2015年08月18日

手術不能の進行癌や転移癌の場合に、放射線や抗癌剤治療を行うべきかどうかと相談されるといつも胃が痛くなる

2015年08月17日の茶トラのトラちゃん(1歳半)
2015年08月17日の茶トラのトラちゃん(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 炎暑が続くこの頃、朝晩外出作業により、日々熱中症気味の生活を送っていた人が、急に食欲をなくして、検査したら内臓の二箇所に進行癌が発見された。年齢的に手術不可能だという。
 数ヶ月前の検査では、何の異常もなかった人である。

 免疫力の急激な低下が持続すると、眠っていた病巣が一気に暴れることは珍しくない。

 過去にも、がん検診を受けて異常なしと言われていた人が、数ヵ月後にかなり大きな肺癌の病巣が見つかったという複数の人、少なくとも3名以上の相談を受けたことがある。だから、この人達に言わせれば、がん検診なんて何の意味もなかったと嘆かれていたが・・・。

 それはともかく、年齢的にも手術は不可能だから、放射線と抗癌剤治療を受けるか、あるいはそのまま放置するか、○○日までに御家族で相談して、結論を出して欲しいと主治医に言われたという。放置すれば半年の寿命とも言われている。

 そこで、どうすべきか常連さんのご家族の相談を受けたわけだが、近藤誠氏と違って、こちらの立場上、はっきりしたアドバイスをすることが困難。

 内心では、放射線には賛成だが、抗癌剤についてはケース・バイ・ケースであると思うのだが・・・。

 ご本人は治療を受けるつもりだということなので、漢方薬類をなるべく併用することで、それでも副作用が耐えられない場合は、その時の症状によって適切な牛黄製剤を追加しましょうということになった。

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2012年8月19日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年8月19日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母


2015年05月31日

末期癌における抗癌剤の功罪

2015年5月30日のシロちゃん〔2歳)とクロちゃん(3歳)
2015年5月30日のシロちゃん〔2歳)とクロちゃん(3歳) posted by (C)ボクチンの母

2015年5月30日のシロちゃん〔2歳)とクロちゃん(3歳)
2015年5月30日のシロちゃん〔2歳)とクロちゃん(3歳) posted by (C)ボクチンの母


2010年05月31日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 今井雅之さんが54歳の若さで大腸癌で亡くなられたが、末期でしかもあれだけ体力を消耗されていた時点で、抗癌剤をする意味がどれだけあったのかどうか?

 副作用の激しい抗癌剤により、吐き気に苦しみ、亡くなられる前には、激しい疼痛に苦しみ、モルヒネも効果が薄かったらしい。

 きっと抗癌剤があらゆる面で逆効果を呈したように思えてならない。
 少なくとも、もはや抗癌剤のような副作用の激しい薬物は、使用すべきではない状況だったはずである。

 漫才師の今いくよさんにしても同じことで、末期の胃癌というのであれば、なおさらあの段階で、抗癌剤を使うのですか?と首を傾げたくなった。

 しばしば標準治療(治療ガイドライン)とやらが、末期癌の患者さんにおいては、一歩間違うと逆効果になって却って苦しみを増大させるばかりか、明らかに寿命を縮めることもしばしばである現実を、医療関係者なら誰でも知っていることであろう。
 ガイドラインに沿った治療を行う限り、医師個人の責任が問われないので、保身のために医師はガイドライン通りに抗がん剤を使わざるを得ない現実があるという。

 以前、カリフォルニア大学ロサンゼルス校でがんの専門医にアンケートをとったところ、約80%が「自分ががんになっても、抗がん剤治療は受けない」と答えているのは、何を意味するのか?

 例外は、血液癌や睾丸腫瘍など、特殊な領域では、抗癌剤が明らかに有効な場合があり、村田漢方堂薬局でサポートしたステージ4の悪性リンパ腫のご高齢者は、予後不良を宣告されながらも、漢方薬と6クールに亘る点滴による抗癌剤治療を併用して、副作用もほとんどなく、根治されている。
 また、手術不能の肺小細胞癌で、抗癌剤と放射線に漢方薬のサポートで根治した例もある。

 逆に、あきらかに無謀だった抗癌剤治療の失敗例こそ、後を絶たない。
 一年前に点滴の抗癌剤で足が立てなくなるほど副作用が激しく断念したものを、無謀にも一年後に再度試みた下咽頭癌の患者さんや、肝臓癌にTS1を投与された後、一気に腫瘍マーカーが爆発的に極端に上昇し、お二人ともほんの短期間で脳転移を生じて明らかに寿命を縮めた例など。

 逆に抗癌剤の副作用に耐えられず断念し、漢方薬のサポートだけを頼りにして、長期間生活の質を向上できた例はとても多く、結果的に転移癌でも根治した例さえある。

 ともあれ、報道される有名人の死亡記事を見ていると、多くの人が「壮絶な闘病」だったと表現されるが、村田漢方堂薬局で42年間、末期癌の人達の漢方薬によるサポートを行って来た経験上は、やらないでよかった抗癌剤のために、明らかな逆効果を呈した人に折々に遭遇しているものの、そうではあっても最期に壮絶な闘いになったという報告の記憶は意外に、ない。

 多くの主治医が、抗癌剤が逆効果だったと判明した後、慌てて緩和ケアーにシフトされたケースが多いのかもしれないが、身近な例では「壮絶な闘い」となったケースは耳に入らないのである。

 それだけに、有名人はお気の毒な医療ばかり受けられているのか?とまことに怪訝である。

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2010年05月31日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年05月31日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年05月31日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年05月31日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年05月31日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年05月31日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年05月31日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年05月31日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

2014年12月11日

抗癌剤のジレンマ

2008年12月11日のボクチン(4歳)
2008年12月11日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 9月に販売が始まった前立腺がんの抗がん剤「ジェブタナ」(一般名カバジタキセル)を投与後に、5人の死亡者が出たという記事が、ヤフーのニュースに掲載されていた。昨日の記事である。

