲減退と不整脈が生じるという驚くべき反応を示したため、直ぐに中止してもらった過去があった。

 それゆえ、杞菊地黄丸は体質に合わなかった過去を思い出してもらい、決して服用してはならないと禁止したものの、何度もなんどもたっての要請ゆえ、もしかすると粉末で製した丸薬なら事情が異なるかもしれないと考え、規定の半分量で試してもらうこととした。
 当然、不快反応が生じたら即中止である。
 そこは三十年以上の常連さんだから、意思の疎通はバッチリである。

 服用の結果は数日後に速効で目のカスミが文字通り「雲散霧消」し、さらに規定量の1回8丸1日3回に増量したところ、一週間後には食欲倍増、元気もりもり、こんなに元気になってよいのかしらと、とても明るい冗談を飛ばすほどの喜ばれようである。

 要するに、杞菊地黄丸のエキス製剤と、粉末で製した製品は、体質によっては大いに反応が異なるのみならず、若い年齢層でも粉末で製した製品の方が、より評判がよいというわけである。

 もちろん村田漢方堂薬局だけの経験談であるが、再考されなければならないことは、本来、杞菊地黄丸の製法は、粉末で製造されてしかるべきものである、ということだっ。

寒波の朝のムクドリ
寒波の朝のムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ


ラベル:杞菊地黄丸
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2009年12月18日

芍薬と甘草の配合比率が2対1という時代にマッチしたエキス製剤の製造許可を取得する奇特なメーカーはないものかっ?

無題
無題 posted by (C)ボクチンの母

 傷寒論時代の配合比率を墨守する時代遅れの日本の漢方事情には呆れるばかりだが、そのくせ白朮を安物の蒼朮で代用したり、乾燥生姜を用いるべき乾姜が、いつのまにか飴色に蒸した得体の知れない乾姜にして乾姜にあらざる生薬がまかり通る不思議な日本の漢方事情である。

 理解に困しむことの多い日本の漢方業界であるが、時代に即応して配合比率を変更すべき芍薬甘草湯のような方剤などは、猫も杓子も依怙地に同比率の極めて使用に不便な芍薬甘草湯エキス製剤ばかりが造られ、乱用されている。

 少なくとも芍薬に対して甘草を半分量に減らした時代にマッチした芍薬甘草湯を考えてくれる奇特なメーカーはないものか?

 どうしようもなく旧態依然としたこの業界にあってみれば、恐らく耳を貸さないことだろうっ。

 監督官庁の石頭の影響も大きいのは事実のようだが・・・・っ。

 ともあれ、詳細は⇒ 芍薬甘草湯 で述べている。

オオバン
オオバン posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 07:32| 山口 ☔| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2009年12月04日

現代日本の漢方製剤四方山話

ダイサギ
ダイサギ posted by (C)ヒゲジジイ

※いよいよ来年早々には念願の補気建中湯エキス製剤が某社から発売される。末期癌の腹水などに応用できるケースが多く、終末期の苦悶の軽減以上のことが出来る場合もある。時に起死回生ということもあり得る。
 世のため人のため、保険適用外の漢方薬ではあるが、日本全国の医師にも使用してもらいたいと希望している。

 ヒゲジジイが各漢方メーカーに長年強く要望していた方剤であるが、実際にその目覚しい効果を某社内で体験され、目撃者も多いことから実現したものである。
 この不況下にあっても機動力のあるメーカーとそうでないメーカーの差がますます広がるかもしれない。

※板藍根のエキスが昨今盛んに各社から製造されるようになったものの、いずれも濃度が薄くて使用に堪えない。
 唯一、某メーカーの高濃度の製品だけは優秀であるが、後追いで作るようなメーカーでありながら、研究も工夫も足りない。

 銀翹散製剤にしても、たとえ濃度は同等でも、抽出方法に問題があるのか、恐らく煎じ過ぎて気が抜けた製剤もあり、これも使用に堪えない。
 もちろん無効ということはあり得ないが、ヒゲジジイの基準からは、上記の板藍根エキスも、気の抜けた銀翹散製剤も完全に失格である。

