2016年01月16日

10年以上前に卵巣嚢腫の漢方薬を飲まれていた人が

2006年01年16日のボクチン(1歳)
2006年01年16日の茶トラのボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

 10年以上前に、村田漢方堂薬局で卵巣嚢腫に効果のある漢方薬を求めて来られていた人が、久しぶりに他の目的で来局された。

 しかしながら、うっすらとお顔を覚えていても、当時の相談カードを取り出してみたところで、こちらはサッパリ記憶がなくなっている。

  卵巣嚢胞ではなく、卵巣嚢腫と記載されている。

 既に片方のチョコレート嚢胞の手術を受けられていたが、問題は反対側の卵巣嚢腫であり、その大きさの記録も書いてある。
 
 常に3〜4種類の漢方処方を組み合わせており、病院の検査で次第に小さくなっていった途中経過も書いてある。
 その間、4〜5回の配合の微調整を行っている。

 随伴していた頭痛や浮腫もしっかり治って行った経緯の記載もある。

 記録ではその後、音信不通となっていたらしいが、そのままめでたく自然妊娠されて、40歳までにお2人を出産されていた。

 そのまま卵巣嚢腫も治って現在に至り、今回はまったく別領域の目的(予防兼治療)で久しぶりに来られたという訳だった。

 それにしても、相談カードはしっかり残っているのに、記憶からサッパリ消えている。

 10年以上前に、当方で漢方薬を利用され、そのまま根治されて、久しぶりに他の目的で来られる人も多いが、これほど記憶からサッパリ消えているのは、老化のせいだとは思いたくないのだが・・・。

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2010年01年16日のボクチン(5歳)
2010年01年16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年01年16日のボクチン(5歳)
2010年01年16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年01年16日のボクチン(5歳)
2010年01年16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年01年16日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年01年16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2015年04月10日

チョコレート嚢胞が漢方薬で根治して以後も

2009年04月10日の茶トラのボクチン(4歳半)
2009年04月10日の茶トラのボクチン(4歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 現在、両方の卵巣にチョコレート嚢胞があり、手術を予定されているが、その時までに少しでも良い状態にしておきたい、あわよくば手術前に根治させたいという希望で通われている人がおられる。

 そこで思い出したのが、以前にも少しこのブログで書いたことがあるようにも思うが、片方だけに生じた卵巣チョコレート嚢胞を手術後、間もなく片方にも生じたので、二度と手術はしたくないというので、10年前頃に相談に訪れた女性。

 中草薬類も含めて最初から4〜5種類の配合で始めてもらい、体調がよくなっているはずなのに、一時、ネットでの相談通販に切り替えたら、却って調子が狂ったといって、直ぐ戻ってこられた(苦笑。

 その後は真面目に継続されて、いつの間にか5年以上が過ぎていた。
 その頃は関東に転勤されていたが、電話で補充注文があったときに、その後の経過はどうなのよ? あれから何年も経つのに? と問えば、既にとっくの昔に根治したという診断が下っているが、そのまま飲んでいた方が体調がよいので、まだ続けていると。(もっと早く知らせとけよっ。)

 その後、妊娠中は一時、当帰芍薬散に切り替えたものの、産後は当初とまったく同じ配合に戻して、既に最初から10年。漢方薬に完全に嵌ってらっしゃる。

 ともあれ、過去の同じ卵巣チョコレート嚢胞の漢方薬の根治例で思い出すことは、五苓散も加えておいたほうが、効率がよかった例が多いようにも思われる。
 上記の女性は猪苓湯は使用しても、五苓散は使用せずに根治した例だが、あくまで弁証論治しだいであるとはいえ、五苓散も加えたほうが効率がよいかも、と思うのは、次の記事を読んだからである。

 東洋医学会誌だったか、高齢者の手術不能の硬膜外出血に対して、五苓散を投与したところ、多くの例で改善効果があったという類の報告があった。
 まったく異なる疾患ながら、イメージ的には共通性を感じる部分があるからである。

 それゆえ、上記の4〜5種類の方剤のうちのいずれかと、五苓散に入れ替えるか、あるいは単に五苓散を追加するか、などの工夫である。いずれがより効果的かは研究する余地がある。

 他の婦人科系疾患でも、赤ちゃんの頭大に増大した卵巣嚢腫には、強力な活血化瘀の方剤に莪朮や中草薬類(田七など)とともに、猪苓湯や五苓散まで加えて、大量の利尿とともに、ほんの短期間で縮小した例がある。(主治医があまりの即効に驚愕されていたが・・・)
 但し、数ヶ月で中止すると、直ぐに大きく再発したので、5年以上も徹底的に続けることで、ようやく根治。その後も25年以上再発はみられない。

 卵巣癌を疑い続けられた女性のケースでも、同様に疎肝調経活血の方剤に中草薬類(田七など)とともに五苓散まで加えて、何度も消えたかと思うと、ちょっと油断すると出没して、その後15年以上?続けることで、ようやく完璧に消失して疑いが晴れたというケースがあるなど。(その後も継続服用して既に数年以上経過。)

 まだまだたくさんある症例を思い出しても、五苓散を加える意義を、チョコレート嚢胞でもイメージ的には共通したものがある。
 
 いずれにせよ、長期間にわたって継続する根気がなければ、真の意味の根治は望めないことが多い。

 ついでにいえば、子宮頸部異形成に対する薏苡仁エキス製剤の有用性の研究では、長期間の服用で軽度異形成に対する明らかな有用性とともに、中等度異形成についても、一定の有用性があるようだ、と「漢方研究」誌2月号と3月号に、伏木弘医師の研究記事が掲載されていた。
 とすると、高度異形成についても、従来の中医学的漢方薬の配合方剤に、プラス・アルファの意味でも、比較的安価な薏苡仁エキス製剤を加える意義があるかもしれない。

 ちょっと今日はダラダラと書き過ぎたな〜っ

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2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 
 

2014年11月15日

続:子宮内膜症、チョコレート嚢種、子宮筋腫が併発している女性からのご質問

2010年11月15日のボクチン(6歳)
2010年11月15日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:

 早速、お返事いただきましてありがとうございます。
 村田さんの文面を読んで、村田さんのおっしゃっていることが正しいのだろうと感じました。

 来年春頃手術を受けることを前提に、貴店の処方してくださる漢方薬を試してみたいのですが、下記の質問の答えを教えていただけると幸甚です。

 ある程度効果があることを感じないと、自信をもって手術を受けられないことと、今後の将来設計も計画できません。
 現在は一日6時間程度の仕事をしていますが、体調が落ち着いたら転職し、フルタイムの仕事について、余裕ある収入を得たいと考えております。
 よろしくお願いいたします。

質問1
貴店のブログによると、子宮内膜症は漢方薬で根治しやすい実績があると書かれていましたが、子宮内膜症が治ったと判断するのには病院でどんな検査をしたらいいのでしょうか?腫瘍マーカーの血液検査でしょうか?

質問2
最初はどの程度の頻度で通ったらいいのでしょうか?

質問3
診断しなければわからないとは思いますし、病状でなく体質で処方するものなので、はっきりしないと思いますが、子宮内膜症、チョコレート嚢種、子宮筋腫等などにかかっている患者さんは一般的に漢方薬はどの程度費用がかかっていますか?(現在頭痛、冷えのぼせ、右足の薬指、小指のしびれ、疲れがたまると蕁麻疹などの不調をかかえています)

質問4
予約はいつ頃からとれますか?

