2024年05月18日

托裏消毒飲のエキス製剤がないのは、日本の漢方レベルが低い証拠

 托裏消毒飲というこんなに重宝な方剤が「一般用漢方製剤承認基準」に収載されてないのだから、いかに日本の漢方レベルが低いか、分かろうというものである。

 昨今では止むを得ず「千金内托散+衛益顆粒+白花蛇舌草」の各エキス製剤で代用して、素晴らしい効果を上げているものの、本物の「托裏消毒飲」に勝るものはないはずである。

参考文献:2013年07月27日 日本の漢方はますます衰退して行く(緒方玄芳先生の思い出)

 日本の漢方レベルの低さは、托裏消毒飲の問題に限らず、せっかく承認され製造販売されている補陽還五湯エキス製剤にしても、主薬の黄耆の配合量があまりにも少ないために、衛益顆粒(玉屛風散エキス)を併用しなければならず、それでも黄耆が足らないくらいである。

 さらには、せっかくの芍薬甘草湯エキス製剤は、各社で濃淡様々に市販されているが、某メーカーさんに、芍薬と甘草の配合比率を3:1、少なくとも2:1にして、芍薬を多く、甘草が少ない配合にすべきだから、新たに製造許可を申請するように提案したところ、日本では同比率でなければ、絶対に許可が得られないほど、日本は頑固に硬直した許可基準だというから、呆れ果てるばかり。

 ひるがえって、昨今、離婚した場合の共同親権が採択されたというが、これはさらなる揉め事を爆発的に増やす法案にほかならず、弁護士を豊かにするばかり。

 しかも子供の人権はまったく無視!する最悪の決定であり、インボイス制度やマイナー保険証など、日本国民は、狂気の日本政府のお陰で、ますます地獄に落とされ続けて歯止めがかからない。
応援したくないアンチの人が多いですね


2009年5月18日の茶トラのボクチン5歳 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 10:11| 山口 | 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2020年12月09日

各社それぞれエキス製剤の大きな問題点

 さきほど、常連さんの40代の男性が、マスクもせずに補充購入に来られたので、ケンモホロロに叱って、車に置き忘れたというのを取りに行かせたばかりで、これでまたブログに材料が増えたと大笑い。

 といいながら、本日の問題はマスクではなく、各社、漢方薬のエキス製剤の問題点である。

 配合される各生薬の品質問題もさることながら、同じ原料生薬から同じ分量で製造されたエキス剤を制したもののエキス収量の比較は、いつも気になる問題。

 たとえば実際の、ある漢方エキス製剤では、某社は水性乾燥エキスで1.9gというのに、他社では水性エキス1.2gとあるのだが、当然、信頼できるのは前者で、後者は水性エキスの状態であるからには、水分が一定程度含まれた粘エキスの段階で計測されて1.2gなのだから、あまりにも収量が少なすぎる。

 そもそも水性エキスの場合は、水分が一定レベル残った状態で計測されるのだから、水性乾燥エキスよりも、かなり多めの収量になって当然なのに、逆にそれよりもはるかに少ないということは、絶対にあり得ない話。

 だから考えられることは、後者の水性エキス製剤1.2gという原料生薬量に見合わない濃度の薄い製品であるということは、古い時代の許可基準のままの製造である可能性が高い。

 もしも、そうだとすれば、いずれは洗い直しに合って、表示の原料生薬量以下の濃度の薄い製品として製造許可が取り消されることだろう。

 こんなことからも、各メーカーそれぞれ、エキス製剤の信頼度をはかることもできるのである。
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2009年12月09日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年12月09日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 14:48| 山口 ☀| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2020年12月01日

12月に入って急に問い合わせの電話やメールが増えたが

 久しぶりの人達の問い合わせが続き、中には希少漢方製剤を常用されている人から在庫の問い合わせなどもあり、おまけに東京の某古書店の店主さんから「村田さんの名で何々の書籍の注文があったが、どの村田さんだったか分からなくなったので、過去にご縁のあった村田さんを総当たりでお電話し」ていると言われるなど。

 ところで、上記の希少漢方製剤という言い方は、かなり誤解を招きそうだが、実は半夏瀉心湯であっても、配合される乾姜が、正しく乾燥生姜を使用されている製剤は稀(マレ)だからである。

 日本で使用される乾姜は、本来の乾姜であるべき「乾燥した生姜」ではない。本来の乾姜であるべきこの乾燥生姜を、どうしたことか「生姜」としているのはなんとも怪訝である。

 どうしたことか日本では、わざわざ飴色になるまで蒸して、乾燥生姜に備わる健胃作用を大きく損なって、温性ばかり強めたものが「乾姜」とされているのである。

 本来のあるべき正しい半夏瀉心湯エキス製剤と、飴色に蒸した偽物の乾姜使用の半夏瀉心湯の効果を比較した結果は、いうまでもないことで、過去にこのブログでも再三書いてきたことである。

 ただ、残念なことに、半夏瀉心湯が適応する胃腸疾患の相談者は、村田漢方堂薬局に限ってはかなり少なく、多くは大柴胡湯証を呈する心窩部の痞えを訴える痩身の女性が多いのである。
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2011年12月01日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年12月01日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:半夏瀉心湯
posted by ヒゲジジイ at 14:27| 山口 ☀| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2019年06月23日

錠剤や細粒剤の漢方薬の服用に使用する飲料水はコヒーや紅茶、お茶類では、問題があるのだろうか?

 今回も、ここだけの話だが、ヒゲジジイ自身は、ここ40年以上、日に何度も嗜んでいるコーヒーやジュース類で漢方薬類を服用している。白湯や水道水で服用するなど、滅多にありえない。

 女性薬剤師(愚妻)の場合も同様で、彼女の場合は、必ず日本茶で服用している。

 二人とも、長年のこのような服用方法で問題が生じたことは一切ない。漢方薬の効果が落ちたという実感はないどころか、好きな飲料水を利用して服用するだけに、却って気持ちよく服用できる

 また、漢方薬は通常、食前や食間に服用するように規定されているが、愚妻のごときは、必ず食後に直ぐの服用である。それでなければ食間は飲み忘れ安いし、食前では、食事がまずくなるので、食後がもっとも気持ちよく服用できるという。

 ヒゲジジイの場合は、食前・食間・食後の問題は、一切気にしたことがない。おおよそ哲学の煙のついでのコーヒーを飲むときの適当なときに、1日2〜3回、適当な時間を空けて服用しているので、食後のときもあれば、食間のときもある反面、食前だけはありえない!

 やはりヒゲジジイの場合も、食前に漢方薬を飲むと、食事をするのに嫌気がさすからである。

 このような実体験にもとづいて、好きな飲料水で、食前・食間・食後のいずれであっても、本人が少しでも気持ちよく飲める時間帯を選んで服用するようにアドバイスするのが、ここ40年以上の仕事となっている。

 このような内実を書くと、一般の人々にも広まっては大問題であると、杓子定規で融通の利かないテレビのコメンテーターのような薬剤師や医師に、撤回と謝罪を求められ兼ねない、知ったかぶりの匿名連中が跳梁跋扈する日本社会だから、ここだけの話にしておくのである(呵々。

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2010年6月23日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年6月23日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 10:06| 山口 ☀| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2018年09月14日

漢方薬は、エキス剤よりも煎じ薬の方が効き目がよい、というのは都市伝説、というよりも真っ赤な嘘かも

2018年9月9日裏庭に住着いてしまった2代目クロちゃん(オス半歳)
2018年9月9日裏庭に住着いてしまった2代目クロちゃん(オス半歳) posted by (C)ボクチンの母

 先日、進行性指掌角皮症で、傷テープが手放せない女性に、半量濃度の温経湯エキス製剤を10日分飲んでもらったところ、傷テープの使用が激減どころか、まったく必要なくなった。

 ところが、昭和51年の我が薬局の経験では、拙著『求道と創造の漢方』の176頁に記載した進行性指掌角皮症に対して、温経湯加ヨクイニンの煎じ薬によって、明らかな効果を感じるまでに15〜20日間もかかった実例を載せている。

 ことほど左様に、進行性指掌角皮症に対する温経湯エキス製剤がフィットした場合の即効は、日常茶飯事のことなのだから、他の製剤にしても同様にしばしば感じていることで、煎じ薬の方が、エキス剤よりも効果が高いというのは、明らかに都市伝説どころか、まったくのウソではないかと怪しんでいる。

 但し、このことは保険適用外のエキス製剤の話であり、品質競争に息を抜けない自費でしか購入できないエキス製剤に限られる。

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2010年9月14日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年9月14日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
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2018年07月18日

相変わらず、病名漢方という邪道が蔓延する、日本の病院漢方や漢方薬局の現状

2009年7月17日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年7月17日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の男性
【 職 業 】:公務員
【 地 域 】:??地方
【 具体的なご職業 】:薬剤師
【 お問い合せ内容 】:
 突然のご連絡、失礼いたします。〇〇県在住の・・と申します。

 先生のブログを拝見しておりまして、漢方薬の奥深さにいつも感銘を受けています。
 私自身、病院薬剤師をしておりますが、いわゆる「病名漢方」的に使用される漢方治療が当たり前の世界に身を置いており、このような世界があることを知ったのがごく最近のことです。

 と言いますのも、昨年から1年以上、原因不明の胃の不調(病院では機能性ディスペプシアの診断を受けました)に悩まされており、漢方治療にかけて治療を受けているからです。

 病院で処方される薬は、ことごとく効果に乏しいものばかりでした。

 食直後の不快感(みぞおちやや下の張り、気持ち悪さ、早期満腹感、頭痛、ゲップ、しゃっくりなど)が特に強いですが、症状はそれ以外の時間も続くことが多く、張り感が食後何時間も立っているのに続いていたり、起床時からしゃっくりが頻発したり、睡眠が浅かったりなど、毎日が辛い状況です。

 漢方治療は既に1年近く続けていますが、未だ良好(社会生活が満足に送れる)な状態には至っておりません。
 また、漢方薬について調べる中で、漢方薬局(薬剤師)のスキルにも雲泥の差がある実情を知り、店舗を変えてみるのも一つの選択と考えるようになりました。

 村田先生のような☆☆☆の先生にみて頂きたくも思いますが、そちらに通い詰める選択は私には難しいです。
 そこで、以前のブログにもあった内容で恐縮ですが、先生のブログに登場される「??地方の美人薬剤師」の先生が経営される漢方薬局をお教え頂ければと思います。

 村田先生の信頼が置ける先生とのことで、可能であればその先生にみて頂きたいと考えております。
 あるいは、近隣でご存知の漢方家の先生がおられましたら、ご教示頂ければ幸いです。

 日々お忙しいところ、このような質問で大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
 連日、猛暑が続きますので、先生におかれましてもどうぞご自愛くださいませ。

2009年7月18日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年7月18日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 ▽▽県でもかまわなければ、▼▼市の△薬局さんの女性薬剤師の先生です。
(中略)
 上記のようですので、念のためネットでも調べてみて下さい。

 取り急ぎ、お返事まで。

2010年7月18日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年7月18日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:

 お忙しいところ、ご回答いただきましてありがとうございます。
 早速確認したところ、可愛らしいHPに優しい笑顔の先生が垣間見え、私が勝手に想像していたものとは異なる柔らかな雰囲気がありました。

▽▽県ということで、〇〇県東部からでは若干距離がありますが、一縷の望みをかけて相談することも検討したいと考えています。

 それにしても、調べてみると漢方薬局もかなりの数があるわけでして、玉石混交の中から光るものを見つけるのが、こんなに難しいとは思いませんでした。

 病院ではガイドラインがある手前、普通の医師であれば一定基準の治療が期待できますが、漢方薬局ではそうはいかない気がします。

 少し話を聞いただけで「あなたにはこれが合う!」と初めて言われた時には、高いお金を払って行ってよかった、と思った1年前が懐かしくも悔しくもあります。

 経営形態は各々あるとはいえ、患者が自身の症状の程度に合わせ、掛かるべき漢方薬局を選択できるようなわかりやすさがあれば、どんなに素晴らしいことか。
 そう考えてなりません。

 今回は本当にありがとうございました。
 失礼いたします。

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2010年7月18日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年7月18日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 | 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2018年03月01日

桂枝湯における肉桂配合のエキス製剤の問題

2011年03月01日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月01日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:20〜29歳の男性
【 地 域 】:東海地方
【 具体的なご職業 】:鍼灸師、及び整体師
【 お問い合せ内容 】:

桂枝湯の解表作用について

 この間は写真の掲載ありがとうございました。
 あの世の彼女は喜んでると思いきや、「私を都合のいいダシにしたわね」と怒ってる気もします。
 あの世に行ったら謝っておきます(苦笑)

 あれから先生のメインのブログを最初から読んで勉強したお陰で自分の体がずいぶんとよくなりました。
 内容は【六味丸、茵蔯蒿湯、柴胡加竜骨牡蠣湯(少量)、抑肝散、(頓服)半夏瀉心湯】です。
 色々あった症状もほぼなくなり、気が付いたら4s近く体重も下がりすこぶる快調です。

 昨夜も嫁の風邪でかなりの頭痛になり、血圧の上昇と脈拍の低下がおこり。救急病院を考えましたが、頭部の圧痛点が少陽に顕著で、背部兪穴の反応に肺と肝、隔が強く、脈が浮でしたので、小柴胡湯と参蘇飲をツボの反応等を見ながら少しずつ飲ませました。
 これで無理なら病院だなと思いましたが、30分以内に脈も血圧も正常になり、今朝も娘の幼稚園バスの送りに普通に行けるようになりました。
(本当は鍼灸と手技でやればいいのですが、バタバタしている子供がいるとなかなか難しいです…)

 ところで本題なのですが、肉桂の配合された桂枝湯には解表作用はないような気がいたします。
 上の娘が衛気虚気味で風邪をひきやすく、適応するかと思いきや。衛営の調和は起こりますが、肝腎の邪気がまったく抜けていってくれませんでした。(※触診によるものです)
 その反面、そもそも肺虚気味なので肺陰も弱く、かえって煮詰まってしまったようでした。(反応がよくないのですぐに辞めました!)

 自分でも飲んでみましたが、葛根湯や麻黄湯のように麻黄との配合では反応する感じはいたしますが、肉桂の桂枝湯ではどうも効力を感じ得ません。

 体質も関係するとは思いますが、以前から先生がおっしゃているように『肉桂と桂枝の錯誤』問題のせいで大事な解表作用がそもそもなくなってしまった。傷寒論の桂枝湯にあらざる全くの別物な気がいたします。
 実際には桂枝の桂枝湯を飲んだことがないのでなんとも言えませんが…

 なので先生のおっしゃる通り、外感病の初期には桂枝も麻黄も入ってない参蘇飲が無難であるのは間違いないなと思いました。感謝申し上げます。

2011年03月01日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月01日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:おたよりありがとうございます。

 彼女に限って
>「私を都合のいいダシにしたわね」と怒ってる気もします
というのは絶対にあり得ないと思いますよ。

 我が家のボクチンも、すでに亡くなって5年以上になりますが、薬局の店内はもちろん、台所をはじめ寝室やトイレの中にさえも、長い廊下の壁にもビッシリと写真を張り付けています。

 台所のテーブルの上にも何枚も立てかけていますが、その写真を現在の家猫3匹が、かわるがわる1日に1度は、懐かしそうに写真を軽く舐めまわすことがあるので、日々不思議に思っているところです。

 印刷のインクが体内に入っては困るので、やめるように説得するのですが、それこそいずれの猫も馬耳東風で、1日1度のそれぞれの儀式となっています。

 ボクチンが折々にこの世に戻って来ているのだろうと、勝手に納得しています(笑。

 そちらの彼女も、折々にこの世に戻ってきていると思いますが、時折にしても感じられるのではないでしょうか?

 ところで本題の桂枝湯、ご指摘の通りで、本来、桂枝を使うべきところを、日本で製造されるエキス剤のいずれも、肉桂を使用しているのですから、本来の解表作用を発揮できずに、腎陽を温めてばかりの、へんてこりんな薬効となっていますので、(麻黄の配合される葛根湯や麻黄湯ならまだしも)、日本の桂枝湯エキス製剤となると、まったく使用にたえないかもしれません。

 葛根湯証を呈する風寒束表には、麻黄があるおかげで、桂枝であるべきところを肉桂が使われていても、それほど大きな問題には感じられませんが、桂枝湯となれば、話が別ですね。

2012年03月01日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年03月01日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:返信ありがとうございます。

>台所のテーブルの上にも何枚も立てかけていますが、その写真を現在の家猫3匹が、かわるがわる1日に1度は、懐かしそうに写真を軽く舐めまわすことがあるので、日々不思議に思っているところです。

 なんと!写真に挨拶をするとは…
 猫の感性はすごいの一言なので、何か感じているのでしょうね。
 最近は仏壇に手を合わせない人が増えてるようなので、猫の方がはるかに優れていますね。

東海地方のAさんの愛猫東海地方のAさんの愛猫

 写真の子はかなりのオカン猫で、生前はよく怒ってくれてました。
 いつまでたってもゲームを辞めないのでコントローラーの上に乗ってきてやめさせようとしたり、朝ちっとも起きないので、胸骨にかなりの肉球圧をかけてきて悶絶させたり、起きるまで皴枯れ声で鳴き続けたり。
 あとは、気持ちが落ち込んでいると近くで寝て癒してくれるのはしょっちゅうでした。

 今は自分の部屋に写真を飾ってあるのですが、時たま深夜まで起きてると
「早く寝なさい!」と振り向くと言われている気がするときもあります(苦笑)

> ところで本題の桂枝湯、ご指摘の通りで、本来、桂枝を使うべきところを、日本で製造されるエキス剤のいずれも、肉桂を使用しているのですから、本来の解表作用を発揮できずに、腎陽を温めてばかりの、へんてこりんな薬効となっていますので、(麻黄の配合される葛根湯や麻黄湯ならまだしも)、日本の桂枝湯エキス製剤となると、まったく使用にたえないかもしれません。

 やはりそうなんですね。となると柴胡桂枝湯とかも現方の通りではなく少し違った使い方になってくるわけですね。

 それでは今度桂枝入りの方剤を体験したときに、またご報告させていただきます。

2011年03月01日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月01日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

折り返しヒゲジジイのメール:

 柴胡桂枝湯の場合は、シンプルな配合の桂枝湯とは異なって、各種の雑病から風邪の後期の症状まで、肉桂の配合となっていても、十分に効果を発揮します。桂枝湯ほどは問題は大きくないのが現実のようです。

(追補:肉桂にしても桂枝にしても、エキス剤の場合、精油成分の揮発問題も大きいが、煎薬とて、下手な煎じ方を行っていれば、同様な問題も生じる。)

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2012年03月01日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年03月01日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:桂枝湯 肉桂 桂枝
posted by ヒゲジジイ at 22:02| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2018年01月19日

小曽戸丈夫先生は、排膿散及湯は 「はいのうさんおよびとう」 と読むべきだと強く主張されていた

2011年01月19日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年01月19日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 もっぱら日本漢方でのみ使用されて来た排膿散及湯。

 排膿散にしても、排膿湯にしても、出典は金匱要略だから、それぞれは歴史が非常に古いものだが、排膿散及湯自体の歴史はとても浅いはずである。

 世間では「はいのさんきゅうとう」と読まれているが、排膿散に配合すべき卵黄を省略したまま、両者を恣意的に合方したものだから、「はいのうさんおよびとう」と読むべきだ、と強く主張されていたのは、小曽戸丈夫先生である。

 ところで、小曽戸丈夫先生を知らない漢方の専門家がいるしたら、モグリだといっても過言ではない。

 それはともかく、四十数年前のこと、小曽戸先生が主宰されていた青竹塾に約1年近く参加させてもらったことがあったが、排膿散及湯の読み方についての先生の主張が、いまだに耳に残っている。

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2012年01月19日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月19日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

 
posted by ヒゲジジイ at 22:35| 山口 ☀| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2017年11月15日

体質にフィットしてないのに、小建中湯を連用することで、実際にあり得る副作用

2008年11月16日の茶トラのボクチン(4歳)
2008年11月16日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の女性
【 職 業 】:会社員
【 地 域 】:関東地方
【 お問い合せ内容 】:
はじめまして。
 何回か便秘のために小建中湯を飲んだことがあるのですが、毎回、小建中湯を1ヶ月ほど飲むと、便秘はよくなるのですが、なぜか急に咽頭炎になり発熱します。

 恐くなり、代わりに六君子湯を飲んだら、便秘が悪化します。

 小建中湯で急に咽頭炎になることは理論的にありえますか?

 ご回答いただけますと幸いです。よろしくお願い申し上げます。

2009年11月16日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年11月16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 小建中湯は温める作用が強い漢方薬ですので、潜在的に咽喉に炎症が起きやすい体質であれば、そのような体質の人が小建中湯で1ヶ月も連用して温めすぎると、咽喉の炎症を誘発することは大いにあり得ることです。

 本来、体質にフィットしてない漢方薬を用いると、往々にしてその程度の問題が生じても不思議ではありません。

 漢方専門薬局に直接出向いて相談されるべきですが、既にそれを行っておられるようでしたら、もっと適切な漢方薬に切り替えてもらえるはずです。

 なお、六君子湯は、どんな体質の人でも、便秘症を治す目的で使うことは滅多にありえないと思います。

 取り急ぎ、お返事まで。

2009年11月16日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年11月16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:


 もともと中耳炎を繰り返すので、咽頭も弱いのかもしれません。
 免疫力が低下したのかもと怖かったので、謎がとけてよかったです。

 お早い回答どうもありがとうございました。

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2009年11月16日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年11月16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:小建中湯
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2016年09月24日

釣藤散エキス製剤の効果の優劣が、各社でかなり異なる理由は当然ながら

2011年9月24日のボクチン(7歳)
2011年9月24日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

 釣藤散の主薬である釣藤鈎は、とてもデリケートで加熱し過ぎると、効果が激減するので、各社で効能の優劣が最も激しい方剤の一つである。

 煎じ薬ともなればなおさらで、釣藤鈎だけは他薬が煎じ上がる寸前に入れるなどの工夫がなければ、エキス剤よりも効果が激減することを覚悟しておくべきだろう。

 煎じ薬は、絶対的にエキス製剤よりも効果が遥かに上だと喧伝されているようだが、とんでもない!

 釣藤散をぐらグラと長い時間煎じていたら、優良メーカーの釣藤散エキス製剤よりもはるかに効果が劣る現実を知らない人は、専門家ではあり得ない。

 ともあれ、本題であるが、釣藤散を長年愛用する愚妻が、日頃愛用するメーカーと同じ配合比率で同じ濃度の某社のエキス製剤を服用する機会があり、これに切り替えてしばらく続けていると、不眠傾向が再発し、胃腸の調子も落ちて来たので、使えたものではないと言って実験を中止した。

 エキス製剤の選別には細心の注意が必要である。

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2012年9月24日のボクチン(8歳)
2012年9月24日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

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2015年07月10日

漢方薬の服用を食前や食間に限定するのは、まったくのナンセンス

2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 漢方薬は使用する方剤の性質や、あるいは服用する人の体質と病状によって、食後がよかったり食間がよかったりするが、食前がよいというケースは特殊なケースだけであろう。

 食欲不振や逆流性食堂炎の場合に限り、食前の方が効果的だったということもあるが、それ以外の多くは食後で十分に効果が出るし、飲み忘れもしにくい。

 せっかく美味しい食事の後に、漢方薬の不味い味で興醒めしたくないという人は、食後1時間以上経って服用してもよいし、その人の好みに応じて服用時間帯を試して、自分に向いた時間に決めても問題はない。

 但し、1日3回服用するときの、それぞれの服用時間が接近し過ぎないようにする注意は必要である。

 他所の漢方薬は、食前に飲まされていたので、せっかくの食欲が台無しになってばかりいたという話をシバシバ聞くが、食前の服用にこだわること自体がまったくのナンセンス。

 何の科学的根拠もないのに、漢方薬は食前というのは、日本漢方における迷信に過ぎない。

 あえて科学的に言うなら、漢方薬は食後の服用が最も吸収率がよかったという女医さんによる研究データもあるくらいである。

 いずれにせよ、食前や食間、あるいは食後にしても、いずれもこだわる必要はまったくない。自分の好みに応じて決めても構わないが、食後に決めた方が、飲み忘れがすくないので無難だろう。

 なお、ここで言う食後というのは食後30分以内の服用を言うのであり、食直後も含まれている

 蛇足ながら、薬学部在学中に、某教授が口を酸っぱくして繰り返し講義していた問題で、「食直後」というのは「食後30分」に含まれており、「食後30分」という意味は、食後30分以内に早く飲んでしまいなさいという意味だから、食直後も含まれている。
 多くは合成医薬品が胃障害を生じる危険性を少しでも回避しようという服用指示なのだから、「食直後服用」と「食後30分服用」というのは同義であるから、二つに分ける表示はナンセンスであると吼えまくられていた。
 合成医薬品の服用方法においては、実に説得力のある講義だったと思う。


 ともあれ、漢方相談43年に近い仕事で、上記のことを皆に実行してもらっていることも、漢方薬の有効性を高めているものと自負している。

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2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母


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2015年07月01日

猪苓湯でとってもスッキリしたとお礼の電話

2009年7月2日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年7月2日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2015年7月1日のシロちゃん(2歳)
2015年7月1日のシロちゃん(2歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 2015年06月24日 膀胱炎に病院で投与されたツムラの八味丸による誤治は、猪苓湯1回の服用でほとんど解消!の後日談。

 昨日、当のご本人からお礼の電話がかかった。

 いえいえ、貴女の親戚の女性(当方の常連さん)の機転のお陰ですよ、とおこたえするも、病院で投与される薬の恐ろしさを述懐される。
 そこで、
 すべてではありませんよ。病院で投与される西洋医学の薬は一定の信頼度はあって当然ですが、あくまで問題は、漢方薬にまるでシロウトの先生が、安易に保険漢方を投与されることが問題なだけです。
 としっかり説明して差し上げた。

 ともあれ、常連さんが送付された猪苓湯+板藍茶で久しぶりに、下腹部がスッキリして身体も軽くなり、健康感を味わっているということだった。

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2009年7月2日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年7月2日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2015年7月1日のシロちゃん(2歳)
2015年7月1日のシロちゃん(2歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2015年7月1日のシロちゃん(2歳)
2015年7月1日のシロちゃん(2歳) posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 20:19| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2015年06月17日

寒熱の配慮がなされない医師の投与した漢方薬と調剤薬局のトンデモナイ指導

2010年6月17日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年6月17日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 先日来の常連さんの親戚の人に起こった問題の報告と相談内容にはあきれた。

 地元の常連さんの親戚の女性が、膀胱炎で診察を受け、抗生物質などで治った後、下腹部にまだ不快感が残っていると告げたところ、細菌はなくなっているので、漢方薬を投与するので、それで様子をみるようにと出されたのがツムラの八味丸。

 調剤薬局では、水分を取り過ぎると膀胱炎にはよくないので、水の摂取を控えるようにとまったく真逆のアドバイスがあったという。

 漢方薬に詳しい常連さんは、冷え症でもない貴女には八味丸は合わないので絶対に飲まないように!
 そのかわりにこちらの漢方薬局で相談して猪苓湯を送ってあげるからとアドバイスしていたのに、待ち切れずに八味丸を1回服用したところ、腹部がパンパンに張って苦しくなり、尿が濃くなって小便がチョロチョロとしか出ずに難儀しているという。
 そこで他の病院に受診したところ、こんどはツムラの大建中湯が30日分も投与されたが、どうしたものだろうと常連さんのもとに再度相談があったという。

 大建中湯は膀胱には刺激が強すぎるし、ますます温め過ぎて最悪だから、絶対に飲まないようにとアドバイスすると、ようやく説得に乗る気になったらしく、しっかり水分を摂りつつ、猪苓湯でしばらく様子をみることとなった。

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2010年6月17日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年6月17日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 12:48| 山口 🌁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2015年03月30日

なんと!学術論文でさえ虚偽捏造が横行しているのだから、ましてやネット上の記事こそ玉石混交、迂闊には信用できない

2010年03月30日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年03月30日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ボクチンの母

 学術論文でさえ、虚偽捏造の記事が横行していることは、過去から現在に至るまで、由々しき社会現象となっている。

 ましてやテレビで報道される内容はもとより、ネットで喧伝されるものは、たとえ有名企業や肩書きが優れた人達の学術的な内容であっても、迂闊に信用することはできない。

 漢方関係におけるその証拠の一端としては、痩せ薬としての防風通聖散、酒皶(しゅさ)に対する十味敗毒湯、アトピー性皮膚炎に温清飲など、これらがフィットする確率はかなり低い。

 確率が低い以上に問題なのは、これらの方剤がフィトしない場合、効果がないだけならまだしも、逆効果になって病状が悪化することも大いにあり得るので、使用する上ではかなり注意を要する方剤なのである。

 このように慎重を要する上記のような漢方薬類を、過剰なまでに宣伝あるいは喧伝されているのは、まったく理解に困しむところである。

 まだ便秘に麻子仁丸、膀胱炎に猪苓湯というほうが、はるかに信憑性が高い。
これらでもしも効果が無ければ、製品の品質が劣悪な証拠だと言ってもよいくらいだ。

 ことほど左様に、世の中は虚偽捏造とまではいかない場合でも、誇大広告や誇張宣伝だらけだから、要注意。

 猫社会にも劣る人間社会だから、止むを得ないことかもしれないが・・・
 一説には25人に1人は、サイコパスというくらいだからねっ。


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2010年03月30日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年03月30日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ボクチンの母

2011年03月30日の茶トラのボクチン(6歳半)
2011年03月30日の茶トラのボクチン(6歳半) posted by (C)ボクチンの母

2012年03月30日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年03月30日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ボクチンの母


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2015年01月15日

飲み慣れた漢方薬でも、うっかり『食前』に飲んだのが運の尽き

2008年01月15日の茶トラのボクチン(3歳)
2008年01月15日の茶トラのボクチン(3歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 相変わらず、安定期に入った人達や、事情があって今回は来られないという人達からの発送依頼は多いが、店頭は雨天のこともあってか、予測どおり、閑散。

 といっても新規相談者が午前中にあって、関東地方から。
 交通費のかかる関東地方からの新規相談者が、今年も目立つ。

 昼食時間を潰して、送り状の記載や印刷、メールの返信などの処理がようやく終わって、強く空腹を感じたものの、朝に飲む機会を逸した漢方薬類を止むを得ず食事前に服用したのが運の尽き。

 連銭草と裏白樫を煎じた液体で、猪苓湯など多種類の漢方薬を服用することを続けているが、通常ならあり得ない突然の胃の反逆。いっぺんで食欲がなくなって、結局少量しか食べれずに、いつまでも不快感が残った。

 そもそも、漢方薬は食間や食前というのは、ほとんど迷信。
 食間というのはまだしも、食前に服用するのは食欲増進用の方剤ならともかく、いっぺんに食欲を害してしまうことだって大いにあり得る。

 連銭草と裏白樫という、お世辞にも飲みやすいといえな煎液など、食前に服用するのは二度と御免だねっ!