 その点では最初にあげた補気建中湯エキス製剤は、ヒゲジジイみずから原料生薬を厳しく指定しているので、優れた製剤が出来るはずである。

※昨今、医療界では芍薬甘草湯の乱用が顕著であるが、その問題は別のブログ漢方薬に無知な医師達(せっかく眼圧が正常化したのに投薬された「芍薬甘草湯」)にゆずるとして、配合生薬の比率がどこの社も芍薬と甘草の比率が1:1であるのはいかにも怪訝である。

 従来からこの問題は論じているのだが、穏便な書き方しかしなかったから、無視され続けたに違いない。それにしても日本の漢方界の知恵の無さには、この点でも呆れ果てるばかりである。
日本漢方では、芍薬(しゃくやく)と甘草(かんぞう)の比率を同量で使用するから、甘草が多すぎて浮腫を生じさせてしまうことが多い
同じ比率で使用するのは、傷寒論の記載に忠実であろうとするための、弊害である。
当時とは、時代も環境も、マッタク異なっている、ということに対する配慮が足らないのでは、ないだろうか。
煎薬で服用するときでも、甘草は3〜4グラムくらいまでとし、芍薬をしっかり多めに使うべきではないか。
つまり、上記の甘草の分量に対して、芍薬は9〜12g、場合によっては15g使用するのである。

現代中国の文献類によれば、日本のように等比率で使用されることは、まずない。

こういう点が、日本の漢方界の頑迷さと、とらえられても仕方がないような、不思議な配合規則なのである。
芍薬甘草湯 (芍薬と甘草だけからなるシンプルな方剤)
 おそらく中国の中医師で傷寒論時代の配合比率を墨守する人は皆無であろう。

 常識的には芍薬が3に対して甘草は1くらいの配合にするのが順当であるが、科学技術では知恵ある人材が豊富で多くの分野で世界の最先端を走る日本において、不思議と漢方界の時代遅れで錯誤だらけの現状には唖然とするばかりである。

PB210753
PB210753 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 00:50| 山口 ☀| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2009年05月21日

代用薬では効果がないケースでは当然ながらまったく同じ漢方製剤でなければ効果が出ないかも?

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢: 20歳〜29歳の男性
ご職業: 会社員
お問い合わせ内容: はじめまして、漢方について調べているうちに貴サイトを見つけ拝読しました。
 大変、漢方に造詣が深いようでいくつかご質問出来ればと思いこれを書いております。

 漢方については、昨年の9月にシンガポールを訪問した際、人に薦められて立ち寄った中医で処方されたのが初めてです。

 その際「柴胡疎肝湯・温胆湯・枳実・枳殻・麦芽・香砂養胃湯・四逆散・莪朮・蒲公英」の組み合わせをエキス剤で処方されました。

 症状としては、食欲不振・消化不良・口内不快感(舌苔が濃い)などです。

 日本の漢方薬局やお医者さんにこの処方を見せると、「薬味が重なっているし、こんなに色々いらないはず」と言われるのですが、これが大変良く効きました。(飲んだ翌日か翌々日位にはお腹の調子が良くなり舌も驚くほどきれいになりました。)ただ、購入した一週間分が切れると、次第に元に戻ってしまい、それ以来日本で色々と試していますが、今ひとつピンと来るものがありません。

 エキス剤では「六君子湯・四逆散」「加味逍遥散」「桂枝加芍薬湯・香蘇散・四逆散」「香蘇散・茯苓飲合半夏厚朴湯」「平胃散・半夏瀉心湯」など試しましたが、効果が思わしくなく、煎じ薬に切り替えることにして「芍薬6、甘草3、香附子6、茯苓6、半夏5、生姜3、白朮8、蒼朮6、人参6、川弓6、黄連3、酸棗仁8、石榴皮4、当帰5」を医師から出してもらいました。

 二週間分処方してもらいこれを5日間ほど飲みましたが、日を追うごとに調子が悪くなって行く(腹鳴り・口内不快感の悪化、舌苔が茶色く染まって色が落ちない)のが分かったので、処方を変えてもらいました(「芍薬6、甘草3、香附子6、茯苓6、半夏5、生姜3、陳皮5、人参5、川弓6、大棗3、黄連5、石榴皮4、当帰5、沢瀉5、山薬5」)。