 ここ3ヶ月間に200人が使用し、延べ42人に、好中球の減少がみられ(免疫力が低下)、そのうちの5人が、肺炎や敗血症などで死亡ということである。

 この記事を読んで思い出したのが、村田漢方堂薬局での最近の事例。

 他の新規の抗癌剤で、牛黄製剤など各種の漢方薬類を併用しながら、その新規の内服の抗癌剤を投与されると、肝機能が急上昇しはじめて、これ以上、上昇すると休薬が必要だということで、さらに茵蔯蒿湯を加えると、一気に肝機能が正常化して来た。

 そのお陰で、抗癌剤を継続することが可能となっているが、転移巣も短期間で半減している。

 さいわいに体調もすこぶる良好で、漢方薬の効果も歴然としているものの、抗癌剤に賭けるのは、実に「博打」としか言いようがない。

 本当に、バクチである。

 中には漢方薬で、抗癌剤の副作用をほとんど解消できても、体調が良いのとは裏腹に、転移巣が縮小するどころが、みるみる増大するケースもあるが、このようなケースでは、抗癌剤がむしろ転移巣の悪化を促進しているとしか、思えない。

 一方では抗癌剤を拒否して、漢方薬だけに賭けた転移癌の女性では、3種類の腫瘍マーカーが見るみる下がっていくので、主治医も漢方薬の有効性を認めて、「何を飲んでるかみせてもらえないだろうか?」と遠慮がちに依頼されたという。

 そこで、患者さんは、あらたまってヒゲジジイに、お見せしてよろしいでしょうか、と問われるので、「どうぞ、どうぞっ」と、二つ返事でお答えしたばかり。

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2010年12月11日のボクチン(6歳)
2010年12月11日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年12月11日のボクチン(6歳)
2010年12月11日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年12月11日のボクチン(6歳)
2010年12月11日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年12月11日のボクチン(7歳)
2011年12月11日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母



 

2014年11月13日

抗癌剤が逆効果となるケースついて、東海地方の内科の先生による推論
(近藤誠著『がんより怖いがん治療』は本当か?!の第4弾)

2008年11月13日のボクチン(4歳)
2008年11月13日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

昨日の続きのお返事:東海地方の内科医師

追伸 村田さんからのお返事を見て大切なことをお伝えし忘れていることに気がつきました。

 「漢方薬によって抗癌剤の副作用をほとんど軽減でき、驚くほど体調が良くなり、すこぶる良好な状態を維持できているというのに、検査上では、癌の病巣が小さくなるどころか、ますます増大しつつあるケース。
 体調の良好なのとは裏腹に、病巣が増大するというケースですが、これなどは抗癌剤が、逆効果になっているとしか思えません。
 また、最近も結果的に不適切な抗癌剤によって、突然、腫瘍マーカーが異常に高騰すると同時に、新たに脳転移が出現したケースにも遭遇しています」

 を読んでいて興味深いと感じたことです。

 血液ガンでは、白血病より、悪性リンパ腫や骨髄腫といった腫瘤を形成するガンのほうが染色体異常が複雑です。
 つまり、遺伝子の痛み方が大きいと考えられます。 

 また、最初の寛解導入治療中に全く効かないケースでは、染色体異常がメチャクチャである場合がほとんどでした。
 つまり、血液ガンに於いて、遺伝子の痛み方が大きいことは腫瘤形成性あるいは治療抵抗性と密接に関連していると考えています。

このことを固形癌に当てはめた場合、固形癌はそもそも腫瘤を形成していますので、遺伝子異常が多いと想像されますが、実際、染色体異常は複雑であるようです。

 近藤先生が指摘している血液ガンが抗がん剤によく効き、固形癌が効きにくい、という点の説明の一つとして、マクロ的には染色体異常、微視的には遺伝子異常の程度が考えられます。

 よく知られているガン抑制遺伝子であるp53という遺伝子は、遺伝子に重大な傷がついたときに細胞死に導くことで知られています。

 このp53遺伝子研究は大腸ガンを始めとした固形癌で始まっていますが、固形癌が抗がん剤治療に効きにくいという現象は、そもそも発症したときに細胞死に導くp53をはじめとした遺伝子に傷が沢山付いていて、さらに抗がん剤治療よって遺伝子の傷がひどくなり、ガン細胞が死滅するどころか、細胞を増やす方向に作用するガン遺伝子の暴走をも許してしまう、のではないかと想像しています。

 村田さんが実感しているケースはまさにその通りと思います。

 また近藤先生が怖いと指摘している事例はどの程度あるか分かりませんが、あり得ると思います。

 抗がん剤が効きにくい固形癌が何故良くなっていくのかという点ですが、村田さんからの追伸にありましたように、抗がん性の免疫細胞群の関わりが否定できないと感じています。
 ここら辺が漢方パワーの活躍する場所かもしれません。

 残念ながら、「ガンに漢方が効きますか?」というのが世の中の主流ではありますが。ちょっと頑張ってみる価値はありそうと思っています。また、知恵を拝借させてください。

2008年11月13日のボクチン(4歳)
2008年11月13日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 貴重な御指導、ありがとうございます!
 最も知りたかった御説明、ありがとうございます!

 抗癌剤の副作用軽減を兼ねた漢方薬によるサポートにより、進行癌や転移癌の縮小や消滅さえ実現できるケースが目立って多いものの、中には、体調はすこぶる好転するにもかかわらず、検査毎に癌病巣が増大していくケースが時に見られるのは、きっと抗癌剤が逆効果になっているに違いないと考えていましたが、先生に同意して頂き、また詳しい解説まで頂いて、かなり納得することができました。

 むしろ、抗癌剤治療の激しい副作用に耐えられず、転移巣がかなり残っているにも関わらず、漢方薬だけに賭けるといって来られる確信犯的な人達では、急速に進行した例は見られず、むしろ体調が好転するとともに、縮小したままであったり、8年間も講義を休まず継続できた大学教授もおられました。

 最近でも、やはり激しい副作用に耐えられず、転移巣がありながらも抗癌剤を拒否したために検査を受けにくくなり、漢方薬だけでも体調は完璧に回復して1年近く、このまま治ってしまうのではないかと思われるほど、すこぶる快調の人もおられます。

 さらには二度目の胃癌で、手術を拒否されて確信犯の理系のエリート男性は、西洋医学治療は一切拒否して漢方薬だけに賭けて、病巣が縮小し、完全に消失しないものの転移もまったく見られず、体調が頗るよくなって数年、友人の医師にも漢方薬の効果を認められて、元気で継続中の人もおられます。

 まだまだ上げれば際限がないのですが、こうやって考えてみると、やはり近藤氏の『がんより怖いがん治療』を全否定することまではできないようですね。

 ともあれ、本当に貴重な御助言、ありがとうございました。
 大変有意義なブログを続けて更新できます。
 重ねて御礼申し上げます。

編集後の重要な追補

 卵巣転移まで生じたスキルス胃癌で、摘出手術後の抗癌剤が明らかに逆効果となり、腫瘍マーカーが急速に上昇したために抗癌剤を拒否して、漢方薬だけに賭けたところ、腫瘍マーカーが短期間に正常化して、以後、最初の発病から十二年経過。すなわちそのまま根治した例など、これなどは近藤理論に該当するだけでなく、漢方薬の有用性の一端を示したものと思われる。

 一方では、手術不能の肺の小細胞癌であっても、抗癌剤と放射線治療に漢方薬を併用することで根治した例などは、近藤理論を否定する症例であろう。

 以上の2例は、いずれもこのブログで、過去、記事で紹介している実例である。

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2009年11月13日のボクチン(5歳)
2009年11月13日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年11月13日のボクチン(6歳)
2010年11月13日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年11月13日のボクチン(7歳)
2011年11月13日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年11月13日のボクチン(7歳)
2011年11月13日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母


ラベル:近藤誠 抗癌剤

2014年11月12日

再び三度、近藤誠著『がんより怖いがん治療』は、本当か?!

2008年11月12日のボクチン(4歳)
2008年11月12日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の内科医師

 村田さんのWeb site上にある 2014年11月10日の記事(新刊の近藤 誠著「がんより怖いがん治療」が手元に届いたが・・・)  を興味深く拝読させていただきました。

 わたしは、以前お伝えしたかもしれませんが、漢方薬を用いた診療を掲げて開業する前(9年まえ)まで、総合病院の血液内科において血液のガン(白血病とか悪性リンパ腫)の患者さんを診療していました。
 当然、今や当たり前に行われている造血幹細胞移植に関わったこともあります。

 実際に、白血病でも悪性リンパ腫でも、抗がん剤治療を用いた治療を行っていて感じたことですが、まず、治療を開始して極めて早期に(白血病ですと、1クールあるいは1ヶ月、悪性リンパ腫ですと体表のリンパ節腫大で治療効果がおおよそ評価できる場合に2,3週)で完全寛解といって悪性細胞が検出されない状態になったケース(専門的には寛解導入に成功した、と呼びます)ですと、いずれの血液ガンでも、2年以上再発せず治癒とみなされるケースがほとんどで、2年以内に再発された患者さんは例外的でした。

 現在でもそうだと思いますが、寛解に導入し得た患者さんは、速やかに、残存していると想定されるガン細胞を根絶することを目的して、抗がん剤治療を継続します。白血病の場合、当時は、この寛解導入以降に行う寛解導入後治療が結構きついもので、最初の治療 よりも副作用が厳しかったと記憶しています。

 個人的には、早期に寛解に導入し得たケースの場合、残存ガン細胞が少ないために、寛解導入後治療によって根絶されたか、あるいは極めて少ないレベルまで減少させることができて(僅かな残存ガン細胞はキラー細胞を始めとする免疫系の細胞群よって処理される)、再発しなかったのではと考えています。

 いっぽう、全く同じ抗がん剤治療を行っても、寛解導入治療を数クール行ってなんとか寛解に導入し得たケースもありました。このような場合、寛解導入後治療を行っている最中とか、治療が完了して2年まで辿りつかない内に再発されるケースが多かったようです。

 なかには、寛解導入治療にもビクともしないで治療に難渋したケースも決して少なくはありませんでした。

 このような経験から、白血病として発症した時点で、同じ患者さんの白血病細胞なかに、抗がん剤が効く細胞集団と、効きにくい細胞集団、そして、効かない(耐性)細胞集団が混在していて、患者さんによってそれぞれのガン細胞集団の比率が異なるのではないか、と考えていました。現在、さまざまなガンに於いて、染色体分析、分子生物学的手法などで、ガン細胞が多様な細胞集団から構成されていることが明らかとなっていますが、私が感じたことは、治療への反応性という視点で捉えることができると愚考しています。

 開業して、血液のガンの患者さんを診る機会はほとんどありませんが、固形癌で抗がん剤治療とか分子標的治療を受けている患者さんが、「副作用を軽減して欲しい」とか、あるいは、「一旦は予定の抗がん剤治療終了したので、再発したくないが、漢方薬でなんとかならないか」とおっしゃって受診するかたが最近多いです。

 このような患者さんに、村田流の漢方薬を参考としてお薬を処方すると、結構びっくりするような良好に経過なさるケースを経験させていただいています。先日も60台の女性で肺腺癌と診断されイレッサを投与されていたかたがおっしゃっていました。

 「漢方薬を飲むようになってイレッサによる食欲減少が改善されて、一時は中断していたものが継続できるようになりました。そのおかげか、先日のレントゲンを見て先生が幾度も首を傾げておられて、こうおっしゃいました。

 『私の知っている患者さんでレントゲン撮影でガンが消えたかたはいないんですよね。小さくなるかたはいましたが。とにかくこのままイレッサを飲んでおいてくださいね』」

 他にも、手術困難な腎臓癌、肝臓転移がある大腸ガンとか、のケースを経験しています。これらもケースは漢方薬を内服しながら抗がん剤治療を継続している患者さん達です。

 もちろん、近藤先生の著作の影響を受けてか、一切抗がん剤治療を受けておられないかたが、「漢方薬で何とかなりませんか」とおっしゃって受診されることもあります。「自信はありませんが、出来ることを考えましょう」とお伝えして、脳に「頑張れ」と活を入れています。

 いづれにしても、かなり長くなりましたが、ブログ上で村田さんが指摘なさっておられたことにかなり同感出来ますし、ガンの患者さんが漢方パワーの益に預かれるように脳にムチを入れてゆきたいと思っています。

 話は大きく変わりますが、先日、家内とともに黒部アルペン ルートに行きましたが、圧倒的な大自然によって脳がリフレッシュされました。

 最近、自然の偉大さを痛感します。やはり年齢のなせる業でしょうか。村田さんはネコちゃんに癒してもらってください。

それではまた。

2009年11月12日のボクチン(5歳)
2009年11月12日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 ご専門の血液癌については、さすがの近藤誠氏も、抗がん剤の有効性は睾丸腫瘍とともに、過去の書籍ではしっかり認めておられたと思います。

 問題は、固形癌に対して『がんより怖いがん治療』という指摘がメインテーマとなっているようです。

 しかしながら、近藤氏の指摘とは裏腹に、先生が経験されている肺腺癌の患者さんが、イレッサに漢方薬を併用されて、病巣が消失した事例のように、当方でもステージ4の肺腺癌で、全身各所の転移巣が、やはり同様にイレッサと当方の漢方薬類の併用で、骨転移もふくめて、すべて消失している実例が、現在進行形で現実にあります。

 このようなことからも、やはり近藤氏の指摘は、全面的にまでは支持することはできないわけですが、逆に先日も書きました通り、漢方薬によって抗癌剤の副作用をほとんど軽減でき、驚くほど体調が良くなり、すこぶる良好な状態を維持できているというのに、検査上では、癌の病巣が小さくなるどころか、ますます増大しつつあるケース。

 体調の良好なのとは裏腹に、病巣が増大するというケースですが、これなどは抗癌剤が、逆効果になっているとしか思えません。

 また、最近も結果的に不適切な抗癌剤によって、突然、腫瘍マーカーが異常に高騰すると同時に、新たに脳転移が出現したケースにも遭遇しています。

 その点では、やはり近藤誠氏の『がんより怖いがん治療』を、全面的に否定することも困難である、とも思っています。

 それぞれの患者さんごとに、大きな違いがあるので、一概に論じることはできないことだけは確かのようで、これにはご同意頂けるものと存じます。

 今回も貴重な内容で、ブログにご協力頂き、心から感謝申し上げます。

追伸
 また、都会の病院勤務で、癌治療後の予後調査部門を担当している人の興味深いお話しでは、予後不良と思われていた人の中には、5〜6年後の電話による追跡調査で判明したことは、「免疫療法」によってほぼ根治して御健在だったという驚くべき報告も、稀ながらあったそうです。

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2010年11月12日のボクチン(6歳)
2010年11月12日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年11月12日のボクチン(6歳)
2010年11月12日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年11月12日のボクチン(6歳)
2010年11月12日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年11月12日のボクチン(7歳)
2011年11月12日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ



ラベル:近藤誠

2014年11月10日

新刊の近藤誠著『がんより怖いがん治療』が手元に届いたが・・・

2009年11月10日のボクチン(5歳)
2009年11月10日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 これまでも多くの近藤誠氏の著書を読んでいるので思うのだが、今回の新刊は「総まとめ」といった感がある。

 出版される前から既に、
2014年10月18日 出版前から懸念される近藤誠著 『がんより怖いがん治療』 は、本当か?!
 で書いているように、
近藤誠著『がんより怖いがん治療』の指摘は、半数の人に該当するが、半数の人には、間違った指摘であると思われる、というのが、あくまでヒゲジジイの個人的な感想である。
 ただ大きな問題は、抗癌剤などが逆効果に働いてしまう半数?の人達。

 
 抗癌剤の副作用が強い場合でも、多くは漢方薬によって副作用をかなり軽減可能で、しかも抗癌剤も有効に働いて、比較的予後が良いケースが、かなり多いとの実感もある。

 ところが、漢方薬によって抗癌剤の副作用をほとんど軽減でき、漢方薬を始めて以後は、驚くほど体調が良くなり、継続することによって抗癌剤の副作用をそれほど感じることもなく、すこぶる良好な状態を維持できているというのに、検査上では、癌の病巣が小さくなるどころか、ますます増大しつつあるケースが、実際にタマに存在する。

 体調の良好なのとは裏腹に、病巣が増大するというケースである。

 これなどは、明らかに抗癌剤が無効であるばかりか、むしろ逆効果に働いている証拠でもあろうから、こういうケースこそ、がんより怖いがん治療、という指摘が、現実のものとして感じられる。
 このようなケースでは、当然、抗癌剤治療の中止を提言すべきだが、状況的になかなか切り出しにくいケースもあるので、どうやって切り出したものかと思案していると、不眠の夜が続いてしまう。

 また、結果的に不適切な抗癌剤によって、突然、急激に悪化して、新たに脳転移が出現したケースに何例か相談を受けている。

 それゆえ、近藤氏の新刊のタイトル著『がんより怖いがん治療』は、あながちすべてが間違っているとは言えないと思われる。

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2009年11月10日のボクチン(5歳)
2009年11月10日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2009年11月10日のボクチン(5歳)
2009年11月10日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年11月10日のボクチン(7歳)
2011年11月10日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ



ラベル:抗癌剤 近藤誠

2014年11月06日

幻滅する日々

2008年11月06日のボクチン(4歳)
2008年11月06日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 若年の某転移ガンで数年、抗癌剤と漢方薬で戦っていたが、抗癌剤の効果が弱くなったからというので、某原発巣には認可されてない抗癌剤を敢えて使用されたところ、一気に腫瘍マーカーが一万を超えるまでに悪化し、転移巣もますます拡大した。

 すぐに仇となった抗癌剤は中止したものの、しばらくしてトンでもない所の転移巣が生じて、そこから突然出血して緊急入院となった。

 やっぱり抗癌剤は、有効な場合と真逆の場合があって、2014年10月18日 出版前から懸念される近藤誠著『がんより怖いがん治療』は、本当か?! でも述べた通り、運不運は五分五分のようである。

 そんなショックな出来事があった最中・・・

 いまさら幻滅というのも何だが、昨日までの2日間のアマゾンのレビューに対する小谷野敦氏や山川紘矢氏からの無礼なコメント。

 とりわけ昨日のような日本のスピリチュアル世界では、女性達に人気が高い教祖的な山川紘矢氏でさえ、本音のところでは、寛容さが欠如している証拠に、「何を読んでいるのか?」という言葉に如実にあらわれているように思える。

 もともと山川紘矢氏の訳書のみならず、氏ご自身の著書を読んでみても、どうしても馴染めず、それも途中で読み続けるのを断念したくらいだから、ファンでもなんでもなく、同じスピリチュアル系統でも、ヒゲジジイには無縁の世界の内容ばかりであった。

 それにしても、連日の著者や訳者による無礼なコメントを受けるという、幻滅続きの日々だったので、ますます人間嫌いになるのは当然としても、上下に貼付している茶トラのボクチンの写真でも眺めて、気分を一新しておく必要がある。

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2009年11月06日のボクチン(5歳)
2009年11月06日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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2011年11月06日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年11月06日のボクチン(8歳)
2012年11月06日のボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年11月06日のボクチン(8歳)
2012年11月06日のボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ


2014年10月18日

出版前から懸念される近藤誠著 『がんより怖いがん治療』 は、本当か?!

2009年10月18日のボクチン(5歳)
2009年10月18日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 近藤氏は、もともと漢方薬や健康食品の有用性をまったく認めようとしない偏頗な持論を展開される人だから、氏の書かれることは、話半分で参考にする方が無難である。

 10月30日の出版予定の書籍、近藤誠著『がんより怖いがん治療』。
 まだ出版されてもないのに、これを話題にしてブログを書くとは、早合点に思われるが、既に書籍のタイトルだけで、既に中身を的確に要約されているはずである。

 だから、早合点の勇み足だと揶揄される気遣いはあり得ない。

 このタイトル、ある人にとっては的確であり、ある人にとっては、とんでもない話であろう。

 抗癌剤の副作用がやや激しくとも、正確な弁証論治にもとづいた漢方薬でサポートすることで、副作用を十分に軽減し、抗癌剤治療が終了後も、引き続き漢方薬や中草薬類を継続服用することで、目覚しい改善が得られたり、あるいは根治したケースも珍しくない。

 抗癌剤に漢方薬や中草薬類を併用して、ステージ4の悪性リンパ腫が、副作用をほとんど消すことが出来たお陰で、6クールの抗癌剤治療が可能となり、ほぼ根治した例や、手術不能の肺の小細胞癌でさえ、放射線と抗癌剤に中草薬類の併用によって、完璧に根治した例もある。

 ステージ4で脳転移および全身転移の状況下でも、抗癌剤や免疫療法では進行にブレーキをかけるだけだったのが、漢方薬類の併用によって、一年半でほとんど癌細胞が消している例など、近藤氏の言われる「がん治療」が、漢方薬や中草薬の併用と相俟って。明らかに目覚しい効果を発揮した例は、枚挙に暇がない。

 ところが逆に、残念ながら、西洋医学における点滴などによる抗癌剤治療によって、激しい副作用のために、明らかに寿命を縮めてしまった例も、枚挙に暇がない。

 たとえば、下咽頭癌に放射線治療と漢方薬類のサポートによって、原発巣は消失したまま、肺の小さな転移がありながらも、3年近く元気で過ごされていたのに、体力があるうちにと点滴による抗癌剤が仇になり、爆発的な脳転移が発生して、数ヵ月後に亡くなられた例。

 スキルス胃癌で卵巣転移が生じ、それぞれ摘出手術後に行った抗癌剤で、腫瘍マーカーが爆発的に高値となったため、西洋医学治療を断念し、漢方薬や中草薬類だけに賭けられたところ、さいわいにも根治して、あれから十一年。
 地元に生き証人として、現在も予防的に漢方薬類を継続されている。

 その他にも、昨今でも、適応を認められてない内服の抗癌剤によって、急速に転移が拡大し、腫瘍マーカーも爆発的に高値となったので、直に中止したところ、腫瘍マーカーが急速に回復している例など、近藤誠氏が指摘されるように、抗癌剤が仇となる例も、枚挙に暇がない。

 要するに、我が漢方薬局で、漢方相談を受けた経験上でいえば、半数の人には、確かに近藤誠氏の指摘される「がんより怖いがん治療」となっているのは、間違いない事実だと思われる。

 ところが、残りの半数の人にとっては、西洋医学治療は、明らかな有用性が見られるので、その副作用などは、漢方薬類のサポートによってかなり防げる場合も多く、さらには抗癌作用をかなりサポートすることも可能で、それによって、たとえステージ4と診断されている例でも、根治する例さえ、あり得るように思われる。

 だから、近藤誠著『がんより怖いがん治療』の指摘は、半数の人に該当するが、半数の人には、間違った指摘であると思われる、というのが、あくまでヒゲジジイの個人的な感想である。

 ただ大きな問題は、抗癌剤などが逆効果に働いてしまう半数?の人達。
 激しい副作用とともに極端に寿命を縮めてしまうケースさえ見られるのは、近藤氏が何十年来指摘してこられた問題として、大いに賛同できる部分でもある。

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2009年10月18日のボクチン(5歳)
2009年10月18日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年10月18日のボクチン(5歳)
2009年10月18日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年10月18日のボクチン(6歳)
2010年10月18日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母



2013年07月16日

癌サポートの漢方薬によって結果的に口内炎の副作用が激減

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 癌サポートの漢方薬によって口内炎の副作用が激減、というよりもここ十年間以上は皆無といってよいかもしれない。

 点滴の抗癌剤治療をはじめる前から当方の漢方薬を利用された人達では、記憶する限りではここ10年以上、口内炎の副作用が出た人は、どう思い出しても皆無のように思われる。

 とこう書くとこのジンクスを破って、最近の新しい人達に抗癌剤で口内炎の副作用が出ましたよっと報告が来ても困るが・・・まあ滅多にこのジンクスは破れないだろう。

IMGP8606
IMGP8606 posted by (C)ボクチンの母

2012年01月27日

タキサン系抗癌剤の副作用による足のしびれ、感覚の麻痺に牛車腎気丸?