2010年11月15日のボクチン(6歳)
2010年11月15日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

>質問1 に対するお返事
⇒必要な検査は病院の管轄です。こちらは病院の専門医ではないので、詳細はさっぱりわかりません。
 医師に相談すべきです。
>
>質問2に対するお返事 最初はどの程度の頻度で通ったらいいのでしょうか?
当方のブログやHPを読まれておられたら、このような質問はあり得ないと思います。
 そちらの地元近辺で、一度も本格的な漢方治療を受けてない人の場合、まずは地元で本格的な漢方薬局を見つけるべきです。
 一つや二つの方剤で改善できるはずもなく、複数のやや複雑な配合を必要とするのに、ましてや、

> ある程度効果があることを感じないと、自信をもって手術を受けられないことと、今後の将来設計も計画できません。

 というお考えで、高い旅費を使って、わざわざ遠慮はるばる来られるには及びません。
 期間限定で漢方治療の効果を確かめる目的で、体力を損ない兼ねない遠方の当方を選ぶべきではありません。
 遠方から来られる人達は、いずれも当方に来られる意義(地元で本格的な漢方相談を数年頑張っても無駄だった人達など)があってのことです。
 貴女の場合、桂枝茯苓丸や折衝飲を試したくらいで、本格的な配合を受けてないのですから、地元近辺で探すべきです。

>質問3に対するお返事
⇒一概に言えません。癌化する可能性の有無によって幅がありすぎます。1ヶ月に換算して、2〜9万くらいでしょうか。
 これよりも、もっと高価な配合を希望され、予防兼治療に使っている人も、もおられます。

> 質問4に対するお返事  予約はいつ頃からとれますか?
当方のブログやHPを読まれておられたら、このような質問はあり得ないと思います。
 予約制ではありません。⇒ 2014年09月07日 予約制にしない理由(これ以上多忙にならいための対策とクレーマー予備軍の選別)

 なお、残念ながら、貴女のように遠方で、しかも地元近辺で本格的な漢方相談を受けたことがない人は、できるだけお断りしています。
 高い旅費を使って、遠路はるばる来られのは、却って体調を崩して、逆効果になっても困ります。

 以上、要するに、大変申し訳ないことながら、お断りせざるを得ないという結論です。
 是非、地元近辺の漢方薬局を見つけて下さいませ。

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2010年11月15日のボクチン(6歳)
2010年11月15日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年11月15日のボクチン(7歳)
2011年11月15日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年11月15日のボクチン(7歳)
2011年11月15日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母



2014年11月14日

子宮内膜症、チョコレート嚢種、子宮筋腫が併発している女性からのご質問

2008年11月14日のボクチン(4歳)
2008年11月14日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 40歳〜49歳の女性
ご職業 : 教職
簡単なご住所 : 遠方
お問い合わせ内容: 

 私は7年前にチョコレート嚢種、子宮内膜症、子宮筋腫が併発していることが発覚しました。

 しばらくは何の不調も感じられませんでしたが、4年前から腹痛や腰痛を感じるようになりました。
 病院には3か月に一度通っていましたが、根本治療ができないかと本やネットを調べ、鍼灸治療や漢方薬にに頼るようになりました。

 最初は「クラシエの顆粒の桂枝茯苓丸」を服用し、体調も安定し、腫瘍マーカーの値もほぼ正常値になり、2年半は薬の効果で腹痛や腰痛を感じることがありませんでした。

 しかし段々クラシエの桂枝茯苓丸では効き目を感じなくなってきて、生薬を服用するようになりました。
 今は折衝飲を飲んでいますが腹痛、腰痛が起こることがあります。

 現在、右側の卵巣は6センチ程になり、悪性化する前に下記の手術を受けることを考えたらどうかと言われています。
 @ 右側卵巣のみ摘出
 A 右側卵巣+子宮の摘出

 手術の話がでたひとつの理由は、腫瘍マーカーの値が上がってきているためです。
 そして一か月前から生理を止める薬を飲み始めました。

 医師からは、子宮も一緒にとってしまえば、生理が起こらなくなり、子宮内膜症も起こらないこと、正常なほうの卵巣も嚢種になる心配がないこと、そして子宮癌になるリスクがなくなるので、Aをすすめられています。

 その医師によると、卵巣や子宮をとっても、何の弊害がないと言うのです。

 私としては、本当に何の問題も起こらないのであれば、両方とってしまってもいいかなぁと思いますが、どうしても何の弊害もないという論理には疑問を感じてしまいます。

 私のまわりで、乳がんや子宮がん等で摘出してしまった人は、がんは克服できたとしても、術後も体調がすぐれなかったり、足が象足のようにむくんでしまったり、甲状腺を左右摘出しなければならなかったりと、不調の中で生活している人をよく見かけます。

 私はまだ40代前半で、これからまだまだ元気に働いて、老後に備えなければなりません。
 一回の手術でもとっても慎重になってしまいます。

 私にとって最も理想的なのは、子宮内膜症を克服して、6センチになった卵巣のみとることです。片側の卵巣のみになっても、内膜症が起こらなければ、残った卵巣までもチョコレート脳腫になることもなく閉経を迎えることができます。

 また漢方薬によって病気の予防等になったら、なおさらいいと考えています。

質問1 
 貴店のブログによると、子宮内膜症は漢方薬で根治しやすい実績があると書かれていましたが、子宮内膜症が治ったと判断するのには病院でどんな検査をしたらいいのでしょうか?

質問2
 最初はどの程度の頻度で通ったらいいのでしょうか?

質問3
 診断しなければわからないとは思いますが、子宮内膜症、チョコレート嚢種、子宮筋腫等などの病気では、一般的に漢方薬はどの程度費用がかかりますか?
(頭痛、冷えのぼせ、右足の薬指、小指のしびれ、疲れがたまると蕁麻疹などの不調をかかえています)

質問4
 予約はいつ頃からとれますか?

2008年11月14日のボクチン(4歳)
2008年11月14日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 頂いた文面からは、腫瘍マーカーの問題など、将来、癌化する可能性が高いのでしたら、もしも本当に癌化した場合、年齢がお若いだけに、高齢者よりも進行が早い傾向にありますので、主治医が奨められる通りに、Aの手術を行うのが順当だと思います。

 術後の後遺症については、しっかりフィットした漢方薬を配合すれば、という条件付ですが、とても有効で、多くの後遺症をかなり軽減することが可能です。

 主治医に癌になる恐れを指摘されているのでしたら、ほとんど根治率は極めて高いはずです。

 ちょうど貴女と同じような状況下(癌化の可能性があり得るという診断)で、確信犯的に手術を嫌って、関東から通われている三十代の女性もおられますが、こちらでは手術を受けることを奨励・説得しつつも半年間継続された時点では、検査上は悪化もしないかわりに、よくもならず、体調だけは好転していますが、やはりこの女性が確信犯的に有無を言わさず押しかけて来られた理由が、身近で若い友人達が、術後の後遺症で相当に苦しんでおられるということでした。

 いずれにせよ、術後の後遺症の問題こそ、漢方薬でその多くを改善できるので、若い人こそ、高齢者と違って体力があるのですから、積極的に手術を受けるべきだと思います。

 もしも、若い年齢で発癌すれば、進行が比較的早い傾向にあるのは、決して都市伝説などではないようです。

 繰り返しますが、術後の後遺症については、しっかりフィットした漢方薬を配合すれば、という条件付ですが、とても有効で、多くの後遺症をかなり軽減することが可能です。

 取り急ぎ、お返事まで。

明日のブログに続く。

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2008年11月14日のボクチン(4歳)
2008年11月14日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年11月14日のボクチン(6歳)
2010年11月14日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年11月14日のボクチン(7歳)
2011年11月14日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年11月14日のボクチン(7歳)
2011年11月14日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ


2014年07月30日

距離的・体力的に無理な「卵巣チョコレート嚢胞」のお問い合わせ

2011年7月30日のボクチン(7歳)
2011年7月30日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
年齢 : 40歳〜49歳の女性
簡単なご住所 : 中部地方
お問合せ・ご連絡内容 : 私は直腸子宮内膜症で2年前に直腸切除の手術をしている42歳の女性です。

 手術後、卵巣チョコレートのう腫がすぐ出来てしまい、現在も消えていません。
 不妊治療をしていますが、一度妊娠したものの流産しています。

 子供のころから冷え症で、胃腸が弱く漢方も今まで何度も試していますが、お腹がはるようになることが多くて漢方はあなたには合わない(それは西洋医学の先生ですが)と言われてから試していません。

 先生は、胃腸が弱くても可能な漢方薬処方をしていただけますか。

 胃腸が弱い人は中国ならお尻から入れると聞いたことがあります。本当でしょうか。

2011年7月30日のボクチン(7歳)
2011年7月30日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール
 体力的に通える距離であれば、十分に可能ですが、距離的に不可能だと思います。

 胃腸が弱い人は、体力的に長距離旅行は負担が大き過ぎますので、地元近辺で楽に通える範囲で見つけられるのが無難です。

 先日も五十代の女性が関西地方から、10日毎に通うつもりで来られたのはよいのですが、新幹線のエアコンが体に応えて、帰宅後に風邪を引いて寝込んでしまい、一時こちらの漢方薬を中断せざるを得なくなりました。
(柴胡桂枝湯を飲むようにアドバイスしたところ、往来寒熱と微熱は治まったようですが・・・)

 風邪を引くと持病を悪化させる疾患(関節リウマチなど)でもあったので、結局、体力的に通うのは無理だと分かり、断念してもらいました。
 早めに無理だと分かって、不幸中の幸いと思って、ほんの一週間前に断念してもらったばかりです。

 関西地方よりも遠いそちらでは、当方に通うのは体力的に到底無理だと思います。

>胃腸が弱い人は中国ならお尻から入れると聞いたことがあります。本当でしょうか。

 中国でなくても、日本の某薬学部の私の同級生の教授が、その方面の研究をしていましたが、どの程度実用化できたのか?
 とても面倒な作業が必要になるので、現実的にはどうなのでしょうか?

 たしかに胃腸があまりに弱いと、胃腸を丈夫にしながら配合を工夫しなければならないので、遠方であればなおさら無理だと思います。

 地元近辺の専門薬局で、相談してみられるべきだと思います。

 医師の漢方は、数十年来のベテランで自費の漢方専門クリニックでなければ、まったくアテにならない場合がほとんどのようです。

 取り急ぎ、お返事まで。

2011年7月30日のボクチン(7歳)
2011年7月30日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:
 お忙しい中、早速のご返答ありがとうございました。

 胃腸が弱いというのはやはり、難しいようですね。
 体力はあるほうなのですが(登山が趣味です)、やはり下関は遠いです。
 残念です・・

 先生のブログを拝見したら、通常の処方ではない方法で子宮内膜症を治されるとあったのでとても気になりました。
 今まで小建中湯(これが一番お腹がはります)に苓桂朮甘湯、冠元顆粒や婦宝当帰膠など試したことがあります。

 胃腸が弱い子宮内膜症の方にはどのような処方をされたことがありますか。もし、差し支えなければ教えていただけないでしょうか。

2011年7月30日のボクチン(7歳)
2011年7月30日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

> 胃腸が弱い子宮内膜症の方にはどのような処方をされたことがありますか。

 胃弱のタイプも様々ですので、一概にここで書く時間的な余裕がありません。
 ましてや、同じ胃弱でも貴女と同じとは限らないので、羅列するのは却って誤解を生じるだけです。

 蛇足ながら、当方では小建中湯、苓桂朮甘湯、冠元顆粒、 婦宝当帰膠のいずれもチョコレートのう腫の女性に使用する必要性を認めた人は、これまでのところ皆無でした。

 いずれにせよ、いずれの人もしっかり根治させるには、初期から明らかな効果が得られた人でも、最終的には数年以上必要としています。
 漢方薬の服用によって診断上根治を言い渡された人でも、漢方薬を中止すると、体調に不安があるとかで、服用量を減らしながらも、既に10年近く現在に至るまで継続服用されている人もおられます。

追伸:今、気がついたのですが、ブログへの掲載の応諾についての記載がありませんでした。応諾を頂けない場合や記載が無い場合は、本来お返事は返さないお約束でした。
 ブログへの掲載は(勿論匿名ですが)、応諾できないのでしょうか?

2012年7月30日のボクチン(8歳)
2012年7月30日のボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:

 やはり無謀な問い合わせをしてしまったようで申し訳ございません。
 ブログ掲載はもちろんokです。
 失念していたようで重ねて申し訳ございませんでした。
 丁寧なご返答、ありがとうございました。

2012年7月30日のボクチン(8歳)
2012年7月30日のボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2014年05月29日

疼痛のみならず「下腹部の下墜感」も伴う子宮内膜症

2009年5月29日のボクちん(5歳)
2009年5月29日のボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 補中益気湯証を的確に判断する自覚症状の一つに「下腹部の下墜感」というのが中医方剤学の各種専門書籍類に必ず記載されている。

 そうは言うものの、なかなか四十年間の漢方経験からは、このような自覚症状を申告される人は皆無に近かった。

 ところが数ヶ月前、この症状を的確に表現された人がおられたので、とても感激した(笑。

 変なところで感激するようではあるが、意外にこのような的確な表現ができる人は過去には滅多になかった、というよりも皆無だったかもしれないので大いに感激したのである。

 それまで数ヶ月通われて、主訴の子宮内膜症による疼痛(生理中のみならず日常的に日々連日続く腹痛)に対して一定の効果が得られているものの、もう一歩のところで足踏みしていたところで、どうにもこの「下腹部の下墜感」にも日々悩まされているとの的確な表現をされたのである。

 そこで補中益気湯製剤を追加して服用してもらったところ、既に服用されている数種類以上の複雑な配合のバランスが調って、期待通りの的確な効果が得られている。

 なお、日本の補中益気湯製剤においては大いに疑義があるが、これを書いていたら朝になって仕事の差し支えるので省略(苦笑。

2010年5月29日のボクちん(6歳)
2010年5月29日のボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年5月29日のボクちん(8歳)
2012年5月29日のボクちん(8歳) posted by (C)ボクチンの母


タグ:補中益気湯

2012年06月02日

チョコレート嚢胞の術後に生じた鼠径部子宮内膜症のしこりと疼痛に対する漢方薬

KSC_5381
KSC_5381 posted by (C)ヒゲジジイ

 以前、関東から上記の病状で、地元の大学病院でも手術が不能であり、たとえ手術しても少しでも残っていれば子宮内膜症が色んなところに飛び散るだけだからという理由で、鼠径部の疼痛に耐えられないので、痛みだけでもとってほしいと遠路はるばる毎月通って来られる人があった。

 当然、病院では低用量ピルなど様々に投薬が行われても、いずれもすべて無効。

 そこで村田漢方堂薬局の定石通り、牛膝散製剤に猪苓湯を重ね日本漢方とはまったく無縁の中草薬類を加えてようすを見るも、一時的に効果があったもののしばらくすると元のレベルに戻ってしまった。

 数ヶ月通われるうち、以前虫垂炎を繰り返し、その都度抗生物質で散らしているが、今度発症したら摘出手術が予定されていた。
 それをヒントに細菌感染が絡んでいるのではないかと勝手な想像を巡らし、これまた日本漢方とは無縁のその筋の中草薬を高濃度で併用してもらったところ、悩ましかった鼠径部の疼痛は激減し、腫瘤も自覚的に柔らかくなり小さくなったということだった。

 しばらく続けるうち、今まで手術不能と断言されていた主治医が手術可能だと言い出して、めでたし、メデタシではあるが、もしかして漢方薬には負けてはならじと、プライドが許さなかったのかどうかっ???

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KSC_5314 posted by (C)ヒゲジジイ

2012年04月04日

半夏厚朴湯は桂枝茯苓丸とは併用できないなんてウソ!

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ASC_9659 posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾
【 年 代 】:40〜49歳 の女性
【 地 域 】:近畿
【 お問い合せ内容 】: 初めまして・・

 当サイトにご相談されていた内容を拝読し、私の現在の状況に似ていた事から質問をさせて頂くことにしました。

 4年程前、生理の度に激しい頭痛に見舞われ、脳神経外科でMRIを受けた所、脳に異常はなく、鼻にアレルギーがあり三叉神経を冒されているのでは? と言われました。
 耳鼻科にも通いましたが、特に改善もなく・・

 その頃から生理の出血が真っ赤になっていたこともあり、婦人科を受診したところ、『子宮筋腫(4cm位)が1つと小さい筋腫がある』と診断されました。
 場所的には問題も無いことと、年齢的に閉経を待った方が良いと言われ、それから桂枝茯苓丸を服用しています。

 3ヵ月経った頃から、出血が軽くなり、腹痛もなくなり、頭痛も緩和されました(寝込むことはなくなりました)。 「良い漢方薬に出会った」と思っていました。

 が・・最近、手のむくみやだるさ、関節痛などの症状が見られ、血圧も140近くになる事があります。

 年齢的にも『更年期障害』が始まっているのか? とも思いますが、

 桂枝茯苓丸単独の服用は危険という貴社のサイトを拝読し、とても心配になりました。

 上記記載の症状は婦人科で相談したところ、当帰四逆加呉シュユ生姜湯や半夏厚朴湯を処方されました。

 当帰四逆加呉シュユ生姜湯を服用すると、胃が痛むので服用をやめています。
 半夏厚朴湯は桂枝茯苓丸とは併用できないようで、半夏厚朴湯のみになると、筋腫の治療にならないので、桂枝茯苓丸を優先するように勧められます。

 私の病状で一番良いのはどの漢方薬を服用することでしょうか?

 生理も2ヵ月に1度になり、量もほとんど無い状態です。

 お忙しいと思いますが、ご回答よろしくお願い致します。

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ASC_9661 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:
> 私の病状で一番良いのはどの漢方薬を服用することでしょうか?

につきましては、このメールだけではお答え不能です。但し、

> 半夏厚朴湯は桂枝茯苓丸とは併用できないようで、

 これについては何を根拠に併用はできないというのでしょうか?
 もしも貴女が半夏厚朴湯がフィットしているのでしたら、子宮筋腫の問題もあることから、半夏厚朴湯と桂枝茯苓丸の併用は何の問題もないことになりますが、どうして併用してはいけないのでしょうか?

 茯苓が二重に重なっても決して問題にはなりにくい量です。むしろ浮腫やだるさにも効果を発揮するかもしれません。

 要するに、もしも半夏厚朴湯がフィットする部分があるのであればという条件つきですが、半夏厚朴湯と桂枝茯苓丸の併用は何の問題もないはずです。

 ともあれ、最初に書きましたように、そのほかにも併用すべき方剤があるかどうかまではアドバイス不能です。

 取り急ぎお返事まで。

【編集後記】  頂いた文面に「桂枝茯苓丸単独の服用は危険」と書いたブログがあると書かれているが、これはやや誤読に近い。
 実際には体質によっては桂枝茯苓丸の単独使用は思わぬ弊害をもたらすという現実という表現をした実話をブログに過去書いているが、ニュアンスはかなり異なると思う。


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ASC_9657 posted by (C)ヒゲジジイ


2012年01月21日

子宮筋腫は桂枝茯苓丸が専売特許とは限らない

KSC_1224
KSC_1224 posted by (C)ヒゲジジイ

 すでに本ブログの2011年01月10日 みずから少腹急結の典型的な徴候を訴える女性で取り上げたことだが、閉経後に子宮筋腫が4個残ったまま、それが災いして腰痛や下腹部膨満感や膀胱の圧迫不快感など様々な症状に苦しむ女性。

 定石通り、桂枝茯苓丸加薏苡仁を主軸として猪苓湯、田七末などでその作用を増強したつもりが、いつになく効果が見えない。

 実際のところ服用もやや不真面目で飲み方もまばらだから、中途半端な服用では止むを得ないかも、と思っていたが・・・

 このまま行くと手術になりそうだと医師に告げられたところで、過労と精神的なストレスが昂じた折、少腹急結の典型的な徴候をみずから訴えることがあった。
 このことはその当時のブログにも記した通りで、すなわち左下腹部の異常など、典型的な桃核承気湯証の訴えである。

 そこで桂枝茯苓丸を中止して、桃核承気湯に切り替えた途端、みるみる様々な自覚症状はすべて雲散霧消するに至った。

 次の検査では四個あった子宮筋腫はいずれも萎んで小さくなり、主治医からもこれで手術の必要が無くなったことを保障された(笑。

 めでたしめでたしで、その後も継続服用することで現在に至るまで当然のことながら、まったく再発の兆候は皆無。

 子宮筋腫は必ずしも桂枝茯苓丸が適応するとは限らないという、とても重要な教訓である。

 子宮筋腫の相談では実際の現実問題として、過去の多くの経験でも、桂枝茯苓丸でもなく桃核承気湯でもなく、牛膝散やあるいは折衝飲こそ主方でよかった例も実に多い。

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ZZZ_8463 posted by (C)ヒゲジジイ


2011年12月24日

桂枝茯苓丸証に遭遇する機会が増えてはいるが・・・

季節外れのアカイエカ
季節外れのアカイエカ posted by (C)ヒゲジジイ

 重症化したアトピー性皮膚炎の人達の多くは瘀血が伴っていることは日常茶飯事。それゆえしばしば大黄牡丹皮湯や腸癰湯を配合に加えることが折々にあるものの、多くは大黄配合剤による大黄や莪朮などの駆瘀血作用に依存することが多かった。

 しかしながら、昨今、どうしても桂枝茯苓丸でなければならない女性たちに遭遇する機会が増えている。
 いまさらながら、桂枝茯苓丸の多方面に亘る適応領域を再認識する昨今ではあるが・・・

 ところが、閉経後の子宮筋腫が不穏な動きをしているとて、病院では定期的な検査を必要としつつも何の治療も行なってもらえず、腹部や腰などの様々な不快症状が継続して悩まれている婦人に、定石通り桂枝茯苓丸料加ヨクイニン莪朮を主体に続けてもらっても効果は微弱。

 やはり正確な弁証論治が必要であり、小腹急結の自覚をあるを見付け、桃核承気湯加莪朮に切り替えたところ、自覚症状は速効があり、定期健診でも明らかな縮小をみて、半年経つころには主治医からも、もう何の心配もありませんと告げられた。

 何がどう心配ないのか、その判断は主治医のなさることで、こちらは西洋医学の薬物治療の限界を漢方薬でサポートしてあげているだけである。

 それなのに、薬局漢方の存在を認める医師もいれば、認めようとしない医師もいる。

 そもそも存在を認めるも認めないも、古くから漢方薬という東洋医学の伝統を守って来たのは市井の一握りの医師と多くの薬剤師たちであったことを強く認識すべきである。

 それゆえ病院の漢方が一見盛んになったように見えても、病院の保険漢方とは無縁の藿香正気散や牛膝散製剤や折衝飲をはじめ補気建中湯や分消湯、あるいは延年半夏湯や独活寄生湯、あるいは沢瀉湯や玉屏風散に温胆湯や葛根黄連黄芩湯など、まだまだ実に多種類の第2類医薬品の漢方エキス製剤を販売する権利と資格を有するのが市井の薬剤師たちが経営する薬局や薬店なのである。

 といってもヒゲジジイがあの世に行った後、次の代に我が薬局を継ぐ薬剤師はおらず、たとえ継ぐ奴がいても資格は医師だからおそらく薬局としては存在しなくなることだろう。それゆえ、本音はやや複雑な心境っ。

 まっ、あの世に行ったあとは、この世のことはどうでもよいけどっ。

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IMG_3702 posted by (C)ヒゲジジイ

2011年01月10日

みずから少腹急結の典型的な徴候を訴える子宮筋腫の女性

雨の中をシロハラがやって来た
雨の中をシロハラがやって来た posted by (C)ヒゲジジイ

 昨年暮れからほとんど日が照ることがないので、思うように鳥を撮影することができない。今日も雨の中を屋根の下から高感度撮影して鬱憤を晴らす。

 そろそろブログを更新しておかないと・・・そう言えば昨年、みずから少腹急結の典型的な徴候を訴える女性がいた。

 閉経後も子宮筋腫が災いして様々な自覚症状を訴え、婦人科でも定期的に検診を受けている。
 なるべく手術をしたくないので、ということで桂枝茯苓丸加薏苡仁に猪苓湯、田七末などで様子をみていたが、それほどパッとしない。

 そのうち過労と精神的なストレスが昂じた後、少腹急結の典型的な徴候をみずから訴えることがあった。すなわち左下腹部の異常など・・・そこで主方の桂枝茯苓丸を中止し、桃核承気湯に切り替えたところ、速効で体調もすこぶる良好となり、膀胱の圧迫症状なども即座に解消した。

 次の検査では明らかに子宮筋腫が縮小したと医師に告げられた。

 おりおりに漢方薬を利用されている人は、漢方的に必要な表現力をいつの間にか身につけられ、症状の訴えが的確な人も多い。

 こういう人ばかりだったら弁証論治の苦労も少なくて済むのだが・・・(苦笑。

もちろんメジロ
もちろんメジロ posted by (C)ヒゲジジイ

タグ:桃核承気湯

2008年10月01日

子宮内膜症には古方の方剤ではやや非力なのでは・・・

 最近子宮内膜症関連の新人さんが続いているが、子宮内膜症はアトピー性皮膚炎よりも得意かもしれない。

 皆さんいずれも医療用漢方製剤や漢方薬局で煎じ薬などを服用した経験がある人が目立つ。あるいはチョコレート嚢胞などを併発して一度は手術した人も多い。
 
 多くの人が、当帰芍薬散や桂枝茯苓丸料などありふれた古方のエキス製剤や煎じ薬、あるいは婦宝当帰膠というパンダ薬局十八番の製品を主体にした配合が目立つ。
 いずれも当方ではそれらの方剤くらいでは内膜症にはやや力が不足だと愚考することから、ほとんど使用しない方剤である。

 比較的パターン化しやすいのもこの子宮内膜症で、軽症の人から重症の人まで、これまでまあまあ、というかとてもよい実績がある。アトピーほど苦労が要らない分、確率はアトピーよりも上かもしれない。

 最近ブログに気が乗らないので、ついついタダの宣伝になってしまった(苦笑。
 でも及び腰や迷ってる人達なら来られる必要はありませんよっ。本気の人でなければ、ぜんぜん頭が回転しないから。

2008年09月12日

子宮内膜症の漢方相談

性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 公務員
簡単なご住所 : 近畿地方
お問い合わせ内容 : 初めまして。子宮内膜症について調べていた時に、こちらのホームページにたどりつきました。
 私は20代に入ってから生理痛が強くなりだしたのですが、半ば頃から産婦人科にかかるようになり、子宮内膜症の診断を受けながらも特に治療は無く、痛み止めの処方のみされていました。

 その後病院をかわり、痛み以外に嘔吐や下痢を伴うようになってしばらく経った29歳の頃に、チョコレートのう胞で腹腔鏡手術を受け、連続してしばらくホルモン治療を行いました。その治療では目立った変化はなく、近くの漢方薬局で相談するなどしながら何とか嘔吐はしないようになっていたのですが、31歳を前にした春に今度は癒着による腸閉塞を引き起こし、開腹手術を行いました。

 その後はまた何の治療をするでもなく、ただ自分で探し出した漢方薬局に通っていたのですが、今回の生理中に激痛で救急搬送されてしまいました。原因はまたチョコレートのう胞のように溜まっていたものが破れたようだ、とのことでした。西洋医学では治療が難しいといわれる病気なので、何とか漢方薬でとあれこれ探していたのですが、今回こちらのお店を知り、ここなら何とかしていただけるのでは、と思い問い合わせをさせていただきました。

 お店におうかがいしたいと思うのですが、予約などは必要なのでしょうか?
 あまり近くはない上に仕事を持っているため、平日は厳しいのですが、土曜日は混むそうですし、そのあたりについてもお聞かせ願えますか?よろしくお願いいたします。


お返事メール: 子宮内膜症は比較的漢方薬の得意分野ではないかと感じています。
 チョコレート嚢胞を伴う場合は、3〜4方剤の併用がこれまでの通例でした。程度によっては高濃度を必要とする場合もあります。

 漢方薬によって治癒した証明は当然ながら婦人科で行ってもらうことになりますが、基本的に治っていると診断された後でも関東地方の女性で数年以上経った現在も予防で継続服用している人もおられます。それくらいの根性が望ましいと考えています。
 相当に重症な人も現在通われていますが、通える範囲内であるだけに疼痛軽減についてはかなりな速効を得ています。

 ところで貴女の場合は、土曜日しか日程がとれない御様子ですが、土曜日は午前中(延長戦ばかりですが)ですので混雑しやすく、また遠方から一度だけ、それも一日だけというのは体質の把握と意思の疎通において不十分なために十分な弁証論治が出来ない可能性があります。

 遠方で滅多に来られない人では少なくとも二泊三日で、三日連続のご相談が望ましいのです。

 数ヶ月前にもアトピーで日帰りで来られたケースで、その後のメールだけでは意思の疎通の点で大いに問題があった苦い経験をしています。
 長年のステロイド漬けであるからには、これまで同様に塗布しながら漢方薬を利用されるべきところを、信じられない思い込みから、当方の漢方薬の利用をきっかけに無理にほとんど中止されてしまったという、絶対にやってはいけないことを見逃してしまった例があります。
 実際には来られた時にも、その後のメールでも念押ししていたのに、意思の疎通の不徹底から、思い込みを覆すことが出来なかった例です。

 ところが二泊三日くらいで来られれば、かなり意思の疎通が行えて今後の方針などを詳しく説明することも可能で、以後のメールによる微調整なども比較的スムーズに行きやすいのです。

 ところが貴女のご希望のような慌しい土曜日の1回限りの漢方相談であれば、意思の疎通をはかることは不可能だと思います。
 但し、たとえ土曜日だけでも1〜3週間毎に通えるというのであれば、そういう人はかなりおられますので十分可能なのですが・・・。

 もしも土曜日だけ一回ポッキリのご相談で、あとはすべてメール相談に移行というのであれば、上記のような例があったばかりだけに、うまく行くとは限らないと思いますので、現在通われている「漢方薬局を育てる」くらいのつもりで、執拗に通い続けるのが最善だと思います。

以上、お返事まで。


折り返し頂いたメール:お返事ありがとうございました。
 丁寧にご説明いただいて、漢方薬の子宮内膜症に対する有効性や、薬局の方との意思疎通の重要性がわかりました。
 一度で簡単に済むとは決して思っていませんでしたが、二泊三日で通うというところまでは想像していませんでした。
 現在仕事を持つ身ですので、二泊三日は難しいと思います。

 でも、初回を平日にしてその後は土曜日も織り交ぜつつなら、何度か通うことは出来ると思っています。
 現状維持しつつ将来的には妊娠出産も可能、ではなく、今のこの状態を何とか変えていきたいのです。
 何とか相談に乗っていただけるでしょうか?
 よろしくお願いします。


お返事メール:考えてみれば近畿地方からであれば新幹線で日帰りで来られていたアトピーの人などもおられましたので、貴女のやる気次第です。

 体力と経費(苦笑)を消耗する日帰りは大変だとは思いますが、たとえ慌しい土曜日ばかりを狙って来られるにしても、一度でなくて、それを何度か繰り返し、配合の微調整の方針がしっかり決まるまで、何度か通ってもらえれば、という意味ですが、一定期間を経て互いの意思の疎通がはかれると感じた時点で、メール相談と通信販売に切り替えることが可能です。

 結局は、貴女が遠路を厭わず、何度か通うという覚悟と決意があるかどうかの熱心度によるわけです。

2008年06月06日

ちくわとミミズとホース談義

おたより:関東地方の内科医師

自分は「ちくわ」って美味しくて大好きなんですけど〜先生はお好きですか?(笑
 でも、この「ちくわ」って体の構造そのものを表しているような気がするんですよね…。
 先生も同じ様な感覚を持たれているのでは…?

 あの鮎川静先生の本の始めに「ちくわの図」が書かれてあって、「この先生、ただ者ではない」と感じました。確か、この先生の医院はバスで行かなくてはいけない所にあって、この先生の医院の近くの停留所でバスが止まると全員降りてしまう…とか、大塚敬節先生が話していたのを思い出します。凄い手腕の先生だったことが伺えますよね。

 この「ちくわ」ですけど…人間の体を皮膚と腸に視点を当てて考えてみれば、皮膚は口と肛門で反転して消化管となっている訳で、ここに注目すれば人間の体は「ちくわ」と同じ様な構造をしていると考えられるんですよね。

 この皮膚と腸ですけど…解剖学的に見れば、もっとも遠い位置にあるといえます。しかしながら、この「ちくわ」構造に注目すれば…皮膚と腸とは生理学的に隣にあることになります。ですから…解剖学的にみた物理学的距離感と生理学的距離感は違うと言うことになると思います。

 ここいら辺が東洋医学の素晴らしさを語っている所でもあると感じます。表裏感からすれば、表は皮膚で裏は腸ですよね。ですから…解剖学的に遠い場所でも表裏の関係を保っている皮膚と腸とは生理学的に近い距離にあると指摘することが出来ると思います。

 この「ちくわ」構造を理論数学では「トーラス」といいます。この「トーラス」は「ドーナツ型」です。すなわち一つの物体に一つの穴が開いている構造が「トーラス」なんです。これからすれば…「トーラス」=「ちくわ」です。
 ということは、東洋医学を西洋的な考え方で説明できる土台ができあがっていることを示しているとも感じます。

 最後に…皮膚と腸の距離の近さの実例を挙げたいと思います。
 アトピーで苦しみ克服した方が自分のお子さんを育てるのに如何にアトピーを起こさないで育てることができるか?と考えた…という記事を目にしたことがあります。
 その方曰く…
「夏には、しっかりと汗をかかせること」と「便通をととのえること」でした。

 やはり…病気を経験した方は医者以上のことを感じ取っていると痛感します。ですから…私たち医療従事者は、その声を無駄にすることなく患者さんに帰していくことが求められるのだと思ったりします。

でも…「ちくわ」って美味しいですよね〜(笑。


お返事メール:おたより、ありがとうございます。
 皮膚と腸管の表面は、ミミズを逆剥けすると逆転するように、地続きで一体のものであるとする考えは、以前より様々な立場から指摘されているようですね。
 ミミズと「ちくわ」では美味しさの点では比較になりませんが、ミミズの方は小生愛用の医薬品ですっ!

 鮎川静先生のご高著は、古方派時代には一時のめり込んだ時代が懐かしいです。門前市をなす盛況、大人気の名医にあやかって、当時、盛んに大柴胡湯合桂枝茯苓丸料合当帰芍薬散料など、柴胡剤と駆瘀血剤の合方を行ったものでした。
 でも、残念ながら鮎川先生の模倣をしても、閑古鳥が鳴く日の多い薬局でした(苦笑。

 ともあれ、ご指摘の「ちくわ理論」を地で行く方剤の一つが、小生の乱用する「茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)」です。

たとえば、漢方薬による子宮内膜症の強烈な疼痛・生理痛の治り方 で取り上げた女性の場合、10日毎に通われて、本日ちょうど五度目の来局で、ちょうど40日の服用ですが、ここ一週間は完璧に疼痛が消失し、病院の鎮痛剤もまったく不要になったとの報告を受けました。

 配合処方は牛膝散製剤・猪苓湯・茵蔯蒿湯・田七末の四種類です。このようなシンプル?な配合で、難治性と言われた激しい疼痛が僅か三十日でほぼ完全消失です。同時に顔面に生じていた凸凹状の吹き出物も完全消失して絶世の美人に戻ったのには皆で祝福したほどです(笑。

 このように婦人科系疾患においてさえも茵蔯蒿湯の有効性を証明したものだと自画自賛しているところです。

 この茵蔯蒿湯こそ、先生の「ちくわ理論」を証明する代表的な方剤の一つであろうかと存じる次第、是非、お試しあれっ。


折り返し頂いたメール:ちくわの肉に注目しなはれ!ということかな?
了解です!
GOOD NIGHT!(笑

肉中央部の穴ですよね。分かってきました…v(^^)v


ヒゲジジイの折り返しのメール:もちろんその穴もですが、同時に肉もですっ! 先生の洞察力は天下一品ですっ!

 一般的には、ホースのような管でたとえて、それを逆剥けにしたイメージで、皮膚と腸管表面はひと連なりで地続きと言われますが、肉質の多いミミズに喩えたほうが真実に近いように思います。

 少陽三焦理論によるイメージの世界です。
 少陽三焦は気と津液の流通ルートではありますが、血は気に乗って運ばれます。


折り返し頂いたメール:確かに「ちくわ」だと穴が大きく、ちょいとイメージから離れている感じがありますものね。では‥これからは「みみず」で行きたいと思います(笑。
 さて‥

>少陽三焦は気と津液の流通ルートではありますが、血は気に乗って運ばれます。

 ん〜これ‥というか、この感覚を大切にして自分の中で培養したいと思います!
 自分の場合はインプットして‥ばっちり感覚として捉えられるまで、時間がかかってしまいます。他の先生はリンパ系を指しているのでは? という意見もあり‥色々な側面から結びつく点を探したいと思います。これも‥時間が必要ですね(笑。

 やっと猪苓と茵蔯蒿がつかめた様な気がしたのに‥底なしですねぇ〜(笑。でも、この二つが分かったということは自分にとっては大きな進歩です。この二つが、なんとなく分かった事で‥傷寒論の全体像がはっきりしてくる感覚があります。

 自分の場合、体の中の気の流れは、しっかりと分からないんですが‥体表面の気の流れは非常にダイナミックに感じることができます。これは感覚的に分かります。体の悪い部分に気の流れの停滞(気の集中や気の低下)が起こり‥流れ方が悪くなっていることが分かります。気の停滞部分に鍼をすると10分もすれば‥気の流通の再開が始まります。(漢方的には気の停滞部分に相当する部分の臓器の充血や虚血を伴っていることが殆どです)

 自分は鍼よりも漢方主体なんですが‥気の流れも利用しています。でも‥体内は分からないんですよね。どうなっているのでしょうねぇ〜???(笑

もう一度‥解剖を調べてみようかなぁ〜とか思います。
死ぬまでに終わらないでしょうけど‥「足がかりだけでも、この世に置き土産として残したい」と言う思いで進んで行きたいと思います。ありがとうございます。


ヒゲジジイのお返事:最初からホースを持ち出すべきだったかもしれませんが、小生にはミミズの逆さ剥けの方がしっくりします。その点では、「ちくわ」はその中間で、ほどよいイメージかもしれませんが、やっぱりミミズが好きです。

 東洋医学世界の思考訓練では、先生と同様、小生も自分なりのイメージをゆっくりと構築する流儀です。まったくイマジネーションの世界で、時に適当なところで妥協しないと、矛盾地獄に陥りそうになることもあります。

 昔は、思考追及に妥協できなかったのですが、昨今は考え抜いた後、疲れが出て適当に妥協してしまいます。明らかな老化現象だな〜〜〜とがっくりくるのですが、でも、この年でHTMLやCSSを手打ちで打てるのだから、まだまだ頭の中は、まんざらではないのかも〜〜?とみずからを慰めています(苦笑。

2007年11月20日

月経困難症と子宮筋腫など



11月18日:予約をお願いしたいのですが・・・ の続き

性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
御職業 : 医療・福祉関係
簡単なご住所 : 四国地方
お問合せ・ご連絡内容 : 村田先生
 早速のご返信をありがとうございました。メールは拝見出来たのですがその後7年物の//////がクラッシュし頂いたメールも紛失してしまいましたので再びこちらから失礼致します。

 「後鼻漏」や「統合失調症」および「嫉妬が原因の我儘病」ではなく月経困難症に子宮筋腫等です。
 漢方薬の履歴、病歴があるので書くと時間がかかりそうです、持参するか先にメールでお送りする予定です。2泊3日の時間はとれず、日帰りなのですがよろしくお願い致します。


お返事メール:月経困難症でしたら多くは楽勝です。
 もちろん一定の期間はかかりますが、徐々に改善してゆくのが通例で、現在も寛解中の人が何人もおられます。保険漢方では使用できない優秀な方剤が各種ありますので、正確な弁証論治を心がけ、綿密な微調整を行えば、十分可能です。

 しかしながら、来られるのが日帰りというのはちょっと残念。強行軍で体調を壊されなければよいのですが・・・

 進行スピードの速い巨大子宮筋腫の
 10月18日:大きくなるスピードの速い子宮筋腫の御相談
 このブログの女性は、実際にはその後二泊三日の旅程で直接やって来られましたが、漢方薬服用を開始して以後の感触が良いので病院治療の併用や手術について却って苦慮されているところです。

 漢方薬の履歴、病歴などは来られるときに持参されれば十分です。

2007年10月18日

大きくなるスピードの速い子宮筋腫の御相談

性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 :中国地方
お問い合わせ内容 : はじめまして、○○県○○市に住んでいる●●と申します。3?歳の主婦です。
 このたびHPで先生のブログを見つけ、子宮筋腫についての問い合わせをさせていただきます。

 2年前に筋腫を発見した段階で7cm、1年後には9cmだったのですが、ここ4ヵ月くらいで急に腹部の張りや、自分で触っても大きくなってきたのを感じ、婦人科での検診とMRIを受けたところ15cmの大きさになっていました。
 婦人科の先生からは即刻手術を勧められています。病理細胞の検査では癌細胞は見られず、今のところ肉腫の可能性もないということです。(肉腫ならこのサイズなら死んでいると言われました)ただ、手術をするにも筋腫の大きさから出血や傷口も大きくなるため、ホルモン治療で筋腫を小さくしてから手術する選択肢もあると言われました。

 これまで、手術はできるだけ避けたく、自然療法的な方法をとっていましたが、もう手術もやむを得ないかと思っています。それまでに少しでも筋腫を小さくしたいと思っており、ブログで巨大筋腫をホルモン治療と漢方治療で小さくした方の話を拝読しましたが、私のように更に大きいサイズでも有効でしょうか?
 
 もしくは時間がかかっても漢方治療で小さくしていくこともできるのでしょうか?(出産は希望しています)現在、筋腫による生理痛や出血過多による貧血などはありません。
 一度そちらへお伺いしたいと思っておりますが、あまりのサイズの大きさにおそれをなして、とり急ぎメールでご質問させていただきました。
 お忙しいところ申し訳ございませんが、お返事いただけるとありがたいです。


お返事メール:腹部の張り以外には「筋腫による生理痛や出血過多による貧血などはありません」とのことですので一見治しやすい状況にも思えるのですが、それにしても進行スピードがあまりにも速いので、漢方薬で可能性があるにしても、やはり病院治療の「ホルモン治療で筋腫を小さく」する方法も必ず併用すべきだと思われます。

 つまり、しっかりと体質条件に適合した漢方薬類(専門的には的確な弁証論治に基づく漢方処方類の的確な組み合わせ)を西洋医学におけるホルモン剤による治療と併用することで、子宮筋腫の十分な縮小が得られるかもしれません。

 しかしながら、まだまだとてもお若い年齢を考えると(もっと高齢であれば閉経するまで持ち越せば多くの場合、手術なしで解決するのでしょうが・・)、出産のご希望も含めて考えれば、苦渋の状況、お察して余りありますが、大きくなる進行スピードから考えますと、ホルモン治療と漢方を併用するにしても、十分に可能ですとまでは断言できるわけではありません。

 もちろん当方とて、漢方薬のプロの端くれとして、治療意欲が十分におありの方にこそ、手柄を立てたい気持ちは山々なのですが・・・。

 以上、とても歯切れの悪いお返事、やはり貴女のケースでは、ホルモン治療と漢方薬の併用をもってしたとしても、完全に手術を免れるほど縮小するかどうかは、ひとつの賭けであろう、としか言えない点が、何とも心苦しいところです。
 以上、取り急ぎお返事まで。

2007年08月29日

内科医の先生から巨大な子宮筋腫の続報

おたより:東海地方の内科医

 村田さんいかがお過ごし手ですか。
 お盆の前後は40度近い日がつづき熱中症の患者さんが受診され、そのあとには夏ばての方がお越しになられ、清暑益気湯が活躍しています。
  気候もさることながら、世相的にもいろいろとヒートアップしているようでして過ごしにくさを痛感する昨今です。

 本日の本題ですが、過日ご相談した20台後半で巨大な子宮筋腫をお持ちのかたの経過について報告いたします。
 柴胡桂枝乾姜湯+帰脾湯+桂枝茯苓丸を処方し、婦人科ではホルモン療法を4ク−ル受けたところで腹部エコーによる評価が行われました。
 治療を始めるまえに10X9cmのサイズでしたが、治療後のサイズは6x5cmに縮小していました。

 婦人科の先生の感想ですが。「ホルモン療法のみではここまで縮小することは経験がない。すごいことです」との良い評価を頂いたそうです。そして、「ここまで小さくなったのでもう2クール追加しましょう」とおっしゃられたそうです。
 本人としてはホルモン療法中に人為的更年期障害にちょっとまいっていたようですが、効果がよかったことに励まされて継続する意を固めたそうです。
 個人的には以前、悪性リンパ腫を診療していましたが、そのときの評価法で言えば、ほぼpartial remission(不全寛解)に該当します。

 ”邪”と”正”の両面に焦点をあてることに寄与する中医漢方薬学的治療、まさにおそるべしという印象です。
 ほかの疾患の領域にも当てはまることを想像しますと最近の過ごしにくさが吹き飛ぶ感じです。
 このような示唆に富む経験をする機会を与えてくださいまして、村田さんにはあらためて深く感謝する次第です。
 今後ともご助言おねがいいたします。


ヒゲジジイのお返事メール:まだまだ暑い日が続きます。
 ご報告、とても順調な治療経過で何よりと存じます!
 総じて慢性疾患や難治性疾患は、中医学的には扶正と祛邪を同時に行ってはじめて優れた効果を発揮させることが可能であると思います。
 桂枝茯苓丸には薬味中に桂枝・茯苓・芍薬に扶正の性質を一部保有してはいますが、方剤そのものは明らかに去邪の性質主体の方剤ですので、桂枝茯苓丸単独で適応するケースはそれほど多くないものと存じます。

 小生の近況のご報告「予告」というのも奇妙な表現ですが、数日中に、某メーカーの製品開発部門の人が現実的な製品開発の相談に来られます。本当は料亭(苦笑)に招待されたのですが、小生にはそんな趣味はないのでお断りして自宅で秘密会議(笑)です。
 以前から提案している補気建中湯エキスが実現する話を期待しているのですが、それ以外の話なら興味はないので直ぐにお帰り願うことにしています。
 いよいよ実現することを本当に念じているのですが、ヤル気でやれば1年くらいで製造許可が取得できるはずです。

 ともあれ、ますますモラルハザードの日本社会、さいわいに小生の薬局内だけは古きよき時代の日本男児やヤマトナデシコだけを選別させて頂いていますので、まるで別世界です。(その分、責任重大で四苦八苦しております。)
 まだまだ残暑が続きます。ご無理のないようお祈り申し上げます。

【編集後記】 モラルハザードはもともと雇用関係や保険分野における話であり、「モラル」を日本語的な「倫理」として「倫理観の崩壊」とした意味で使用するのはあきらな誤用である(苦笑)。

2007年08月06日

巨大な子宮筋腫に対する漢方薬の御質問

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 近畿地方
具体的な御職業 : 鍼灸師
お問い合わせ内容 : いつもお世話になっております。
 子宮筋腫の患者さんがいて煮詰まってきているので先生にお知恵をお借りしたい次第です。35歳の女性で、左下腹部が大きく腫れています。左下腹部中心に右下腹部にかけて20センチほどあります。脈は左が渋脈です。治療3ヶ月、少し大きくなってきてる気がします。

 元々特に生理痛があるわけでもなく、桂枝茯苓丸を3ヶ月処方してから大量な月経量がなくなり普通量になったとのこと。たまに便が黒っぽいらしいです。これってオ血がきっちり出てることなんでしょうか?月経が少なくなってるのが気になります。桂枝茯苓丸は婦人科で処方されたものを使ってもらってます。

 ブログの巨大子宮筋腫のところにガジュツと三稜とあり、早くしないとガンになるかもしれないので使いたいです。ガジュツと三稜は漢方専門薬局で購入してもらうのが良いでしょうか。
 エキス剤でないのでどう使用すれば良いか困っております。ご指導のほどよろしくお願いします!


ヒゲジジイのお返事メール:文面を拝見して、少なくとも桂枝茯苓丸は適切だと思いますが、確かにこれだけでは20cmもの筋腫を小さくするには薬力不足だと思われます。
 但し、「早くしないとガンになるかもしれない」というのはまったくの迷妄だと思われます。そのような理屈は成立し得ません!

 ところで、貴方は鍼灸師の資格がおありでも、もしも医師や薬剤師の免許をお持ちでないのなら、それ以上の薬物治療に介入されるのは問題点なしとしないように思われます。莪朮(ガジュツ)や三棱(サンリョウ)などを加えるにしても、正しい弁証論治を必要とし、またそれだけを加えれば良いという筈のものでもありません。ソウジュツやヨクイニンなどを加える必要があるかもしれず、その販売方法にしても薬事法上の問題なども絡みます。

 また、全体的な弁証論治に基づいた扶正去邪を行う必要がありますので、メールでのアドバイスはこれが限界のように思います。

【編集後記】 子宮筋腫の場合、悪性の子宮肉腫と区別する事は必ずしも容易ではないという問題を抱えているらしいが、「早くしないとガンになるかもしれない」という論理は成り立たない。
 子宮肉腫の可能性が高いものなら、病院の方から当然、外科手術を勧告されるはずであり、優先すべきはそちらの方である。


折り返し頂いたメール:アドバイスありがとうございます。
 患者さんの中には病院や某有名漢薬局(全国チェーン)で処方された漢方を使って悪化したり、または治っていない現状を目の当たりにしています。
 鍼灸をやるのに傷寒論を避けて通ることができずに自分のできる範囲で患者さんにアドバイスしています。
 鍼灸治療をメインとして、資格の問題もあるのでそれ以上はやっておりません。
 難病を治すには鍼灸だけではキツイ現状もわかってきています。
 鍼灸・漢方ができる環境が患者さんも一番治るのではないかと思っております(理想ですが)。

 小便がきっちり出て脈が渋なので瘀血(オケツ)と思っています。
 沈静化した巨大な毒があるのでいつ発動するかと恐れています。
 それが焦って質問にでてしまいました。
 いつもご迷惑ばかりおかけします。

2007年04月06日

巨大な子宮筋腫

御質問者:東海地方内科医師

前略 いつもお世話になっています。
 以前ご相談した子宮筋腫の件ですが、かなり大きい(8x12cm)ようでしかも結構急に大きくなっている様子です。

 ご本人はなんとか保存的に治療を試みてみたいそうです。ご教示くださいました処方を指示しようと思っていますが、バンランコンというのは全く適応はないものでしょうか。
 お教えくださいますと幸いです。


お返事メール: 子宮筋腫が大きい場合は、中医学的には桂枝茯苓丸に莪朮(ガジュツ)と三稜(サンリョウ)を加えるのが一般的です。
 さらに蒼朮やヨクイニン、田七人参などを加えて、積極的な去邪法を行うのが通常です。
 扶正も大切ですので、もしも柴胡桂枝湯証の存在が間違いなければ、小柴胡湯合桂枝茯苓丸を基本に、ガジュツ、サンリョウ、ヨクイニン、ソウジュツ、田七人参を加えなければ、可能性は低いと思います。
 もしも血虚の存在が明らかであれば当帰芍薬散や補中益気湯などを加える必要もあります。(補中益気湯は気虚に対する方剤とされていますが、現実には血虚に対する優れた方剤でもあります。)
 中医学入門当初にこれらの弁証論治によって、大きな子宮筋腫のみならず卵巣嚢腫にもしばしば偉効を奏した経験があり、当時「和漢薬」誌などに書いた記憶があります。

 なお、子宮筋腫にバンランコンを使用することはないと思います。

 以上、取り急ぎお返事まで。
                頓首
                   村田恭介拝


【編集後記】 過去に類似した症例をどこかに書いた記憶があったのでたどってみると、拙著『求道と創造の漢方』のV章「中草薬の考察━中草薬漫談━」の延胡索(えんごさく)の項、274頁に、巨大な卵巣嚢腫の例を掲載している。
 このケースでは幸い内容物が水様性であったために速効があったものの、その後数年間は同一方剤を連用して治療を徹底している。以後、大の村田漢方堂薬局の漢方ファンとなられ、
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/25622559.html
 このページでご紹介した婦人のことである。
 その時の方剤は、同ページに記載されている方剤を転載すると、
 桂枝茯苓湯合当帰芍薬散料加香附子・延胡索・ガジュツ・三稜・猪苓であった。
 子宮筋腫の場合ではやや事情が異なり、速効は望めないかもしれないが、正確な弁証論治によってかなりな縮小をみることもある。閉経まで持ち込めた症例はかなりある。

折り返し頂いたメール:早速のお返事ありがとうございました。
”子宮筋腫のみならず卵巣嚢腫にもしばしば偉効”は大変励みになると思いますので、可能性がある旨お伝えして処方してみます。

2007年03月27日

子宮筋腫に対する漢方薬

御質問者:東海地方の内科医師

 ブログを拝見していますが、個人的には新鮮な話題で興味深いです。

 本日は、30台前半の女性についてお知恵を拝借できればと思いメールしました。
 十数年来の生理痛がある方です。胃腸が弱く、食事をするとすぐにお腹が一杯になってしまうそうです。舌は淡紅で、腹診としては腹直筋緊張あり、腹力中等度、胸脇苦満あり、脈は弦脈です。

 婦人科を受診して子宮筋腫を指摘されています。なお、いろいろご事情があって心療内科へ通院中です。
 婦人科の担当医からは手術の可能性について説明を受けたそうでして、できれば手術なしでなんとかしたいとの意向です。

 個人的には難易度が高いと考え、ご期待に沿えるかどうか不明である、と伝えてはあります。
 とりあえずは25番(桂枝茯苓丸)を処方しましたが、何か状況を打破するお考えがあればお教えくださいますと幸いです。


お返事メール:拝復
 拝読した瞬間、これぞまさしく柴胡桂枝湯証の典型!であると感じました。

柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)

 しかしながら、子宮筋腫があるわけですから、桂枝茯苓丸に柴胡桂枝湯をエキス剤で投与されたのでは、桂枝(実際には肉桂=辛甘・大熱)が二重になりすぎて腎陽を過剰に温め過ぎますので、桂枝茯苓湯に小柴胡湯を合方されるのが適切だと考えます。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) 

 すなわち小柴胡湯合桂枝茯苓丸ですが、この配合中には柴胡桂枝湯が丸ごと入っていることになりますので、古方派時代には盛んに使用して多くのひとに喜ばれてきました!
 うまくいけば子宮筋腫が小さくなることも大いにあり得ます。さらに、医療用漢方にヨクイニンがあった?と思うのですがヨクイニンも加えるとさらに効果的なようですが。但し、胃弱な人にはヨクイニンでも胃に応える場合があるようです。
 また、田七人参も加えるとよりベターだと思いますが、残念ながら日本ではナゼだか健康食品扱いで、残念です。

 また、上記の合方中に含まれる柴胡桂枝湯によって、心療内科的な疾患にもかなりな効果を発揮できる可能性も高いと思います。

 なお、難易度が高いと書かれていますが、過去の経験からは古方派時代でも子宮筋腫を手術せずに免れ閉経まで持ち込んでめでたしメデタシの人は大変多く、大の漢方ファンになられた方もおられるほでです。
 また、子宮筋腫のみならず卵巣嚢腫、子宮内膜症、チョコレート嚢胞など、これ等婦人科疾患こそ漢方ではかなりな得意分野ではないかと思ってます。過去も現在も含め、漢方治療に本気で臨んだ人の多くがそれなりの成果を得ていると思います。

 以上、簡単ながらお返事まで。
             村田恭介拝


折り返し頂いたメール:前略
 ショウサイコトウ合ケイシブクリョウガンでもし子宮筋腫が縮小するようでしたら、願ったりかなったりです。
 さっそく処方させていただきます。


【編集後記】 子宮筋腫に関しては傷寒・金匱の時代から今に到るまで桂枝茯苓丸を主体に運用すべきことが多いが、子宮内膜症やチョコレート嚢胞、あるいは卵巣嚢腫などには桂枝茯苓丸や当帰芍薬散など保険適応範囲の方剤では、体質によっては不適応の場合 も多く、保険では使用できない牛膝散製剤や折衝飲製剤を主体に運用する必要があるケースがシバシバである。

 蛇足ながら以前、中堅病院に勤務される地元の婦人科の医師に、子宮内膜症などで桂枝茯苓丸で効果がない場合にはどうすればよいかとの質問を受けましたが、てっきり折衝飲は保険収載品目だと思い込んで、
 「モルヒネの100分の1の鎮痛効果があると言われる延胡索(えんごさく)が配合された折衝飲エキス製剤を使用すればいいかもしれませんよ」
 とアドバイスしたものの、やや困った表情をされていた理由が、後になって分かったのだった。