 しかし、これもしばらく飲んだもののやはり調子が悪くなり、現在医師を変えようか思案しています。

 そこで、量・内容などの観点から見て適切な処方がなされているのかというのが、ご意見頂ければ幸いです。
 私の体質に合ったものかどうかは実際にお会いしてみて頂かないと分からないことだと思いますが、中医学・漢方の理論から見て理にかなった処方がなされているか(それが出来るだけの知識・実力を持った医師なのか)、見解をお聞かせ頂ければと思います。

 よろしくお願いします。

スズメのまだ幼い兄弟
スズメのまだ幼い兄弟 posted by (C)ヒゲジジイ

御返事メール:その配合で大いに効果があったということこそ事実であれば、事実こそまさに真実ですから、複雑な配合だからといって否定することはできません。

 ところがどちらの先生も同様の配合がなされてないので効果が出なくても不思議はありません。
 肝腎な莪朮が配合されておらず、そのほかの点でも、シンガポールでもらった漢方薬類とは似て非なる配合ばかりです。

 どの先生も、真面目に同様な処方内容を提供する努力がなされてないようです。

 ですから、最善の方法はまったく同じものを入手するのが一番だということになります。

 漢方薬のような天然物になると、極端な場合は同一処方でも、各メーカー間でも効果の優劣がかなり大きく出ることも多いのですから、ましてやそのような複雑な配合になれば、なおさらです。

 貴方にとっては、まったく同じ薬を入手しない限りは、その時と同じ効果を得ることは難しいかもしれません。

 以上、取り急ぎお返事まで。

スズメのまだ幼い兄弟
スズメのまだ幼い兄弟 posted by (C)ヒゲジジイ



posted by ヒゲジジイ at 23:19| 山口 ☔| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年10月05日

傷寒論時代の人参は実際には党参(トウジン)だったのかも?

おたより:関東地方の内科医師

どうも人参は暖める力が強すぎますよねぇ〜。
血を集めれば当然…水も集まるわけで…
ん〜お腹が出っ張ってれば…
人参は使いたくない!

でも人参が含まれている処方は使いたい!
てな場合…党参の方が使いやすいかもぉ…

結果…党参は小生の漢方処方でも
活躍しそうです。

村田先生に感謝です!


お返事メール:おたよりがないので外国へでも行かれたかと訝っていました(笑。

 党参の件、最近ではますます傷寒論時代の人参は、やっぱり党参だったのではないかと疑っています。

 但し、いわゆる後世方の人参の中には朝鮮人参でよいものもかなりあるものと思っていますが、昔ほどの資料研究の情熱が湧かず、日々の仕事に忙殺され、ストレス解消には暇が取れたらコンデジで遊んでいます。マクロを使って昆虫や草花のミクロの世界の観察です。

 それはともかく、現実的には既にブログでも書きましたように、白虎加人参湯などは西洋人参を使用すべきときが多いはずですが、漢方行政後進国の日本では、不自由極まりない現実があります。人参は、党参、竹節人参、西洋人参などのきめ細かな使い分けをする必要があると信じるものですが、この国の現実は・・・・・。

 また、優れた製剤であればあるほどコストがかかっている分、メーカー側も採算が取れにくくなり、値上げすれば益々流通が途絶えて赤字が出るということで、結局は製造中止に追い込まれているケースをしばしば目にしています。

 真面目なメーカーさんでは、白朮と蒼朮がいかに異なるものであるかという科学的なデーターと共に、製剤原料として使用する蒼朮は古立蒼朮レベルのものを使用しているという証拠資料などを持参されて説明に来られた奇特なメーカーさんもおられます。
 
 やはりどこの分野でも日本は捨てたものではないな〜〜〜と思いつつも、常に行政の方が、ぜんぜん追いついてない状況のように感じます。

 たとえば、話は飛びますが農水省が薬物混入やカビだらけの米を業者に売り渡していた行為は、あれは完全に「未必の故意」であり、れっきとした犯罪行為に他なりません。

 最近ますます信用ならない行政側の言動には、国民がもっと厳しい目で注視する必要があると怒っています。

 あまり真面目に考えると交感神経が興奮してますます血圧があがりそうなので、コンデジを持って今から上の畑に逃亡します。(⇒ その成果は スズメバチの晩夏 と 僅か一匹のスズメバチに襲われながら何度も撮影に挑戦 PowerShot SX100 ISの10倍ズームで撮ったスズメバチ
posted by ヒゲジジイ at 19:12| 山口 ☔| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年09月30日

悪貨は良貨を駆逐するのを喰い止めた(苦笑

 漢方界でも例外ではない。悪貨は良貨を駆逐する現象は由々しきことで、漢方エキス製剤製造の燃料であるガソリン高騰などの煽りを受けて各社サバイバルが激化している。
 中でもショックを受けたことは、品質最高と見込んでいた特定の漢方処方製剤の製造メーカーからそれらの製剤に限って製造を止めるという通達が来たことである。

ベコニア



 それらに限って村田漢方堂薬局における繁用製品であったから製造元に残っている製剤を出来るだけ買い込んだ。これらの製剤がなくなって他社製剤に切り替えると、とんでもない事態が生じることは目に見えている。それほど優秀な製剤である。

 それらの製剤に関してはたとえ値上げされてもよいから製造中止を思いとどまって欲しいと要望を出していたところ、なんとか来年から形態を変えて再出発も考えてみるということになった。

 企業にとって、いくら優秀な製剤でも利益が出ずにむしろ製造すればするほど赤字になるようなものは中止したくなるのは尤もなことである。収益を上げなければ従業員を養えないという非情な論理が企業の宿命である。

 一方、漢方薬の小売店では安売り競争の死闘を繰り返しているが、そこは人件費が削れるジジババ薬局の強み、どこまでも対抗策を講じて漢方薬のスーパーに成り下がっている(苦笑。
posted by ヒゲジジイ at 07:10| 山口 ☔| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年09月25日

研究熱心な漢方メーカー(白朮と蒼朮の違い)

 先日、ヒゲジジイが推奨している複数の漢方処方の製剤化実現の目途がたったとして来訪された某メーカーの研究開発部門の人が起源植物の異なる蒼朮と白朮の詳細な違いについての科学的な分析資料をお土産に持って来られた。

 話は、蒼朮と白朮は厳密に区別しなければならないという当然の話題などからはじまって傷寒・金匱時代の人参についての問題点にも話が及んだ。
 たとえば白虎加人参湯中の人参は、朝鮮人参を使用されたのでは不都合なことが多く、涼性の西洋人参が使用されるべきであろうが、傷寒論時代の人参は、党参であった可能性が有力ではないかなど、話題は尽きなかった。

 日本でも、このように生薬原料の問題について、よく研究されているメーカーも存在するのである。
posted by ヒゲジジイ at 20:33| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年09月14日

どう頑張っても10人に一人くらいの割合でピンと合わせに難航するが・・・

 昨日の速効例とは逆に、どんなに頑張って無い頭を振り絞って考え抜いてもなかなか反応してくれず、他の多くの人とは異なってどんな名案をほどこしても常に無反応を繰り返し、しばらくは難航するケースが必ず1割程度の割合で出現する。

 しかもどんなに工夫を凝らしても無反応というのが実に情けない。
 逆効果でもあれば、その逆を読めば足がかりにもなるのだが、それすらない。
 さすがに西洋医学治療や他の漢方治療で治らずに来られたケースが多いだけに、病気自体が相当に頑固なのか、そうでなければ当然こちらの腕が悪いのである。

 ところが、そのほとんどのケースで諦めずに通い詰める不屈の精神があれば、遅かれ早かれ効果のある配合がみつかるのが通例である。

 先日もちょうと五ヶ月間が過ぎた頃になってようやくピントが合い、明らかな効果が出始めた人があった。
 奇病と言えるような諸症状に、すでに保険漢方を様々服用されても無効だらけだったが、当方でも一時奏功しかけたものの、その後は無効だらけの長い期間が続いた。
 それでも1〜2週間ごとに諦めずに通い続けられたお陰で体質と性格が良く飲み込め、気心がかなり知れる頃になってようやく裏が読めた。

