2015年03月06日

漢方に一定の造詣のある医師の話を聞くと、滅多にないことなので妙に感激する

2009年03月06日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年03月06日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 保険漢方を投与されている市井の医師の中にも、稀には一定の造詣がある人がおられても当然だろうが・・・。

 当方で花粉症の対症療法に、うまく即効が出ている藿香正気散を飲んでもらっている患者さんが、保険漢方に切り替えてもらおうとでも考えられたか、かかりつけの医師に相談したところ、これは保険漢方には無い方剤だからといって、小青竜湯など、藿香正気散に比べて危険性の多い方剤の切り替えを提案することなく、そのまま続行するようにアドバイスされたという。

 過去には、杞菊地黄丸を服用している男性が、眼科医師に話したところ、牛車腎気丸が似た処方だから取り寄せてあげると言われた、とんでもない話など、漢方薬に関しては、医師だからといってまったく信用ならないことが多いのが通常である。
 参考記事⇒2012年10月15日杞菊地黄丸を牛車腎気丸で代用する無知蒙昧

 だから、奇特な医師もおられるものだと、へんなところで感激した(苦笑。

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2010年03月06日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年03月06日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年03月06日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月06日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年03月06日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年03月06日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 05:59| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2015年03月02日

メーカー間で同じ名前の漢方薬でも効能・効果に雲泥の差が生じる問題

2006年03月02日の茶トラのボクチン(1歳)
2006年03月02日の茶トラのボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:50〜59歳の男性
【 地 域 】:九州地方
【 お問い合せ内容 】:

 ●●内腫瘍摘出後の難治性疼痛の緩和に漢方も使っております。
 現在、漢方は

 大防風湯エキス顆粒(ツムラ)
 加工ブシ末(三和生薬)
 桂枝茯苓丸料エキスG(オースギ)
 補中益気湯エキス細粒(クラシエ)

 上記4種類を使っておりますが、先日、クリニックを変えた所、おなじ名前ですが違うメーカーのものを処方されたところ、ジンジンピリピリ始まり、あしがつるようになって継続できませんでした。

 そこで、調べました所、メーカーに寄ってかなり内容が異なるものだということでご相談です。どうも、ツムラが合いません。

 上記、4種類の漢方で先生が信頼できるお勧めのメーカー(処方可能な範囲で)を教えて下さい。

 幸い、かかりつけの(手術をしていただいた)医師が漢方でも「院外処方を出せますよ」とのことでしたので、相談した次第です。

 宜しくお願いします。

2006年03月02日の茶トラのボクチン(1歳)
2006年03月02日の茶トラのボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 以前服用されていたものが問題なかったのであれば、当然のことながら、新たなメーカーを探すよりも、以前飲まれていて無難だったメーカーを調べられ、同じものを服用されるべきでしょう。

>ジンジンピリピリ始まり

 というのは大防風湯エキス顆粒(ツムラ)と加工ブシ末(三和生薬)の二つで重なる附子(ぶし)が過剰になって副作用が出ている可能性があります。
 そのへんも注意が必要です。

 取り急ぎ、お返事まで。

2006年03月02日の茶トラのボクチン(1歳)
2006年03月02日の茶トラのボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール

 素早い返信に驚いております。

 有難うございました。

 ブシ...なるほど...ご指摘ありがとうございます。

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2009年03月02日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年03月02日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年03月02日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月02日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年03月02日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年03月02日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☀| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2015年02月03日

蝶形骨洞炎による頭痛に辛夷清肺湯が効いているのに、一般医院で投与される漢方薬の危うさ

2010年02月03日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月03日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:50〜59歳の女性
【 地 域 】:関東地方
【 お問い合せ内容 】:
 初めまして。●●●●と申します。長文で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

 副鼻腔炎で辛夷清肺湯を飲み続けたいのですが、私にあっているか心配なのです。

 今年の1月3日に変な頭痛が起きました。まっすぐにしていると何でもないのに、下を向くと頭が痛く、それがだんだんひどくなり少し下を見ただけでも痛いため、眼だけ動かして下を見る、ということしかできなくなったのです。ガンガンするのではなく、脳圧が上がる?ような感じでした。夜でしたので痛み止めをのんで寝たところ、翌朝には治っていました。

 脳神経外科でMRIを撮っていただいたところ、「脳には異常はないけれど、蝶形骨洞炎がひどい。」と言われました。
 子供の頃から副鼻腔炎を繰り返していたため、内視鏡検査をして下さる耳鼻科で診て頂いたところ、「大したことはないが、辛夷清肺湯をのんでみる?」と言われのみ始めました。

 すると、とてもいいようなんです。
 しかも、リウマチでリウマトレックスを週に5カプセルのんでいるのですが、朝のこわばりがよくなってきました!リウマチも治るかも知れません!
 その上、このところひどくて胸が苦しくなる不整脈もなくなったんです!
 びっくりしました。
 私にとてもあっていると思います!

 ところが、いつもお世話になっている内科で、「貴女は下痢しやすく冷え性だから、電気をあてると良い。リウマチになるのは冷え性と決まってる。辛夷清肺湯より、葛根湯加川芎辛夷に荊芥連翹湯を足して飲んだ方がいい。」と言われてしまいました。

 過去に、防風通聖散をのんで2週間ほどで肝機能が悪くなったことがある上に、リウマチの痛みで麻黄湯をのむと確かに痛みは良くなるのですがむくんでしまうため、2日ほどしかのめませんでした。甘草が入っているハーブなどもむくんでしまいます。葛根湯加川芎辛夷と荊芥連翹湯は、両方、甘草が入っているためのみたくないと思います。

 辛夷清肺湯を続けたいのですが、冷やすとかいてあるので、心配です。
 内科の先生には、先日、サーモグラフィを撮っていただいたのですが、手足が映らないほど冷えていました。
 でも表面だけ冷えていたのでは?とも思います。昔は冷え性で低体温でしたが筋トレ始めて治ったと思っていました。体温も36.7位いつもあります。