FSC_4600
FSC_4600 posted by (C)ヒゲジジイ

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の女性からのご質問でご本人は60代の母上
簡単なご住所 : 東海地方
具体的な御職業 : 専業主婦
お問い合わせ内容 :

 肺癌を患う母(6?才)が、タキサン系抗癌剤の副作用による足のしびれ、感覚の麻痺に悩んでおります。

 そのような症状に、牛車腎気丸が効果ありと耳にしました。
 本人が期待しており、試したいのですが、副作用にある間質性肺炎が心配です。

 今のところ癌は肺のみですが、先々月、抗癌剤の副作用と思われる肺炎で生死をさまよったため、体力が落ちており、特に気になっております。

 主治医は多少のしびれがあっても、命があるのだからよしとしないと!との考えで、しびれに関する相談はしずらいのです。

 このような質問は受けられない類いかと思いますが、率直なご意見を伺いたくよろしくお願い申し上げます。

FSC_4602
FSC_4602 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 いまさら言ってもしようがないことですが、

>抗癌剤の副作用と思われる肺炎で生死をさまよった

といわれるように命の危険をおかしてまで抗癌剤を使用する意味がどれだけあったのか、甚だ疑問です。

 ましてやそれに加えて「副作用による足のしびれ、感覚の麻痺」とは、踏んだり蹴ったりという言葉がまさに相応しいように思います。

 過去、体力がないから抗癌剤はしないほうがよいだろうと言われていた癌患者さんが、当方の漢方薬で体力が付いたのをよいことに、主治医が大変喜ばれて「これなら抗癌剤に耐えられるだろう」と強行したために、あっというまに転移が拡がって極端に死期を早め、明らかに逆効果だった例を何度も経験しています。

 逆に固形癌とは異なって多くの血液癌では・・・・・たとえば現在も適切な抗癌剤と漢方薬の併用によって骨髄にもほとんどダメージを受けず、常に白血球はほとんど正常値を維持し、四期の悪性リンパ腫がぐんぐんよくなっている例を現在進行形で目の当たりにしています。

 ともあれ本題の牛車腎気丸ですが、もしも母上の体質が肺熱や肺陰虚の兆候があれば、絶対に使用すべきではありません。
 もしも使用すれば、牛車腎気丸中の附子や桂皮、とりわけ附子によってますます肺熱や肺陰虚を増長するので、禁忌です。

 母上の現在の体調が、牛車腎気丸が本当に適応するかどうかは、地元の中医学に堪能な漢方薬局か、知識のある医師に直接訪問されてしっかり確認すべきです。

 肺炎を起こした後だということから類推すると、肺熱が残存していることがあり得るので、しっかり専門家にみてもらうべきです。

 以上、ご要望のあくまで個人的な「率直な意見」として、忌憚無く述べさせて頂きました。

FSC_4322
FSC_4322 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:

 早速のお返事ありがとうございました。

 もともと体力のある方だと自負していた母、主治医との関係も良好に築いており、治療に関して信頼しきっておりました。

 しかし不具合をまっすぐ伝えられない関係は良好とは言えなかったか...早く気付くべきでした。

 離れて暮らしているため(実家は関東です。)信頼のおける薬局を探すのも、相談に付き添うのも容易ではないですが、後悔しないよう探してみようと思います。

IMGP4013
IMGP4013 posted by (C)ボクチンの母

2010年07月05日

抗癌剤と漢方薬

ゴイサギ(幼鳥)
ゴイサギ(幼鳥) posted by (C)ヒゲジジイ

 村田漢方堂薬局で最もご相談が多いのは、アトピー性皮膚炎ではなく、進行癌や転移癌、あるいは初期癌、手術後の癌サポートなど多少とも命に関わる疾患である。

 タイトルの病院における抗癌剤治療時における漢方薬の有用性について。
 ここでいまさら取り立てて書くこともない抗癌剤治療時の副作用軽減効果は、あまりに有名である。
 吐き気がほとんど出なかった、体力の損耗がほとんど見られなかった、などはほとんどの例で見られる。抗癌剤による骨髄損傷の副作用の軽減効果も医師に驚かれる例もしばしば。

 たとえば転移が広く、腹水や体力の損耗も激しいので抗癌剤治療も断念していたところへ、漢方薬を利用されるようになって目覚しい効果が出て体力も上向き抗癌剤治療が出来る状態となった例。

 この時点で抗癌剤がプラスに出るかマイナスに出るかは賭けと同じで、逆効果の例をしばしば見ているご家族などの反対もあったが、好結果が得られた例の話である。

 幸いにも漢方薬とも相俟って抗癌剤治療も目覚しく効果を発揮して腹水のみならず主治医も不思議がるほどの数々の転移巣の顕著な縮減がみられ、その割には目だった副作用も出ず、白血球は正常値を保ったまま。2クールを終え、3クール目でようやく正常値を僅かに下回る程度。

 主治医が気味悪がるほど、抗癌剤の効果と白血球に対する副作用の微弱である相反性が不思議でならないといわれる。
 当然、漢方薬のサポートによることが大きいのは服用者自身が体感されていることでもある。

 なお、癌サポートにおける弁証論治は他の疾患時と同様で、たとえば乳癌であれば加味逍遥散、逍遥散あるいは四逆散などが基本方剤として薬効を患部に集中させる働きを発揮させるイメージがあり、これに必要な諸々の中草薬を併用する。

 馬鹿の一つ覚えのように、十全大補湯や補中益気湯が必須とは限らないのである。

アオサギとゴイサギ
アオサギとゴイサギ posted by (C)ヒゲジジイ

アオサギとカワウ
アオサギとカワウ posted by (C)ヒゲジジイ

2007年10月16日

ふたたび抗癌剤の是非について

おたより:東海地方の内科医師

 いつもお世話になっています。
 先ず最近に反省をした経験例をご報告します。??歳の胆管がんの?性です。
 手術時に進行性の病状にあることが判明し、その時点では抗がん剤による化学療法の適応はない、との担当医の評価となり経過観察となりました。

 しかし、ご本人としては何もしないで死を待つだけの日常はツライと思われて、友人の勧めで当クリニックを受診なさいました。進行したガンの患者さんがワラをもつかむ思いで受診されるよく経験するパターンです。
 漢方薬で期待できる効果について、日常の生活の質を向上すること、免疫を高めることができること、一方、進行したがん細胞への直接効果を期待するのは難しいこと、ガン細胞にたいする対策は、もしそれが有用な治療法であれば担当医と相談することをお伝えしました。

 約半年経過した時点で全身の詳細な評価がなされ、担当医から以前指摘されていた病変はほとんど消失した、と説明を受けご本人から喜びの報告を受けました。
 この間、十全大補湯+補中益気湯と霊芝をご処方し、担当医の経過観察をうけていました。

 ところが、気をよくしたせいか、日常生活が発症以前の状況に戻ってしまい、大変忙しくお過ごしになっていたそうです(・・・・・・・・・・・・・)。
 9ヶ月目ごろにお疲れの様子で、そのあとの全身検査で再発していることが明らかになりました。
 そして、担当医から抗がん剤の治療の話を聞いたそうです。ご本人からも後日相談を受けました。

 「多臓器に転移している。進行を抑えるには抗がん剤の治療しかない。しかし、その効果については不透明でやってみないと分からない。ご自分で受けるかどうか選択してください」とのお話だったそうです。治療の内容を詳細にお聞きでしたので、私も調べてみましたが、明らかに有用であると言えるデータはないようでした。

 私も以前は血液のガンの化学療法を実施していましたので、抗がん剤治療には肯定的になってしまう傾向があったものと思います。
 結局、私も明確に受けないようにご助言しませんでしたので、ご本人は3クールの治療をお受けになりました。この間は食欲はおろか全身状態は低下し、フラフラの状況でした。そして、副作用のツラサを実感なさってか4クール目以後は受けないことを明言なさいました。
 そしていくらもしないうちに脳梗塞で転倒し、実はガン細胞の転移によるとの評価になりました。

 悔やまれることとして、半年目に病変が検査の範囲で消失したときに、無理をしないように”養生”をもっと積極的に指導し、再発の時点で効果の不透明な抗がん剤治療を控えるようにご助言していれば、と愚考しています。

 最終的には難しい病状ではあっても、”正気”に悪影響を及ぼしかねない治療を避けて、正を補っていけば比較的QOLが良好な余命をお過ごしになれたかもしれないと反省しています。
 長い内容で恐縮でした。

 つぎは、自分のことですが、現在釣藤散と六味丸を内服しています。牛黄はちょっと高価ですので飲んでいません。血圧は軽いクスリを内服していてコントロールされつつあるようです。
 ただ、最近、やや寒くなってきたせいか、虚寒症状を覚えます。八味地黄丸に変更するとまずいでしょうか。


お返事メール:お返事が遅くなりました。実は3年間メチャクチャに酷使したパソコンがとうとう完全に作動しなくなり、予備パソコンは他に3台あるのですが、最も愛着のあるパソコンなので昨日昼から夜中まで、ほとんど別のパソコンを開くことも少なかったので、メールに気がつくのが夜中になっていました。(初期化したおかげで完全に回復しました。)

 ところで先生ご自身、降圧剤で血圧がコントロールされておられ、なおかつ虚寒証を感じられるようでしたら、腎陽虚が内在していると解釈されれば、仰る通り、六味丸を中断されて八味丸に戻されるべきかと存じます。

 こちら下関では、昨今、あきらかな腎陽虚を含めた虚寒証の人に遭遇することは極めて少なく、虚証ではかろうじて肺脾の虚証や中気下陥の補中益気湯証をみかけるくらいです。十全大捕湯ではたとえ癌患者さんでも熱証を助長する弊害による漢方相談があるのが目立つほどで、ご報告頂いたような肝・胆・膵系統の癌患者さんの場合は、牛黄や麝香を配合したかなり本格的な中医的方剤を複数組み合わせて対処しているのが実情です。

 それにしても半年後の経過は素晴らしいものですが、往々にして油断されるのが世の常、その後の抗癌剤は、ご指摘の通り、胆・膵系に対してクオリティ・オブ・ライフを極端に低下させる結果ばかりが目立つ昨今です。
 こちらでも、咽頭癌では最悪と言われる下咽頭癌で肺転移のある患者さんは当方の漢方薬類の服用と放射線で原発巣は完全に消失していたものの、その途中には右肺下部の小さな転移病巣を消すべく、抗癌剤点滴治療により数ヶ月間足が立てなくなる。翌年には体力の回復を見計らって、再度抗癌剤の点滴治療により、今度のダメージは大きく抗癌剤点滴後3ヶ月したら爆発的な勢いで脳転移が出現したのが漢方相談を受けて丸三年経過して以後のことでした。

 このように、何のための化学療法か?と疑問に思わざるを得ない例があるかと思えば、手術不能の肺癌(肺小細胞癌)患者さんでは、当方の漢方薬類を服用し続けるとともに、放射線および抗癌剤点滴治療により、基本的に治癒(漢方を利用されて7年以上経過)、同様に肺癌が手術なしで基本的に治癒している例が二例あるだけに、癌の化学療法も結果でしか論じれない部分を感じる昨今でもあります。

 とはいえ、肝・胆・膵系、とりわけ胆・膵系では抗癌剤は点滴であれ内服薬であれ、有効に感じられた例は稀で、むしろ一気にクオリティ・オブ・ライフの低下につながる現象ばかりに遭遇しています。

 貴重なご報告、ありがとうございました。

2007年10月04日

癌(がん)治療における抗癌剤の是非について

 タイトルの印象ほど深い追究をしたいわけではなく、先日のブログ
 抗癌剤を断りたいのだが・・・という御相談 の続きに過ぎない。
 最近受けている御相談例では、抗癌剤はもしかして不適切ではないだろうか?とやや首を傾げる状況と内容の場合もあり、それゆえ主治医の先生に「先生ご自身だったら抗癌剤をされますか? 奥様だったら受けさせますか?」という質問をされてみたらどうですか、という知恵を授けている
 人の事後報告である。

 某消化器系統の臓器の手術不能の比較的大きい腫瘍であるから、抗癌剤が適するのかどうか、上記の質問をもって主治医に訊ねるはずであったが、単に「抗癌剤は受けたくないんですが・・・」と遠慮があってやや消極的な意思表明になったそうである。
 ところが、主治医はあっさりと、では痛みが出て来るようになったら、その時にやることにしましょう、ということで難なくパスしてしまって拍子抜けしたそうである。
 勇気を得て「手術は出来ないんでしょうか?」と畳み掛けたところ腫瘍が存在する位置的な問題で手術は問題外の印象を述べられたそうである。

 その間、10日分の4種類の漢方薬類の効果は、患部にあった鈍痛に近い違和感が半減以下となっているので、根治は無理かもしれないが、少なくともクオリティ・オブ・ライフの向上には貢献しそうである。

 抗癌剤の是非については、ちょうど中医漢方薬学における弁証論治のように、あくまで個別的な問題としてケース・バイ・ケースで論じられるべきものであり、一律に論じることは間違っている。

 たまたた上記の御相談例では、「生活の質を保持し続ける」ことを主眼に置けば、現時点で抗癌剤による点滴治療が適切であるかどうかの問題だったのである。

2007年09月22日

抗癌剤を断りたいのだが・・・という御相談

 今回はやや悩ましい問題の御相談、手術不能例のがん患者さん達からしばしば受けるご相談のことで、些か憂鬱である。
 先日も受けたばかりの御相談でもあるが、のみならずまったく同様な状況に置かれた新しい漢方相談の人々が隔週1〜2名ずつくらいのペースで増えている。

 クオリティー・オブ・ライフの維持・向上を目的として、多くはやや高級な漢方製剤や生薬製剤を主体にした組み合わせで、食欲および元気・体力を取り戻すことが多く、それだからという訳ではないだろうが、一部の人は抗癌剤を断りたいが、どうやって断ったら良いだろうかというご相談も多いのである。
 当方も応対に最も困難を極める御相談内容である。

 過去の例でも、手術不能例であっても当方からお出しする漢方薬類によって体力・食欲・気力の維持・向上を果たしながら、抗癌剤と放射線の併用で、基本的に治癒した肺小細胞癌の例があり(ご本人は悪固まりしたという表現)、すでに発病から7〜8年近くを経過して、ちょうど昨日も補充に見えたばかりである。

 同様にやはり肺癌で手術不能と宣告された人でも、当方の様々な配合を服用されながら手術してくれる病院を捜して、一か八か切除してもらって、その後に抗癌剤や放射線の併用、および当方の様々な配合により、結局はそのまま根治して既に10年を遙かに超えてしまった人もおられる。
 
 ところがその逆に、体力があるうちにと行った抗癌剤治療が完全に裏目に出てしまった例もかなり遭遇している。

 最近受けている御相談例では、抗癌剤はもしかして不適切ではないだろうか?とやや首を傾げる状況と内容の場合もあり、それゆえ主治医の先生に「先生ご自身だったら抗癌剤をされますか? 奥様だったら受けさせますか?」という質問をされてみたらどうですか、という知恵を授けている。

 主治医のほうでも、抗癌剤治療などの標準治療を行わなかった場合、あとになって御本人のみならず患者のご家族からクレームが出た場合に立場上困ることになる、という事情も憶測せざるを得ないケースもないわけではない。

2007年07月01日

抗癌剤治療中の食欲不振に対する漢方薬

性別 : 男性
年齢 : 50歳〜59歳
簡単なご住所 : 北海道
お問い合わせ内容 : 突然のメールで大変恐縮ですが、00歳独身の兄の病状に関して質問させて頂いてよろしいでしょうか。
 06年6月大腸癌の手術を受け(肝臓、肺転移)その後私達兄弟の反対をよそに抗癌剤治療を受け始め半年以上たち2~3ヶ月程前より副作用と思われる症状が、現れ出し体調が悪化、主治医より最近ステロイド剤投与をしている事を聞き投与中断をお願いした途端に食物も全く摂れない位、体調悪化、致し方なくステロイド剤投与再開、何とか一口二口食べられる状態、この様な兄のステロイド剤依存の体を何とか漢方で改善し食物が摂れる体にもどす事出来ないかと思い質問させて頂きました。
 何卒ご回答の程伏して御願い申し上げます。

お返事メール:抗癌剤治療をされている場合の漢方薬は、医療用漢方の世界では、(41)ツムラ補中益気湯や(48)ツムラ十全大補湯を投与するのが一般常識のようになっているようです。西洋医学病棟において漢方薬を補助的に使用する観点で言えば、決して間違いではなく、中医学的な扶正祛邪の観点から言えば、抗癌剤は祛邪薬と考えれば、扶正(体力の扶助)薬としての補中益気湯や十全大補湯が有効に作用する場合があるようです。

 とりわけ抗癌剤による吐き気や食欲不振を改善する為(43)ツムラ六君子湯や(14)ツムラ半夏瀉心湯を積極的使用される医師も増えています!
 ですから可能性としては主治医に依頼して、いずれかの(43)や(14)あるいはもっと状況に応じた真に適切な方剤を投与してもらうことを先ず考えられては如何でしょうか?

 これらのことも含めて、昨今では病院のお医者さんの中には医療用漢方を積極的に用いられる方も増えていますので、お近くでそのような医師を探してみられては如何でしょうか。

 さらにもっと積極的なことを考えれば、主治医の許可を得て、地元の漢方専門薬局にご本人を直接連れて行かれてピントの合った漢方薬を求めることが考えれれます。保険では使用できない様々な漢方薬(医薬品)を求めることが出来るはずです。

折り返し頂いたメール: 早々の御返事有難く感謝申し上げます。
 何分にも本人、ステロイド剤を投与されなければ、生気も無く寝たきり状態に近く、本来であればそちらに赴き処方していただくのがベストだとは思うのですが此の度は、先生の此のアドバイスで何とかステロイド剤を減らすことが出来、食べ物が摂れる様になれば体力も回復し歩ける様にと願いつつ今後行動して参ります。
 誠に有難う御座いました。
 何度かメール交換させて頂くかも知れませんが今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

ヒゲジジイのお返事メール:現在の病態からは遠方に出向くなんてとんでもない話です。
 遠方ばかり見ずに必ず地元近辺で直接様子を観察してもらえる医師に相談するのがもっともベストです。
 また、見ず知らずの体質や病状の方で、それも御本人ではない間接的なメール相談には大きな壁があり過ぎます。
 ネットの発達で遠方の情報が豊富に仕入れられるのは結構なことですが、往々にして地元近辺にこそ相応しい窓口があるのを見落としておられるに違いありません!
 是非、脚下照顧というコトワザを噛み締めてみて下さい。

折り返しのお返事:拝復 村田 恭介様
 御返事遅れて申し訳ありません。
 御言葉謹んで受けさせて頂きます
 当方、誠心誠意地元で良いご縁に出会う様頑張って参ります。
 此の度のご指導ご鞭撻本当に有難う御座いました。
                     敬具