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2011年01月15日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年01月15日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年01月15日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年01月15日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年01月15日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月15日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年01月15日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月15日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 00:03| 山口 ☔| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年12月22日

先週末の話題は、テレビ放映された『林先生の今でしょ!講座』の漢方漢の講義内容の好い加減さについて

2008年12月22日のボクチン(4歳)
2008年12月22日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 先週の後半くらいから、常連さんや、まだ通い始めて数ヶ月の人達まで、四方山話の中で、もっとも顕著だったのが、テレビで紹介されていた漢方薬の話題。

 葛根湯や芍薬甘草湯、五苓散に加味逍遥散などの効能を紹介されていたとかで、ヒゲジジイの指導が行き届いている常連さんなどは、ケンモホロロに批判されていたが、まったく同感で、素人療法は怪我の元。
 病院などの合成医薬品ほどで危険ではないが、漢方薬の運用方法こそ、好い加減に使って効くわけではなく、効かないだけならまだしも、芍薬甘草湯などは、浮腫みやすい人や、高血圧の人達が乱用すると、ロクナコトはない。

 村田漢方堂薬局に通い始めてまだ数ヶ月の女性でさえ、面白おかしく紹介される医師の発言内容の好い加減さについて問題視されるくらい、ヒゲジジイのアドバイスをもとに、漢方薬の本質を既に学ばれていた。

 ヒゲジジイ自身は、そのテレビ番組を見てないので、常連さんたちからの又聞きになるが、それにしても、あまりにも杜撰で好い加減な内容ばかりで、これこそ噴飯物である。

 あの番組を見ていた人達の一部の人は、上記の漢方薬を求めて、薬局に殺到するだろうが、まさか村田漢方堂薬局に来られる人はおられないでしょうねっ?と皆に言われたが、もちろん、今のところ皆無。

 指名買いの客は、尤もな理由が無い限りは、販売を拒否することが多いので、叱られるのを怖がって、滅多にやって来る人もいないだろう(呵呵。

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2009年12月22日のボクチン(5歳)
2009年12月22日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年12月22日のボクチン(6歳)
2010年12月22日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年12月22日のボクチン(7歳)
2011年12月22日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年12月22日のボクチン(7歳)
2011年12月22日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 00:16| 山口 ☔| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年06月09日

漢方薬は食前、食間というのはまったくの都市伝説!

2010年6月9日のボクチン(6歳)
2010年6月9日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

メールによるご質問:

 今まで漢方薬を飲める時に飲んでいましたが
 知り合いが漢方薬は食間または食前に飲まなければならないというのですが、
 食後でもよろしいのでしょうか。

お返事メール:

 漢方薬の食前、食間というのはまったくの都市伝説です。
 こだわる必要はまったくありません!
 但し、胃や食道の病気の場合は、実際に試してみて、一番効果を感じる時間帯を選べばよいです。

>漢方薬は食間または食前に飲まなければならない

というのは、まったく迷信です。

 胃や食道の症状の人の場合は、実際に飲んでちょうしのよい時間帯を選べばよいです。
 食前でも食間でも、あるいは食後でも、実際に飲んで調子がよいという時間帯を選んで飲めばよいですが、あまり神経質に考える必要はありません。
 実際に、飲む時間帯をいろいろかえて試すのもよいと思います。

ブログへの補足

 実際のところ、専門家であるべき薬剤師や医師でさえ、漢方薬は食間あるいは食前に飲まないといけないと信じ込んでいる人が大多数である。
 ところが、これには科学的には何の根拠もない。
 むしろ、数十年前に日本の女医さんが漢方薬の吸収実験をしたところ、食後がもっとも吸収がよかった というデーターが専門誌に掲載されていた。その雑誌が現在見つからないのが残念である。

 この問題は、各漢方製剤の効能・効果に「体力のあるなし」が記載されている問題以上に、まったく科学的根拠のない都市伝説に過ぎないのである。

 結論としては、その人の状況に応じて食前・食間、食後を決めるとよく、食前に服用すると食欲を害しやすい人は食後のほうがよく、忙しくて飲み忘れしやすい人は断然、食後に決めたほうが有利である。
 逆流性食道炎や胃症状が主訴の場合は、どの時間帯に服用するのが効果がよいかを試して決めるとよい。

 村田漢方堂薬局では、一般的には最も吸収率の上がる食後の服用を奨励している


2010年6月9日のボクチン(6歳)
2010年6月9日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 06:54| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年06月06日

煎じ薬の利点と欠点、エキス製剤の利点と欠点

2009年6月6日のボクチン(5歳)
2009年6月6日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 エキス製剤よりも煎じ薬の方が効果が高いという実に怪しい神話を信じる人が多いが、必ずしもそうとは言えない。むしろ原料の品質が優れている場合はエキス製剤の方が効果が高いことも多いが、それだけでもない大きな問題もある。
 それについては、最後に再度、もう少し詳しく書くとして、まずは煎じ薬の利点と欠点である。

 煎じ薬では、それをエキス製剤で多種類の方剤を併用するときでも、それらをまとめて一緒に煎じることができるので、煩雑さを省略できるということが最大の利点だろう。
 ところが、この利点がそのまま欠点にも豹変する。もしもまとめて同じ袋に封じ込めて投与された場合、途中で一部の方剤や生薬を抜きたいというときにはそれがまったく不可能となる