 結局は3〜4種類の方剤が必要であったが、その一つは既に医療用漢方でも使用されて無効だったものだが、例によって白朮であるべきところが蒼朮に改悪されている製剤に問題無しとしないと考えて、主軸を同様の方剤に据えて、諸症状に合致した方剤二種類を配合した新たな組み合わせ一週間で明らかな効果が出た。
 頑固に続いていた不快な症状が明らかに解け始めたのでホッと一息である。

 だから教訓として言えることだが、既に服用経験があると言われる方剤でも、製剤の品質問題で効果が出なかったという例は過去にも多く経験していることだから、用いる漢方製剤の品質問題はないがしろにできない。
 さらには、たとえ一処方が合っていても、複雑な病態の場合では併用方剤が正しく選択されてなければ、ぜんぜん効果が出てこないことはザラである。

 だから毎日マイニチ、こちらがノイローゼになるほど、キェルケゴールのようにあれかこれかと考え込むのである(涙。
posted by ヒゲジジイ at 10:29| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年07月18日

どの漢方メーカーの麻子仁丸(ましにんがん)が良いのでしょうか?

性別 : 男性
年齢 : 60歳〜69歳
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : 関西地方
お問い合わせ内容 : ネット拝見しました。
 麻子仁丸についてお伺い致します。
 メーカーによって差があるとブログにお書きですが、どのメーカーのものがいいのでしょうか?

 小生ヘルニア手術(5年前)後の癒着で本年始めから下剤なくして排便不可能となりました。もっとも子供の頃から内蔵下垂で胃腸は虚弱ではありますが。
 ネットで麻子仁丸がいいと知りましたが、どのメーカーがいいのかご教示下さい。

 また上記症状には麻子仁丸以外に最適な他の漢方薬があればご紹介下さいませ。
 よろしくお願い致します。


御返事メール:ネットは便利な反面、ご本人の体質がわからないまま、このような文面だけで適切な漢方薬が見つかるものと錯覚を起こされる現象が多々見られます。

 貴方に麻子仁丸が適切だという前提で問い合わされるのも問題です。

 癒着症状が原因の便秘であれば、より適切な配合が必要かもしれません。一つだけの処方に頼っていても埒が明かないことも多いのです。
 たとえ麻子仁丸で排便が可能になったとしても、癒着という誘発原因および本来の体質を考慮した配合(処方を組み合わせるなど)が必要なこと多いものです。
 麻子仁丸だけでは中途半端な効き目に終わり、また他の薬を追い求める結果となるかもしれません。

 お住まいの近辺にも漢方専門薬局があるはずですから、直接出向いてよくご相談されて、病状と体質に合った漢方薬を求めて下さい。


参考文献: 麻子仁丸について述べているブログで注意を強く喚起していること⇒
記載内容はすべて専門家向けです。一般の方がヒントにされる場合は、必ず医師・薬剤師など近隣の漢方薬の専門家に御相談下さい。素人療法は絶対に禁物です!
 なお、ネット上での販売目的の利用や引用に関しましては、かたくお断りします!!!(漢方薬を含めた医薬品のネット上でのお誘い販売は、多くの識者から医療事故を引き起こす危険性が大きいのではないかと、強く危惧されています。)

—━漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記

posted by ヒゲジジイ at 19:52| 山口 ☀| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年06月20日

中気下陥を治療する補中益気湯を用いて眠くなる現象はありやなしや?

ご質問:東海地方の内科医師

 こんにちは。だんだん蒸し暑くなってきまして、湿気が関与する症状で来院するかたが多くなってきました。しかし、猪苓湯が活躍しています。

 さて、今日は、●●●●についてお尋ねします。高血圧、脂質異常症があり、西洋薬と漢方を併用(漢方は好きそうです)していまして、良好なコントロールです。
 ただ、年齢的に(7?歳)疲労感を覚えることが多くなり、結構休んでいる(本人曰く、さっぼている)ようです。

 舌は紅で無苔、脈は弦です。性分として一度何かをやりはじめると集中してしまい、コントロールすることを知らないかたです。抑肝散加陳皮半夏をいつもおいしくのんでいます。
 でも朝にくたっとしているときにカンフル剤的に補中益気湯を服用することがあるそうですが、かえって眠くなるそうです。