 村田先生のサイトに「副鼻腔炎のほとんどは辛夷清肺湯をつづけると治る。」と書かれていましたので、嬉しくなりました。ご意見を聞かせて頂けると幸いです。

 参考になりそうな事としては、採血の時、血管が細くとりにくいと毎回言われます。
 血圧は125/85、心拍数75位、不整脈は1日1万回以上(造影剤を入れてCT撮りましたが心配ないと言われました)一般検診では全て正常値です。舌の様子ですが、周りに歯型がついていて、今見ると白い苔?が奥の方3分の1位についています。身長16●p、体重5○sで、肌色は普通、中肉?です。

 よろしくお願い致します。

2011年02月03日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年02月03日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:


>副鼻腔炎で辛夷清肺湯を飲み続けたいのですが、私にあっているか心配なのです。

 というご質問は、とっても奇妙なご質問です。
 ご自身が、これを飲んでとっても調子がよいと感じられているのに、あっているかどうか心配という話はありません。

 そうであるのに、他の漢方薬を奨める医師は、漢方薬のシロウトといっても過言ではありません。

 辛夷清肺湯以外にも必要な漢方薬があれば、併用すべき漢方薬を考えてあげるのならともかく、よく効いている漢方薬を中止させようとする論理がまったく理解できません。

 また、ご自身も過去、副作用を感じた甘草配合方剤をあえて服用するのは、当然おかしな話です。

 関節リウマチは確かに、原因は冷えと湿気ですが、それが原因で化熱することも多い疾患です。

 ちょうど、冷え込みから膀胱炎になった場合でも、この膀胱炎は冷えが原因だからといって、温める漢方薬は適応せず、猪苓湯というおだやかに冷ます漢方薬が適応することが多いのと似ています。

 関節リウマチの中には、温めすぎると却って炎症が悪化するタイプがあるので、漢方薬の専門家に相談するのが無難です。

 辛夷清肺湯を投与された先生の方が、もしかしたら信頼できるのかもしれません。

 といっても、一般的な病院の医師は、漢方薬に対する知識は、シロウトにちょっと毛が生えた程度のレベルの人達がほとんどです。

 まずは、辛夷清肺湯を投与された先生に、一部始終を相談されるのが順序だと思います。

 取り急ぎ、お返事まで。

2011年02月03日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年02月03日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:

 早速のお返事、ありがとうございました。

 やっぱり、飲み続けていいとのことで安心致しました。

 辛夷清肺湯を勧めて下さった耳鼻科は、葛根湯加川芎辛夷のどちらかをのんだら?
 と言われ、全然漢方をわかっている感じではなかったので、相談しても意味が無さそうです。

 私にとって信頼できる漢方医は村田先生ですので相談させて頂きました。

 内科の先生はきちんと話を聞いて下さるので、これを続けたいと言えば理解しては頂けると思います。

 次回は自信を持って、辛夷清肺湯を続けたいと内科の先生に言う事ができます。

 本当にありがとうございました(^^)

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2011年02月03日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年02月03日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年02月03日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年02月03日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年02月03日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年02月03日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 00:03| 山口 ☀| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2015年01月16日

『食前』服用厳守で、食欲を害されている保険漢方の患者さん達

2006年01年16日のボクチン(1歳)
2006年01年16日の茶トラのボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

 村田漢方堂薬局では、医療関係者の相談者が多い関係で、少し親しくなった頃から、様々な医療面での様々な不都合を耳にすることが多い。

 当然、皆さんは病院で慢性疾患が治らないので、村田漢方堂薬局に通うようになったのだから、それだけでも西洋医学治療のみならず、病院の保険漢方には、とても頼りない部分がある証拠である。

 といっても、これは既に分かりきったことだから、いまさら指摘するまでもないが、最近、様々な医療関係者から耳にすることは、ツムラ漢方など、保険漢方を各病院で投与されるようになって久しいが、それに付随することで、改善すべき大きな問題があるように思われる。

 病院では入院患者さんに限らず、通院患者さんにも、しばしばツムラ漢方が投与されていて、いずれも食前服用を厳守させる病院が多いらしい。

 そのことで、しばしば患者さんの愚痴として、食前に漢方薬を服用するので、せっかくの食欲が台無しになってしまうと。
 もっと気の毒なのは、もともと病気の為にか、食欲がなくなっている上に、食前にマズイ漢方薬を服用させられるので、余計に食欲が低下させられる、ということである。

 『食後』の指示ができないのであれば、せめて『食間』にでも変更してあげれば、と思うのだが。

 中医学知識が少しでもあれば、臨機応変、融通無碍に対処するのが当然の医療であるのだが、どうして日本の医療界は、このように硬直した考えの人が多いのが、不思議でならない。

 もともと、漢方薬は食前に服用すべきという科学的根拠は皆無なのである。
 また、偉い学者さんや医師、あるいは薬剤師でも、皆に説得できる根拠を発表されたという情報も見当たらない。

 むしろ数十年前、日本の某女医さんの行った漢方薬の吸収実験では、食後の服用がもっとも吸収率がよかったというデータが発表されていたくらいである。

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2009年01年16日のボクチン(4歳)
2009年01年16日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年01年16日のボクチン(5歳)
2010年01年16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年01年16日のボクチン(6歳)
2011年01年16日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年01年16日のボクチン(6歳)
2011年01年16日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母



 
posted by ヒゲジジイ at 06:25| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年12月05日

有名病院の自慢話には、苦笑を禁じえない

2008年12月05日のボクチン(4歳)
2008年12月05日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 シバシバ遭遇する自慢話し。

 これまで通った有名病院や、有名な中医学専門医院やクリニック、漢方薬専門の医療機関など、はては海外の東洋医学専門病院などなど。

 それはそれはとっっっても有名なところで、〜〜〜の分野で日本一の名医にかかっていた、あるいは世界的に有名な病院の〜〜〜

 でっ、そんなにご自慢なところに行かれていたというのに・・・

 どうしてわざやざ遠路はるばる、本州の端までやって来たのだろう???

 自慢がしたかっただけなのか?

 結局渡り鳥を繰り返して、肝腎な病気が治らないばかりか、有名医療機関病にも罹患してしまったらしい。

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2009年12月05日のボクチン(5歳)
2009年12月05日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2009年12月05日のボクチン(5歳)
2009年12月05日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年12月05日のボクチン(6歳)
2010年12月05日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年12月05日のボクチン(7歳)
2011年12月05日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 00:03| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年10月28日

病院の漢方薬で効果が無ければ、まずは地元の漢方薬局で相談でしょう!

2008年10月28日のボクチン(4歳)
2008年10月28日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 慌しい月曜日、関東地方ばかりから、問い合わせの電話やメール。
 いずれも偶然にも同じ症状(酒皶=酒さ)ながら、一人は自費の高名な漢方薬専門の病院の漢方薬。
 一人は大学病院の漢方薬。

 効果がないからといって、こちらに問い合わせたところで、何にもならない。
 病院の漢方でダメなら、まずは地元の漢方薬局で相談でしょう!

 昨今のメールでのお問い合わせは、【 ブログへ掲載の可否 】:転載不可(お返事は出来ません。)にチェックが入っているものばかりなので、お約束通り、ブログに掲載しないかわりに、お返事も出来ません。

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2009年10月28日のボクチン(5歳)
2009年10月28日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年10月28日のボクチン(8歳)
2012年10月28日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年10月28日のボクチン(8歳)
2012年10月28日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母



ラベル:酒さ
posted by ヒゲジジイ at 00:01| 山口 ☀| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年09月12日

稚陰稚陽の子供に附子剤は絶対的な確証がない限りは、安易に使用すべきではないはず

2008年9月12日のボクチン(4歳)
2008年9月12日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 ますます年老いていくにつれ、自分のことは棚にあげて、ますますいよいよもってイジワルジイサンになっている自覚が、まったくないわけではないが・・・

 といっても、朝日新聞社のように、捏造や虚偽の記事を連発するような愚を犯すことは、絶対にあり得ない。
 「獅子身中の虫」という諺こそ、あの新聞社のことを言うのであろう。そもそも、国益を損なう記事を書くことを社是としているのではないかと、怪しんでいる。

 ということで、本題に入ると・・・

 取引先の外交さんから、話のついでに受けた相談で、10歳の子供さんが、気管支炎で長期間治らないので、東洋医学専門の病院にかかったところ、附子人参湯(附子理中湯)が投与されたが、やっぱり相変わらず咳嗽が続いて、まったく無効だという。

 それを疑問に思って、仕事のついでにヒゲジジイに、どうしたものだろう?と訊ねるのである。
 本人不在で、好い加減なアドバイスはできないが、親から見た情報だけでも質問してみれば、決して冷え性や寒がりでもなく、乾燥咳が顕著である様子。

 ということは、間違っても麦門冬湯であれば無難なところであるので、それを飲むようにアドバイスしておいた。

 そもそも、子供というのは、稚陰稚陽であるから、経絡を強く温める附子を配合した方剤は、絶対的な確証がない限りは、滅多なことでは投薬すべきではないのである。
 それゆえ、現在かかっている東洋医学専門の病院では危ういので、他の病院に変わるべきある、と強くアドバイスしていた。

 その結果の報告とお礼が昨日あった。
 ヒゲジジイ自身は、上述の相談を受けたことはほとんど忘れかけていたのだが、こちらのアドバイス通りに、麦門冬湯を手に入れて服用させたところ、かなり軽減しているとのこと。

 東洋医学専門を標榜する病院だというのに、最も注意が必要な附子剤を、子供さんに安易に投薬される勇気には驚かされる。
 「病気の原因は何でも冷えが原因である」との、昨今流行の硬直した妄信による誤診が横行する漢方界である。
 そのような乱暴な考えによって投薬される患者側は、たまったものではない。
 目だった副作用が出なかっただけでも、さいわいである。

たまには・・・
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2010年9月12日のボクチン(6歳)
2010年9月12日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年9月12日のボクチン(6歳)
2010年9月12日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年9月12日のボクチン(8歳)
2012年9月12日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 00:04| 山口 ☀| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年04月17日

午前11時半に2人前のカルビ焼肉を食べて2日間の寡食の穴埋め

2008年8月22日のボクチン4歳
2008年8月22日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

 期待通り、本日は常連さんたちの補充ばかりで、込み入った漢方相談も少なくお陰で俄然空腹を覚えて、午前11時半には、もともと食わず嫌いだった「カルビ焼肉」なるものを2人前詰め込んで、2日間の寡食のつけを取り戻した。

 といってもその前には、お問い合わせ電話で「本日は何時まで開いてますか? 保険証を持っていったほうがよいですか?」と。
 珍しくヒゲジジイが応対。

 こちらは病院ではないので保険漢方とは無関係であること、自費の漢方だから云々と説明。

 10年来の某疾患で漢方専門を標榜する医院に通っているが一向に治らないからという話だが、それほど長期間通っているわけでもないので、経費的に保険が利かなければ云々と迷われているのだから、しっかりその病院で長期間頑張っみるべきですよっと諭して、お断りさせて頂いた。

 保険が利かなければ経費的に云々と思案される人では、残念ながら融通無碍の弁証論治は不可能。

 ともあれ、閑古鳥が鳴きはしなかったものの、昼前に食事がまともに取れるなんて、実に久しぶりの快挙であったっ!!!

2008年8月23日のボクチン4歳
2008年8月23日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年03月24日

数年間無音となっていた人が久しぶりに戻って来て

2008年8月15日のボクチン(4歳)
2008年8月15日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 一定の効果があったのに突然無音となる人たちがいる。
 関西のおばちゃんたちの理由は想像できるので問題外として、思いがけない人がいつのまにか・・・と思ていたら数年ぶりに突然戻って来られるケースがたまにある。

 理由は近くで病院の漢方専門外来や漢方薬投与をうたうクリニックがあったり、あるいは新たにオープンしたので、そこに切り替えていたのだという。
 昨年遭遇した例でも投与されていた内容は、昨今流行の温める方剤中心。

 寒熱錯雑証がやたらに多い昨今、温補剤ばかりの投与によって、熱証を悪化させて却って新たな不快症状を惹起させられている。

 これを好転反応と嘯く医師もいるのだから何をかいわんや。

 
2008年8月15日のボクチン(4歳)
2008年8月15日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
 