 たとえば10日分以内の投与であれば、無駄になるのが少なくて済むが、しばしば見られるように最初から1ヶ月分まとめて購入させられた場合、3日も連用しないうちに却って逆効果で皮膚症状が悪化し、残りの27日分が返品もできずに無駄となったと悔しがる人が当方に移って来られるようなケースも珍しくはない。

 このような無駄になることを最小限で食い止めるには、エキスの方剤や単味生薬製剤を組み合わせて出せば、思いがけず途中で一部に不必要だったり逆効果のの方剤や生薬が短期間で判明した場合は、すかさず該当する方剤や単味生薬製剤を急遽中止してもらったり、あるいは必要に応じて配合比率を急遽変更するなど、煎じ薬に比べてこのような迅速な対処が速攻で可能である。

 上記のようなエキス製剤や単味生薬製剤による多種類の配合の便利さは、そのまま欠点ともなる。何でもかんでも一緒にまとめて煎じることが出来る便利さに比べ、エキス製剤類の多種類の配合は、たとえばエキス方剤3種類が必要な複雑な証候の場合、さらに単味生薬製剤の地竜やガジュツなど、さらに板藍根など単味で加えていくと、かなりな製品数となってしまう。

 このようにエキス製剤や単味生薬の製剤の配合(組み合わせ)では、かなりな製品数となってしまう欠点があるとはいえ、また逆にそのまま大きな利点となる。
 この方式であると細かな弁証論治に対応した複雑な配合と瞬時の臨機応変の配合変化が可能であるということは実に大きい利点である

 一度調剤されたら変更がきかない煎じ薬のように無駄になる部分がほとんど生じないのである。

 最後に、エキス製剤よりも煎じ薬の方が効果が高いという都市伝説の問題である。

 先日取り上げた温経湯でもあった例だが、同じ進行性指掌角皮症に煎じ薬では効果が出るのに20日もかかってしまった例があるかと思えば、優れたエキス製剤を使用すれば、10日以内に明らかな効果が出たという例。

 最近、関東から来られた人から仕入れた実例では、多汗症に煎じ薬の防已黄耆湯ではまったく無効だったものが、エキス製剤の防已黄耆湯では明らかに一定の効果があったという信じられない報告があった。

 何が問題なのか?
 おそらく使用された原料生薬の品質問題が大きいのだろうと思われるが・・・いずにせよ、エキス製剤よりも煎じ薬の方が効果が高いというのは、実に疑わしい都市伝説に過ぎないとしか言いようがない。

2009年6月6日のボクチン(5歳)
2009年6月6日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年6月6日のボクチン(5歳)
2009年6月6日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母



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2014年03月02日

誤解も甚だしい

2008年8月7日のボクチン(4歳)
2008年8月7日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 せっかく桂枝茯苓丸がフィットしていたのに、病院の医師は「この漢方薬は長期に使ってはいけない」ということで、3ヶ月で投与を中止してしまったという。

 そのまま継続していたら何も手術しないで根治していた可能性もあったはずだが、手術を選んだ方が病院の収益が上がると利益追求に転じたのではなかろうか?と勘繰りたくもなる話である。

 ところが、巷の薬剤師でも、花粉症などに荊芥連翹湯がよくフィットする場合があるが、症状が治まった時点で中止すべきであると断じている人があった。
 継続服用すると、様々な弊害が生じてくると断じているのである。

 もともと一貫堂の荊芥連翹湯は、解毒症体質の改善剤としてフィットしている限りは長期連用をよしとされる方剤である。

 何の目的があって、このような馬鹿な考えを広めようとするのだろうか?

 あるいは無知のなせる業か?

 当然、状況に応じた配合変化や転方ということは、臨機応変に必須ではあるが、桂枝茯苓丸にしても荊芥連翹湯にしても、フィットしている限りは長期連用することこそ、漢方の真の効果が発揮できるのではないか。

 この人たち、何を考えているのだろう。
 まともに漢方薬を学んでいる人達とは到底思えない。

 要するに漢方薬の情報に関する限りは、たとえ医師や薬剤師の意見であっても、あるいはさらに注意すべきことは、ネット上の情報こそ玉石混淆で、ろくでもない間違った情報も氾濫しているので、迂闊に鵜呑みにしないことである。

2008年8月7日のボクチン(4歳)
2008年8月7日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

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2014年02月18日

前回の続き:猫ちゃんたちに漢方薬を利用される貴重なおたより

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:お返事、ありがとうございます。
 時間の限り、村田さまの猫や鳥についての記事も拝読したいと思います。

 確かに、村田先生のおっしゃる様に、「証の確定」どころか「試行錯誤の為の推測」さえも難しいのが、言葉を交わせない猫相手の看病です。

 母娘三匹まとめて保護致しました猫エイズファミリーの母猫は、保護してから六年目にとうとう重篤な状態になってしまいました。生後間もないファミリーの別な母猫の子がカラスに全滅させられたと聞いたので、私道を徘徊していた生後間もない三姉妹を保護したのでした。

 窓越しに様子を見に日参していた母猫は。「数日後に窓を開け中に入れ、また帰って行く」を始め、ほどなく、「窓を閉めそのまま一緒に暮らす」を始めたのでした。

 昨年の「2月22日(猫の日)」に逝った末娘が五歳でしたから「ギリギリ頑張った」と言えるのでしょうか? 母猫は、保護時に既に五六歳と言われて居ましたから、少なく見積もっても猫エイズの平均を超える長寿なのかも知れません。
 
 と慰めつつも。この一年より以前は、ホームセンターの安めのFood。様子が悪ければ、獣医さんで抗生剤、ステロイド剤でしたから。持って生まれた丈夫さ、天命、生命力があったのでしょうが「五六年前に今の意識と知識があったならば」という自責自戒の想いを消すには至りません。

 「猫の弁証認識の難しさ」について。例えばこの母猫の場合、
 「口内炎に苦しむ、顎や頬、耳から脂漏」
ならば、熱性だろうか?と思えば、口渇ではなく、むしろよだれが多い。に始まり、「○○は該当するが、舌苔や便、尿が反対の兆候」ばかりで.検証を定めることが出来ません。

 そもそも、人間の数百倍「我慢してしまう」らしく。「痛み」も、触れて嫌がる頃には「人間の激痛」なのでしょう。「近代化学物質対処療法では助からん!」と言いながら。日々、後手後手の対応という無念の状況です。

 例えば、三姉妹の真ん中の子は、ここ数日。飲水が過度に増え。はじめ「腎臓系」を案じましたが、にわか勉強で「もしかしたら胃熱か?」と、たまたま間違って入手していた「黄連解毒等湯」を「三日だけ 」と試してみましたところ、二日目に飲水が通常になりました。なので、三日目に中断。

 「便が緩く少量を多く排便する」も併発して居たので、「人参湯」に替えてみました。やはり二日目には、「まとまった便」と「相変わらずの少量」が交互の状態になりました。「温性」の「人参湯」にも拘らず、飲水は安定したまま。

 「黄連解毒湯」を施した時点で、「胃熱」があったのかどうか? 「あったけれど治まり、人参湯では再発しなかった」のか? 単に、「悪化はまぬがれた」だけなのか? 当の猫から、「投与前と投与後の胃の調子」を問診・聞診が出来ない以上分かり様が無いと思えてしまいます。

などなど、

 恐らく、猫エイズの悲しい症状で、多臓器が「皿回し」の様に相次いで不調〜持ち直し〜再発、などの状態が続いているのだろうと思います。

 上記の母親は、口内炎が悪化し、Vitamin-Bや、患部へのLicorice-Tincture(甘草エキス)塗布も、銀(ペット用)消毒でもある程度迄しか改善せず。
 今迄の知識の「茵陳蒿湯」も決定打にならず。 調べまくって「清熱補血湯」を与えてみ ました。
(煎じ湯の量を飲ませることは困難なので「煎じ薬」を、そのままCoffee-Milで粉末にしています。)
 やはり三日目にじわじわ改善され、絶食は三日で済み。自食も上向きになりました。

 同時に、やはり「三日勝負」で「十全大補湯」も与えましたが、自食し始めましたので、「補中益気湯」と「人参湯」に切り替えました。「人参湯」は、便秘気味になってきたからでしたが、排便も毎日に戻りましたので、「乾姜」以外は重複なのでしょうから二日で「人参湯」は止め、様子を見ています。
 
 一年前には、上記ファミリーの末娘を亡くしましたが、その当時は、猫用山羊ミルクに方剤を混ぜ、「苦い、不味い」に耐え、亡くなる前日迄、懸命に口を開けてくれていた子でした。

 「もっと早く思いついていれば良かった」と自責しましたが、
昨年夏前からは 、#4サイズのカプセルに方剤を詰めて、Salmon-Oilをまぶして口に押し込みます。味は鮭ですし、オイルの御陰で喉に貼付かず。なので、
「猫には無理」と複数の方に言われた「十全大補湯」も難なく飲んでくれています。

 などなど、「試行錯誤」と「後悔、自責、自戒」の日々です。

  重ねて御礼申し上げさせて頂けますれば、ヒゲジジイ先生のご見識に触れ、今迄の情報に対する愕然とする感覚、さて、これからどうしよう、という混沌とした感覚にも襲われがらも、「ああ、これこそ、守りたい、守るべき命に対して取るべき、より正しい道なのだろう」という武者震いこそが、本当の想いなのだろうと考えます。

 では「何が正解か?」は、相変わらず暗中模索ではありましょうが、

 巷の情報にすがり着くということの安直さ、逃げの心理が内在しているだろう短絡的な楽観主義とは決別すべきだ、と教えて頂き、深く感謝致しております。
 ありがとうございます。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

ヒゲジジイによるお返事メール:前回のメールでご指摘の通説、

>「漢方の効き目はゆっくりおだやかだから」

というのはご指摘の通り、真っ赤なウソです。


 状況によっては日ごとに配合方剤を変えるべきケースがありますが、三日で勝負とされているのは貴重なご経験であると思います。

 但し、これらの頻繁な配合変化を必要とするのは、急性疾患のケースと、慢性疾患であっても亜急性化したり、病状が重篤化している状態のケースに限られるのではないかと思います。

 人間様の場合では、難治性疾患であっても病状が固定的な場合の慢性疾患では、臨機応変の配合変化が必要であるとはいえ、同様の配合で10日毎で観察し、10日以内に明らかな効果が出れば、病態の変化がない限りはしばらくは同様の配合で様子をみる必要があります。

 確実に言えることは、急性疾患であれ、慢性疾患であれ、漢方薬の効果はそれほどゆっくりではなく、症状が激しい場合は短期間(ご指摘の3日以内)で効果の有無がはっきり出ますし、1日で判明することも珍しくないと思います。

 何年来の固定した慢性疾患ですら、その効果の有無はほとんどのケースで10日以内に効果の有無が判定できます。

 ともあれ、猫ちゃんたちの忍耐強い闘病の姿を思い出すと、本当に切なくなります。

ご報告頂いたかなり具体的な漢方投与のご経験は、猫ちゃんたち専門漢方薬局の貴重な教訓になるものと思います。

「漢方の効き目はゆっくりおだやかだから」という謬説が世に喧伝されているのは、どうしようもない問題で、最初から1ヶ月分の漢方薬投与や販売が横行している現実は目に余るものがあります。
 これが出来るのは、病状が安定期に入り、徹底した体質改善を行うべき段階に達した時点ではじめて可能となるので、頑固な慢性疾患であっても初期には10日前後で反応を確かめながら配合の微調整を繰り返す必要があります。

 現実には多種類の難病が合併している人では、多種類の漢方薬類をほとんど日ごとに配合変化することで、数年がかりでようやく長期間の苦痛に満ちた病状が半減するに至っているというケースもありますので、固定観念を持ってはならないと思っています。

 長期間の難治性疾患でも日毎の配合変化が必要なケースでは、病人さん自身に習得してもらえるから可能なことであって、物言わぬ猫ちゃんには大変な困難を伴うものと存じます。

 貴重なご報告、ありがとうございました。
40年の本業でありながら、人間様だけが専門ゆえ、猫ちゃんの漢方治療の経験があまりに乏しいので、何のアドバイスもできないのが心苦しい次第です。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 08:21| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする