今年のアトピーの新人さんは引き続き女性たちばかり。不思議と今年は男性の新人さんは、アトピーに関する限りは、ない。
当方の漢方薬で治った人からのご紹介では、そのようなことはないが、ネットで調べて来られたという人達に限っては、いずれも相当に緊張して来られる。まるで鬼の島にでも乗り込む決死の覚悟であるかのような面持ちである。
それが2回、3回と続くうちには、お互いに化けの皮が剥がれ、つまりは相談者の猫かむりも取れて、互いの本性が露呈して来るころから、ようやく疾病の本質が見抜けるようになるので、多くは寛解の一途を辿ることになる。
今年は真面目な女性達が多いので、とても順調な経過を辿っている人が断然多いのです(呵呵大笑。
あんまりブログを更新しないでいると、ヒゲジジイが倒れたと誤解されても困るので、以上でお茶濁しっを終わる。
2009年03月12日
最初だけですよ、恐るおそるやって来られるのは・・・そんな殊勝な人たちもやっぱり最初だけっ!
posted by ヒゲジジイ at 13:42| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2009年02月13日
アトピー性皮膚炎と精神面の影響について
おたより: 内科医師
アトピーは本人のやる気次第、という記事を読んだ記憶が薄れないうちに(笑)患児のおかあさんから感謝のお言葉を頂戴しましたので、知恵元である村田さんにそのままお届けします。
患児は生後しばらくして顔面を中心とした発疹が出現し、近くの皮膚科を受診。アトピー性皮膚炎と診断されました。
定番のステロイド外用を処方され指示どおり実行していたそうですが、なかなか改善しなかったようです。
初診時には顔面を中心としてほぼ全身に発赤疹が無数に散在していました。かゆみがひどく夜間も不眠でお母さんもかなりバテバテの状態でした。
黄連解毒湯+猪苓湯+茵蔯蒿湯と六味丸+麦門冬湯の処方で治療を開始しました。
かなり順調に改善してゆきましたが、3か月ごろで効果が止まりました。
当時、お母さんが本当に治りきるのか不安で心配であるようすが明らかでした。ひょっとするとそのような母親の心理的状態が影響しているのかもしれない、と考えて、六味丸+麦門冬湯を抑肝散加陳皮半夏+炙甘草湯に変更しました。
そのあと発疹は順調に改善してゆきました。半年の時点でほぼ綺麗になり、そのあと受診されていませんでした。
つい先日、母親が花粉症になって1年半ぶりに再診されたのですが、アトピーのむすこさんと一緒でした。始め私は一緒の男児が以前診てた全身真っ赤の患児であることに気がつきませんでしたが、母親からすごくよくなってこのように綺麗になったことをお聞きしました。
本当に別人のようにきれいなお顔でしたので、私もびっくりして、「あのときのお子さんですか」と発してしまいました。
お母さんが帰り際に、「本当にその時はありがとうございました。一時はどうなるものかと家族ぐるみで大変心配していたのですが、このように良くなって安堵しています」とのお言葉でした。
患児は当時ゼロ歳ですから、お母さんのやる気というか心配症(笑)が効をなして受診と内服の世話を実施されたのも改善の要因の一つかと思いました。
それにしてもこのように治癒する症例があることは今後のアトピーのかたを拝見するうえで大変励みになりました。かさねて感謝いたします。
お返事メール:貴重なおたよりありがとうございます。
アトピー性皮膚炎はほんとうにデリケートな皮膚病だと思います。大人でも四逆散を併用している人も多く、女性では昨今、加味逍遙散を必要とする人ばかりが増えています。精神面の影響も大きい証拠だと思います。
大人の場合(といっても子供さんはお断りしている薬局ですので・・・苦笑)、ステロイド漬けの挙句に、とうとう効かなくなって長年塗布した場所から大量の滲出液が流れ出る状況に陥った人にもしばしば遭遇します。
各地の漢方薬でも結局は寛解することもできず、途中からは増悪の一途を辿って、病院では亜鉛化軟膏類を出されても、却って痒みが増大してしまう人も多く、最高潮に悪化している状態で来られるケースでは、毎日が微調整の緊張を強いられます。
重篤化したアトピーでは、毎日のように配合変化の必要があるケースが多く、滲出液が大量に出る場合は、多くは玉屏風散製剤が基本ですが、これに猪苓湯や六味丸系列の方剤だけでよい人もいれば、さらに茵蔯蒿湯や黄連解毒湯あるいは地竜、時には葛根湯の併用が必要だった人もいます。
葛根湯製剤に六味丸、猪苓湯、玉屏風散製剤という配合が適応した人もいたのですが、半ばで無音となってしまいました。
さまざまなバリエーションがあるにせよ、ステロイドの副作用(またはリバウンド)による大量の滲出液を止めるのにほとんどのケースで玉屏風散製剤が必須ではあっても、遅かれ早かれ不要になることも多く、減量したり中止するタイミングも重要です。
延々と続けていたら、熱証が強いケースでは、途中から痒みが再発してしまう人も多いわけです。
ところで大人でも、三ヶ月間は苦労の連続だった人が、その後の三ヶ月であっさり寛解してしまった時点で、突然無音となった女性達が何人もおられますが、その後の再発はないのかどうか? こちらの方が心配になります。
漢方薬は経費がかかるからと、半年間の弁証論治の苦労をねぎらってくれるどころか、とても耳障りな言葉を発して無音となった現代っ子らしい女性もいました。
短期間で素晴らしい結果が伴っても、時に苦労しがいがないな〜っと思うこともあります。ヒゲジジイは駄々っ子ですから(苦笑。
アトピーは本人のやる気次第、という記事を読んだ記憶が薄れないうちに(笑)患児のおかあさんから感謝のお言葉を頂戴しましたので、知恵元である村田さんにそのままお届けします。
患児は生後しばらくして顔面を中心とした発疹が出現し、近くの皮膚科を受診。アトピー性皮膚炎と診断されました。
定番のステロイド外用を処方され指示どおり実行していたそうですが、なかなか改善しなかったようです。
初診時には顔面を中心としてほぼ全身に発赤疹が無数に散在していました。かゆみがひどく夜間も不眠でお母さんもかなりバテバテの状態でした。
黄連解毒湯+猪苓湯+茵蔯蒿湯と六味丸+麦門冬湯の処方で治療を開始しました。
かなり順調に改善してゆきましたが、3か月ごろで効果が止まりました。
当時、お母さんが本当に治りきるのか不安で心配であるようすが明らかでした。ひょっとするとそのような母親の心理的状態が影響しているのかもしれない、と考えて、六味丸+麦門冬湯を抑肝散加陳皮半夏+炙甘草湯に変更しました。
そのあと発疹は順調に改善してゆきました。半年の時点でほぼ綺麗になり、そのあと受診されていませんでした。
つい先日、母親が花粉症になって1年半ぶりに再診されたのですが、アトピーのむすこさんと一緒でした。始め私は一緒の男児が以前診てた全身真っ赤の患児であることに気がつきませんでしたが、母親からすごくよくなってこのように綺麗になったことをお聞きしました。
本当に別人のようにきれいなお顔でしたので、私もびっくりして、「あのときのお子さんですか」と発してしまいました。
お母さんが帰り際に、「本当にその時はありがとうございました。一時はどうなるものかと家族ぐるみで大変心配していたのですが、このように良くなって安堵しています」とのお言葉でした。
患児は当時ゼロ歳ですから、お母さんのやる気というか心配症(笑)が効をなして受診と内服の世話を実施されたのも改善の要因の一つかと思いました。
それにしてもこのように治癒する症例があることは今後のアトピーのかたを拝見するうえで大変励みになりました。かさねて感謝いたします。
お返事メール:貴重なおたよりありがとうございます。
アトピー性皮膚炎はほんとうにデリケートな皮膚病だと思います。大人でも四逆散を併用している人も多く、女性では昨今、加味逍遙散を必要とする人ばかりが増えています。精神面の影響も大きい証拠だと思います。
大人の場合(といっても子供さんはお断りしている薬局ですので・・・苦笑)、ステロイド漬けの挙句に、とうとう効かなくなって長年塗布した場所から大量の滲出液が流れ出る状況に陥った人にもしばしば遭遇します。
各地の漢方薬でも結局は寛解することもできず、途中からは増悪の一途を辿って、病院では亜鉛化軟膏類を出されても、却って痒みが増大してしまう人も多く、最高潮に悪化している状態で来られるケースでは、毎日が微調整の緊張を強いられます。
重篤化したアトピーでは、毎日のように配合変化の必要があるケースが多く、滲出液が大量に出る場合は、多くは玉屏風散製剤が基本ですが、これに猪苓湯や六味丸系列の方剤だけでよい人もいれば、さらに茵蔯蒿湯や黄連解毒湯あるいは地竜、時には葛根湯の併用が必要だった人もいます。
葛根湯製剤に六味丸、猪苓湯、玉屏風散製剤という配合が適応した人もいたのですが、半ばで無音となってしまいました。
さまざまなバリエーションがあるにせよ、ステロイドの副作用(またはリバウンド)による大量の滲出液を止めるのにほとんどのケースで玉屏風散製剤が必須ではあっても、遅かれ早かれ不要になることも多く、減量したり中止するタイミングも重要です。
延々と続けていたら、熱証が強いケースでは、途中から痒みが再発してしまう人も多いわけです。
ところで大人でも、三ヶ月間は苦労の連続だった人が、その後の三ヶ月であっさり寛解してしまった時点で、突然無音となった女性達が何人もおられますが、その後の再発はないのかどうか? こちらの方が心配になります。
漢方薬は経費がかかるからと、半年間の弁証論治の苦労をねぎらってくれるどころか、とても耳障りな言葉を発して無音となった現代っ子らしい女性もいました。
短期間で素晴らしい結果が伴っても、時に苦労しがいがないな〜っと思うこともあります。ヒゲジジイは駄々っ子ですから(苦笑。
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2009年02月07日
アトピー性皮膚炎は本人のやる気次第
よほど怖い所に決死の覚悟でやって来たという雰囲気の人達が多いが、ブログで想像されるほど恐い人間ではないと思っている。
でも、それくらいの覚悟で来られる人の方が、経過がよいことが断然多いのも事実である。
本気でやる気のある人で、変な駆け引きや及び腰、思わせぶりをするようなイヤ〜〜な雰囲気を漂わせない限りは、こちらは本人以上に真剣・真面目に対処する。
その証拠に素直に頑張れる人のほとんどは一年以内にかなりなレベルの寛解を得ている。
様々な医療機関はもとより、漢方薬もかなり続けても治らないどころか、悪化してどうしようもなくなって来る人がとても多い。
数ヶ月は互いに苦労の連続ということも多いが、それに堪えられる人は半年から一年後にはかなりな寛解を得ることが出来るのである。
各種の漢方相談の中では、最も時間と労力を費やし、多大な苦労を強いられるアトピー性皮膚炎ではあるが、互いに切磋琢磨するつもりで頑張れる人達の結果は百発百中に近いものと思っている。
但し、毎年、数ヶ月の忍耐ができない複数の脱落者が出るのは実にもったいないことではあるが、そのような根性のない人は、最初から村田漢方堂薬局へ来る資格はなかったのである。
ここ数ヶ月は、新しく真面目な女性達ばかりが増えているが、短期間で驚くほどの効果が出ている人も多い。だからといって実に油断がならないアトピーだから、四季折々の変化を観察しながら、時に応じた微調整のコツを、本人みずから一定レベル習得する必要がある。
脾虚がある人には六味丸は使えないなどと、とんでもない暴論を公言して憚らない机上の空論家の中医学の指導者もいるそうだから、気をつけなければならない。
最近では、黄連解毒湯に葛根湯製剤を併用する機会が増えているが、そのような配合をその机上の空論家氏が知ったら、またどのような影口を叩かれることやらっ!
でも、それくらいの覚悟で来られる人の方が、経過がよいことが断然多いのも事実である。
本気でやる気のある人で、変な駆け引きや及び腰、思わせぶりをするようなイヤ〜〜な雰囲気を漂わせない限りは、こちらは本人以上に真剣・真面目に対処する。
その証拠に素直に頑張れる人のほとんどは一年以内にかなりなレベルの寛解を得ている。
様々な医療機関はもとより、漢方薬もかなり続けても治らないどころか、悪化してどうしようもなくなって来る人がとても多い。
数ヶ月は互いに苦労の連続ということも多いが、それに堪えられる人は半年から一年後にはかなりな寛解を得ることが出来るのである。
各種の漢方相談の中では、最も時間と労力を費やし、多大な苦労を強いられるアトピー性皮膚炎ではあるが、互いに切磋琢磨するつもりで頑張れる人達の結果は百発百中に近いものと思っている。
但し、毎年、数ヶ月の忍耐ができない複数の脱落者が出るのは実にもったいないことではあるが、そのような根性のない人は、最初から村田漢方堂薬局へ来る資格はなかったのである。
ここ数ヶ月は、新しく真面目な女性達ばかりが増えているが、短期間で驚くほどの効果が出ている人も多い。だからといって実に油断がならないアトピーだから、四季折々の変化を観察しながら、時に応じた微調整のコツを、本人みずから一定レベル習得する必要がある。
脾虚がある人には六味丸は使えないなどと、とんでもない暴論を公言して憚らない机上の空論家の中医学の指導者もいるそうだから、気をつけなければならない。
最近では、黄連解毒湯に葛根湯製剤を併用する機会が増えているが、そのような配合をその机上の空論家氏が知ったら、またどのような影口を叩かれることやらっ!
posted by ヒゲジジイ at 01:16| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年12月31日
アトピーに対する漢方基礎理論
年齢: 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 九州地方
お問い合わせ内容 : 漢方薬でアトピーを治療するということは、具体的には胃腸を強くするということですか?もしくはIgEを下げるということですか?
御返事メール:「具体的」という言い方をすれば、アトピー性皮膚炎特有の症状、猛烈な痒みと赤みを消してしまうことです。付随する乾燥肌や滲出液の分泌も。すべてはこれに尽きます。
蛇足ながら、
これを行うためには漢方基礎理論⇒アトピー性皮膚炎と漢方基礎理論(中医漢方薬学) に基づく基本的な体質と、折々に変化する症状に応じた臨機応変の適切な配合を必要とします。
胃腸が強くて痩せの大食いが原因でアトピーをますます悪化させている人も多い現実がありますので(胃強脾弱=胃熱脾虚証の場合が多い)、そのような人達に胃腸を強くするつもりで朝鮮人参入りの六君子湯や補中益気湯などを服用すれば逆効果になることがあります。
このような人達の多くは、中医学的には胃熱を除去すると同時に脾虚を補強する必要があります。但し、こんな単純な方法だけで寛解する例は、軽症者に限られるようです。
要するに胃腸ばかりを論じてもあまりにも視野が狭過ぎます。
アトピーといっても中医漢方薬学的に観察すれば、個人差があまりにも大き過ぎます。
失礼ながら御質問内容があまりにシンプルすぎて、ご質問の主旨がピンと来ません。
簡単なご住所 : 九州地方
お問い合わせ内容 : 漢方薬でアトピーを治療するということは、具体的には胃腸を強くするということですか?もしくはIgEを下げるということですか?
御返事メール:「具体的」という言い方をすれば、アトピー性皮膚炎特有の症状、猛烈な痒みと赤みを消してしまうことです。付随する乾燥肌や滲出液の分泌も。すべてはこれに尽きます。
蛇足ながら、
これを行うためには漢方基礎理論⇒アトピー性皮膚炎と漢方基礎理論(中医漢方薬学) に基づく基本的な体質と、折々に変化する症状に応じた臨機応変の適切な配合を必要とします。
胃腸が強くて痩せの大食いが原因でアトピーをますます悪化させている人も多い現実がありますので(胃強脾弱=胃熱脾虚証の場合が多い)、そのような人達に胃腸を強くするつもりで朝鮮人参入りの六君子湯や補中益気湯などを服用すれば逆効果になることがあります。
このような人達の多くは、中医学的には胃熱を除去すると同時に脾虚を補強する必要があります。但し、こんな単純な方法だけで寛解する例は、軽症者に限られるようです。
要するに胃腸ばかりを論じてもあまりにも視野が狭過ぎます。
アトピーといっても中医漢方薬学的に観察すれば、個人差があまりにも大き過ぎます。
失礼ながら御質問内容があまりにシンプルすぎて、ご質問の主旨がピンと来ません。
posted by ヒゲジジイ at 19:08| 山口 ⛄| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年12月24日
タマには申し訳程度にチョッと塗っておいたらっ
ステロイド外用薬の話である。
アトピー性皮膚炎でステロイド外用薬を医師の指示通りに毎日塗布し続けても一時好転したのもつかの間、途中からは悪化の一途を辿り、保険漢方によりますます悪化。
困り果てた末に、このトウヘンボクで頑固者の君臨する薬局に恐るおそるやって来られ、いつの間にかステロイド軟膏を必要としないほどの寛解状態に漕ぎ着けた人達。
僅か数ヶ月でほとんど離脱できた人もいれば、一年以上かかった人も珍しくはないが・・・
8〜9割の寛解状態が持続し、聞けばステロイド軟膏を既に半月、あるいは数ヶ月塗ることがないとのたもうのである。
だから、口癖のように「たまには申し訳程度に塗っておいたらっ!」とアドバイスするヒゲジジイであるが、あまり急速にステロイド軟膏から遠ざかっていると、思いがけない忘れた頃にリバウンドが来ることがあるので、それを警戒するからである。
人によっては痒くもないのに、どうしていまさらステロイドっ?!と怪訝顔をされるが、真意が分かる人はわかるのである。
調子がよいからといって数ヶ月もやせ我慢したために、軽度とはいえ、突然のリバウンドに見舞われた人もいるのだから。
急速に寛解したように見えても長年塗布し続けたステロイドだから、たまには申し訳程度に塗布するのもお愛想である(苦笑。
ところで、昨今、困ったことが勃発した。
行き場を失ったアトピーの重症者を一時抑えのためだけに適切なステロイド軟膏をもらって来るように信頼のおける皮膚科に御紹介していたが、ここへ来てとうとう逆鱗に触れたらしい。
医師のプライド?とは、いやはやっ!
それゆえもはや信頼が置けなくなってしまったのは言うまでもない。
アトピー性皮膚炎でステロイド外用薬を医師の指示通りに毎日塗布し続けても一時好転したのもつかの間、途中からは悪化の一途を辿り、保険漢方によりますます悪化。
困り果てた末に、このトウヘンボクで頑固者の君臨する薬局に恐るおそるやって来られ、いつの間にかステロイド軟膏を必要としないほどの寛解状態に漕ぎ着けた人達。
僅か数ヶ月でほとんど離脱できた人もいれば、一年以上かかった人も珍しくはないが・・・
8〜9割の寛解状態が持続し、聞けばステロイド軟膏を既に半月、あるいは数ヶ月塗ることがないとのたもうのである。
だから、口癖のように「たまには申し訳程度に塗っておいたらっ!」とアドバイスするヒゲジジイであるが、あまり急速にステロイド軟膏から遠ざかっていると、思いがけない忘れた頃にリバウンドが来ることがあるので、それを警戒するからである。
人によっては痒くもないのに、どうしていまさらステロイドっ?!と怪訝顔をされるが、真意が分かる人はわかるのである。
調子がよいからといって数ヶ月もやせ我慢したために、軽度とはいえ、突然のリバウンドに見舞われた人もいるのだから。
急速に寛解したように見えても長年塗布し続けたステロイドだから、たまには申し訳程度に塗布するのもお愛想である(苦笑。
ところで、昨今、困ったことが勃発した。
行き場を失ったアトピーの重症者を一時抑えのためだけに適切なステロイド軟膏をもらって来るように信頼のおける皮膚科に御紹介していたが、ここへ来てとうとう逆鱗に触れたらしい。
医師のプライド?とは、いやはやっ!
それゆえもはや信頼が置けなくなってしまったのは言うまでもない。
posted by ヒゲジジイ at 21:32| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年12月16日
医療関係者で長続きしないのはいつもアトピー性皮膚炎
今年のアトピー性皮膚炎で来られた新人さんで、短期間で脱落された人は、記憶するところでは一人の例外を除いてほとんどが医療関係者ばかりであった。
他の領域ではお馴染みさんになるほど漢方薬に馴染まれている医療関係者も多いのに、ことアトピー性皮膚炎に関する限りは皆さんいずれも堪え性がない。今年来られた医療関係者のアトピー性皮膚炎の男女いずれも全員、数ヶ月以内で脱落している。
今後は医療関係者のアトピー性皮膚炎の御相談はお断りすることになるだろう。
他の疾患と比べてはるかに神経を使い頻繁な微調整が必要であるが、誰が見ても分かる成果が得られた時の達成感を得るが為に、こちらも頑張っている。
しかしながら堪え性のない人達や表現能力のない人達はお断りせざるを得ない。
ひどい例では一回ポッキリで脱落した人もいる。アトピー性皮膚炎に関する限りは、医療関係者は要注意である。
蛇足ながら、多くの医師から耳にすることは、病院を受診される患者さんの中では、意外にもクレーマー予備軍が医療関係者であることも多いという。
このブログとは関係ない話ではあるが・・・。
他の領域ではお馴染みさんになるほど漢方薬に馴染まれている医療関係者も多いのに、ことアトピー性皮膚炎に関する限りは皆さんいずれも堪え性がない。今年来られた医療関係者のアトピー性皮膚炎の男女いずれも全員、数ヶ月以内で脱落している。
今後は医療関係者のアトピー性皮膚炎の御相談はお断りすることになるだろう。
他の疾患と比べてはるかに神経を使い頻繁な微調整が必要であるが、誰が見ても分かる成果が得られた時の達成感を得るが為に、こちらも頑張っている。
しかしながら堪え性のない人達や表現能力のない人達はお断りせざるを得ない。
ひどい例では一回ポッキリで脱落した人もいる。アトピー性皮膚炎に関する限りは、医療関係者は要注意である。
蛇足ながら、多くの医師から耳にすることは、病院を受診される患者さんの中では、意外にもクレーマー予備軍が医療関係者であることも多いという。
このブログとは関係ない話ではあるが・・・。
posted by ヒゲジジイ at 21:40| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年12月09日
胃腸薬の生薬製剤による腸管免疫に対する有益な作用
最近、胃腸薬の生薬製剤による腸管免疫に対する有益な作用と思われる事例が増えている。
典型的な例が、皮膚病への応用である。吹き出物関係に折々に有効に作用する事例を長年経験していたが、昨今、それが次第に顕著である。
こうなったらいずれアトピー性皮膚炎にもテストしてみないてはないのだが・・・試してみたがる有志が多いので、今後はアトピー性皮膚炎でテストしてみる必要がある。
アトピー性皮膚炎というのはとても奇妙なところがあって、昨今は理想的な配合バランスの葛根湯製剤が、かなり有効な事例を複数経験している。
但し、せっかく苦労して葛根湯証を見つけて効きかけていたのに突然音信不通になった例もある。これだから世の中は分からない。
以前は生薬製剤二号方が驚くほど効果を上げた事例を経験しているが、川芎(センキュウ)の配合量の多い方剤では、却ってアトピーを増悪させる場合があるので要注意である。
腸管免疫に配慮した胃腸薬としての効能を持つ生薬製剤による広い分野の応用を様々に想像をめぐらしている昨今である。
具体的な名前を挙げないのは、誰が読むかも分からないネット上だから、揚げ足取りのクレームを避けるためである。
上記の葛根湯が一部のアトピー性皮膚炎に適応する場合があるという記載でも、必ず誤読する馬鹿者がいて、アトピーに誰もが葛根湯が効くものと敢えて誤解して勝手に使用して、悪化したではないかとクレームが舞い込む可能性が高いのである。
どうしようもない馬鹿者というのは、クレームをつけたいがための行動を好んでしたがる暇人なのである。
まともに日本語が読めず、葛根湯証という意味も分からないくせに、だから素人療法は禁物だと、口を酸っぱくして書き続けているのである。
葛根湯がアトピーに奏功する例は極めて珍しいから書いたのである。ここまで書いても、わざと誤読する馬鹿者がいる。
典型的な例が、皮膚病への応用である。吹き出物関係に折々に有効に作用する事例を長年経験していたが、昨今、それが次第に顕著である。
こうなったらいずれアトピー性皮膚炎にもテストしてみないてはないのだが・・・試してみたがる有志が多いので、今後はアトピー性皮膚炎でテストしてみる必要がある。
アトピー性皮膚炎というのはとても奇妙なところがあって、昨今は理想的な配合バランスの葛根湯製剤が、かなり有効な事例を複数経験している。
但し、せっかく苦労して葛根湯証を見つけて効きかけていたのに突然音信不通になった例もある。これだから世の中は分からない。
以前は生薬製剤二号方が驚くほど効果を上げた事例を経験しているが、川芎(センキュウ)の配合量の多い方剤では、却ってアトピーを増悪させる場合があるので要注意である。
腸管免疫に配慮した胃腸薬としての効能を持つ生薬製剤による広い分野の応用を様々に想像をめぐらしている昨今である。
具体的な名前を挙げないのは、誰が読むかも分からないネット上だから、揚げ足取りのクレームを避けるためである。
上記の葛根湯が一部のアトピー性皮膚炎に適応する場合があるという記載でも、必ず誤読する馬鹿者がいて、アトピーに誰もが葛根湯が効くものと敢えて誤解して勝手に使用して、悪化したではないかとクレームが舞い込む可能性が高いのである。
どうしようもない馬鹿者というのは、クレームをつけたいがための行動を好んでしたがる暇人なのである。
まともに日本語が読めず、葛根湯証という意味も分からないくせに、だから素人療法は禁物だと、口を酸っぱくして書き続けているのである。
葛根湯がアトピーに奏功する例は極めて珍しいから書いたのである。ここまで書いても、わざと誤読する馬鹿者がいる。
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2008年11月23日
珍しくヒマな土曜日だったので午後は勇んでっ!
庭に出てカメムシ君たちと遊んでいました。
マクロ撮影です。人間様と付き合っているよか、なんぼ気が楽か。
ちょっと最近の奇妙な傾向を記しておくと、アトピー性皮膚炎に葛根湯証が合併している例が久しぶりに続いている。不思議な現象です。これを鵜呑みにして体質を無視して真似すると悪化することもあるので、病名治療は絶対に通用しません。
マクロ撮影です。人間様と付き合っているよか、なんぼ気が楽か。
ちょっと最近の奇妙な傾向を記しておくと、アトピー性皮膚炎に葛根湯証が合併している例が久しぶりに続いている。不思議な現象です。これを鵜呑みにして体質を無視して真似すると悪化することもあるので、病名治療は絶対に通用しません。
posted by ヒゲジジイ at 02:52| 山口 | アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年10月11日
アトピー性皮膚炎で大学病院の漢方科に行くにあたってアドバイスを求められるが・・・
性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 東北地方
具体的な御職業 : 看護師
お問合せ・ご連絡内容 : ステロイドを減量しながら約1年、その後ステロイドをやめて約5年の計6年、漢方治療してきました。
最初の1年は、体に熱があると言われ、特に冬はもともと足が冷えるにもかかわらず、漢方薬で足がしびれるほど冷え、その上顔ばかり赤かったので、アトピーを治すか冷えを我慢するかと言われ、疑問に思いやめました。
次の薬局は4年かかりました。根本原因は冷えと言われ、漢方の生薬は附子(ブシ),乾姜(カンギョウ)が基本と温める治療でした。
最初は体を動かすのもつらい状態でしたが良いときには近くの温泉施設で人前で裸になることもできる位になりました。
ただ、あまりにも重症で治るのにかなり時間が掛かり、良くはなってもまだまだひどい状態だったし、あまり冷えが原因という考えにとらわれたくないと思い、今のところに変えてみました。
原因は血虚、肺と腎を強めることとのこと。
調子が落ち着いているときは、一ヶ月くらい同じ漢方を飲めましたが、六月に胃の調子をくずしてから、胃の調子を整える漢方を加えるようになりましたが、なかなかよくならずたびたび薬が変わるうち皮膚のほうも悪化して頑張って10日くらいしか飲めなくなってきました。
このことを相談しましたが解決する話にならず少し不信に思い始めました。毎回の薬で当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)だけは変わりません。
たまたま大学病院に漢方科があるのを知り来週初診予約しています。ただ今までの経験上、アトピーのことを知る先生でないとだらだらと辛い思いが続くように感じています。
●●市には漢方医院や薬局が数少なく、頼るところがない現状です。
私は看護師でアトピーについて知識もあると思います。自分なりに調べて試して見たい漢方もありますが、大学に行くにあたり、何かアドバイス頂けないかとネットをみて思いました。
よろしくお願いします。近ければ伺いたいのですが、遠方のため継続して治療は難しいと考えます。
お返事メール:「何かアドバイス頂けないかと」ということですが、せっかくステロイドを離脱しているのに、随分漢方治療をこれまで頑張られているのに惜しいケースだと思います。
4年も頑張られたところがあるのに・・・そこまで頑張ってくれれば何とかなりそうなものですね。
といっても、ステロイド軟膏も使い方次第では、決して問題とはならないはずです。
アトピーとステロイド
また、
>私は看護師でアトピーについて知識もあると思います。
という点については、当方にも医療関係者が各種疾患で各地から来られていますが、各大学病院ですら、若い年齢層の各科の医師自身が複数、アトピー性皮膚炎に苦しめられている実体をしばしば耳にします。(さすがに医師自身が当方に来られるケースは僅少ですが・・・)
>大学病院に漢方科があるのを知り
という点については、最初にそれらを受けて、それで治らずに転々と各地の医院や漢方薬局を巡り・・・という順番の方が、当方では多い印象なのですが、貴女はその逆コースを辿られているようです。
良い先生にめぐり合える事を祈るばかりです。
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 東北地方
具体的な御職業 : 看護師
お問合せ・ご連絡内容 : ステロイドを減量しながら約1年、その後ステロイドをやめて約5年の計6年、漢方治療してきました。
最初の1年は、体に熱があると言われ、特に冬はもともと足が冷えるにもかかわらず、漢方薬で足がしびれるほど冷え、その上顔ばかり赤かったので、アトピーを治すか冷えを我慢するかと言われ、疑問に思いやめました。
次の薬局は4年かかりました。根本原因は冷えと言われ、漢方の生薬は附子(ブシ),乾姜(カンギョウ)が基本と温める治療でした。
最初は体を動かすのもつらい状態でしたが良いときには近くの温泉施設で人前で裸になることもできる位になりました。
ただ、あまりにも重症で治るのにかなり時間が掛かり、良くはなってもまだまだひどい状態だったし、あまり冷えが原因という考えにとらわれたくないと思い、今のところに変えてみました。
原因は血虚、肺と腎を強めることとのこと。
調子が落ち着いているときは、一ヶ月くらい同じ漢方を飲めましたが、六月に胃の調子をくずしてから、胃の調子を整える漢方を加えるようになりましたが、なかなかよくならずたびたび薬が変わるうち皮膚のほうも悪化して頑張って10日くらいしか飲めなくなってきました。
このことを相談しましたが解決する話にならず少し不信に思い始めました。毎回の薬で当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)だけは変わりません。
たまたま大学病院に漢方科があるのを知り来週初診予約しています。ただ今までの経験上、アトピーのことを知る先生でないとだらだらと辛い思いが続くように感じています。
●●市には漢方医院や薬局が数少なく、頼るところがない現状です。
私は看護師でアトピーについて知識もあると思います。自分なりに調べて試して見たい漢方もありますが、大学に行くにあたり、何かアドバイス頂けないかとネットをみて思いました。
よろしくお願いします。近ければ伺いたいのですが、遠方のため継続して治療は難しいと考えます。
お返事メール:「何かアドバイス頂けないかと」ということですが、せっかくステロイドを離脱しているのに、随分漢方治療をこれまで頑張られているのに惜しいケースだと思います。
4年も頑張られたところがあるのに・・・そこまで頑張ってくれれば何とかなりそうなものですね。
といっても、ステロイド軟膏も使い方次第では、決して問題とはならないはずです。
アトピーとステロイド
また、
>私は看護師でアトピーについて知識もあると思います。
という点については、当方にも医療関係者が各種疾患で各地から来られていますが、各大学病院ですら、若い年齢層の各科の医師自身が複数、アトピー性皮膚炎に苦しめられている実体をしばしば耳にします。(さすがに医師自身が当方に来られるケースは僅少ですが・・・)
>大学病院に漢方科があるのを知り
という点については、最初にそれらを受けて、それで治らずに転々と各地の医院や漢方薬局を巡り・・・という順番の方が、当方では多い印象なのですが、貴女はその逆コースを辿られているようです。
良い先生にめぐり合える事を祈るばかりです。
posted by ヒゲジジイ at 06:36| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年09月05日
漢方では西洋医学のような病名治療は通用しないのが一般である
モンスターペイシェントの実態を少しばかり調査してみたら、1割の患者さんがそれに該当するだろうということが書かれている文献があった。
医師や医療スタッフに対して1割の人がそのような態度であるのなら、市井の薬屋さん達に対して更に高い割合のモンスターペイシェンの存在が容易に察せられる。
それはともかくとして本題に入ると、最近遭遇した例で、漢方においては病名治療が不可能な場合が多いというその例証として、瀉火補腎丸による食欲増進効果を認めたケース。
転移癌手術後、半年以上経過しても回復しない極度の体力喪失、食欲不振、手足のシビレ、ひどい息切れ。
さらなる癌の再発転移を強く疑われていたので、人に紹介されて来られた。
ところが、中医漢方薬学にもとづく忠実な弁証により、こられの諸症状が瀉火補腎丸と牛黄製剤の併用によってかなりな速効で改善された。しかも精密検査で転移の疑いも晴れた。
アトピー性皮膚炎は、生理が関連して女性の場合の方が複雑なことが多いが、その割には熱心な人が多いゆえか、どちらか言えば男性よりも最終的には成績がよいような気がする。美容に直結するから熱心な人が多いのかもしれない。
(但し、短期間での脱落者は男女ともども極めて少数ながら常に存在して、微調整の苦労の大きな山場を乗り越えることが出来ないケースは、根気もさることながら冷静な観察力と客観的な報告能力欠如の問題とともに、経費的な問題も絡んでいるのかもしれない?一つ一つの漢方製剤の安さでは激安漢方として天下一品、とても評判が高いはずだが・・・苦笑)
最近、当方ではアトピーには滅多に使用しないはずの加味逍遥散が適応する人に遭遇し、これに茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の併用1週間で見かけ上、5割の改善を得た。
既に長期間服用されていた朝鮮人参入りの補中益気湯などをすべて中止してもらったことも効果を上げた。あきらかに朝鮮人参が熱証を助長していたからである。
凸凹を消すために猪苓湯製剤を追加したが、順次六味丸系列の方剤も追加すべきことが予測されている。ステロイドの離脱を焦って行わない限りは、順調に経過することだろう。漢方薬がしっかり奏功してくればステロイドは自然に減らせる問題である。
いくら加味逍遥散と茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)で一定の改善を得ても、ステロイド漬けになっている現状を考えると、また舌証にも歴然と現れていることからも、猪苓湯による滋陰利水とともに、遅かれ早かれや六味丸系列の方剤による強力な補腎は必須である。
このような中医漢方薬学派の弁証論治は、一般の漢方書籍やネット検索でも、ほとんど出て来ない方法である。
それらの一般書籍やネット検索で出て来るような病名治療(アトピー性皮膚炎の病名治療)が可能なほど、アトピーは容易な疾患ではないということである。
医師や医療スタッフに対して1割の人がそのような態度であるのなら、市井の薬屋さん達に対して更に高い割合のモンスターペイシェンの存在が容易に察せられる。
それはともかくとして本題に入ると、最近遭遇した例で、漢方においては病名治療が不可能な場合が多いというその例証として、瀉火補腎丸による食欲増進効果を認めたケース。
転移癌手術後、半年以上経過しても回復しない極度の体力喪失、食欲不振、手足のシビレ、ひどい息切れ。
さらなる癌の再発転移を強く疑われていたので、人に紹介されて来られた。
ところが、中医漢方薬学にもとづく忠実な弁証により、こられの諸症状が瀉火補腎丸と牛黄製剤の併用によってかなりな速効で改善された。しかも精密検査で転移の疑いも晴れた。
アトピー性皮膚炎は、生理が関連して女性の場合の方が複雑なことが多いが、その割には熱心な人が多いゆえか、どちらか言えば男性よりも最終的には成績がよいような気がする。美容に直結するから熱心な人が多いのかもしれない。
(但し、短期間での脱落者は男女ともども極めて少数ながら常に存在して、微調整の苦労の大きな山場を乗り越えることが出来ないケースは、根気もさることながら冷静な観察力と客観的な報告能力欠如の問題とともに、経費的な問題も絡んでいるのかもしれない?一つ一つの漢方製剤の安さでは激安漢方として天下一品、とても評判が高いはずだが・・・苦笑)
最近、当方ではアトピーには滅多に使用しないはずの加味逍遥散が適応する人に遭遇し、これに茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の併用1週間で見かけ上、5割の改善を得た。
既に長期間服用されていた朝鮮人参入りの補中益気湯などをすべて中止してもらったことも効果を上げた。あきらかに朝鮮人参が熱証を助長していたからである。
凸凹を消すために猪苓湯製剤を追加したが、順次六味丸系列の方剤も追加すべきことが予測されている。ステロイドの離脱を焦って行わない限りは、順調に経過することだろう。漢方薬がしっかり奏功してくればステロイドは自然に減らせる問題である。
いくら加味逍遥散と茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)で一定の改善を得ても、ステロイド漬けになっている現状を考えると、また舌証にも歴然と現れていることからも、猪苓湯による滋陰利水とともに、遅かれ早かれや六味丸系列の方剤による強力な補腎は必須である。
このような中医漢方薬学派の弁証論治は、一般の漢方書籍やネット検索でも、ほとんど出て来ない方法である。
それらの一般書籍やネット検索で出て来るような病名治療(アトピー性皮膚炎の病名治療)が可能なほど、アトピーは容易な疾患ではないということである。
posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年08月31日
ステロイド漬けの期間が長かった人の場合、漢方薬で8〜9割寛解を得ても、たまには挨拶程度に塗布しておいたほうがよいステロイド外用薬
アトピーばかりが本業じゃあ〜あるまいに、他の疾患に比べて苦労も多く相談時間も過剰に必要とするのに、敢えてアトピーの問題を多く取り上げるのは、治療効果の良否が外面的に明らかに白黒はっきりするし、真っ赤に腫れあがっていた人が、美男美女に生まれ変るのを見るのが楽しくもあるからである。
実際の本業から言えば、進行癌や転移癌はもとより、あらゆる種類の西洋医学が不得意とする頑固な慢性疾患のご相談は、臓器別に言えば五臓六腑四肢百骸のあらゆる領域に及んでおり、本来の本業はこちらの頑固な疾患の方が遥かに多いのは当然である。
本題のアトピー性皮膚炎では、長年のステロイド漬け状態の人が多いが、先日も述べたように初期には必ず従来通り使用してもらいつつ、漢方薬の微調整を行って次第しだいに炎症を取り除いていくので、効果が出て来るにしたがって知らず知らずに、ステロイドやプロトピックの塗布回数が減って来る。
だから、漢方薬治療を開始したからといって肩肘張ってステロイドのランクを落としたり、塗布回数を激減させる必要はないどころか、漢方薬がしっかり効果が出ないうちから、ピントが合った漢方処方であっても、無理なステロイドの減量によりリバウンドが生じること請け合いである。
一昔前と違って、こんな馬鹿なことを敢行する人は稀であるが、自然にステロイドの塗布回数が激減して、8〜9割程度の寛解に至った時点で、ステロイドの塗布をほとんど忘れるころになると、ちょっとの痒みでは我慢する傾向が強くなる場合がある。
たとえば、もう2週間も塗ってないので記録をのばそうと変な考えはよしたほうがよい。
長年塗布し続けたステロイドであるから、ご挨拶程度にたまには塗っておいたほうが、リバウンドなしに離脱できるのである。
一週間に1〜2回、ほんの部分的に塗布する程度であれば、一生涯副作用はでないであろうと言われるほどだから、このレベルの塗布回数に減量出来ている人は、大きな山場を越えたといっても過言ではない。
だから数週間以上も塗布してない人こそ、時に生じる痒みに対して、タマにはご挨拶程度に塗っておいたほうが無難なのである。
実際の本業から言えば、進行癌や転移癌はもとより、あらゆる種類の西洋医学が不得意とする頑固な慢性疾患のご相談は、臓器別に言えば五臓六腑四肢百骸のあらゆる領域に及んでおり、本来の本業はこちらの頑固な疾患の方が遥かに多いのは当然である。
本題のアトピー性皮膚炎では、長年のステロイド漬け状態の人が多いが、先日も述べたように初期には必ず従来通り使用してもらいつつ、漢方薬の微調整を行って次第しだいに炎症を取り除いていくので、効果が出て来るにしたがって知らず知らずに、ステロイドやプロトピックの塗布回数が減って来る。
だから、漢方薬治療を開始したからといって肩肘張ってステロイドのランクを落としたり、塗布回数を激減させる必要はないどころか、漢方薬がしっかり効果が出ないうちから、ピントが合った漢方処方であっても、無理なステロイドの減量によりリバウンドが生じること請け合いである。
一昔前と違って、こんな馬鹿なことを敢行する人は稀であるが、自然にステロイドの塗布回数が激減して、8〜9割程度の寛解に至った時点で、ステロイドの塗布をほとんど忘れるころになると、ちょっとの痒みでは我慢する傾向が強くなる場合がある。
たとえば、もう2週間も塗ってないので記録をのばそうと変な考えはよしたほうがよい。
長年塗布し続けたステロイドであるから、ご挨拶程度にたまには塗っておいたほうが、リバウンドなしに離脱できるのである。
一週間に1〜2回、ほんの部分的に塗布する程度であれば、一生涯副作用はでないであろうと言われるほどだから、このレベルの塗布回数に減量出来ている人は、大きな山場を越えたといっても過言ではない。
だから数週間以上も塗布してない人こそ、時に生じる痒みに対して、タマにはご挨拶程度に塗っておいたほうが無難なのである。
posted by ヒゲジジイ at 22:44| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年08月28日
漢方治療を開始すると同時に常用されていたステロイド軟膏のランクを下げ、塗布する量も激減させてしまったアトピー患者さんへ
漢方薬の基本方剤が見つけられないうちからこれをやられると漢方薬の効果は出せません。
ステロイド漬けになっていた人は、従来通りのステロイドを以前の通りのペースで塗布しながらでなければ、漢方のピントが合っているかどうかの判定が不可能です。
ピントが次第に合ってくれば、自然にステロイドの塗布回数が減ってくるのですが、このときでもステロイドのランクを落としてはならないのです。
同様の軟膏を塗布しながら、自然に使用量が減ることを指標に効果判定を行います。
それでなくても従来のステロイドでも痒みが止まりにくかった人が多い状況下で、漢方のピントが決まる前からランクを落とされたり量を減らされていては、何を使っても効果が判然とせずに五里霧中となって当然です。
二十代の男女ともども、半年〜1年もすれば多くはステロイドを塗布する量が激減します。三十代や四十代の病歴が長い人ほどステロイドの減量ペースは遅い傾向にありますが、「ステロイド漬けの期間が長ければ長いほど減量ペースが遅くなる」と言い換えることができます。
皆さん状態が悪いからこそ来られるようになった人たちだけに、従来のステロイド軟膏は継続して塗布してもらいつつ並行して漢方薬の効果判定を行います。
漢方薬の効果が出る前から、こちらが知らない間にステロイドのランクを落とされたり、中止された例は経験がありませんが、想像するだけでも恐怖です。
最近も新しくステロイド漬けの人たちが多数やって来られていますが、いずれもステロイドをこれまで同様に塗布してもらいながら、漢方薬の効果を判定してもらっています。
ところが、もしも漢方薬が効く前から、ステロイドのランクを下げられたらっと想像するだけでもゾッとします。
たとえ漢方薬のピントが合っていても効果はほとんど感じることが出来ずに五里霧中になることだろうと思わざるを得ません。
ステロイド軟膏を減量したりランクを下げるのは、漢方薬の効果が明らかに出だしてから行うべきことです。
いきなりランクを下げらるだけでなく、塗布回数も激減されたのではリバウンドが生じるのは明白ですから、長期間リバウンドと戦う日々に陥るのは明白です。
貴方はその激しいリバウンドと長期間戦う覚悟がなければ、絶対に行ってはならないことだと思います。
ステロイド漬けになっていた人は、従来通りのステロイドを以前の通りのペースで塗布しながらでなければ、漢方のピントが合っているかどうかの判定が不可能です。
ピントが次第に合ってくれば、自然にステロイドの塗布回数が減ってくるのですが、このときでもステロイドのランクを落としてはならないのです。
同様の軟膏を塗布しながら、自然に使用量が減ることを指標に効果判定を行います。
それでなくても従来のステロイドでも痒みが止まりにくかった人が多い状況下で、漢方のピントが決まる前からランクを落とされたり量を減らされていては、何を使っても効果が判然とせずに五里霧中となって当然です。
二十代の男女ともども、半年〜1年もすれば多くはステロイドを塗布する量が激減します。三十代や四十代の病歴が長い人ほどステロイドの減量ペースは遅い傾向にありますが、「ステロイド漬けの期間が長ければ長いほど減量ペースが遅くなる」と言い換えることができます。
皆さん状態が悪いからこそ来られるようになった人たちだけに、従来のステロイド軟膏は継続して塗布してもらいつつ並行して漢方薬の効果判定を行います。
漢方薬の効果が出る前から、こちらが知らない間にステロイドのランクを落とされたり、中止された例は経験がありませんが、想像するだけでも恐怖です。
最近も新しくステロイド漬けの人たちが多数やって来られていますが、いずれもステロイドをこれまで同様に塗布してもらいながら、漢方薬の効果を判定してもらっています。
ところが、もしも漢方薬が効く前から、ステロイドのランクを下げられたらっと想像するだけでもゾッとします。
たとえ漢方薬のピントが合っていても効果はほとんど感じることが出来ずに五里霧中になることだろうと思わざるを得ません。
ステロイド軟膏を減量したりランクを下げるのは、漢方薬の効果が明らかに出だしてから行うべきことです。
いきなりランクを下げらるだけでなく、塗布回数も激減されたのではリバウンドが生じるのは明白ですから、長期間リバウンドと戦う日々に陥るのは明白です。
貴方はその激しいリバウンドと長期間戦う覚悟がなければ、絶対に行ってはならないことだと思います。
posted by ヒゲジジイ at 07:24| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年08月23日
重症化したアトピーの漢方相談者が増え続ける
一昨日も四十代の女性が新たに来られた。基本方剤を直ぐに見つけることが出来たが、しばらくは炎症を抑えるのに苦労することだろう。
ここ数ヶ月のアトピーの新人さんのほとんどが、今年の春先から顕著に悪化し、病院治療や一般漢方治療では止めはがつかなくなってやって来られたケースが多い。
初回のしばらくは痒い痒いと、痒い以外の表現は無いのかいな〜〜というほど表現力の乏しい訴えしかできない人たちも、やや遠方でも無理して10日毎に足を運ぶにつれ、適切な微調整の配合を飲んでもらうことで次第に波打ちながら好転に向かうものの、しばらくは一喜一憂の日々が続く。
途中で足らなかった方剤を発見して、自信をもって追加しても逆効果だったとのメールが直ぐに舞い込んでみたり・・・、仕方がないから新たな追加処方は一時中止してもらい様子をみる。
ところが、一週間後の再来時に、しっかり状況を把握してみると、やはりどう考えても新たな追加方剤は合っているとしか思えないので、それを再度、ためしてもらうと今度は著効はないまでも、逆効果とは感じないで済んだ。
でも、まだ痒い痒いの訴えがしばらく続いていたが、数日するとようやく少し良いみたいだ、とのメールが入る。
こんな調子で、合わないと主張されていた方剤でも、タイミングを計って出直すと、やっぱり合っていたということもシバシバであるから、油断がならない。
痒みが頭に来て、超過敏になっている急性炎症の繰り返しの状況では、上手にコントロールしてあげないと、一喜一憂の繰り返しがしばらく続くことになり兼ねない。
実際にその繰り返しから、ようやく病状も落ち着き始めた頃になると既に半年以上も服用した気分になっている人が多いのに驚く。
先日も、ようやく病状が落ち着いて来た人に「まだ二ヶ月も経ってなかったんですね〜〜〜っ」と言われてお互いに苦笑したものである。
7〜10日のペースで微調整を繰り返し、途中のメールでも直ぐに微調整を行うので・・・といっても殆どのケースでは、初回に出した方剤が、やはり重要な基本方剤となっているケースがとても多い。
一時、逆効果に見えた方剤でも、病状がやや安定した時点では、必須の方剤として再登場するケースがとても多い。
たとえば腎虚に対する方剤は、初回から必要なこともあれば、初期に使用すると時期尚早で、使用を半年延期せざるを得ないこともある。
痒み止めとしても人気が高い辛涼解表の方剤でも、初期には逆効果に感じていた人が、一年経つ頃には大活躍するようになったケースも珍しくない。
最近の新しい人の中には、初期の頃に追加した黄連解毒湯が、僅か1回の併用で却って真っ赤に腫れて痒みが増大したとて直ぐに中止していたのだが、一月半の後には必須の方剤となっているケースもある。
だからアトピーに対する方剤の運用というのは、早く基本方剤を見つけてそれらを土台に、何を併用するべきかの法則性を見つけてあげなければならない。
望まれるほどには速効が出るとは限らないので、痒い痒いという、効く効かないの超短期的な訴えに耳を傾け過ぎ、いつまでもぐるぐる回りして単なる対症療法の探索に追われていると、結局は埒が明かなくなるケースが出て来ないとも限らない。
ここ数ヶ月のアトピーの新人さんのほとんどが、今年の春先から顕著に悪化し、病院治療や一般漢方治療では止めはがつかなくなってやって来られたケースが多い。
初回のしばらくは痒い痒いと、痒い以外の表現は無いのかいな〜〜というほど表現力の乏しい訴えしかできない人たちも、やや遠方でも無理して10日毎に足を運ぶにつれ、適切な微調整の配合を飲んでもらうことで次第に波打ちながら好転に向かうものの、しばらくは一喜一憂の日々が続く。
途中で足らなかった方剤を発見して、自信をもって追加しても逆効果だったとのメールが直ぐに舞い込んでみたり・・・、仕方がないから新たな追加処方は一時中止してもらい様子をみる。
ところが、一週間後の再来時に、しっかり状況を把握してみると、やはりどう考えても新たな追加方剤は合っているとしか思えないので、それを再度、ためしてもらうと今度は著効はないまでも、逆効果とは感じないで済んだ。
でも、まだ痒い痒いの訴えがしばらく続いていたが、数日するとようやく少し良いみたいだ、とのメールが入る。
こんな調子で、合わないと主張されていた方剤でも、タイミングを計って出直すと、やっぱり合っていたということもシバシバであるから、油断がならない。
痒みが頭に来て、超過敏になっている急性炎症の繰り返しの状況では、上手にコントロールしてあげないと、一喜一憂の繰り返しがしばらく続くことになり兼ねない。
実際にその繰り返しから、ようやく病状も落ち着き始めた頃になると既に半年以上も服用した気分になっている人が多いのに驚く。
先日も、ようやく病状が落ち着いて来た人に「まだ二ヶ月も経ってなかったんですね〜〜〜っ」と言われてお互いに苦笑したものである。
7〜10日のペースで微調整を繰り返し、途中のメールでも直ぐに微調整を行うので・・・といっても殆どのケースでは、初回に出した方剤が、やはり重要な基本方剤となっているケースがとても多い。
一時、逆効果に見えた方剤でも、病状がやや安定した時点では、必須の方剤として再登場するケースがとても多い。
たとえば腎虚に対する方剤は、初回から必要なこともあれば、初期に使用すると時期尚早で、使用を半年延期せざるを得ないこともある。
痒み止めとしても人気が高い辛涼解表の方剤でも、初期には逆効果に感じていた人が、一年経つ頃には大活躍するようになったケースも珍しくない。
最近の新しい人の中には、初期の頃に追加した黄連解毒湯が、僅か1回の併用で却って真っ赤に腫れて痒みが増大したとて直ぐに中止していたのだが、一月半の後には必須の方剤となっているケースもある。
だからアトピーに対する方剤の運用というのは、早く基本方剤を見つけてそれらを土台に、何を併用するべきかの法則性を見つけてあげなければならない。
望まれるほどには速効が出るとは限らないので、痒い痒いという、効く効かないの超短期的な訴えに耳を傾け過ぎ、いつまでもぐるぐる回りして単なる対症療法の探索に追われていると、結局は埒が明かなくなるケースが出て来ないとも限らない。
posted by ヒゲジジイ at 01:34| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年08月22日
ステロイド漬けのアトピー患者さんたちに対する漢方薬
外用ステロイドに嵌って滅茶苦茶になって来られる人が増え続ける。通える範囲の人は幸いで、遅かれ早かれ安定してくるので、一定期間の我慢比べで、次第に複雑な配合パターンが決まって来る。
但し、外用ステロイドは漢方薬をはじめたからといって急に中断すると、必ずリバウンドがやって来るから、しばらくは必要最小限のレベルでステロイドの塗布を怠ってはならない。
リバウンドを起こさずにステロイド離脱の最も安全な方法は、フィットした漢方薬を続けながら、徐々に徐々に塗布回数を減らして行くこと。
何度口を酸っぱくして言っても、それを聞き入れない頑固者も多く、忘れた頃にリバウンドが来て、慌てふためくのが落ちである。
このアドバイスを忠実に守れる人達だけが残って、アトピー自体もスムーズに改善しながら、ステロイドを離脱できるし、完全離脱が直ぐにかなわなくとも、同じ場所に一週間に1〜2回塗布する程度なら、一生涯塗っても副作用は出ないだろうといわれているくらいだから、その程度の塗布であれば心配無用である。(参考文献:ステロイドの塗布の問題についてはアトピーの漢方治療で詳細に紹介している。)
遠方の人では最低限二泊三日の旅程だから三日連続の直接相談ができるので、何とかその後のメール交信で、試行錯誤しながら次第に安定して来る。
そして何とか病状が半減する頃には、気がつくと臨機応変に配合変化を行うための常備薬がズラリと並んでいることが多い。
それだけ気合の入った人が多いので、ノロノロながらも寛解に向うわけだが、その間には常備薬の種類が半端じゃないのである。
年齢的には意外に四十歳以上の人が多く、だから病歴も半端じゃない。
現在、アトピーの人が増え過ぎて頭が混乱しそうだが、一部の例外的な人を除いて、のろのろながらも比較的順調に経過している人が多い。
中には漢方の書籍を沢山取り寄せて読破されて来られた人がいて、自身が服用されている漢方薬が全然書籍に書かれてなかったという。
本に書かれているレベルのアトピーの漢方治療では治らない人が続出しているのが厳然たる現実だから、何の不思議もないだろうということで納得されている。
なお、アトピーの半数の人に使用してもらっている例の体質改善三点セットを重症の乾癬にも応用してみたところ、短期間に抜群のバックアップに成功しつつある。瀉火補腎丸・黄連解毒湯・茵蔯蒿湯などとともに体質改善三点セットである。
10年以上前にも当方で多種類の併用方剤を継続されていたが、中途半端な寛解のまま中断されていた人である。
例の体質改善三点セットは多くのアレルギー疾患のバックアップとして大活躍しているが、乾癬に対しても例外ではないようである。
但し、アトピーでも1割の人には無効だが、大人の喘息(小児喘息型)にはこれまで例外なく強力なバックアップに成功している。
しかしながら、いずれは例外も出て来ることだろう。
アトピー性皮膚炎にも絶対的に自信を抱いていた時期が長かったが、昨年、初期には超速効で劇的な改善をみたのに、排卵日を境に効果が激減してもとの木阿弥状態。
結局は体質改善三点セットは邪魔になり、黄連解毒湯・補中益気丸・六味丸・猪苓湯・イオン化カルシウムなどで半年で十分な寛解を得たという例外もあったので、いずれの方法であれ、過信は禁物である。
何事も例外はつきものである。
但し、外用ステロイドは漢方薬をはじめたからといって急に中断すると、必ずリバウンドがやって来るから、しばらくは必要最小限のレベルでステロイドの塗布を怠ってはならない。
リバウンドを起こさずにステロイド離脱の最も安全な方法は、フィットした漢方薬を続けながら、徐々に徐々に塗布回数を減らして行くこと。
何度口を酸っぱくして言っても、それを聞き入れない頑固者も多く、忘れた頃にリバウンドが来て、慌てふためくのが落ちである。
このアドバイスを忠実に守れる人達だけが残って、アトピー自体もスムーズに改善しながら、ステロイドを離脱できるし、完全離脱が直ぐにかなわなくとも、同じ場所に一週間に1〜2回塗布する程度なら、一生涯塗っても副作用は出ないだろうといわれているくらいだから、その程度の塗布であれば心配無用である。(参考文献:ステロイドの塗布の問題についてはアトピーの漢方治療で詳細に紹介している。)
遠方の人では最低限二泊三日の旅程だから三日連続の直接相談ができるので、何とかその後のメール交信で、試行錯誤しながら次第に安定して来る。
そして何とか病状が半減する頃には、気がつくと臨機応変に配合変化を行うための常備薬がズラリと並んでいることが多い。
それだけ気合の入った人が多いので、ノロノロながらも寛解に向うわけだが、その間には常備薬の種類が半端じゃないのである。
年齢的には意外に四十歳以上の人が多く、だから病歴も半端じゃない。
現在、アトピーの人が増え過ぎて頭が混乱しそうだが、一部の例外的な人を除いて、のろのろながらも比較的順調に経過している人が多い。
中には漢方の書籍を沢山取り寄せて読破されて来られた人がいて、自身が服用されている漢方薬が全然書籍に書かれてなかったという。
本に書かれているレベルのアトピーの漢方治療では治らない人が続出しているのが厳然たる現実だから、何の不思議もないだろうということで納得されている。
なお、アトピーの半数の人に使用してもらっている例の体質改善三点セットを重症の乾癬にも応用してみたところ、短期間に抜群のバックアップに成功しつつある。瀉火補腎丸・黄連解毒湯・茵蔯蒿湯などとともに体質改善三点セットである。
10年以上前にも当方で多種類の併用方剤を継続されていたが、中途半端な寛解のまま中断されていた人である。
例の体質改善三点セットは多くのアレルギー疾患のバックアップとして大活躍しているが、乾癬に対しても例外ではないようである。
但し、アトピーでも1割の人には無効だが、大人の喘息(小児喘息型)にはこれまで例外なく強力なバックアップに成功している。
しかしながら、いずれは例外も出て来ることだろう。
アトピー性皮膚炎にも絶対的に自信を抱いていた時期が長かったが、昨年、初期には超速効で劇的な改善をみたのに、排卵日を境に効果が激減してもとの木阿弥状態。
結局は体質改善三点セットは邪魔になり、黄連解毒湯・補中益気丸・六味丸・猪苓湯・イオン化カルシウムなどで半年で十分な寛解を得たという例外もあったので、いずれの方法であれ、過信は禁物である。
何事も例外はつきものである。
posted by ヒゲジジイ at 00:21| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年08月06日
アトピー性皮膚炎の漢方治療における根気の重要性について
昨日の続き
折り返し頂いたメール:お忙しい中、早速返信いただき恐縮です。
抗生物質の軟膏はまだ使ったことがなかったので、漢方と併用してみようと思います。
確かにとびひに対する抗生物質の処方でも各医師によってまちまちで、自分でももどかしいことがあります。
漢方薬に関してはなかなかピントを合わせてくださる方とお会いできずにジプシー状態なのが現実です。
自分の見極めが早いのかも(2ヶ月くらい)しれませんが、先生から見て、どれくらいの期間でピントがあわなければかえてみてもかまわないとお考えですか?
ご返信いただきますと幸いです。
ありがとうございました。
追伸
今まで通った漢方の中で、自分が飲んでいる処方の名前を教えてもらっ たことはありません。そういう意味で先生のところは、目から鱗でした。
それがきっかけでブログを毎日読ませていただいている昨今です。
お返事メール:トビヒが生じている面積にもよるのかもしれませんが、狭い範囲なら断然抗生物質軟膏や中黄膏などだけでも治ってしまうのが通常です。
ところで、アトピー性皮膚炎に処方不明の煎じ薬を服用中だそうですが、処方未公開のものをこの情報公開が当然の時代に、なんとも前近代的な感性(販売側も購入側も・・・)にはやや驚かされるほどです。
いつも書いていますように処方を秘匿することは薬事法違反でもありますが、この点については販売側にやや同情せざるを得ない事情もあります。処方公開していたら効果が出始めた時点で安いところに逃げられるという恐怖感からに他ならないからです。
(昨今、この業界も四川省の地震などの影響で、本来なら原料生薬の将来的な不安から、漢方薬類の価格が高騰しても当然な時代ですが・・・来年くらいには気がついたら、いくらお金を積んでも物が無いっ!という事態が大いにあり得る不安が内在している漢方業界です。)
ともあれ、何日毎に通われて微調整を繰り返されておられるのかのご報告が無いので、僅か二ヶ月間で転々と薬局を変えられる事情を推察することすら不能ですが、手前味噌ながら当方では7〜10日毎に通ってもらいつつ微調整を繰り返しますので、運悪く当初から効き目が悪い人でも、二ヶ月目に入る頃こそ微調整たけなわの事情から、最も佳境に入る頃になるので理解困難です。(ご本人にも微調整のコツを習得してもらいますので・・・)。
また、どれくらいでピントが合わなければ・・・というご質問ですが、当方では諦めの早い人は一度来られたのみで止める人が一割程度。
二度目からが本格的な漢方治療がはじまるというのに、実に馬鹿な連中だと思っていますが、それ以外の人達は多くは一定の寛解(8割以上)が得られるまで頑張られるのが通例です。
難航した場合は半年間以上、行ったり来たりで難渋しつくしても、そのうち快方にに向っているので、そのような困難を極めた例ほど漢方の偉大さに嵌っておられるように思います。
ともあれ難渋した場合こそ、変えてしまうとまたゼロからのやり直しで無駄の連続になるような気がしてなりません。
ピンと合わせに難渋するということは、その間にも多くのデータが蓄積されるということでもあり、なおかつ、どこ行っても複雑な病証であることが多く、そこでも治療困難ということで、またこちらに戻って来られるケースも目に付きます。
以上、取り急ぎお返事まで。
折り返し頂いたメール:長いご返信、ありがとうございます。
ブログにのっていたので、びっくりしました。
いつも自分が読んでいるところに記事が載っているとなんか変な気持ちです。(悪い意味ではないです。ブログに掲載の件は もちろん了承ですので)
とびひは両腕、両足、胸、背中ほぼ全身です。
面積が広いので、内服の方が良いのかもしれないですよね。
漢方の処方を聞くというお話は、一度聞いては見たのです。
色々な生薬の名前を書いてもらったのですが、杞菊地黄丸のような名前がつくような配合ではなくその方のオリジナルのような感じでした。
ピントがあうまでは辛抱強く通うしかありませんね。
一週間ごとに通って2ヶ月です。考えてみれば少し余裕がないのかもしれません。
でも、皮膚の具合が悪い状態で何ヶ月も耐えるのはなかなか根性がいり ます。
ステロイドは塗りたくないですし。
先生のところがもう少し近ければ絶対に通うのですが。
それにしても、一回はひどいですね。野次馬のような気もしますが。
魔法なんかはこの世の中には存在しないのに・・悲しいですね。1回で治ると思ったのでしょうか?
余談ですが、先生の常連さんを大切にするというの考えにも感銘をうけ ました。
その患者さんがいたからこそ、先生の処方がさらに良いものになったと いうことをご自身が理解されていて口に出されるのがすごいと思いました。
恩を忘れない方なんですね。
色々とありがとうございました。
ヒゲジジイのお返事メール: 全身に及ぶトビヒであれば、やはり内服薬が優先となって当然ですね。
漢方を配合をするときには、必ず基本方剤というものがあります。基本方剤に基かない処方投与は中医学の伝統を崩壊させるものであると、名老中医たちが口を揃えて訴えていることです。
サーズが流行したときも、中堅の中西医結合派では治らず、基本方剤を大事にする名老中医たちはよく治したと言います。
基本処方の名を告げずに、生薬名だけを告げるのは、やはり処方を隠しておきたいからです。(その心理は同業者としてよく理解できます。)
ところで、ステロイドの使用も正しく使用すれば、決して危ないものではありません。1週間に1〜2回の塗布ならほとんど蓄積することはないと言われます。
なお、ブログに転載させて頂く条件のもとで、お返事申し上げることはお問い合わせフォームに注記させて頂いている通りです。その点、悪しからずご了承下さいませ。
【編集後記】 様々なところで漢方治療を繰り返しても治らず、村田漢方堂薬局に辿り着いたというケースでは、往々にして8割以上の寛解を得られるまで、一部の処方は固定できても、併用する様々な方剤や単味生薬類を臨機応変に常に微調整を繰り返す必要があったケースはとても多い。
つまり、一定レベル以上のアトピー性皮膚炎では、配合の組み合わせが分かったからといって、他の疾患のように安易に固定出来ないことが多い。
ピントが合う合わないといっても、常に一定のピントを維持ずるには臨機応変の配合変化の法則を分析しつつお互いに考えながら、ご本人自身に習得し体得してもらう必要が生じるのである。
現時点でも、黄連解毒湯や瀉火補腎丸が必須となったかと思うと、急転直下、翌日には補中益気丸主体の配合にシフトしなければならないという、陰陽の幅がとても狭い体質の人もおられ、遠方ゆえにメールで互いに切磋琢磨してご苦労の連続の人もおられるのである。
しかしながら、こういうケースこそ、体質改善三点セットの出番ではないかと思案している最中なのである。
折り返し頂いたメール:お忙しい中、早速返信いただき恐縮です。
抗生物質の軟膏はまだ使ったことがなかったので、漢方と併用してみようと思います。
確かにとびひに対する抗生物質の処方でも各医師によってまちまちで、自分でももどかしいことがあります。
漢方薬に関してはなかなかピントを合わせてくださる方とお会いできずにジプシー状態なのが現実です。
自分の見極めが早いのかも(2ヶ月くらい)しれませんが、先生から見て、どれくらいの期間でピントがあわなければかえてみてもかまわないとお考えですか?
ご返信いただきますと幸いです。
ありがとうございました。
追伸
今まで通った漢方の中で、自分が飲んでいる処方の名前を教えてもらっ たことはありません。そういう意味で先生のところは、目から鱗でした。
それがきっかけでブログを毎日読ませていただいている昨今です。
お返事メール:トビヒが生じている面積にもよるのかもしれませんが、狭い範囲なら断然抗生物質軟膏や中黄膏などだけでも治ってしまうのが通常です。
ところで、アトピー性皮膚炎に処方不明の煎じ薬を服用中だそうですが、処方未公開のものをこの情報公開が当然の時代に、なんとも前近代的な感性(販売側も購入側も・・・)にはやや驚かされるほどです。
いつも書いていますように処方を秘匿することは薬事法違反でもありますが、この点については販売側にやや同情せざるを得ない事情もあります。処方公開していたら効果が出始めた時点で安いところに逃げられるという恐怖感からに他ならないからです。
(昨今、この業界も四川省の地震などの影響で、本来なら原料生薬の将来的な不安から、漢方薬類の価格が高騰しても当然な時代ですが・・・来年くらいには気がついたら、いくらお金を積んでも物が無いっ!という事態が大いにあり得る不安が内在している漢方業界です。)
ともあれ、何日毎に通われて微調整を繰り返されておられるのかのご報告が無いので、僅か二ヶ月間で転々と薬局を変えられる事情を推察することすら不能ですが、手前味噌ながら当方では7〜10日毎に通ってもらいつつ微調整を繰り返しますので、運悪く当初から効き目が悪い人でも、二ヶ月目に入る頃こそ微調整たけなわの事情から、最も佳境に入る頃になるので理解困難です。(ご本人にも微調整のコツを習得してもらいますので・・・)。
また、どれくらいでピントが合わなければ・・・というご質問ですが、当方では諦めの早い人は一度来られたのみで止める人が一割程度。
二度目からが本格的な漢方治療がはじまるというのに、実に馬鹿な連中だと思っていますが、それ以外の人達は多くは一定の寛解(8割以上)が得られるまで頑張られるのが通例です。
難航した場合は半年間以上、行ったり来たりで難渋しつくしても、そのうち快方にに向っているので、そのような困難を極めた例ほど漢方の偉大さに嵌っておられるように思います。
ともあれ難渋した場合こそ、変えてしまうとまたゼロからのやり直しで無駄の連続になるような気がしてなりません。
ピンと合わせに難渋するということは、その間にも多くのデータが蓄積されるということでもあり、なおかつ、どこ行っても複雑な病証であることが多く、そこでも治療困難ということで、またこちらに戻って来られるケースも目に付きます。
以上、取り急ぎお返事まで。
折り返し頂いたメール:長いご返信、ありがとうございます。
ブログにのっていたので、びっくりしました。
いつも自分が読んでいるところに記事が載っているとなんか変な気持ちです。(悪い意味ではないです。ブログに掲載の件は もちろん了承ですので)
とびひは両腕、両足、胸、背中ほぼ全身です。
面積が広いので、内服の方が良いのかもしれないですよね。
漢方の処方を聞くというお話は、一度聞いては見たのです。
色々な生薬の名前を書いてもらったのですが、杞菊地黄丸のような名前がつくような配合ではなくその方のオリジナルのような感じでした。
ピントがあうまでは辛抱強く通うしかありませんね。
一週間ごとに通って2ヶ月です。考えてみれば少し余裕がないのかもしれません。
でも、皮膚の具合が悪い状態で何ヶ月も耐えるのはなかなか根性がいり ます。
ステロイドは塗りたくないですし。
先生のところがもう少し近ければ絶対に通うのですが。
それにしても、一回はひどいですね。野次馬のような気もしますが。
魔法なんかはこの世の中には存在しないのに・・悲しいですね。1回で治ると思ったのでしょうか?
余談ですが、先生の常連さんを大切にするというの考えにも感銘をうけ ました。
その患者さんがいたからこそ、先生の処方がさらに良いものになったと いうことをご自身が理解されていて口に出されるのがすごいと思いました。
恩を忘れない方なんですね。
色々とありがとうございました。
ヒゲジジイのお返事メール: 全身に及ぶトビヒであれば、やはり内服薬が優先となって当然ですね。
漢方を配合をするときには、必ず基本方剤というものがあります。基本方剤に基かない処方投与は中医学の伝統を崩壊させるものであると、名老中医たちが口を揃えて訴えていることです。
サーズが流行したときも、中堅の中西医結合派では治らず、基本方剤を大事にする名老中医たちはよく治したと言います。
基本処方の名を告げずに、生薬名だけを告げるのは、やはり処方を隠しておきたいからです。(その心理は同業者としてよく理解できます。)
ところで、ステロイドの使用も正しく使用すれば、決して危ないものではありません。1週間に1〜2回の塗布ならほとんど蓄積することはないと言われます。
なお、ブログに転載させて頂く条件のもとで、お返事申し上げることはお問い合わせフォームに注記させて頂いている通りです。その点、悪しからずご了承下さいませ。
【編集後記】 様々なところで漢方治療を繰り返しても治らず、村田漢方堂薬局に辿り着いたというケースでは、往々にして8割以上の寛解を得られるまで、一部の処方は固定できても、併用する様々な方剤や単味生薬類を臨機応変に常に微調整を繰り返す必要があったケースはとても多い。
つまり、一定レベル以上のアトピー性皮膚炎では、配合の組み合わせが分かったからといって、他の疾患のように安易に固定出来ないことが多い。
ピントが合う合わないといっても、常に一定のピントを維持ずるには臨機応変の配合変化の法則を分析しつつお互いに考えながら、ご本人自身に習得し体得してもらう必要が生じるのである。
現時点でも、黄連解毒湯や瀉火補腎丸が必須となったかと思うと、急転直下、翌日には補中益気丸主体の配合にシフトしなければならないという、陰陽の幅がとても狭い体質の人もおられ、遠方ゆえにメールで互いに切磋琢磨してご苦労の連続の人もおられるのである。
しかしながら、こういうケースこそ、体質改善三点セットの出番ではないかと思案している最中なのである。
posted by ヒゲジジイ at 00:14| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年08月05日
アトピー性皮膚炎に合併するトビヒについて
性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 :近畿地方
お問い合わせ内容 : 村田様いつも楽しくブログを読ませていただいてます。
長年アトピーを患っており、色々治療法を試したのですが、やはり漢方しかないと思って、煎じ薬を飲んで治療をしています。
質問なのですが、夏場にどうしてもとびひにかかり、なかなか治るのが遅いのです。抗生物質をもらいに別の皮膚科にいき、それと併用して漢方を飲んでいる状態なのですが、なかなかよくならずに困っています。
処方があっていれば、抗生物質を飲まなくても漢方だけで治るものなのでしょうか?
よろしければ、ご返答おねがいします。
お返事メール: たとえ漢方薬によってアトピーがかなり改善されている状態であっても、皮膚の抵抗力がしっかり養われていない段階においては、大人の場合でも思いがけずトビヒに感染してしまうことがありがちです。
この場合は、トビヒに対する特別な漢方薬の配合が必要となりますので、手っ取り早くは西洋医学における抗生物質を利用して早く治療する方法も便利なはずです。
つまり、たとえアトピーに対する漢方薬がよく奏功している場合でも、思いがけずトビヒに感染してしまう例は、時折、遭遇することですが、大人の場合では多くの場合、抗生物質を利用すれば短期間で治るので便利なはずです。
トビヒやもちろん漢方薬でも十分に治療が可能ですが、アトピー性皮膚炎用の漢方薬とは別の漢方薬の併用が必要となり、その分、余計に経費がかかってしまうことでしょう。
ただ、文面を拝見するとなかなかトビヒが治らないということですので、投与されている抗生物質が不適切な可能性が高く、また漢方薬のピントがまだしっかり合ってないためにアトピー性皮膚炎の改善レベルが遅過ぎるのか、あるいはその両者かもしれません。
アトピーの病状がかなり改善されていれば、抗生物質の内服薬を用いなくとも、抗生物質軟膏のみで十分に治ることが多いはずです。
当方の過去の経験では、漢方薬の中黄膏だけで簡単に治る例も珍しくありませんでした。
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 :近畿地方
お問い合わせ内容 : 村田様いつも楽しくブログを読ませていただいてます。
長年アトピーを患っており、色々治療法を試したのですが、やはり漢方しかないと思って、煎じ薬を飲んで治療をしています。
質問なのですが、夏場にどうしてもとびひにかかり、なかなか治るのが遅いのです。抗生物質をもらいに別の皮膚科にいき、それと併用して漢方を飲んでいる状態なのですが、なかなかよくならずに困っています。
処方があっていれば、抗生物質を飲まなくても漢方だけで治るものなのでしょうか?
よろしければ、ご返答おねがいします。
お返事メール: たとえ漢方薬によってアトピーがかなり改善されている状態であっても、皮膚の抵抗力がしっかり養われていない段階においては、大人の場合でも思いがけずトビヒに感染してしまうことがありがちです。
この場合は、トビヒに対する特別な漢方薬の配合が必要となりますので、手っ取り早くは西洋医学における抗生物質を利用して早く治療する方法も便利なはずです。
つまり、たとえアトピーに対する漢方薬がよく奏功している場合でも、思いがけずトビヒに感染してしまう例は、時折、遭遇することですが、大人の場合では多くの場合、抗生物質を利用すれば短期間で治るので便利なはずです。
トビヒやもちろん漢方薬でも十分に治療が可能ですが、アトピー性皮膚炎用の漢方薬とは別の漢方薬の併用が必要となり、その分、余計に経費がかかってしまうことでしょう。
ただ、文面を拝見するとなかなかトビヒが治らないということですので、投与されている抗生物質が不適切な可能性が高く、また漢方薬のピントがまだしっかり合ってないためにアトピー性皮膚炎の改善レベルが遅過ぎるのか、あるいはその両者かもしれません。
アトピーの病状がかなり改善されていれば、抗生物質の内服薬を用いなくとも、抗生物質軟膏のみで十分に治ることが多いはずです。
当方の過去の経験では、漢方薬の中黄膏だけで簡単に治る例も珍しくありませんでした。
posted by ヒゲジジイ at 00:41| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年07月14日
具体的な漢方処方を提示することの問題点
最近の新人さんで目立つのが、当方のブログ類を御覧になって様々に模倣してみたが、一向に改善しないのでとうとう直接やって来られたケースが続く。
とりわけアトピーのように最初の間は臨機応変に方剤の配合変化を行う必要がある疾患に対して、どうしても素人さんは固定的に考えてしまうので、逆効果の方剤を熱心に続けていて、少しは効果があったように誤解していたケースもみられる。
膠原病などでも、どの辺を御覧になったのかは知らないが、つまみ食い的な使用方法ばかりだから、長期間、無駄な努力を重ねられていたケースもある。
いずれも既にツムラの保険漢方は何度も経験済みで、治らないからサイトで検索して自身の研究で漢方薬の素人療法を行っていた人達である。
一定レベル以上の疾患では、ピントのあった基本骨格の方剤を見つけるのにしばらくかかる場合があり、アトピー性皮膚炎のように変化が激しい疾患では、常に臨機応変の配合変化が必要になることも心得ておかねばならない。
たとえば分泌物が多いケースや、全身から汁が流れるほど出て体力を喪失して命の不安まで覚えるほどだったケースなどでは、初期に絶対的に必要だった玉屏風散や玉屏風散+補中益気丸というケースも珍しくないが、かなり改善して一年も経つ頃にはむしろ邪魔になり、体質改善の基本方剤から外す必要が生じることも珍しくないのである。
とりわけ変化の激しいアトピー性皮膚炎では、連用する方剤を固定的に考えてはならず、常に必要な基本方剤がどれであるかを見極めた上で、折々に配合比率を変化させる必要があり、あるいは併用すべき方剤が異なる臨機応変さを必要とする。
その常に必要な基本方剤ですら、8割程度の寛解を得て以後は、一部方剤を入れ替える必要が生じることも稀とは言い切れない。
使ったり使わなかったりする必要が出てくる方剤も多いし、そのようなきめ細かな配慮がなされればなされるほど改善率が向上するのである。
アトピー以外の疾患でも、葛根湯系列の方剤では常用する方が良いとは限らず、長期間必要とするにしても適宜使用した方がよいケースと、常用すべきケースと大きく分かれる。
適宜使用すべき人が常用してしまうと、この暑い季節だから桂皮や麻黄の辛温発散作用により、皮膚に痒みが勃発する事だってあり得る。
あまり具体的なことをこれまで書き過ぎたつもりはないのだが、却って中途半端な書き方が多かったために、専門家には割り引いて考えてもらえるだろうが・・・。
ところが、中医学理論や中医学の基本用語に暗い素人さんに模倣されるケースを想定していなかっただけに、今後はブログの書き方をどのようにすべきかと思案しているところである。
一定レベル以上の疾患ともなると、素人さんがちょっと齧りで模倣しても、ほとんどうまくいくはずもないのが目に見えているのだから。
とりわけアトピーのように最初の間は臨機応変に方剤の配合変化を行う必要がある疾患に対して、どうしても素人さんは固定的に考えてしまうので、逆効果の方剤を熱心に続けていて、少しは効果があったように誤解していたケースもみられる。
膠原病などでも、どの辺を御覧になったのかは知らないが、つまみ食い的な使用方法ばかりだから、長期間、無駄な努力を重ねられていたケースもある。
いずれも既にツムラの保険漢方は何度も経験済みで、治らないからサイトで検索して自身の研究で漢方薬の素人療法を行っていた人達である。
一定レベル以上の疾患では、ピントのあった基本骨格の方剤を見つけるのにしばらくかかる場合があり、アトピー性皮膚炎のように変化が激しい疾患では、常に臨機応変の配合変化が必要になることも心得ておかねばならない。
たとえば分泌物が多いケースや、全身から汁が流れるほど出て体力を喪失して命の不安まで覚えるほどだったケースなどでは、初期に絶対的に必要だった玉屏風散や玉屏風散+補中益気丸というケースも珍しくないが、かなり改善して一年も経つ頃にはむしろ邪魔になり、体質改善の基本方剤から外す必要が生じることも珍しくないのである。
とりわけ変化の激しいアトピー性皮膚炎では、連用する方剤を固定的に考えてはならず、常に必要な基本方剤がどれであるかを見極めた上で、折々に配合比率を変化させる必要があり、あるいは併用すべき方剤が異なる臨機応変さを必要とする。
その常に必要な基本方剤ですら、8割程度の寛解を得て以後は、一部方剤を入れ替える必要が生じることも稀とは言い切れない。
使ったり使わなかったりする必要が出てくる方剤も多いし、そのようなきめ細かな配慮がなされればなされるほど改善率が向上するのである。
アトピー以外の疾患でも、葛根湯系列の方剤では常用する方が良いとは限らず、長期間必要とするにしても適宜使用した方がよいケースと、常用すべきケースと大きく分かれる。
適宜使用すべき人が常用してしまうと、この暑い季節だから桂皮や麻黄の辛温発散作用により、皮膚に痒みが勃発する事だってあり得る。
あまり具体的なことをこれまで書き過ぎたつもりはないのだが、却って中途半端な書き方が多かったために、専門家には割り引いて考えてもらえるだろうが・・・。
ところが、中医学理論や中医学の基本用語に暗い素人さんに模倣されるケースを想定していなかっただけに、今後はブログの書き方をどのようにすべきかと思案しているところである。
一定レベル以上の疾患ともなると、素人さんがちょっと齧りで模倣しても、ほとんどうまくいくはずもないのが目に見えているのだから。
posted by ヒゲジジイ at 00:47| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年07月02日
アトピー性皮膚炎の様々な合併症と漢方薬
年齢 : 20歳〜29歳
簡単なご住所 : 西日本地方
お問い合わせ内容 : こんにちは私は今アトピーがでていて昨日までカポジで入院していました。それで治りかけたところ今度はカンジダになってしまい踏んだり蹴ったりです。かおなのでとてもへこんでいます。アトピーがなければこんな事にならなかったのにと思うととても辛いです。
そこで漢方の治療に興味をもちここに たどりつきました。
今まだカンジダ治療中なのですがそちらの漢方の治療をうけることは 可能なのでしょうか?
御返事メール:当方のアトピー専門サイト 成人型の重症アトピー性皮膚炎治療の漢方薬 は御覧になったでしょうか?
もしもまだでしたら、是非、御覧下さい。
漢方薬でアトピーを克服するにはどうしても一定の経費がかかりますが(そのことも書いています)、何よりも綿密な弁証論治が必要ですので、7〜10日毎に通える根性があるかどうかにかかっています。
県外の人であれば、数日間以上の連続した漢方相談が必要ですので、泊りがけで来られる必要があります。
アトピーに合併するウイルス性イボやミズイボなど様々ですが、並行して治せる漢方薬の配合が必要です。
一定期間、本腰を入れて漢方薬に賭ける決意ができるかどうか次第です。
服用者の積極的な意欲がなければ、こちらも頑張って考える頭が働かないからです(苦笑。
折り返し頂いたメール:お返事ありがとうございます。
(中略)
本気で治すきはあります。サイトの方もすでに何度か見ています。
今皮膚科のほうでもらったのみ薬などと併用する事は可能なのですか?
大丈夫なのであれば・・・・・伺いたいと思っているのですが。
御返事メール: 併用することに問題はありません。
本気であれば、現在使用している薬をすべて持参して下さい。
それと、舌の苔を絶対に取らないで来て下さい。舌の苔の状態こそ体質を把握するのにとても重要ですので、歯を磨いて口を漱ぐのは当然ですが、舌の苔までこすらないで下さい。舌を磨かれるのが一番困ります(苦笑。
薬局の営業時間は、成人型の重症アトピー性皮膚炎治療の漢方薬 のトップページの下の方に記している通りです。いつ来られても構いませんので、時間だけはたっぷり余裕を持ってこられる必要があります。体質によってはたっぷり時間がかかる場合があるからです。
簡単なご住所 : 西日本地方
お問い合わせ内容 : こんにちは私は今アトピーがでていて昨日までカポジで入院していました。それで治りかけたところ今度はカンジダになってしまい踏んだり蹴ったりです。かおなのでとてもへこんでいます。アトピーがなければこんな事にならなかったのにと思うととても辛いです。
そこで漢方の治療に興味をもちここに たどりつきました。
今まだカンジダ治療中なのですがそちらの漢方の治療をうけることは 可能なのでしょうか?
御返事メール:当方のアトピー専門サイト 成人型の重症アトピー性皮膚炎治療の漢方薬 は御覧になったでしょうか?
もしもまだでしたら、是非、御覧下さい。
漢方薬でアトピーを克服するにはどうしても一定の経費がかかりますが(そのことも書いています)、何よりも綿密な弁証論治が必要ですので、7〜10日毎に通える根性があるかどうかにかかっています。
県外の人であれば、数日間以上の連続した漢方相談が必要ですので、泊りがけで来られる必要があります。
アトピーに合併するウイルス性イボやミズイボなど様々ですが、並行して治せる漢方薬の配合が必要です。
一定期間、本腰を入れて漢方薬に賭ける決意ができるかどうか次第です。
服用者の積極的な意欲がなければ、こちらも頑張って考える頭が働かないからです(苦笑。
折り返し頂いたメール:お返事ありがとうございます。
(中略)
本気で治すきはあります。サイトの方もすでに何度か見ています。
今皮膚科のほうでもらったのみ薬などと併用する事は可能なのですか?
大丈夫なのであれば・・・・・伺いたいと思っているのですが。
御返事メール: 併用することに問題はありません。
本気であれば、現在使用している薬をすべて持参して下さい。
それと、舌の苔を絶対に取らないで来て下さい。舌の苔の状態こそ体質を把握するのにとても重要ですので、歯を磨いて口を漱ぐのは当然ですが、舌の苔までこすらないで下さい。舌を磨かれるのが一番困ります(苦笑。
薬局の営業時間は、成人型の重症アトピー性皮膚炎治療の漢方薬 のトップページの下の方に記している通りです。いつ来られても構いませんので、時間だけはたっぷり余裕を持ってこられる必要があります。体質によってはたっぷり時間がかかる場合があるからです。
posted by ヒゲジジイ at 07:22| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年06月16日
漢方薬によるアトピー性皮膚炎治療の御相談
性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 九州地方
のご相談窓口より お問合せ・ご連絡内容 : はじめまして
10年ほど前に東洋学術出版社『アトピー性皮膚炎の漢方治療』の本を買って以来、いつか村田漢方堂薬局さんに行ってみたいと思って来ました。
なかなか実現できませんでしたが、今回やっと山口県まで行けそうです。今週中にうかがいたいのですが、村田漢方堂薬局さんのご都合はいかがでしょうか?
月曜から土曜までお休みなどはありませんでしょうか?
40年来のアトピーで全身ステロイド使用、村田漢方さんのサイトを読んでは漢方薬を真似て試してみたりしましたが、夕方になるとゾワゾワしだし、そのうちに激しい痒みに襲われ夜間には手足が火事になる・・・私も帰宅すると靴下を脱がずにいられない裸族です。
そしていつも鼻水だか痰だか吐き出しており、生理前には体中が砂漠のように猛烈に乾燥します。夜中にトイレに4回は起きて行きます。
やはり?市販の猪苓湯はまったく効きませんで(^^、五苓散を飲んだら、時に楽になったりします。
結局自分の体をもてあまし、もうそろそろ限界です。
この夏は長袖生活から卒業したいです。ご面倒でしょうが、一度お話を伺いたくお邪魔させてください。よろしくお願いします。
お返事メール: 市販の漢方製剤こそ競争が激しい分、優劣が激しく優秀な製剤も多いのです。処方ごとにそれぞれに優劣があります。
猪苓湯も市販品の中にこそ優秀な製剤があり、五苓散もしかりです。
といってもアトピー性皮膚炎は一定レベルの病状を超えると、シンプルな方剤の組み合わせでは効果が出ません。
文面から察するところ、8割の寛解を得るまでには様々な配合上の微調整が必要になるかもしれません。またこの夏に長袖とおさらば出来るかどうか?
今月はもう6月です。そんな一ヶ月間で実現するのは、毎週通いつめている人でも一部の人に限られます。
また、配合上は、少なくとも数種類以上の方剤が必要であることは間違いありません。
当方のサイトにも書いていますように、本気で当方の漢方薬に賭けるおつもりであれば、月曜日から土曜日の午前中まで、いつ来られても大丈夫です。
但し、月曜日と土曜日は時間帯によってはとても混雑する時もありますので、たっぷり時間が取れやすいのは火曜日から金曜日であれば、日によっては閑古鳥が鳴いているときもあります。
(追記:但し店頭で閑古鳥が鳴いていても、内部では発送業務にてんてこ舞いしていることも多い。)
後日談:日帰りで一度来られたまま、あとはメールでの交信だけ。
しかも当方の漢方薬をはじめると同時に、こちらに何の相談もないまま、これまで長期間塗布していた強力なステロイドを中止し、極弱めのステロイドをたまに塗る程度に変えたため、治りかけると思うと直ぐに再燃し、これを繰り返すこと一ヶ月強だったか?
あまりに変動が激しいので、こちらもようやく気が付いて、まさかのステロイドを急に中止したことが発覚。
当方の重要なアドバイスを無視した行動をとられてはコントロール不能となる。だから、やってはいけない急なステロイドの中止を叱ったら、音信不通となったという結末。
問い合わせの文面とは裏腹に、意外に諦めの早い人だった。
ステロイド塗布の問題については、
※2012年06月08日 油断ができないアトピーの速効例(ステロイドを寸前まで使っていた人達)
※成人型の重症アトピーの漢方薬服用時のステロイド外用薬について
などを参照されたい。
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 九州地方
のご相談窓口より お問合せ・ご連絡内容 : はじめまして
10年ほど前に東洋学術出版社『アトピー性皮膚炎の漢方治療』の本を買って以来、いつか村田漢方堂薬局さんに行ってみたいと思って来ました。
なかなか実現できませんでしたが、今回やっと山口県まで行けそうです。今週中にうかがいたいのですが、村田漢方堂薬局さんのご都合はいかがでしょうか?
月曜から土曜までお休みなどはありませんでしょうか?
40年来のアトピーで全身ステロイド使用、村田漢方さんのサイトを読んでは漢方薬を真似て試してみたりしましたが、夕方になるとゾワゾワしだし、そのうちに激しい痒みに襲われ夜間には手足が火事になる・・・私も帰宅すると靴下を脱がずにいられない裸族です。
そしていつも鼻水だか痰だか吐き出しており、生理前には体中が砂漠のように猛烈に乾燥します。夜中にトイレに4回は起きて行きます。
やはり?市販の猪苓湯はまったく効きませんで(^^、五苓散を飲んだら、時に楽になったりします。
結局自分の体をもてあまし、もうそろそろ限界です。
この夏は長袖生活から卒業したいです。ご面倒でしょうが、一度お話を伺いたくお邪魔させてください。よろしくお願いします。
お返事メール: 市販の漢方製剤こそ競争が激しい分、優劣が激しく優秀な製剤も多いのです。処方ごとにそれぞれに優劣があります。
猪苓湯も市販品の中にこそ優秀な製剤があり、五苓散もしかりです。
といってもアトピー性皮膚炎は一定レベルの病状を超えると、シンプルな方剤の組み合わせでは効果が出ません。
文面から察するところ、8割の寛解を得るまでには様々な配合上の微調整が必要になるかもしれません。またこの夏に長袖とおさらば出来るかどうか?
今月はもう6月です。そんな一ヶ月間で実現するのは、毎週通いつめている人でも一部の人に限られます。
また、配合上は、少なくとも数種類以上の方剤が必要であることは間違いありません。
当方のサイトにも書いていますように、本気で当方の漢方薬に賭けるおつもりであれば、月曜日から土曜日の午前中まで、いつ来られても大丈夫です。
但し、月曜日と土曜日は時間帯によってはとても混雑する時もありますので、たっぷり時間が取れやすいのは火曜日から金曜日であれば、日によっては閑古鳥が鳴いているときもあります。
(追記:但し店頭で閑古鳥が鳴いていても、内部では発送業務にてんてこ舞いしていることも多い。)
後日談:日帰りで一度来られたまま、あとはメールでの交信だけ。
しかも当方の漢方薬をはじめると同時に、こちらに何の相談もないまま、これまで長期間塗布していた強力なステロイドを中止し、極弱めのステロイドをたまに塗る程度に変えたため、治りかけると思うと直ぐに再燃し、これを繰り返すこと一ヶ月強だったか?
あまりに変動が激しいので、こちらもようやく気が付いて、まさかのステロイドを急に中止したことが発覚。
当方の重要なアドバイスを無視した行動をとられてはコントロール不能となる。だから、やってはいけない急なステロイドの中止を叱ったら、音信不通となったという結末。
問い合わせの文面とは裏腹に、意外に諦めの早い人だった。
ステロイド塗布の問題については、
※2012年06月08日 油断ができないアトピーの速効例(ステロイドを寸前まで使っていた人達)
※成人型の重症アトピーの漢方薬服用時のステロイド外用薬について
などを参照されたい。
posted by ヒゲジジイ at 00:27| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2008年05月21日
猪苓湯で乾燥した皮膚が潤うことが多いのはなぜか?
オオタカ(幼鳥)の雄姿 posted by (C)ヒゲジジイ
あらゆる事象で必ず例外はつきものであるが、一般論から言ってアトピー性皮膚炎の乾燥部分を潤すのは、何も地黄や当帰などが専売特許というわけではない。
猪苓湯を配合処方中に加えることで皮膚が潤うケースがしばしば見られる。
その理由は、皮下の水湿が停滞しているために表皮が乾燥しているケースが多いからである。
だから猪苓湯を使用することで皮下の水湿の停滞が上皮の乾燥部分と調和して却って表皮が潤うようになる。
とりわけ凸凹状のアトピーの乾燥部分に対する猪苓湯の配合は欠かせないほどだ。
事実、この湿気が増えた時期に、一昨日も地元のアトピーの男女がそれぞれに猪苓湯をこの時期、濃度を濃くすることで痒みも含めて乾燥部分が治まり、凸凹感が減少している。
但し、この猪苓湯の作用も瀉火補腎丸などの六味丸系列の方剤の配合があってこそのバランス効果も無視できない。
もともと猪苓湯は「滋陰利水」の効能を持ち、潤す作用と湿邪を除去する作用の二面性をもっているだけに、利水方面だけが主作用というわけではない。
また、注意が必要なことは六味丸系列の方剤は、潤す作用がメインではあっても、これによって却って肌が乾燥してしまう場合がある。
六味丸系列の方剤によって体内に潤い成分を補給したのは良いが、皮膚まで到達せずに、却って内々で停滞した場合には、却って潤すはずの六味丸系列の方剤によって水湿を停滞させた結果、却って皮膚を乾燥させてしまうわけである。
このような場合は、猪苓湯によって水湿の停滞を解消してやることで皮膚が潤うようになることが多い。
それゆえ、六味丸系列の方剤と猪苓湯を併用するケースは甚だ多いということになる。
とりわけ、舌に苔がある人には猪苓湯が必要になるケースは多く、苔が乏しい人でも、掻いたところから水分が僅かでも漏出する傾向がある人にはほとんど必須に近いものである。
現実問題として、肌が乾燥する理由から、猪苓湯を省略して六味丸系列を積極的に使用すると、体質によっては却って乾燥が増す場合がシバシバ見られ、そのような時には却って猪苓湯を加えることで肌が潤ってくることがしばしばである。
皮膚表面に現れる現象は、あくまで体表での現象であり、滋潤作用や利水作用という薬効とは逆の現象が皮膚表面で生じる現象は、上記の理由から決して不思議なことではないのである。
乾燥時期には六味丸系列の方剤は、直接的に潤してくれる場合が多いが、湿気の多い季節に過剰に使用すると、体内に水質を停滞させて、却って皮膚が逆に乾燥してしまう場合があり、このようなときは、むしろ猪苓湯に重点を置かなければならないケースはよくみられるものである。
猪苓湯といえども水毒がまったくない人が使用すると皮膚まで乾燥させてしまうことがあっても不思議は無い。
また、掻き毟ったところから滲出液がまったく見られないケースでは、例外的に猪苓湯がやや邪魔になってくるケースもあり得るかもしれない。
なお、アトピーにおいて漢方薬の効果が十分に皮膚に到達してくれない場合、気滞が原因で漢方薬が皮膚に到達できない場合があり、そのようなときは伝家の宝刀的に四逆散を加えると、一気に効果が上がることも珍しくない。
ところで、乾燥時期に紫雲膏が重宝していた人たちも、湿気の多い季節になると、この季節だけはしばらく紫雲膏の強烈な保湿力が却って煩わしくなる場合があるので、そのように感じられる場合は、一時使用を休んでおくことである。
季節と情況に応じて、配合変化を微妙に行なってこそアトピーの改善を促進する。
地元では苦労の末、その機微を把握された人も多く、常に相談しながらではあるが、季節に応じて衛益顆粒(玉屏風散製剤)や補中益気丸(党参入)が必要なときと不要なとき、六味丸や猪苓湯の配合比率の変化を微妙に感じ取ってみずから操られる名人の域に達しつつある女性もいる。
茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)が必要なときと不要なとき、黄連解毒湯や地竜の巧みな竿さばき。六味丸と瀉火補腎丸を生理後と排卵日以降に巧みに使い分けるなどは朝飯前。
そうこうする内に、いつのまにか9割近い寛解を得ている。一年半近く欠かさず一週間毎に通い続けた熱心さにより、中医漢方薬学の名人になりつつある人達である。
蛇足ながら、昨年からしばしば目立つのが天津感冒片などの銀翹散製剤の少量を、風邪引きをきっかけに痒み止めの一部として利用される人が増えていることである。
最後に重要なことは、同じアトピーでも上記のことはほとんど無関係で、六味丸系列のみならず茵蔯蒿湯すら邪魔になり、猪苓湯も不要という体質の人もいる。
現実に黄連解毒湯・補中益気丸・四逆散・天津感冒片および体質改善三点セットで順調に経過しつつあり、毎日塗布していたステロイド外用薬の使用が激減している人もいる。
但し、この場合でも状況変化によってはいつ何時、六味丸や猪苓湯あるいは茵蔯蒿湯が必要になるかは断定できるものではない。
今現在が不要であり却って邪魔になるからといっても、病状自体が一定不変ではないので、状況に応じた配合変化の柔軟性が常に必要である。
飛んでるオオタカ(幼鳥) posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 01:00| 山口 | アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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