ラベル:好転反応
posted by ヒゲジジイ at 08:35| 山口 ☀| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2013年05月09日

小青竜湯の禁断症状についてのご質問

2005年8月24日のボクチン(1歳)
2005年8月24日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の女性
【 職 業 】:パート・アルバイト
【 地 域 】:中国
【 お問い合せ内容 】: はじめまして。

 花粉症があり、2012年の2月から4月末と今回2013年の2月から4月末まで、小青竜湯(クラシエ)を処方してもらい、服用していました。 2012年は飲んだり飲み忘れたりが多かったのですが、今年は割ときっちり飲みました。

 そして、これと一緒に、新薬のオロパタジン塩酸塩錠5mgも処方され、一緒に服用していたおかげか、今年の花粉症は症状が軽くよかったのですが、4月末頃、服用をやめてから、倦怠感がつよく、つわりのような胃のむかつき、吐き気が続き、食欲はあり、食べるとおさまるのですが、しばらくするとムカムカしてくる状態が続きました。
 また、昨日はめったに出ない鼻血も出て、今日も鼻水に少し混じっています。

 今日、鼻水がひどかったので、まだ花粉症があるのかと思い、久しぶりに残っていた小青竜湯を服用すると、胃のムカツキがおさまり、また、4月末ごろから、子供を寝かしつける際、9時ごろ一緒に布団に入ると、起きてこれないほどのだるさ、吐き気が起こっていたのですが、今日はうそのように、一緒に9時に布団に入っても、眠くなることなく、怠さがありません。

 そこで、思ったのですが、小青竜湯を飲み続けていた(2か月程度ですが)せいで、 このような、禁断症状ではないですが、飲むのをやめた途端に 吐き気や倦怠感が起こったということはあり得ますか?
 服用をやめて、しばらく我慢すれば、おさまるものなのでしょうか。
 よろしくお願いいたします。

2005年8月24日のボクチン(1歳)
2005年8月24日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:小青竜湯中の麻黄の主成分はエフェドリン類ですが、エフェドリンの長期使用(乱用)による依存症は、衝動強迫、妄想、幻覚などとされていますので、それには該当しないようです。

 小青竜湯中の麻黄や細辛は人によっては胃障害を誘発する場合がありますが、反面、配合中で最も多い半夏は吐き気止めとしても有名な成分であり、そのほか乾姜や桂皮も胃の血行を促進して健胃作用があります。
 
 そのことから、春先の季節の変わり目に花粉症とともに偶然並行して胃の調子が乱れかけているところへ、小青竜湯を服用していたところで破綻を来たさずにいたのが、鼻炎が改善したところで小青竜湯を中止したところ、半夏や乾姜および桂皮、芍薬、甘草など、これら胃にも効果がある五種類の生薬類働きが途絶したために、胃の調子の乱れが顕著に出現してしまっとと解釈するのが順当のように思われます。

 言い換えれば、貴女にとってはたまたま優れた胃薬でもある半夏・乾姜・桂皮・芍薬・甘草の五種類の配合が、胃に有効に働いていると考えられるわけです。麻黄と細辛・五味子などは人によっては胃を障害する場合がある成分は悪影響が出ずに、蒸気の5種類の効果が優性に働いて胃の調子を整えていたものと考えられます。
 小青竜湯の禁断症状とは考えにくいと思います。

 桂皮には桂枝に似てのぼせを引き下げる効果もあり、桂皮・芍薬・甘草などの配合で鼻血を止める作用を発揮する場合もあります。
日本では桂枝と記載されていても、実際に使用されているのは桂皮=肉桂であり、また子供の鼻血によく使用される小建中湯にも配合されています。)

 ともあれ、上記の解釈は結果論としての解釈であり、

> このような、禁断症状ではないですが、飲むのをやめた途端に
> 吐き気や倦怠感が起こったということはあり得ますか?

は、ほとんどあり得ないのですが、現実には貴女に生じたことは否定できない事実だと思います。

> 服用をやめて、しばらく我慢すれば、おさまるものなのでしょうか。

これについては分かりません。
 もしかしてよほど小青竜湯を必要とする体質なのかもしれないし、あるいはそうではなくて、もしかしたら前例があまり見られない特殊例としての「禁断症状に近い」とても珍しい例外的な症例かもしれません。

 念のために処方してもらった医師にご相談されてみられるべきかと思います。
 その折には必ず胃などの諸検査もしっかり受けてみるべきと思います。

 以上、取り急ぎ、お返事まで。

2005年8月24日のボクチン(1歳)
2005年8月24日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:早速のご返信、ありがとうございました。
成分の詳しい説明、とても勉強になりました。
 そして、一般的な禁断症状ではなかったので、安心いたしました。

 もし例外の禁断症状だった場合、服用後の体調改善がかなり劇的だっただけに、怖い気もしています。

 アドバイスいただきました通り、処方医に相談して胃の検査を受けてみようと思います。

 ただ、処方医は、以前、風邪で処方された麻黄附子細辛湯が冷えに効き、花粉症の際に小青竜湯と一緒に処方してもらったこともあり、 ネットで同時処方は危険との見解を見たので少し不安もあります。
 麻黄の入ってない半夏・乾姜・桂皮・芍薬・甘草のみの漢方薬があれば、それがいいんでしょうか。

いずれにせよ、まずは処方医に相談してみます。

どうも、ありがとうございました。


編集後記:処方された医師は、以前、小青竜湯と麻黄附子細辛湯の各エキス剤を同時に投与したという危険な配合をされたというのだから、漢方知識をやや疑わざるを得ない。
 敢えてこのような必要性があるとすれば、小青竜湯に附子エキスを加えれば済むことなのに、両者のエキスを投与すれば、麻黄と細辛の配合量が異常に増えるため、心臓疾患を抱える人や高血圧の人、およびご高齢者にとっては危険を伴う場合があることを強く認識しておくべきである!
 医師の多くは漢方知識が僅少であると心得て、患者さんのほうが自己防衛する以外に方法はないかもしれない。


参考文献:2012年05月25日 エキス剤による小青竜湯合麻黄附子細辛湯は薬剤師が医師にこっそりと注意してあげるべきやや危険な配合ですよ
小青竜湯合麻黄附子細辛湯を各エキスで配合するなら小青竜湯加附子末の方が遥かに安全っ!