 通院してみえるほかの患者さんにおかれましても同じようなことをおっしゃっているかたがいました。このようなことはときに生ずることでしょうか(実際起こっているのですが、苦笑)。ご教示くさいますと幸いです。


お返事メール:「舌は紅で無苔、脈は弦」という条件が揃えば、真っ先に浮かぶ処方は杞菊地黄丸です。
 舌が紅で無苔は中医学でいう「陰虚証」であることが歴然としているように思います。それに弦脈といのは肝の脈であり、もしもこれに数脈が伴えば、ますますいよいよもって肝腎陰虚証の治療薬である杞菊地黄丸証である可能性がとても高くなります。

 また、高血圧症患者さんに補中益気湯証を呈することは稀ではないかと愚考します。

 補中益気湯にまつわる話で、高齢者ばかりが入院している病棟で、医療用漢方製薬メーカーの外交さん(ツムラ漢方)に補中益気湯エキスを使用するよう強く勧誘され、無作為に使用したところ、血圧が上昇する患者さんが頻出して困惑した話を当の担当医から直接話を聞いたことがあります。
(追記:昨今ではそのツムラ漢方の外交さんは抑肝散や抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒製剤を使ってもらうように強く勧誘されているという。)

 ところで補中益気湯服用者が却って眠くなる現象は朝鮮人参の鎮静作用が強く働いたものと考えられますが、シャキッとするところがないとなりますと、証の判定にズレがある可能性なしとしないと考えます。
 でも、それが心地よく快感に近いものであれば、問題はない現象だと考えられます。

 小生も、補中益気湯は比較的繁用する方剤ですが、そのほとんどは朝鮮人参の代わりに党参を用いた補中益気丸を使用していますので、そのような現象を申告されたケースは皆無です。

 とここまで書いて、現在進行形の膠原病の人や仮面鬱病の人たちには、高濃度の補中益気湯(朝鮮人参入り)を使用している三十代、四十代の男女を思い出してみても、過去の補中益気湯証の人達の事例を思い出してみても、同様な申告を受けた記憶がありません。

 証にずれがあるか、あるいはもしかしてツムラ漢方の補中益気湯製剤に問題なしとしないかもしれません。(補注:ツムラの補中益気湯は本来は白朮=ビャクジュツを配合すべきところ、安価な蒼朮=ソウジュツで代用されている。⇒白朮(ビャクジュツ)を蒼朮(ソウジュツ)で代用する日本漢方の杜撰

 ところで、無苔で舌質が紅のケースでも補中益気湯証が合併することもあり得ます。気虚発熱などのケースでは舌質がやや紅に傾きますが、同時に嬌嫩(きょうどん)、つまりくたびれた明太子様のような舌像を呈することが多いように思います。


折り返し頂いたメール:さっそくのお返事に感謝します。杞菊地黄丸は手持ちだと思いますので、しっかり服用するように指示します。
posted by ヒゲジジイ at 08:38| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年05月08日

杞菊地黄丸は規定の半分量でも効く

 必然的に特定の製品の宣伝をすることになりそうだが、イスクラ製の杞菊地黄丸は用法用量に規定されている分量の半分量、3〜4丸を1日3回でも十分に眼精疲労に効果を感じると言われる人も多い。

 別に節約しているわけでもないだろうが、こちらから見れば不思議に思うが、いずれも若い二十代の男女で言われるので間違いないのだろう。
 ネットや携帯で画面ばかりを眺めている世代である。

 ネットと言えば、連休中に予定していた遠出も億劫になって中止し、家にこもって「Web標準・・・」とか「スタイルシート デザインレシピ」などの本を眺めていると、XHTMLの世界の習得が、まだまだ基礎レベルの習得にまで到ってないのを痛感した。

 そこで、連休中に僅かでもWeb標準にかなうようなサイトに修正する努力をしてみたが、まだまだ序の口の修正しか行えていない。所有するサイトが多過ぎるからナオサラ。

 ホームページというのは、意外に「構造言語学」的な世界のようで・・・
posted by ヒゲジジイ at 12:22| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする