若年性のがん闘病の男性、抗がん剤治療前に精子保存し子ども授かる
漢方相談に来られたときは40代前半だったが、同じく若年性のがんで、同じステージ4でも転移が多数。顔色が悪く、時折咳き込むなど、某所の転移は特に数が多く、既に抗癌剤や放射線、ガンマーナイフなど、分子標的薬も効果がなくなりつつある中、医師による高価な免疫療法を何度も行った後、万策尽きた面持ちでの相談だった。
咳き込みのみならず、問題は某所の転移の数の多さであったが、幸いにも漢方薬類が劇的に体調を回復させることができ、咳嗽は完全に止まった。そのうち新たな分子標的薬も奏功するなど、まったく別人を思わせるほど、仕事も休まず自信を得て、理解のある女性と巡り合い、めでたくご結婚。
その何年後かに、ご夫婦で相談に来られ、とくに奥様の要望が強烈で、即ち、後継ぎが必要だから、精子を増やす漢方薬も加えて欲しいという、たっての依頼(ご主人は渋々同伴した雰囲気)。
すかさず、「まだ根治したわけでもないのに、とんでもない話」だと反射的に強く、諭すように依頼を断ったのだった。
それに対して、大粒の涙を流しながら、憎しみを込めた言葉を大声で発しながら、薬局を飛び出て行かれた。
さいわい、待合の長椅子で順番を待たれていた女性は、偶然にも関西から通われていた「大病院で癌治療後の追跡調査」を行っているベテランの看護師さんだったのは、幸いだった。
現在、その男性は既に50代で、引き続きお元気でご活躍。漢方サポートを熱心に続けられているが根治したわけではない。
ご主人は納得ずくではあったが、あの時の対応は、あれでよかったのかどうか?
奥様の熱望が少しでも叶うように、適切な漢方薬を提示すべきだったのかどうか、いまだに吹っ切れないでいる。
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2009年6月27日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:抗癌剤