2005年8月24日のボクチン(1歳)
2005年8月24日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 12:56| 山口 | 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2012年08月18日

病院の保険漢方と漢方薬局の自費の漢方の違い

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IMG_6419 posted by (C)ヒゲジジイ

 「保険はききますかっ?」というとんでもない質問が病院でもない薬局にかかって来ること自体、まったくもって不思議でならない。
 病院でもない市井の漢方薬局の漢方が、保険とは無縁であることは常識中の常識である。

 保険がきくと経済的に有利だからという理由で、保険ホケンとさがしまくる気持ちも少しは分からないでもないが、こちらは保険漢方を求めるレベルの人達とは無縁の漢方薬局である。

 そこで自費の漢方と保険漢方の違いである。
 保険漢方の最も代表的な製剤がツムラ漢方であるが、その種類は限られ、自費の漢方薬の種類の豊富さと比較すれば、まるで足元にも及ばない品目数である。

 保険では適用されない極めて豊富な多種類の製剤が自費の漢方には存在する。
 だから病院の保険漢方で治らなかった人達でも、自費の漢方ではしっかりと弁証論治にもとづいた適切な方剤類を選ぶことによって優れた効果を発揮させることが可能である。

 かてて加えて、自費の漢方では保険漢方にしばしば見られるような白朮(ビャクジュツ)を安価な蒼朮(ソウジュツ)で代用した錯誤した製剤は滅多に存在しない。
 つまり、自費の漢方製剤には六君子湯や補中益気湯、帰脾湯などの重要な補剤中の白朮を蒼朮で代用するような無知蒙昧な製造メーカーは滅多に存在しない。

 半夏瀉心湯などでも正しく乾燥生姜が使用された製剤を使用することが出来る。このような正しい半夏瀉心湯製剤は、保険漢方の半夏瀉心湯にはまったく存在しない!
 つまり、飴色になるまで湯通ししたまるで煨姜(ワイキョウ)や炮姜(ホウキョウ)もどきの乾姜とは名ばかりの錯誤した乾姜が使用された間違った製剤をできるだけ避けることが出来る。

 意外に知られて無いことだが、自費の漢方エキス剤の製造メーカーは各社競争が激しいので、優れた製剤を提供しなければ、漢方専門の薬局・薬店から見捨てられて使ってもらえなくなるから、必然的に各社良質な製剤を提供する努力を怠ることができない。
 経費削減のためにと原料生薬を値切って安物の原料を使用すると、覿面効果に現れるので直ぐに販売店からそっぽを向かれる宿命にある。

 折々にかかる「保険はききますかっ?」の愚問電話には本当にうんざりですよ。

AAAA2686
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posted by ヒゲジジイ at 00:54| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2012年04月03日

NHKの漢方宣伝番組を見て来られる人は全員お断り

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GSC_2198 posted by (C)ヒゲジジイ

 早速昨日もEテレの漢方宣伝放送を見てやって来た女性には「あれは医者の漢方宣伝番組だから、病院やクリニックで相談」するべきだと言ってすべてお断り。

 そもそも漢方のテレビ宣伝を見たからといって直ぐに飛びついて漢方薬局にやって来るような付和雷同タイプの人の漢方相談はやってられない。
 
 事実、昨日の一人は、話のための話しを上手に作って一時間近くも粘って帰ってくれなかった。
 一日の疲れがどっと出る閉店間際のことである。

 テレビ放送で取り上げられた漢方処方をメモされ、その方剤に執着するような人に、まともな漢方相談ができるわけがない。 
 テレビで紹介されるような医師の処方する漢方薬レベルと同列に置かれること事態が不快である。

 だから、テレビを見たといって来られる人は、全員お断りすることになる。

 いずれも真剣味が足らず薬局だからなんでも無料相談が可能だと思い込んで、いつまでも管を巻く連中がなんと多いことか!

 そして本日の最高傑作は漢方医じゃなかったんですねっ!? 
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    IMGP2534 posted by (C)ボクチンの母

 昨今しばしばNHKが漢方薬の宣伝を繰り返し放送するので、こちらは日々とばっちりを受けて、問い合わせ電話がウルサイ。

 本日の傑作は、受付嬢が受話器を取るなり「はいっ、村田漢方堂薬局ですが・・・」と応対すると、

「えっ!? 漢方医じゃなかったんですね!?」という驚くべき反応。

「はい、当方は漢方薬局です」と受付嬢。

「どこか漢方医をご存知ありませんか?」

「さあ〜、まったく存じませんが・・・」

 なんともおめでたい国である(呵呵。

   ━漢方医じゃなかったんですねっ!?

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    IMGP2535 posted by (C)ボクチンの母
ヒヨドリの集団北帰行
ヒヨドリの集団北帰行 posted by (C)ヒゲジジイ



 
posted by ヒゲジジイ at 08:25| 山口 ☔| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2012年03月22日

保険がきく漢方薬の扱いは一切ありませんっ!

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IMG_5724 posted by (C)ヒゲジジイ

 保険がきく漢方薬の扱いは一切ありません、というよりも、そもそも保険漢方は病院や診療所(クリニック)など、保険医によって処方される漢方薬だけに限られるのは常識だろう。

 それなのに、相変わらず「保険はききますか?」という質問が電話だけでなく直接やって来て問い合わせる若い男女さえも多いことにあきれ果てる。

 そもそも昨今、NHKテレビがどこやらの保険漢方エキス剤の専門メーカーの宣伝まがいの放送を繰り返しやっている影響も大きいのである。

 あのような放送内容と、当方のような漢方専門薬局とは何の係わり合いもないのだから、抑肝散が欲しけりゃ病院に行ってよく相談するように伝え、日夜逃げまくっている(苦笑。

 あるいは女性の不定愁訴とて、病院の漢方薬を使い果たして治らない人だけがやって来るべきところで、保険漢方に拘る人達とは無縁の漢方薬局である。

 中にはNHKテレビで漢方薬を宣伝してくれるから、よく儲かってしかたがないだろう!?というピントはずれの揶揄を聞かされることも多い昨今だが、あのレベルの漢方と比較されること自体が当方にとっては大いに侮辱である。

 世の中には保険漢方とは無縁の優れた漢方製剤が五万とある。

 たとえば、天津感冒片(銀翹散製剤)や衛益顆粒(玉屏風散)、温胆湯に藿香正気散、生薬製剤二号方に荊防敗毒散、延年半夏湯や補気建中湯、分消湯に葛根黄連黄芩湯、沢瀉湯に柴胡疏肝湯、柴芍六君子湯、参苓白朮散に独活寄生湯、杞菊地黄丸に苓桂甘棗湯などなど、乾姜人参半夏丸とか挙げればまったく際限がないほど続く。

 ったく保険漢方レベルとは比較にならない各種牛黄製剤や麝香製剤まであげれば、保険適用外の漢方製剤なればこそ、本来の漢方薬の実力を発揮できるというもの。

 要するに、保険漢方にこだわる人達とはまったく無縁の村田漢方堂薬局なのでした(呵呵。

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IMGP5412 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 12:34| 山口 | 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2012年03月01日

公共放送で宣伝された認知症の漢方薬、抑肝散は病院で相談して手に入れて下さいっ!

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FSC_7188 posted by (C)ヒゲジジイ

 NHKテレビで2月25日の土曜日に「夜なのにあさイチ」という番組で「漢方スペシャル」と題した放送の後半で、認知症に抑肝散で目覚しい効果があったお二人の実例の映像が流れた。

 案の定、その影響たるや絶大で、連日、当方にも問い合わせが殺到している。

 いずれもお断りしている実情は、もう一つのブログで認知症に抑肝散というテレビ報道で右往左往される人達というタイトルで書いたばかりである。

 そこでも書いたように、あの番組をしっかり見られればお分かりのように、島根大学の医師、某教授が主体でなされたものであり、あくまで病院における臨床報告である。

 当方のような巷の漢方薬局はまったく関与しないし、関与もしたくない分野であり、ましてやこちらは自費の漢方薬局で、シロウトさんたちの指名買いには応じていません。

 本日も、お年寄りからの問い合わせで、本人を連れて行くので抑肝散を購入したいというお申し込みがあったばかりである。

 そこで受付嬢は、あのNHKの番組は、ご覧の通り、病院の漢方のお話なので、必ず病院で相談して手に入れて下さい。当方では同じ抑肝散は置いていません!と諄々と諭すように説明して、ようやく納得して頂いた。

 漢方薬を宣伝するテレビ放送というのは、当方にとってはなんともありがたくもない甚だ迷惑なもので、通常の仕事に支障が出るほどであるっ!

 医療用の抑肝散とは無縁な薬局ですので、抑肝散が欲しければ、村田漢方堂薬局にだけは決して問い合わせないで下さい!

 公共放送を使って抑肝散の宣伝を打った某メーカーさんは、抑肝散が爆発的に売れまくって笑いが止まらないことであろう。

 会社をあげて嬉し笑いの度が過ぎて窒息死しないことを祈るのみ(苦笑。

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FSC_7170 posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:抑肝散 認知症
posted by ヒゲジジイ at 10:31| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2012年02月25日

NHKが病院の漢方の宣伝するとは・・・

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見事にカウンターパンチがヒット! posted by (C)ボクチンの母

 本日土曜日の19時30分から、NHKの「夜なのにあさイチ」という番組で「漢方スペシャル」を一時間半にも亘って、要するに医師の漢方薬を賛美する宣伝放送。

 この番組自体が、どんな政治力が働いて実現されたかは様々に想像されるところだが・・・

 ひと昔前までは、ほとんど多くの医師たちは、漢方薬を蔑み、馬鹿にして、中には罵詈雑言まで吐いて、漢方薬を敵視する医師もかなり多くいたほどである。

 ほんの数年前でも、某大学病院ではこぞって漢方薬を頭から否定し、その大学では漢方薬の「か」の字でも話そうものなら、ケンモホロロに患者さんは罵られた。

 けっしてオーバーに書いてるのでもなく、実際にその言葉の暴力にあった末期癌の患者さんが青くなって当方に報告された事実がある。
 その大学病院ではこの患者さんに限らず、大学病院全体がこぞって漢方薬を否定し続けた事実を様々な多くの患者さんから同様に伝え聞いている。

 もしかしたら現在でも相変らずの漢方薬を否定する確信犯かもしれないと危ぶんでいる。

 テレビで医師の漢方を宣伝するほど喜ばしい話ばかりならよいが、現実には巷の医師達の漢方で痛い目にあって、西洋医学も駄目、医師の漢方もダメ、それで止むを得ず自費の漢方薬局に訪れる患者さんたちがとても多い現実がある。

 先日もこのブログで書いたばかりだが、麻黄細辛附子湯と小青竜湯を同時に保険漢方エキス剤で投与するとても危険で無知な医師が後を絶たない。

 それでなくとも漢方知識が皆無に等しい医師達が、適応する確証もないまま、麻黄湯や小青竜湯ばかりでなく大建中湯や芍薬甘草湯が派手に乱用される。

 西洋薬のような重大な副作用は滅多にあり得ないからといって、いつかまた過去の小柴胡湯乱用事件の時のような社会問題を起こさなければよいがと、危惧している漢方専門の医師や薬剤師は日本全国に多い。

 ともあれ、放送された内容は、案の定、中医学とは無縁な日本漢方による治療ばかりで、かくして若い女医さんたちが活躍できる場があるのだな〜と、ほほえましくもありましたね〜(笑。

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IMGP9611 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 22:30| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2011年06月16日

昔から市販の六君子湯が効くのに保険適用のツムラの六君子湯が効かない人がいる

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IMGP8604 posted by (C)ボクチンの母

 数十年来、某メーカーの六君子湯エキス製剤を愛用されていた女性。ここ数年はご無沙汰されていたので忘れていたが、先日、彼女の娘さん(中年)が代理で久しぶりに購入に来られた。

 それで思い出したのが、以前から口にされていたことで、同じ名前の医療用のツムラの六君子湯エキス製剤を服用しても効果が感じられないということだった。
 
 それで最近、久しぶりに胃腸機能が低下気味なので代理で娘さんが求めに来られたが、主治医ツムラの六君子湯では効果がないので、長年服用していた薬局の六君子湯を使うようにと奨められたというのであった。

 彼女のような例は極端にしても、少なくとも医療用でしばしば使用されるツムラの六君子湯には、肝心な虚証用の白朮(ビャクジュツ)が配合されずに、実証用の蒼朮(ソウジュツ)が配合された錯誤による影響が大きいと思われる。

 体質によってはこれほど極端に効果の差が出るのだから、天然生薬を用いた漢方薬は処方名が同じだからと言って、同じ効能を発揮できるとは限らない
 ましてや肝腎な脾虚に対処する白朮が使用されないで、脾虚には微効の蒼朮で代用されたのでは、六君子湯証があっても、この一味の錯誤によって効能に雲泥の差、天と地ほど効果に違いがあっても不思議は無い。

 それどころか、彼女の場合は、有効と無効の違いが歴然とするのだからメーカーの姿勢が問われる大きな問題である。

参考文献:白朮を蒼朮で代用する杜撰

ペンタックス K-x
ペンタックス K-x posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 07:57| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2010年04月22日

中医学や漢方医学の月刊誌や季刊誌など

ボタン
ボタン posted by (C)ボクチンの母

 専門の中医学や漢方医学類の雑誌類は、昔は熱心に熟読したものであるが、中医漢方薬学なるものに目覚めて以後、次第に自説の考察にばかり目が向いて、専門誌類に目を通すことは以前ほど熱心ではなくなっている。

 それでも某誌などは、漢方処方運用の実際の記事が豊富だから、暇つぶしに目を通すことも多い。

 たとえば、冷え症で当帰芍薬散を服用してすっかり改善し、元気もりもりとなっていた人が五年後に暑がりになっているのに方剤を変更することなくその後も更に5年間も馬鹿の一つ覚えのように継続服用しているうちにこんどは異常な暑がりになった例など。(「漢方研究誌」2月号)
 そのような患者さんの転医を受け入れて直ぐにそのことを見抜いた医師こそ流石である。

 要するに折々の弁証論治を怠っていると、時に見られる問題であるが、合成医薬品と異なって漢方薬の誤治とは可愛いものである。
 新患として受け入れた(名医と言っても過言ではない)医師の指示に従って当帰芍薬散を中止すると一週間もしないうちに速治している。

 某誌でもやはり臨床記事で、肺腎陰虚に陰虚火旺がみられたとあって、滋陰降下湯や麦門冬湯を投与されたのはよいとして、知柏地黄丸か少なくとも六味丸が投与されたわけでもなく、なんとっ!八味丸が投与され、この三方剤で速治されたとあるので、首を傾げた。

 そういうことなら腎陽虚も併存していたことになるはずだが、そのことは一切触れられてないが、おそらく六味丸が含まれているので八味丸中の附子と桂皮が邪魔になりつつも、何とか効果を出すことが出来たのかもしれない。
 というよりも、やはり腎の陰陽両虚証であったに違いない・・・などと暇つぶしに読むには面白い。

 ところが別の他誌の中には昨今以前より外装はとても立派になっても、記事内容が学者さんたちの執筆中心で、実際の臨床記事が極めて僅少だから昨今ではほとんど目を通さない。
 同業者からも同様な愚痴をしばしば耳にする月刊誌である。

 ヒゲジジイも長年執筆してきた雑誌でもあったが、連載を中止した途端、気が付いたら一年もその雑誌が送られて来なくなっていた。
 しかしながら、一年近くも気が付かなかったほど当時から次第に臨床とはかけ離れた学者さんたちの記事中心に傾きつつあった雑誌であったから、きっと読み通す興味を失っていたに違いない。

 このように医師や薬剤師の勉強にほとんど役立たない記事ばかりなら、経費の無駄だから発行を止めたらどうかと進言したくなるような雑誌も存在するのだった(苦笑。

ヒヨドリ
ヒヨドリ posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 23:07| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2009年11月19日

医療の現場と一部の医療用漢方薬の現実

逆光のシジュウカラ
逆光のシジュウカラ posted by (C)ヒゲジジイ

前回の続き⇒折り返し頂いたメール:関東地方の内科医師

 ほんと色々と考えさせられますね。

 漢方薬が湿布やうがい薬と同等で扱われているのも情けない限りです。学会にも一般の人達の認識の浅さを分かって行動して欲しいものです。漢方が「効くから必要な医学」という発想から…「病気の本体の把握をしている本当の医学」だと説明出来ることが必要だと思います。

 漢方を知らない(医療関係者を含めた)一般の人達の医学に対する感覚は幼稚園児と同じです。大学病院で入院して検査しても分からないまま衰弱していく患者さんも福岡で診ていましたが、最初の質問が面白いのです。

「あれほど色々と検査したのに何で分からないんですか?」と言われました。

「現代医学が、まだ発展段階で未熟なんですよ」
と話しましたら、「目からウロコです」と言われました。

 幸いなことに、その方は、治療が終わり、ほぼ健康に近い状態になって働いています。

 そう言えば…自分はアルバイトでは漢方薬を使うことができますが、ある衰弱した患者さんに人参湯を使おうと調べたら、白朮が蒼朮になっているんですね。これでは効きませんね。蒼朮は、体力が落ちた患者さんに使う薬草ではありませんね。四君子湯や六君子湯も同じなんですね。何を考えているのか? それを指摘する人も、学会には、いないのでしょうか? おかしな話です。

−−−−−−(中略)−−−−−−

 漢方の自由診療でもお金が取れるように、これからも出来るだけ勉強していきたいと思います。これからも宜しくお願いいたします。

逆光のシジュウカラ
逆光のシジュウカラ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:今回は日本漢方の将来に関わる貴重なお話だと思います。ブログに転載させて頂く価値が大いにあります。

 またこのたびは医療の現場からの患者さんからの重い発言の御報告、感慨深いものがあります。

 こちらでも以下のような驚くべき話があったばかりです。
 昨日のことですが、突然、遠路はるばる泊りがけで来られた転移癌患者さんからのお話です。ご自身も医療関係者です。

 信頼していた主治医に、転移が各所に見られるようになってからは、もはや治療しても無駄だから、元気な間は好きなことをするなり現場に戻って働くなりしたらどうだ、という(提案内容よりも)実に投げやりな言い方にカチンと来て、今に見ていろ「まだ生きてるぞっ」という姿をいつまでも見せ付けてやりたい、と言うのです。

 いきなり予告も無く、どうして重病をかかえてヒゲジジイのところまで遠路はるばる来られたのか?いかにも怪訝です。
 とても無謀ではないかと諌めていたのですが、体力もまだまだあり、10日毎に通える万全の態勢でやって来たので・・・とたっての依頼です。

 とうとう情熱に負けて、セカンドオピニオン等も受けることを約束して、漢方薬で出来るだけのお手伝いを約束しました。

 治療方法がなくなると投げ出す主治医の話は地元でもしばしば耳に入るのですが、弁証論治の心得があれば、たとえ根治は無理な場合であっても、かなりなサポートが出来るのが東洋医学の優れたところだと思います。
 西洋医学ではありえないような漢方薬による優れた効果が現実にあるからこそ、しばしば患者さん同士の紹介で漢方薬を求めて来られるわけです。

 そのためには正しい処方内容で製造された漢方製剤が欠かせない訳ですが、ご指摘のように人参湯で蒼朮を使用された製剤では失格ですね。
 このような重大問題が看過される日本の医療もかなり好い加減なものだと思います。

 小生も日本東洋医学会の「永年会員」で表彰されているほどですが(苦笑)、学会に出向いて論文発表をしないから蒼朮と白朮問題を認識してもらえないのでしょう(苦笑。

 ともあれ、きっと様々な政治力が働いて、保険適用外にされることはないと思います。咽喉元過ぎれば熱さを忘れ、日本漢方は再び堕落の道へまっしぐら、というのがオチでしょう。

逆光のシジュウカラ
逆光のシジュウカラ posted by (C)ヒゲジジイ
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2009年07月21日

ときに注意が必要な補中益気湯の昇圧作用について

ツバメ
ツバメ posted by (C)ヒゲジジイ

前回の続き

折返し頂いたメール村田先生、ありがとうございます。私のような初心者の質問にも迅速に対応して頂き、感激しました。

> 補中益気湯や真武湯には当然、補剤の範疇に入りますので白朮を蒼朮で代用してはならず、和白朮であっても白朮を使用すべきことは常識です。

 当院採用はツムラのみですので、やはり、これらの処方は徐々に小太郎漢方に変更していくべきだと考えました。

> 蛇足ながら、身内の◎◎内科医が赴任していた高齢の入院患者の多い病院で、ツムラのMRさんが盛んに補中益気湯の投与を奨めるので、言われるがままに投与していたら、血圧が異常に上昇する人が続出したために慌てて投与を中止した経験談を述べていましたが、当然のなりゆきだと思います。

 このようなアドバイスが勉強になります。

 これまで血圧上昇は甘草(または人参)の副作用と考えておりましたが、

蒼朮の燥湿>健脾→脾陰虚→腎陰虚→肝の陰虚陽亢(高血圧)    

というような機序もあるのでしょうか、、、。


 今後も村田漢方堂のサイトを楽しみにしております。

ツバメ
ツバメ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:補中益気湯の昇圧作用については説明不足でした。

 白朮の代用としての蒼朮が原因というわけではなく(ご指摘の通り人参や甘草の配合上の問題も加わってのことですが)、補気升陽の黄耆に柴胡や升麻の配合により、補中益気湯には升陽・升提作用こそ特徴的な薬理作用をもっていますので、この升陽・升提作用が連動して高血圧傾向にある体質者には、往々にしてより高血圧を助長する作用を発揮してしまうものと思います。

 それゆえ、補中益気湯が適応するのは「中気下陥」がなければ、安易に使用しないほうが無難だと思います。

 但し、補中益気湯体質者はこの温暖化の時代でも、しばしば遭遇しますので(極端なケースでは黄連解毒湯合補中益気湯を主軸に運用すべきアトピー性皮膚炎患者さんもおられるほどです・・・苦笑)、当方でもいまだに繁用方剤として大活躍しています。

 以上、補足説明としてお送り致します。

ツバメ
ツバメ posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 13:00| 山口 ☔| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2009年03月06日

ちょっとお尋ねですがの抑肝散の問い合わせは、例によってすべてお断りしている

 最近、阪大グループによるアルツハイマーの症状抑制に抑肝散が有効であると科学的に証明されたという報道記事が3月4日の読売新聞に掲載されて以来、「ちょっとお尋ねですが」の電話が続いている。

 もちろんお馴染みさんや常連さんのご家族のご相談以外は、すべてお断りしている。このような処方指名の場合、多々問題が生じやすいからである。
 もちろん、中医学的に抑肝散が適応する人には一定の効果があることは昔から漢方世界では常識ではあったが、熱証患者が間違って単独で服用された場合、配合中の当帰や川芎(センキュウ)などに反応して猛烈な痒みが生じたお年寄りの話も折々に耳に入って来る。

 だから見ず知らずの人達からの抑肝散の指名でうっかり販売した場合、多少でも効果があった場合はよいものの、もしも効果がでなかったり、あるいは適応を誤って黄連解毒湯が必要な場合のように、強い熱証の体質が並存している人が単独で服用して激しい掻痒が生じた場合の苦情が噴出した場合まで想定すると、石橋を叩いてお断りするに限る。

 いくら立派な阪大グループの発表といえども、弁証論治を無視した研究成果には同調することは出来ないのである。

 というより以前に、もともと「ちょっとお尋ねですが」の処方指名客こそ、もっともクレームが生じやすい前兆としてお断り対象の代表格であることは常々書いている通りである。

 患者さんご本人のことを純粋に考えてあげれば、これからがとても大事である。
 「主治医の先生に相談してみて下さい。もしも適応であれば、医療用漢方に抑肝散はありますから、きっと投与してもらえるはずですからっ!」
 とっ。

posted by ヒゲジジイ at 13:46| 山口 ☔| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする