2017年01月05日
病院の保険漢方による誤治の典型例
2011年01月05日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:50〜59歳の女性
【 職 業 】:会社員(事務系)
【 地 域 】:近畿地方
【 お問い合せ内容 】:いつもブログを読ませていただいております。
私は痩せていてかなり冷え性、胃が弱く体力がありません。
更年期の症状と思われる動悸、血圧上昇がみられたので漢方医に黄連解毒湯と加味逍遥散を処方してもらいました。10日ほど服用すると動悸は少しおさまってきました。
しかし、胸やけがしてきたため飲むのを止めました。
漢方医は「ちょっと冷やしすぎたかな」とおしゃっていました。
それ以降、胃の調子がどんどん悪くなり、胸やけ、吐き気で食欲もなくなり体重もかなり減りました。
この胃の不調は漢方薬が証に合わなかったことによると考えられるでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですがお返事を頂けると幸いです。
2011年01月05日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
結果が証明している通りで、
>この胃の不調は漢方薬が証に合わなかったことによると考えられる
ことに間違いありません。
以後の往復メールの内容は省略。
(注記:「痩せていてかなり冷え性、胃が弱く体力がありません」という人に、黄連解毒湯は最も不適!)
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2011年01月05日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 07:05| 山口 ☀| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2014年12月21日
今年の12月は例年になく超多忙に思えるのは、体力の衰えか原因か?!
2011年12月21日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母
昨日も、不摂生を繰り返しながらも、アトピーに葛根湯+猪苓湯などで悪化を防げている人に、例によって苓桂味甘湯のエキス製剤を試してもらうことになった。
長年のヒゲジジイの指導によって、素人さんながらも、漢方薬の運用にかなり習熟した人なので、安心してテストしてもらえる。
アトピーに葛根湯が一定レベル効果を示す人には、もしかして苓桂味甘湯も有効性を示すのではないかと考えるには理由がある。
解表作用が主体の方剤と、収斂作用の生薬が配合された方剤と、相反する性質の配合があっても、意外に共通性もあり・・・と、これ以上詳細を書いても専門家以外には馬耳東風だから、このへんでやめておきます。
ところで、要介護の老人が、ツムラの牛車腎気丸エキスを投与されて以後、フラツキを訴え始めているのに、医師も御家族もぜんぜん気が付かない風だからと心配されている介護士さんがおられた。もともと熱がりで薄着、顔が赤い人であるというから、あきらかに牛車腎気丸は誤投与である。
もう一度良く確かめて、主治医に申告すべきだとアドバイスしたが、越権行為だとしてマズイ立場に追い込まれても気の毒だから、人間社会はほんとうにムズカシイ。
ともあれ、12月になって例年になく超多忙に感じるのは、もしかして体力の衰えかと考えるものの、気力だけは日々充実して、今からでもリングに上がれるくらいの気迫はある。
ところが日々の忙しさに負けて、昨日は半ドンの土曜日というのに、平日の2倍近い仕事量に疲労困憊。
半ドンの土曜日のはずが、半ドンとはならずに、まともな夕食が摂れたのが、夕方5時近く。
いつものように午後の爆睡の暇なんてありやしない。
遅くなった昼食時ならぬ夕食時、可愛い猫ちゃん達が、遠慮してヒゲジジイを遠巻きに、おとなしく待っている。この子達を見ていると、心が洗われるように癒される。
可愛いボクチンも一緒に佇んでいるようにも見える。
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2008年12月21日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
2009年12月21日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
2010年12月21日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
2010年12月21日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☁| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2013年12月11日
全身痒みで血だらけの肝硬変に腎不全が合併した患者さんにツムラの紅参末が3ヶ月も投与されていた!
2007年12月21日ボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母
昨日常連さんが補充注文のついでに、当時の詳細な思い出話をされることで、病院の主治医によるとんでもないツムラの紅参末の誤投与によって、病状がますます悪化していた、当時のことを鮮明に思い出した。
2012年06月11日 B型C型肝炎合併による肝硬変と腎不全の漢方薬を常用されて10年以上というタイトルの患者さんである。
その時のブログには記してなかったが、この患者さん、当方に辿り着くまでにはかかりつけの医院から、肝硬変や腎不全による体力消耗にはツムラの紅参(ツムラの生薬コウジン末)が最適だからと3ヶ月間も投与され、藁をもすがるつもりで服用し続けていたのだった。
当時、ヒゲジジイは血相を変えて、即刻服用を中止するようにと叱ったそうである。
そうである、と表現するのは詳細まではこちらは覚えてないからである。
肝硬変に腎不全が合併して、しかも下半身にかなりな浮腫を伴っている。しかも、全身が激しい掻痒で掻き毟ったために血だらけになるような茵蔯蒿湯証を呈しているというのに、ツムラの紅参を投与される医師というのは、漢方にまるで素人と言わざるを得ない。
その紅参によって、病状をますます悪化させて悲劇的様相を呈しているのを患者さんは愚か、病気の専門家であるはずの医師がよかれと思って投与し続ける悲劇。
このように紅参による残酷物語も現実には存在するのだから、患者さんたちもしっかりしないと、こと漢方薬に関しては、巷の医師を信用できないことも多いことを知っておいた方が無難である。
ヒゲジジイの親友である山口県警の警察官の奥さんも、血の道症で激しいホットフラッシュがあるというのに、同じくツムラの紅参を投与されて、ますます顔を真っ赤に染めて息苦しくなり、あまりの苦悶に耐えられなくなって、村田漢方堂薬局に駆け込んできたこともあった。
このように、病院から投与される漢方薬には折々に問題が生じるケースが後を絶たないので、いいかげんで引退したいと思っているヒゲジジイの仕事がなくならないのである。
2007年12月21日ボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:ツムラの紅参 ツムラの生薬コウジン末
posted by ヒゲジジイ at 14:40| 山口 ☔| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2013年06月08日
病院の保険漢方の理解できる投与と理解に困しむ投与
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母
脂漏性皮膚炎とて、病院の保険漢方で黄連解毒湯と桃核承気湯が投与されており、便秘症や生理痛は改善したが、肝腎な脂漏性湿疹はまったく効果が見られない。
ヒゲジジイの弁証論治の詳細は省いて結論だけをいえば、猪苓湯と茵陳蒿湯の併用で一週間で一定の効果が得られている。
結果的に病院の黄連解毒湯と桃核承気湯の投与は主訴に対しては誤治ではあったが十分に理解できる誤投与である。
次は顔面湿疹で、遠路はるばる関東から日帰りの強行軍で来られた人。
緊張によって顔面が紅潮して湿疹を伴う。解釈の仕方によっては「酒さ」とも取れるが、酒さであれば、病院漢方で十味敗毒湯がブームであるらしいが、当方に来られる酒さの女性達に十味敗毒湯がフィットした例は皆無で、いずれも共通している基本方剤のベースが杞菊地黄丸であることが多い。
余談はともかく、この顔面湿疹に病院からは六君子湯が投与されていた。まったく理解に困しむものである。
ヒゲジジイの弁証論治の詳細は省いて結論だけをいえば、柴胡桂枝湯に茵蔯蒿湯を併用してもらったところ一週間で一定の効果が得られた。
いずれも継続服用中であるが、あえて病院の保険漢方を話題に出したのは、寄せ手は返す波の音。
数十年前までは漢方薬をボロクソにくさして軽蔑しまくり、医師によっては罵詈雑言、ケンモホロロに親の敵にでもあったかのように否定しまくっていた連中が、昨今では漢方知識が乏しい医師達までもが嬉々として保険漢方を誤投与して患者さんにたち迷惑をかけている事例が目立つからである。
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 22:58| 山口 ☁| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2013年05月20日
八仙丸(麦味地黄丸)と八味丸は同じだと医師に言われて切りかえたところ
2005年10月27日のボクチン1歳 posted by (C)ボクチンの母
年来の気管支拡張症が、当方の漢方薬、八仙丸(1日3回)+麦門冬湯(夜間のみ)の半年以上の連用で、諸症状は治まり、夜間の麦門冬湯が必要なくなって八仙丸だけの持続で基本的に良好に経過しているとの報告がてら六十代の男性が補充購入に来られた。
四方山話からフッと思い出した。しばしば遭遇することだからいまさら書くにも及ばないこととはいえ、この男性にも他山の石として記憶して欲しいと思って次のようなトンでもない事例を話した。
昨年だったか、70歳くらいの女性に、疲れやすく気管支が云々とて八仙丸ともう一つ思い出せないが合計2つの漢方製剤をお渡ししていた。
それっきり来られないので忘れていたところ、その半年後にまた調子が悪いのでもっと効くものが欲しいとの要望。
一度来られたっきりで半年も途絶えていたとは、あの配合ではまったく無効だったのかと問いただすと、しばらくはとても調子良かっので病院でもらったツムラ漢方の同じものを一種類だけ続けていたが、最近調子が悪くなたとノタマフのであった。
そんな筈は無い、八仙丸やもう一つの方剤も保険漢方には採用されて無いものだからと問い糾してようやく判明したことは、八仙丸ならぬツムラの八味地黄丸であった!
あまりに馬鹿バカしいので、ここで八仙丸と八味地黄丸の違いを述べるつもりはないが、せっかく肺腎陰虚を治療する八仙丸が適応している人に、腎の陰陽両虚に適応する八味地黄丸を投与したらどうなるか?
人によっては附子と桂皮によって肺熱を誘発したり、肺陰虚を助長したりする可能性無きにしも非ず!
八仙丸と八味地黄丸が同じものだと偽る医師も医師だが、結局この女性が半年ぶりにやって来た目的は、他にフィットする漢方薬があったら一度だけこちらで購入して、またその医師に同じ内容(偽りであっても)のツムラ漢方を所望することが当然の患者の権利と心得られた現代社会で典型的なお客様は神様根性の見本のような人であった。
ともあれ、このように漢方薬に無知な医師が巷には跳梁跋扈しているので、この男性も漢方には素人の医師に、八仙丸と八味地黄丸が同じものだと偽ってツムラ漢方に切替させるような間違った医師にだまされないように釘を指したところであった。
地元近辺では類似した事例が頻繁にあるので、あまりに数が多過ぎて一々ブログに取り上げるのも馬鹿バカしいが、いやしくも保険漢方といえども漢方薬を扱う巷のお医者さん達は、もっともっと真面目に漢方薬の学習を行うべきだと言いたいのである。
以前もこのブログで取り上げたように、杞菊地黄丸が牛車腎気丸とほとんど同じだからと切りかえさせようとする医師など、枚挙に暇が無いので唖然とするばかりなのである。
2005年10月27日のボクチン1歳 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 22:22| 山口 | 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2013年04月01日
病院でも乱用される附子(ブシ)や烏頭(ウズ)
IMGP0301 posted by (C)ボクチンの母
漢方を専門とされる医師により、まったく信じられない投与により激しい副作用を生じて、遠路はるばる当方まで助けを求めて来られた二つの事例。
お一人は県内とはいえ下関からはやや遠方。
年来の酒さ(しゅさ)の悩みで漢方を専門とされる地元の医院で治療を受けたところ、麻黄附子細辛湯が投与され、激しいふらつきと熱感に見舞われ、その後も当帰芍薬散や桂枝茯苓丸など保険漢方で投与されるも一向に改善がみられない。
当方では二処方の組み合わせにより滋陰清熱法を行って、年来の悩みの酒さ(シュサ)の症状はほんの2ヶ月も経たないうちに明らかに改善しつつある。
甲信越地方から来られたケースでは、帯状疱疹後神経痛とて、当方に来られる前には先ず、地元近辺の病院の東洋医学専門科で受診。
そこでは葛根湯に附子(ブシ)や烏頭(ウズ)まで配合された方剤で、服用後に激しい火照り感とともに血圧が190まで上昇して生きた心地がしなかったと言われる。
病院漢方にはコリゴリだと思って、今度は地元近辺の漢方薬局で相談。
そこでも同様に葛根加朮附湯エキス製剤を奨められるので、これは病院で似たものを投与されてカクカクシカジカだからと伝えても、(烏頭の入らない)葛根加朮附湯証に間違いないということだった。
当方では中医漢方薬学の基本通りの配合をお出ししばかりだが、いずれにせよ、昨今の附子剤の乱用は目に余るものがある。
こんなことから漢方薬の評判を落として日本国内の漢方薬の消費量が落ちることはまんざら悪いことではないかもしれない。
というのも、時代の趨勢から日本国内には漢方薬の原料輸入が次第に困難さを増している状況なのだから。
それにしても彼らは寒熱虚実の見極めをまったく行ってないというよりも、そのような基礎知識が完全に欠落しているに違いない。
IMGP0278 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 10:02| 山口 ☁| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2012年11月25日
漢方知識の浅い医師から投薬を受ける危うさ
IMG_0604 posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 20歳〜29歳の男性
簡単なご住所 : 関東地方
具体的な御職業 : 大学院生(博士)
お問い合わせ内容 :
アトピーと不安症、過敏性腸症候群と診断されています。
吐き気とふわふわめまいがあります。
食べ物も食後、なかなか移動せず、戻ってくる感じがあります。
消化も悪く、一部そのまま出てしまうものもあります。
たまに下痢してしまう事があります。
以前は,下痢後下腹部が冷えていたのですが,最近はなくなりました。
尿意、便意を感じる時に顔に熱感を感じます。
夏には,汗も吹き出す感じでした。
吐き気などに対し、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)、神経症や背中、肩の凝りに対し、加味逍遥散(カミショウヨウサン)、下痢に対し、小建中湯(ショウケンチュウトウ)、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)などを使っています。
顔の火照りに、柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)なども用いています。
最近は,便がべたついて,お腹に残りやすいようです。
そのべたつきが気持ち悪く,お腹に違和感があります。
お腹は,以前に痛みがあったので、胃カメラ,大腸カメラを受けましたが、異常ありませんでした。
イリボーは、効いていましたが、対処療法のような気が気がして止めてしまいました。
メンタル面の薬(リーゼ)も同じです。
今行っている医者が,切診、脈診、舌診などを毎回行わず,適切なエキスが出ているか心配なので,ご相談差し上げました。
IMG_0629 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
現在の配合で症状が緩和されているのであれば、結果オーライと言えますが・・・但し、舌診すら行わない医師による漢方診療とは、些か驚きです。
ところで、メールでこちらに相談されても当然のことながら限界があるので、少しのアドバイスしかできませんが、配合上の大問題は、現在服用されている漢方薬のいずれにも甘草(かんぞう)という成分が含まれ、すべての方剤で重複していることです。
合計すればかなりな分量となり、長期間これらを連用すると甘草中に含まれるグリチルリチン酸により血清カルシウム値が低下して偽アルドステロン症を生じる可能性が心配されます。
これより高ナトリウム血症、低カリウム血症、浮腫や高血圧などが生じる恐れがあるということです。
このような配合をなされる医師は、ほとんど漢方薬に無知であろうと言わざるを得ません。
漢方の知識と経験の豊富な医師か薬剤師(漢方薬局)に移られたほうが無難なように思います。
取り急ぎ、お返事まで。
IMG_0810 posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:甘草の副作用
posted by ヒゲジジイ at 06:38| 山口 ☀| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2012年10月15日
杞菊地黄丸を牛車腎気丸で代用する無知蒙昧
IMG_1568 posted by (C)ヒゲジジイ
無知とは恐ろしいものである。
寒熱が真逆な方剤でも、六味丸が共通だからといって杞菊地黄丸が保険漢方にないからといって強引にツムラの牛車腎気丸で代用しようという眼科医。
飛蚊症を治してほしいと眼科に通っても治らず、結局は当方に漢方相談に見えた男性は、過去、重症の慢性蕁麻疹を茵蔯蒿湯とイオン化カルシウムの併用で治まり、現在まで数年服用し続けている人である。
蕁麻疹の引き金になったアルコールを続けたいが為に、漢方薬を悪用して両者を一生飲み続けるつもりでいる。
くだんの飛蚊症も、既に活血化瘀作用もある茵蔯蒿湯(含有する大黄には活血化瘀作用あり!)を常用されているので、杞菊地黄丸を併用してもらったところ、半年?くらいでほとんど消失するに至った。
診てくれていた眼科の先生も飛蚊症があるといっていたので、自分の飛蚊症も治せない眼科に通う矛盾も感じたので、眼科の先生に杞菊地黄丸で治ったことを申告すると、保険漢方にも似た薬があるかもしれないので、調べて連絡してあげるとのことだった。
しばらく経って、眼科の先生から電話がかかり、似た処方があったので取り寄せているので取りに来るようにとの連絡だった。
それがこのツムラ牛車腎気丸であり、疑問に思ったので帰りに当方に立ち寄られたのだった。
牛車腎気丸が杞菊地黄丸の代用になるなんて、その医者は漢方薬を扱う資格はない、村田漢方堂薬局のヒゲジジイが「バッカジャナイノッ!」といっていたと伝言するように伝えた。
そもそもこの男性は五月から続く蕁麻疹(じんましん)治療に難航した挙句に医療用の五苓散を出されて猛烈に悪化した過去のある人である。
おそらく五苓散中のシナモン(桂皮)で増悪した可能性が大であるのに、桂皮のみならず辛燥大熱の附子も配合された牛車腎気丸など以ての外である。
こらだから医師の投与する漢方薬は恐ろしくて見てられないし、患者さん側にしても過去のツムラ五苓散による蕁麻疹の急激な悪化の経験も忘れ、医師の診断はたとえ漢方薬でも高度な知識を有しているものと半信半疑ながらでも半分は信じていたというのだから、オメデタイ。
もしも眼科医の奨めに従って自費の杞菊地黄丸の購入をケチって、保険漢方のツムラ牛車腎気丸を服用しようものなら、蕁麻疹悪化の原因ともなっていた酒類を止められない日常から考えても、茵蔯蒿湯とイオン化カルシウムを常用していても、過去の頑固な蕁麻疹歴から類推するに牛車腎気丸中の附子と桂皮(桂枝ではない)に反応して、蕁麻疹が爆発的に再発する危険性が大きいことは言うまでもないことである。
IMG_1355 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 20:16| 山口 | 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2012年05月17日
医師による保険漢方の誤投与はこうして繰り返される
IMGP5110 posted by (C)ボクチンの母
おたより:東海地方で漢方専門薬局経営の美人薬剤師
★病院漢方のテイタラク
ご無沙汰いたしております。
寒暖の差が激しく、毎日自律神経が揺さぶられますね・・・。
風邪をこじらせる方、胃腸風邪っぽい症状、めまい、動悸、息切れ等の方がこちらは非常に多いこの頃です。
今今帰られた方の話があまりにひどかったもので、思わずメ〜ルをしてしまいました。
この方、陰虚内熱があって、脈拍が130ほどあります。
親の介護で睡眠不足に陥っており、心悸と不眠が続いていたのを、友人に話したそうです。
すると、その友人は、”柴胡桂枝乾姜湯”で、動悸をはじめとする自律神経諸症状が治まったからと言うので、某大病院の診察ついでに、それを出して欲しいと訴えたそうです。
すると、その大病院の医師は、”うちには、柴胡桂枝乾姜湯はないが、それに最も近いもので、柴胡桂枝湯があるから、それを出してあげるわ”と、ろくろく症状も聞かずに処方されたそうです。
それに近いって???こういったレベルで処方される日本漢方・・・許されるのでしょうか?
まったくもって、憤慨です。
この方、幸い柴胡桂枝乾姜湯を出されずにすんで良かったですが、当然、柴胡桂枝湯でも具合が悪くなりまして、こちらへやってこられたのですが・・・。
へたをしたら、命取りでした。
私達、毎日真剣勝負で弁証論治しているのに、患者も医者もどうしてこんなに安易なのでしょうね?
漢方に限ったことではなく、たまたま診察に行ったときの血圧がちょっと高めだったからといって、降圧薬を追加処方され、フラフラになって3回も倒れた高齢者、症状を一言言ったら、どんどん処方が追加され、とうとう20種類を越える薬をのんでおられる方、たいして熱も腫れもないのに、風邪ですね・・・と抗生剤が出て、具合を悪くしている方など、言い出したら切りがなく・・・・。
こんな医者もいるということ自体、日本の医療が危惧されますね。
IMGP5109 posted by (C)ボクチンの母
お返事メール:おひさしぶりです。
「とんでもない」お話し、ありがとうございます。
陰虚内熱で脈拍が130もあれば、六味丸にミンハオでも加えるならまだしも、柴胡剤ですかっ!?
とんでもない話ですねっ。
しかも柴胡桂枝乾姜湯も柴胡桂枝湯も一緒くた。
以前、咳の漢方薬として小青竜湯と麦門冬湯のどちらでもよいけど、と患者さんに「小青竜湯と麦門冬湯のどちらでも良いと医師に言われながら出された小青竜湯に疑問をお持ちの親御さんからのお問合せ」 という、実に見事なほど頓珍漢なお医者様がおられましたが、まったく同類としかいいようがありませんねっ。
本来なら、当時の元厚生省のE課長さん(ずいぶん前に厚生省を去られてしまった)のような聡明な役人さんがそのままおられたら、きっと日本漢方に中医学を合体させた中医漢方薬学が医師の間に広まって、今頃、漢方薬局の存在は風前の灯火となっていたはずなのですが・・・
「だから言わんこっちゃない!24年前に提唱した中医学と日本漢方を合体させる「中医漢方薬学」論を忌避し続けたツケが今になって回って来ただろうがっ!」というお陰で、漢方薬局がのうのうと存在出来るのですから、なんとも皮肉なものですね。
お医者さんこそ我々薬剤師以上に真摯な方が多く存在されるのは間違いない事実ですが、ヒゲジジイの紹介を良いことに、各漢方メーカーに無理難題を突き付けて「医者の常識は世間の非常識」ぶりを発揮して、人の顔に泥をぶっかけて逃げた卑劣な医師にもあきれ返ったばかり。
ともあれ、医は算術とばかり、何の基礎もない癖に、弁証論治抜きで漢方処方を安易に投与するとんでもない医師も無数に存在するのですから開いた口が塞がりませんが、やっぱりそのお陰で世の中の漢方薬局が存続できるという皮肉な現実。
軽蔑するよりもむしろ本当は彼らに感謝すべきなのか?! と、皮肉な矛盾を感じる昨今です(呵呵。
IMGP5108 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 20:50| 山口 ☀| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2012年02月18日
タミフルと共に医師から処方された禁忌に近い危険な配合、小青竜湯合麻黄附子細辛湯
IMG_1311 posted by (C)ボクチンの母
遠方のお馴染みさんが、インフルエンザA型にかかり高熱を発して受診。
タミフルと共にコカール錠、小青竜湯と麻黄附子細辛湯が処方されたが、タミフルを飲んで半日で解熱。
その時点で、これらの漢方薬を飲むべきかどうかの問い合わせがあった。
残っている症状は節々や頭痛が少し残っているのと咽喉の腫れ。熱は36度。
以下はヒゲジジイの返事の一部
これら(小青竜湯合麻黄附子細辛湯)には、麻黄と細辛が両方とも重なっており、とっても危険!!!な配合です。
このとんでもない配合はブログに掲載もので、中医学の専門家でなくても日本流の専門家でさえ、絶対にしない配合です。
とても危険な組み合わせなので服用しない方がよいです。
いつもの天津感冒片と板藍茶なら無難です。
また、タミフルはしっかり指示通り服用することは必要です。
IMG_1312 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 07:59| 山口 ☁| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2011年10月01日
またもや逆効果の間違った病院漢方
スズメバチ posted by (C)ヒゲジジイ
初期に寒気はあったものの翌日から軽度の咽喉腫痛を伴って頭をヒエビタで気持ちがよいという風邪引きの女性。
七度台の発熱が引かないので病院を受診すると、抗生物質と共に麻黄附子細辛湯と桂枝湯が投与された。
これらを2回服用すると身体がますます熱くなって朝七度一分だったのに夕方は七度五分を越え、やや汗ばむものの熱いばかりで熱は一向に引かない。
服用するたびに却って熱くなるばかりで気分がよくないので相談にみえた。
以前から病院で治らない時には当方に相談されるので毎度のことである。
もともと慢性気管支炎の持病があり胃の弱い人だから天津感冒片の少量と柴胡桂枝湯、板藍茶と白花蛇舌草に熱感がつよい間は地竜の併用が必須となる。
いつもこのパターンで治っているが、病院から投与された漢方薬は、既に温病の兆候が歴然としているのに、麻黄附子細辛湯と桂枝湯が投与され、火に油を注ぐ結果となる明らかな誤治である。
これが漢方に縁の無い人だったら、そのまま病院漢方を続けてどのようになっていたことやら!?
漢方知識のない医師たちが、安易に漢方薬を乱用する時代がいつまで続くのだろうか?
KSC_3028 posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:病院漢方の誤投与
posted by ヒゲジジイ at 00:41| 山口 ☁| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2011年09月13日
補中益気湯や十全大補湯を乱用する医師たち
GSC_7314 posted by (C)ヒゲジジイ
巷の医師たちの補中益気湯乱用は目に余るものがある。
最近、タイトルのように陰虚火旺体質の慢性気道感染症の急性増悪期に補中益気湯を数ヶ月に亘って投与し続けた無知な医師たちがいた。
とうとう肺炎を生じるに至り、高齢でもあるからそろそろお迎えが来るものとご家族は覚悟を決めていたという。
ちょうどその頃、そのご家族の中の当方のお馴染みさんが、この件について相談にみえた。
聞けば、入院中のその患者さんは西洋医学治療とともに長年月、慢性気管支炎に対して体力を補うという目的から補中益気湯が投与されていた。
また、この度の急性増悪期にもそのまま補中益気湯が投与され続けているという。
もともとこのお馴染みさんは当方の漢方に馴染みがあり、正しく白朮の配合された補中益気湯製剤(党参配合)の愛用者でもあるから過去の指導により、補中益気湯のような温補剤の使用方法にかなり習熟されている。
それゆえ感染症における急性期や急性増悪期に、補中益気湯や十全大補湯のような温補剤は、多くの場合ご法度であるという知識があった。
しかも、そのご高齢の患者さんはもともと暑がり(陰虚火旺体質)である!
それゆえ、不審に思って相談にみえたので、陰虚火旺体質で慢性気道感染症の急性増悪期に補中益気湯を投与するのは明らかに間違いであり、ましてや高熱を発する肺炎に投与するとはもってのほかだとアドバイスしていた。
それ以来二ヶ月ぶりの本日、ご自身の漢方薬の補充がてら、事の顛末のご報告にみえた。
主治医に恐るおそる「馴染みの漢方の専門家に相談したら」云々と申告すると、意外に素直に応じてくれて、直ぐに補中益気湯を中止したところ、みるみる回復して、めでたく退院になったということだった。
あのまま補中益気湯を投与し続けていたら、どうなっていたかを想像するだに恐ろしいことである。
漢方にはまったくシロウトの医師たちが、患者さんがもともと陰虚火旺体質であることを知ることも無く・・・
というよりも陰虚火旺という概念すら知る由も無く、製薬会社の奨めに応じてなんでもかんでも体力増強とばかりに、陰虚火旺体質者にまで朝鮮人参入りの温性の補剤を投与し続け・・・
揚句の果ては慢性気道感染症の急性増悪期のみならず、命の危険がある肺炎の高熱時にまで補中益気湯や十全大補湯が乱用されるに至っては・・・
バッカジャナイノとしか言いようがないっ。
本来、たとえ医師や薬剤師であっても、漢方医学というよりも中医薬学の基礎知識がない人達が、安易に漢方薬を投与したり販売したりすべきではないのである。
だから医師の中にはほどほどの漢方知識があっても、漢方薬は専門家に任すべきといって、たとえ患者さんからの依頼があっても自身の診療では一切漢方薬の投与を行なわない人もいる。
時代の風潮に流されない立派な医師というべきかっ。
GSC_7456 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 22:50| 山口 ☀| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2011年02月26日
投与された病院の主治医にご相談下さいっ!
IMGP6272 posted by (C)ヒゲジジイ
昨今は巷のほとんどの病院のみならず診療所でも安易な保険漢方が投与され、ピント外れの方剤による不快反応による苦情が多く、主治医に遠慮して、当方のような漢方専門薬局にお問い合わせ電話が絶えない。ありがた迷惑の極みである。
巷の病院ではかなりな比率で漢方薬の誤投与が横行しており、聞くにに耐えない問題ではあるが、合成医薬品のような重大な副作用はほとんどあり得ないので「投与された病院の主治医にご相談下さい」と答えて関わりを避けている。
麻黄湯や小青竜湯の乱用のみならず、昨今は大建中湯の乱用も目に余る。
心臓疾患や高血圧を持つ高齢者にも麻黄湯を平気で投与されるお医者さんたちの勇気には、心から脱帽する。
無知ほど怖いものは無い、などというあまりにも正鵠を射るがごとき失言は、口が裂けても漏らしてはならない。ビギナーズラックは漢方の世界でも実際にある。
現実にあった事例として、高血圧と心疾患を持たれるご老人が「寒気を覚えたときに服用すると直ぐに身体が温まってとても重宝している」ということで、主治医がいつもたくさんくれて余っているからお前達も利用せよ、とてそれを貰って来た中年世代の娘さん。
「どうしたものだろう?」というご相談には・・・なんと答えるべきやっ・・・やっぱり主治医にご相談下さいっ!
ともあれ、内緒でこのブログだけには無難な正解を書いておこう。
心疾患や高血圧体質のご老人では、一時的に麻黄湯の適応証があるように見えても必要最小限に留めておくべきで、もしも不必要に連用すれば、麻黄湯特有の副作用が出る可能性がとても高い。
IMGP6795 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:11| 山口 ☁| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2010年08月23日
末期の肝硬変で腹水もある状況下で利尿剤の作用を阻害する可能性のある一部の漢方薬
IMG_7938 posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
患者さんの年齢 : 80〜89歳の女性
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : 末期の肝硬変、食道静脈瘤で在宅療養中の母のことで先生のご意見を伺わせて下さい。
ラシックス、アルダクトンを朝と昼で2錠ずつと、煎じ薬補中益気湯や中建中湯に五苓散を加えてのんでいます。
昼間尿意はあっても中々でず、腹水が少しとガスがたまっているといわれています。平熱で血圧も正常、顔色は白く、小水の色、臭いも正常です。
まだ検査は何もしていませんが、お医者様は、何故でないのか原因はわからないとおっしゃっています。
先生は、原因は何だと思われますか?腎臓が悪くなったのでしょうか?腎臓が悪くなりかけているのなら、早く手当てをしたいのですが、他にどんな症状がでますか?
遅れまして大変失礼いたしました。私は、娘の◎◎と申します。どうかお返事を下さいます様お願い申し上げます。
IMG_7110 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール: 通常、このようなギリギリの状況で御質問を受ける場合はお返事はご遠慮させて頂いております。
ただ、このたびのご質問の場合、中医学的に見ても、漢方医学的にみても、母上様に投与されている漢方薬のうち、あきらかに中建中湯が五苓散やラシックス類の利尿作用を阻害している可能性が高いと思われましたので、お返事させて頂きました。
もしもエキス剤で投与されておれば、補中益気湯中の甘草と中建中湯中の甘草および朝鮮人参も倍加されていることになり、利水作用を強く阻害することもあり得る問題です。
たとえ煎じ薬で投与されていても、やはり腹水があり、利尿がないときに中建中湯を投与するのはいささか憚られる方剤です。但し、補中益気湯と五苓散の併用はしばしば行われる配合です。
よほどの例外が無い限り(そのような例外は滅多にないと思いますが)、腹水があり、利尿もうまく行かない時に中建中湯を投与することはほとんどあり得ない(絶対とは言いませんが)ということです。(やや絶対に近いかもしれません。)
以上、取り急ぎお返事まで。
編集後記: 腹部にガスが溜まっていても腹水が関連する場合には小建中湯や、小建中湯も含まれる中建中湯などのように甘草が沢山配合された方剤は使用することは逆効果である。
ましてや現在、利水がうまくいってない状況下にあってはなおさら中建中湯の投与は憚れるはずである。
それゆえ、通常は厚朴を主体にした適切な配合方剤で腹部のガスによる張りに対処するのと同時に、なるべく甘草や大棗の配合されない利水剤を用いるのが無難であろうと思われる。(補中益気湯合五苓散はエキス剤ではしばしば用いられるが、この場合でさえ稀ではあるが補中益気湯中の甘草や大棗および升提作用のある升麻が邪魔になることさえある。)
しかしながら近年、医療用漢方が盛んになって、このようなケースでも建中湯類が投与されるケースがしばしば見受けられ、それを聞くだけで冷や汗を禁じえない。
IMG_8597 posted by (C)ヒゲジジイ
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posted by ヒゲジジイ at 06:33| 山口 ☁| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2010年07月13日
勉強不足で理不尽な医師たち
DSC_4084 posted by (C)ヒゲジジイ
子供達も医師だから滅多なことで医師の悪口を書きたくなかったが、本日に限って漢方薬の勉強不足により被害を蒙った女性が二名、前医の治療方法を頭ごなしに否定して患者から薬を取り上げて病状を悪化させた医師、合計3名の首を傾げたくなるケースに遭遇して日本の医療に不安を持たざるを得ない現状を憂えて敢えて書きたくなった。
一例目はここ数ヶ月蕁麻疹が出没して熱感と憂鬱感に襲われている中年女性が、婦人科にかかったところ、弁証論治は皆無のまま、女性を見たら当帰芍薬散とばかり、例によって中医学的には明らかに間違っている「白朮を蒼朮で代用した」医療用の当帰芍薬散エキスが投与され、熱に熱を加える愚を犯して蕁麻疹が悪化。
医師の投与する漢方薬を恐れて当方に助けを求めて遠方からやって来られた。
血圧が高めの中年女性が梅雨に入ってめまいに襲われ、かかりつけの医師に相談したら、これまた「白朮を蒼朮で代用した」医療用の苓桂朮甘湯が投与され、たちくらみは改善されたが甘草2gの配合が応えたか、血圧がますます上昇して上が160を超えた。
これらに類似した医師たちの漢方薬の誤投与に遭遇することは日常茶飯事だから、本日の遭遇例がこの二例だけなら、何もブログに書く気にもならなかった。
最悪のケースはこれからである。
超重症のアトピー性皮膚炎が当方の漢方薬で寛解していた人が、これとは別に過去に大量の飲酒歴が祟ってか、消化器症状のあやしい問題が残っているのでもしやと慢性膵炎を疑って総合病院の受診を促したところ、さいわいに研究熱心な優秀な医師にめぐり合い、微妙な慢性膵炎の推定的診断で治療薬を投与されたところ、劇的に症状が緩和していた。
しばらくして総合病院らしく例によって医師の交代があり、新たな医師に受診すると、これまでの経緯を無視して前医の診断と治療方法を頭ごなしに否定し、貴女の病状は気のせいだから薬を飲む必要はないと断じられた。
どれだけ懇願しても処方してもらえず、そのために次第に諸症状が再発し、消化不良のせいかせっかく完全寛解が続いていたアトピーまでややぶり返し気味である。
気の弱い患者さんはどうしたらよいのか途方にくれて助けを求めて相談に来られた。
新しい主治医のやってることは、治療方法に対する学閥の抗争らしきものに患者さんを巻き込んで人権無視も甚だしい。前医の学閥に対するコンプレックスを持つ集団的な抗争に巻き込まれている可能性なきにしもあらず。
要するに診断基準の解釈の問題も絡んで現実的な対応をしてくれた前医と、机上の理屈を優先して古いマニュアルこそ真実で、現実の患者さん自身の苦訴は取るに足らないと判断する官僚的で融通の利かない医師たちの対立構造が明らかに存在する。
さらには新しい主治医の人格的な問題のみならず新しい基準を構築して研究を深める学閥に対する嫉妬や勉強不足の問題など、おそらく三者とも併せ持つ不遜な医師であり、患者さんに対する思いやりは皆無。
あんまり理不尽な内容なので、その患者さんを連れて乗り込み、その医師に詰め寄ってやろうかと鶏冠に血が昇ったが、止めた。
遠方に赴任した前医を追っかけるのが一番か?
DSC_4079 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 22:05| 山口 ☔| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2009年11月18日
事業仕分けにより医療用漢方薬を保険適用外とする方針
DSC_8181 posted by (C)ヒゲジジイ
おたより:関東地方の内科医師
今回の事業仕分けによって漢方薬が保険適用外の方針を示されました。これは、今までの日本漢方のあり方に問題があったんでしょうね。
漢方研究と言えば「1例報告」ばかりで理論的背景を考えてこなかったツケですね。加えて、西洋医学的なアプローチからの漢方研究ばかり。これでは保険適用除外の方針を考える人が多いのも分かるような気がします。
漢方の衰退期には「1例報告」も必要だったのかも知れませんが、もう「1例報告」の時代ではないですよね。しっかりとした理論的背景を持って「どうして効くのか?」という研究が必要なのだと思います。これをしてこなかった日本漢方の研究には大きな問題があるに違いありません。
漢方専門医も漢方指導医も初期の頃は、大会社の圧力で決めてきた部分もあった様に感じます。そんなことも、今の漢方の混乱をまねている原因の一つかもしれません。自分が国立病院にいた頃、漢方を殆ど学んでいない上司の先生が大きな会社の後ろ盾で「漢方指導医」になってしまうのを不思議な感覚で見ていた時を思い出します。
起きるべくして起きている現象かな?とも思います。
ウミを出さないと日本漢方の成長も無いのかも知れません…。
話は変わって福岡のアトピーの患者さんは良い方向に入ってきました。
あと、ひと山はあると思いますが、どうにかなると感じております。
これも、先生のお陰です。ありがとうございます。
DSC_8182 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:おたよりありがとうございます。同時にブログへの御協力感謝申し上げます。
民主党の事業仕分けの漢方薬保険適用除外の方針、これが実現されれば、目も当てられない浪費が食い止められて、資源の無駄遣いを食い止めるという点では大いに喜ぶべきかと存じます。
先生がいみじくもご指摘の通り「理論的背景」の問題、保険適用漢方薬が実際に投与される現実の多くは、ヒゲジジイに言わせれば民間療法レベル以下の病名にそった短絡的な投与であっては、漢方医学というにはあまりにも幼稚過ぎます。
つまり、弁証論治の世界ではありえない某メーカーが陣頭指揮をとる病名治療的なマニュアル化。
こんなやり方では無効例続出で、腹を立てた患者さんたちが、腹いせかどうか、不要になった某メーカーの保険適用漢方薬の残骸を置いて帰られる患者さんが絶えません(苦笑。
しかしながら慶賀すべき部分の多い漢方薬の保険適用除外の方針を実際に「性根の据わらない民主党政権」がそこまでやれるかは疑問だと思います。利害関係の絡む凄まじい抵抗勢力によって元の木阿弥が落ちかもしれません。
たとえ結果がそうであっても、独占的な寡占情況にアグラをかく某医療用漢方薬製造メーカーさんが、日本の漢方医学をここまで堕落させてしまった万死にも値する重大責任に思い至るきっかけにでもなれば、と念じています(苦笑。
ましてや、独占的な寡占情況にアグラをかく某医療用漢方薬製造メーカーさんの製造される漢方処方では、白朮であるべき方剤がほとんどすべて蒼朮で代用される信じられない錯誤を犯しているのですから、何をかいわんやっ!であります。
関連文献:
DSC_8183 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 19:49| 山口 ☀| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2009年06月29日
葛根湯の適応証について
フロント係りのカラスです posted by (C)ヒゲジジイ
間違いだらけの漢方と漢方薬のお問い合わせフォームからの御質問
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢: 30歳〜39歳の女性
簡単な御住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : はじめまして。
色々検索していて、こちらへたどり着きました。
現在、頭痛や肩こりを感じる時に、葛根湯・ロキソニン・カフェイン・安中散等が配合された漢方を飲んでいます。
葛根湯の成分であるマオウのためか、服用後しばらく経つと首から上がのぼせたかのように感じ、汗をかきます。
この症状がでるのは、体にとっては負担なのでしょうか?
継続するか否か、アドバイスいただけたらと思います。
余談ですが、葛根湯と四逆散を同量で配合したものを内服すると痩せるという噂を耳にしました。これはどういう作用で痩せるのでしょうか?
ご案内係りはホオジロです posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール: 貴女の頭痛や肩凝りに葛根湯が本当にフィットしているものなら、ロキソニンなどの西洋医学の医薬品は短期間でほとんど必要がなくなるはずです。
葛根湯の適応条件は、ご自分で(1)首の真裏を揉むと気持ちがよく、(2)その同じ首の真裏を温めると明らかに気持ちが良い、という二つの条件が最低限揃わない限りは葛根湯証ではありません。
この二つの条件が本当に揃っているのでしょうか?
もしも揃っていなければ即刻中止すべきです。
もしも二つの条件が揃っていて「服用後しばらく経つと首から上がのぼせたかのように感じ、汗をかきます」というのであれば、薬用量が多過ぎるのか、安中散まで配合して温め過ぎで、安中散が不要な可能性が高いことになります。
安中散にも発汗作用のある桂皮が配合されており、葛根湯中の桂皮とダブルからです。
発汗作用があるのは、麻黄ばかりではなく桂皮や生姜にもかなりな発汗作用があります。
「葛根湯と四逆散を同量で配合したものを内服すると痩せるという噂」は、まったくナンセンスで悪い冗談としか思えません。
以上、取り急ぎお返事まで。
ご案内係りはホオジロです posted by (C)ヒゲジジイ
おり返し頂いたメール:さっそくのお返事ありがとうございました。
根拠となることがわかり、納得しました。
ありがとうございました。
フロント係り助手のホオジロが職場放棄 posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:葛根湯
posted by ヒゲジジイ at 17:43| 山口 ☔| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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