2015年06月29日

今月は珍しく地元近辺からの新規相談者が集中したが・・・

2009年6月30日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年6月30日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 昨今では珍しいことで、下関市内からの新規相談者が集中した。
 頑固な慢性疾患のみならず末期癌の人達などだが、地元の気楽さが、却って真面目に通えないケースも出て来るのが恒例のこと。

 地元の気安さが却ってマイナスとなることもある。

 ところで、県外からは、アトピー性皮膚炎の女性で、地元で一度も試さないで、ストレートに当方に新規相談に来られた人があった。
 ところが、10日前後でしばらく通えるかどうかを訊ねると、とても歯切れの悪い返事。
 だったらなおさら、地元で通えるところを探すべきだと、キッパリとお断りした。

 他の疾患と異なって、アトピー性皮膚炎の場合は、10日毎に通って、次第にペースがつかめだしても、少なくとも2〜3週間毎くらいでも、一年間は通ってもらわないと、変化の激しい皮膚病だけに、季節に応じた対処方法が掴めない。

 他の疾患であれば、ほぼピントが合った時点で、いくらでも通信販売に切り替えることが可能だが、アトピーだけは、そうは問屋が卸さない。

 たとえば、先日、県外の義母が下半身が浮腫んで歩行が難儀というので、試しに防已黄耆湯エキスを送付したところ、10日分でほとんど浮腫が軽減して、一気に楽になった。

 また、昨今は数年以上来られないままとはいえ、当方の漢方薬を各種常備薬として利用されている北陸地方の体格の良い男性が、湿気が多くなった頃から下半身が浮腫んで難儀だが、常備薬の五苓散も猪苓湯などでもほとんど効果がないと言われるので、同じく防已黄耆湯の10日分を送って試してもらったところ、10日分で7〜8割は軽減したと言われる。

 ともあれ、上記の県外のアトピーの女性の話に戻ると、
「地元では評判のよい漢方薬局のウワサを聞いたことがない」
 というので、こちらだって、地元近辺からやって来る人たちでも、お気軽な人達はすべてお断りしているので、その人達からは、きっと悪い評判がたっているはず。

 それと同じで、人の評判なんてアテにならないので、地元で探すように、キッパリとお断りしたのだった。

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2009年6月30日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年6月30日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 20:03| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2015年06月19日

アトピーの漢方相談は中医師がよいでしょうか?というご質問

2011年6月19日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年6月19日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:50〜59歳の女性
【 地 域 】:東海地方
【 お問い合せ内容 】:はじめまして。

 アトピーで20年ぐらい苦しんでいます。
 特に顔が赤くて人にあうのがいやで精神的にも病んでいます。先生がお近くでおられたらよかったのにと思います。
  アトピーの他にも過敏性大腸炎筋肉痛などあります。

 今病院で白虎加人参湯、消風散、をのんでいますが、あまりよくはなっていません。
 過去にも煎じに3回ほど(1年のサイクルで3回)違う先生でためしましたが、よくはなりませんでした。東京などで。

 近くで漢方の先生を探そうと思いますが、中医師とかのほうがよいのでしょうか?

 ステロイド10年プロトピック10年塗っていたのでかなり悪いと思います。
 今日も顔が真っ赤です。外にでるのもつらいです。(冷えのぼせもあります。)

 すこしアドバイスいただけたらと思います。

2009年6月20日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年6月20日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 アトピー性皮膚炎の漢方薬の配合は、相当にデリケートですので、症状が激しい段階では、極端な場合は日毎に微調整を繰り返す場合もあり得ます。
1〜3回の服用でも、良し悪しの反応が直ぐに出やすいからです。

 それゆえ、理論のしっかりした中医学に習熟した医師か薬剤師を見付ける必要があります。
 時間を十分にかけて、5〜10日毎に通えるきめ細かい対応をしてもらえるところが無難です。

 また、日々の食事内容の影響は想像以上に大きいので、徹底した食事制限も必要です。
 加工食品や甘いものや肉食類を避けて、薄味で火の通った野菜類(キャベツなど黄緑野菜をたくさん使ったもの)を十分に摂るように心がける必要があります。

 白虎加人参湯と消風散の併用という配合(あるいはさらに黄連解毒湯)は、しばしば日本全国の病院で投与されることが多いようですが、中医学的な発想では、あまり考えにくい配合かもしれません。

 現実的には、漢方の世界は、世間で想像される以上に、とても専門性が高いので、理論の乏しい日本漢方や一般の病院漢方では、一定レベル以上の疾患ともなれば、よっぽど経験豊富な専門家でなければ難しいと思います。

 とりわけ重症化したアトピーの場合は、とてもデリケートですので、きめ細かい対応が可能な、中医学理論を駆使される専門家のほうが無難なように思います。

 ネットで調べれば、きっと中医学の専門家がお近くで見つかると思います。

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2009年6月20日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年6月20日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 21:59| 山口 🌁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2015年06月11日

足先が火照って三物黄芩湯が必要になる人が急に増えてきた

2010年6月11日のボクチン(6歳)
2010年6月11日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 アトピー性皮膚炎などでは、もともと三物黄芩湯が一年中フィットしている人も多いのだが、この季節になって急に必要とする人が増えだした。

 その意味では季節的な方剤と言えるかもしれないが、そういう人達でも、折々に寒さを感じる人も多く、葛根湯を折々に頓服的に使用している。

 次第に暑くなる季節になると、清熱系の方剤の需要が増えだすのは当然としても、それだけに涼を取りたくなる季節だけに、相対的に風寒や風寒湿に侵犯される機会も多いので、葛根湯や香蘇散、あるいは藿香正気散の出番も多くなる。

 それゆえ、清熱系の方剤とともに、折々に頓服的に葛根湯や藿香正気散が必要になるのもこの季節の特徴でもある。
 
 これらの臨機応変の配合変化の方法は、常連さんたちのみならず、1年以上通っている人の多くが、自然にマスターしているので、ヒゲジジイの指導がよろしい証拠であろうっ(呵呵。

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2010年6月11日のボクチン(6歳)
2010年6月11日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 
posted by ヒゲジジイ at 08:15| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2015年03月10日

皆に絶賛される 『ウチダの紫雲膏』 だが、アトピーに対しては個人差が大きい


2009年03月10日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年03月10日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 先日、ウチダの紫雲膏の実際的な素晴らしい効能を書きたてていたら、利用したいと希望された人達もあり、短期間で期待通りの即効が得られている。

 この季節、ヒビやアカギレに最適で、乾燥肌には持って来いである。

 ところで、問題のアトピー性皮膚炎の乾燥肌に対してはどうか?となると、あまりに個人差が大きいとしか言いようが無い。

 安い買い物だから、一か八か使ってみて、合わないようだったら直ぐに諦めて、乾燥肌の御家族にでも譲渡するくらいの覚悟があれば、試してみる価値はあるかもしれない。

 フィットする人には、軽く薄く優しくのばして塗布すれば、乾燥肌は劇的に改善するが、フィットしない人には、却って痒みが増すようである。

 もともと村田漢方堂薬局では、アトピーの人達に対して、外用剤は積極的に奨めることがなく、あくまで内服の漢方薬類のみで勝負する習慣が長いので、試して見たい人はどうぞ、くらいだが、フィットする人にはとても有益だが、合わない人も多いので、積極的に奨めることはない。

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2011年03月10日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年03月10日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年03月10日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年03月10日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年03月10日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年03月10日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ


ラベル:紫雲膏
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2015年02月16日

残念ながら、子供さんのご相談はやっておりません

2009年02月16日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月16日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の女性
【 職 業 】:主婦
【 地 域 】:中国・四国地方
【 お問い合せ内容 】:こんにちは。

 お聞きしたいことがありメールいたしました。赤ちゃんの胎毒下しはしていただけますか?
 6ヶ月の娘が湿疹ができやすいようです。
 今はお腹の湿疹ができています。
 やはり体質なのでしょうか?

 わたし自身が肌が弱いです。検査などはしたことはありません。
 もうひとつ、わたしは手湿疹で、ステロイドを長らく塗っていたのですが、3年前にやめ、リバウンドをへて、現在はよくなったり悪くなったりです。自然治癒は難しいでしょうか?
 産後に調子が悪いように思います。

2010年02月16日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 残念ながら、子供さんのご相談はやっておりません。

 取り急ぎ、お返事まで。

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2010年02月16日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年02月16日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月16日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年02月16日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年02月16日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年02月16日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年02月16日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

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2015年02月09日

勤務先の環境によって生じる頑固な湿疹

2009年02月09日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月09日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 42年間の漢方相談の仕事で、折々に遭遇するのは、就職してはじめて生じた頑固な湿疹の問題である。

 自費の漢方薬を求めてやって来られるくらいだから、いずれも西洋医学の皮膚科治療ではまったくといっていいほど効果がない。ステロイドの外用でさえ、効果が乏しい。

 アトピー性皮膚炎ではなく、湿疹である。

 これまでの例ではケミカル船の乗務員や、化学工場の事務に勤務という例がとても多い。
 最近遭遇した例でも後者の類で、さいわいに消風散で明らかに効果が出ているが、なるべく早急に職場を変えてもらうか、転職されるようにアドバイスしている。

 過去には、茵蔯蒿湯を主体の複雑な配合を要した例が多かったようだが、職場を変えずに治りきった例もある。

 嫌な上司がいるために、顎ニキビが派手に生じた例では、漢方薬を考える前に、嫌な上司がいなくなった途端に即治した例がある(笑。

 しかしながら、化学薬品類による職場環境については、自身が逃げ出さない限りは、原因物質と漢方薬の戦いとなることだろう。

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2010年02月09日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年02月09日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年02月09日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年02月09日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年02月09日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年02月09日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年02月09日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年02月09日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母


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2015年01月10日

プラセンタ治療がアトピー性皮膚炎や美容に有効だというが、副作用の問題はないのだろうか?

2011年01月10日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年01月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎など、過食が厳禁であることは常識である。
 それが分かっていながら、正月ともなれば、この時くらいはよいだろうと、止められない。

 そんな人達が、昨日は何人もゾロゾロとやって来られて、それぞれの不摂生を反省しながら報告がてら、それぞれの漢方薬を補充に来られた。
 食事内容はもとより、一人前以上食べることが問題で、アトピーの人達は痩せの大食いの人が殆どであるし、少食であると胸を張っている人でも、甘い物やスナック菓子を食べ過ぎている。

 といっても1名は正月も摂生していたのでまったく問題なく、もう1名は年末の漢方薬の補充を忘れていた為に、漢方薬が飲めなかったが、煮た野菜中心であったものの、かなり過食したにもかかわらず、アトピーの状態はまったく好調だという人もいた。

 ともあれ、正月にタガが緩んだ人達いずれもみな、自覚だけはあるので、大事に至った人はいなかったものの・・・
 初期から即効を得たためか、漢方薬を中途半端な飲み方ながらも、「最近調子がよい」ので病院でプラセンタ治療を受けようと思う、という意味不明なことをメールで書いて来た人がいた。

 たまたま昨日、当方に通っている看護師さんの話によると、同僚が美容のためにこれを受けていたら、乳房にシコリができたので、精密検査を受けたところ、さいわいに良性だったということだが、医師はプラセンタが原因だろうと告げたという。

 同じく昨日のこと、同業の薬局さんのブログで、プラセンタの問題点を指摘されていたが、プラセンタは成長因子が含まれていて、過剰に体内に取り込むと、細胞分裂を促すので、異形細胞が生じやすくなり、発ガンにいたることもあり得る、とあった。

 それにしても、当方の漢方薬によって、アトピーの状態がよいから、その「よいときにこそ、プラセンタ治療を受けて、アトピーを根治させたい」というのだから、この不可解な考え方!

 即効を得ている人に限って、こんな馬鹿げたことを考えるのだから、不思議でならない。

 アトピーが容易に「根治」すると思ったら大間違いで、9割以上の寛解を得たら、その状態を維持することに努めるのが常識的な考えだろう。

 それにしても、プラセンタが流行っているらしいが、これまでまったく興味がなかった。だから知識は殆どないが、アトピー性皮膚炎や美容のために、やるべき治療方法なのかどうか?

 それにしても、村田漢方堂薬局にはアトピー性皮膚炎で通っている医療関係者がとても多いが、過去にプラセンタによる治療経験があるのかどうか。
 プラセンタ治療で治っていたら、当然、遠路はるばる多くの医療関係者が村田漢方堂薬局に通うはずもないので、どれだけの人が、過去に経験しているかいないか、確かめてみる必要はあるだろう。

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2012年01月10日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月10日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年01月10日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月10日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年01月10日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月10日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年01月10日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月10日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

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2014年12月31日

2例目も苓桂味甘湯が著効を奏して成功するも、3例目は失敗!

2008年12月31日のボクチン(4歳)
2008年12月31日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 本来なら、昨日のブログに書くべき内容。
 しかしながら、クレマー騒動の顛末の飛び入り記事て、書くのが一日遅れてしまった。
 少なくとも、過去のクレーマーを分析すると、どうやら人に紹介されて来られる人の一部の人が問題で、「紹介されたから、来てやったんだ!」という驕りがある人達のように思われる。
 なかでも「師」が付く人からの紹介で来られる場合では、特にクレーマー豹変率がさらに高いように思われる。
 だから、紹介されるのはアリガタメイワクとしか言いようがないのである。

 それはともかく本題である。
 アトピーのベテラン組の苓桂味甘湯での実験は、あと一歩もの足らなかった全身の保湿と顔面の軽度の紅潮が、従来から必須の猪苓湯と併用することで、一気に効果が出て、この乾燥期の真冬にかかわらず、肌の状態はかなり理想に近い状態になったという報告を得た。

 この報告は29日(月)の最終日の来訪で判明。メールで報告しようかと思ったが、直接来訪して伝えたかったという男性だが、重症だった時期から既に何年も経過しているだけに、必要な方剤は、現時点では苓桂味甘湯+猪苓湯のみ。
 重症だった初期に5種類以上の方剤を必要とした頃に比べれば、配合方剤は激減しているのは、8割以上の改善が得られて久しいので、当然である。

 漢方薬の運用方法を、村田漢方堂薬局でしっかり学んだ人だけに、風邪や肩凝りに葛根湯製剤を利用したり、胃腸関連では藿香正気散など、そのほか雲南田七など中草薬類なども常備して、そんじょそこらの薬剤師よりも、漢方の使用方法に習熟しているくらいである。

 ところが、同じ日に来局された苓桂味甘湯オンリーでテストしてもらった人は、それほど目立った効果は無いので、もともとフィットしていた猪苓湯を追加してもはっきりしなかった。
 苓桂味甘湯の【効能・効果】
 体力中等度以下で、手足が冷えて顔が赤くなるものの次の諸症: のぼせ、動悸、からぜき、のどのふさがり感、耳のふさがり感

 以上の症状がほとんど全部出揃っている稀有な人であったが、アトピーに対する3名のテストでは、この効能・効果に最もフィットしている人が、逆に最もフィットしなかった。
 要するに失敗である。

 そこで、今度はかなり裏読みした弁証論治によって、独活葛根湯、桔梗石膏、衛益顆粒、猪苓湯の各エキス製剤に切り替えることとなった。

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2010年12月31日のボクチン(6歳)
2010年12月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年12月31日のボクチン(6歳)
2010年12月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年12月31日のボクチン(6歳)
2010年12月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母


ラベル:苓桂味甘湯
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2014年12月24日

アトピー性皮膚炎で現在、三物黄芩湯の使用中の人は4〜8名

2008年12月24日のボクチン(4歳)
2008年12月24日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 昨日のブログにしても、本日のブログにしても、本来なら アトピー漢方専門ブログ に書くべきかもしれないけど、人気の無いブログなので、ボクチンの写真の貼り甲斐がない。
 そこで、今回もメインブログにボクチンの写真を貼る口実に三物黄芩湯の話題。

 現在、三物黄芩湯を使用中の人はいずれもアトピーの人達ばかりで、4〜8名と書いた理由は、4名は常用されているが、残り4名は、季節的に使用するのみとなっているからである。

 夏に足が火照って眠れないというアトピー以外の目的で使用された人は、短期間で治癒して、既に必要としなくなっているので数には入れてない。

 連用中の2名は、まだ相談期間の新しい人達で、いずれも即効が出てしまったので、将来が危うい。
 危ういという理由は、あそこまで即効が出ると、油断してサボってしまうことだろうし、アトピーを甘く見てしまうだろうからである。
 長年の直感で分かるから、不思議なものである。

 
 最近の1名などは、もしかしたら三物黄芩湯オンリーで、最後まで治ってしまうのではないかと思えるほど、当方にとっては軽症者であるが、あまりの即効に、今後も真面目に続けるかどうかは、かなり危うい(苦笑。

 このように書くと、アトピーは漢方治療では容易なように勘違いされても困るが、相談に来られる人の半数は、たしかにあまり苦労もせずに、順調に経過するが、残りの半数は紆余曲折を経て、相当な配合の微調整の繰り返しを約1年は繰り返して、ようやく次第に安定するという風に、お互いにかなり難儀を強いられる。

 それでも相談者があとを絶たないのは、長年の苦労を終わりにしたいという希望から、一大決心で恐々ながらも、遠近様々な地方から、ヒゲジジイに賭ける奇特な人が、まだこの日本には残っている証拠であるようだ。

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2008年12月24日のボクチン(4歳)
2008年12月24日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年12月24日のボクチン(7歳)
2011年12月24日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ



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2014年12月23日

アトピー性皮膚炎に対しては滅多に使用されることがない苓桂味甘湯(苓桂五味甘草湯)や独活葛根湯の応用の可能性

2010年12月23日のボクチン(6歳)
2010年12月23日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 昨日の新人さんは、20年間の病苦で、病院治療も病院漢方も無効だったというのに、10日分の漢方薬を一種類しか出さなかったところ、こんな安い薬で効くのか?と怪訝そうだったが、ものには順序があるので、今後の反応次第で、弁証論治が徹底してくると、併用方剤を追加したり、配合を変化させたり、様々な微調整がはじまるので、今回はテスト期間と思うべし、と強引に納得してもらった。
 漢方専門の医師の投与する様々な漢方でまったく無効だったにもかかわらず、それでも漢方薬はツムラ漢方が最高のように思われているらしく、様々な点で、わざわざ海を渡って村田漢方堂薬局に来られる必要があったのかどうか、やや怪訝で、しばらくはなかなか噛み合わずに難儀した。

 また、相変わらずアリガタメイワクな電話の問い合わせも多く、一度っきりで通う決心がつかない人達が、関西や関東から問い合わせがあって、混雑する発送の荷造りに繁忙を極めるのに、折々に仕事が中断されて受付嬢は疲労困憊となっていた。
 疾患内容から考えても、遠路を来られること自体が、病状を悪化させかねないのに、何を無謀なことをお考えかっ!?という人など、この多忙な年末に、中途半端な電話だったら、かけないでほしい。
 問い合わせフォームのメールで問い合わせれば済む問題ばかりである。

 なかでも、薬局が断るなんてっ!?と信じられないという声を出す人が多いのは、実に噴飯物である。
 「おたくは薬局でしょう?!」と、そんな怪訝そうな切りかえしには、ほんとうは噴飯物どころか、思いっきり憮然としてしまう。

 ようやく本題に入ると、
 苓桂味甘湯の正式名は、茯苓桂枝五味甘草湯あるいは桂苓五味甘草湯であるが、また苓桂五味甘草湯とも称され、出典は言わずと知れた『金匱要略』である。
 出典である『金匱要略』に記載される正式名には、配合成分がしっかりそのまま記載された名称なので、長ったらしくもあるが、分かりやすくもある。
 但し、桂苓五味甘草湯の名称は原典に記載があるにもかかわらず、日本では不思議と使用されないことが多い。

 ともあれ、このたびコタローさんから、飲みやすいエキス顆粒剤として新発売され、市場では現時点では唯一無二の貴重な製剤である。
 ヒゲジジイのたっての依頼に、快くこの困難な時代に実現してくれた貴重な方剤である。

 この方剤の応用範囲は多岐に亘るが、しばらくはアトピー性皮膚炎に、方証相対すれば、どの程度の応用がきくか、とても興味深い。
{文献的な応用範囲は、気管支炎・気管支拡張症・肺気腫、脊髄小脳変性症、耳鳴り、耳塞ふさがり、難聴、酒皶(しゅさ)、アトピー性皮膚炎など}

 都合のよいことに、昨日も苓桂味甘湯の能書に記載されている通りの、ほとんどピッタリの症状が出揃っている軽症のアトピーの人が来られた。
 そこで、これまで飲んでいた複数の配合方剤をすべて中止してもらい、苓桂味甘湯だけで様子をみてもらうことになった。

苓桂味甘湯の【効能・効果】
 体力中等度以下で、手足が冷えて顔が赤くなるものの次の諸症: のぼせ、動悸、からぜき、のどのふさがり感、耳のふさがり感

 以上の症状がほとんど全部出揃っている稀有な人であるが、効果・効能が、出ている症状とほとんどそっくりだからといって、絶対に効果が出るとまでは保障できないのが、漢方薬運用の難しいところである。

 とはいえ、これらの効能・効果が、あまりにもこの人の症状とほとんどピッタリと一致するので、この人に限っては、苓桂味甘湯単独でテストしてもらうことになったのだが、万一、僅かでも逆効果を感じたら、即中止して、元の配合に戻すようにアドバイスしている。
 期待通りフィットしていれば、数日以内に判明することが多い。
 

 これで、苓桂味甘湯のアトピーへの応用例が3名となったが、1名は既に一定の効果が出ていることは既に先日述べた通り。

 また同じアトピー性皮膚炎で、葛根湯が一定レベル効果を発揮している人は意外に多いが、皮膚の乾燥が目立つ人に、葛根湯を独活葛根湯エキス製剤に切り替えてテストしてもらったところ、あきらかに独活葛根湯のほうが、保湿効果も発揮して、痒みにも軽減効果を発揮する人もあり、それゆえ、葛根湯から独活葛根湯に完全に切り替えてもらった人もいる。

 といっても、衛益顆粒、真武湯、柴胡加竜骨牡蠣湯やガジュツ末、イオン化カルシウムなどの併用方剤を必須とする人の話ではあるが・・・。

 但し、同様に葛根湯が一定レベル効果を発揮している人でも、独活葛根湯では地黄が仇となって逆効果になり、フィットしない人もいた。

 以上、中医学でもなく、また漢方医学でもなく、両者の好い所取りをした中医漢方薬学による、特殊方剤応用研究の途中経過である。

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2010年12月23日のボクチン(6歳)
2010年12月23日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年12月23日のボクチン(6歳)
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2010年12月23日のボクチン(6歳)
2010年12月23日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母


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2014年12月10日

意外なものが人気を博して憮然

2009年12月10日のボクチン(5歳)
2009年12月10日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 内服の漢方薬を専門としており、いくら皮膚疾患であっても、滅多なことで外用剤や、それに類した製品を販売することは、へんなプライドにかけても、御免蒙りたいところ。

 ところが、某漢方専門メーカーさんの奨めで、外用専門の製品サンプルを、数人の気心の知れた女性たちにテストしてもらったことからはじまった。

 数年以上のお付き合いとなり、すでに安定して良好な経過が持続しているアトピーの人達に、もう一歩の仕上げになるかどうかをテストしてもらう程度のつもりで、試してもらったところ、意外に好評。

 そこで、アトピーでも比較的新しい相談者や、その他の皮膚疾患の人達にも、サンプルが余っているからと、使ってもらっていたところ、意外にも多くの人に好評である。

 気が付くと、販売用の実物の製品自体が、いつの間にかコンスタントに売れ続けていた。
 そこで、品切れする前に発注していたのに、到着するまでに一時品切れとなるほどコンスタントになくなっていく。

 とうとう購入希望者に入荷するまで、お待たせする事態が発生してしまった。

 なんでも余裕をもって在庫を確保する習慣があるので、このように在庫が尽きるなんて、青天の霹靂。

 本来ならあり得ない話であるが、様々な皮膚のトラブルに、体質や病状を選ばずに使用できるというキャッチフレーズだけに、いつの間にか、アトピー性皮膚炎以外の、様々な皮膚のトラブルにも使う人が増えていた。

 それにしても、内服の漢方薬専門の漢方薬局というのに、外用の製品がこれほどの人気を博すとは、またまたトウヘンボクながら、個人的には大いにプライドを傷つけられている。

 といいつつも、たかがサンプルくらいで気に入られるなんて・・・過去にはこんな世間並みの販促行為をするなんて、ほとんど初体験だけに、ちょっとおもしろくなってきたから、アトピーに限らず、酒皶や脂漏性皮膚炎など、皮膚病関連で通っている全員、みんなに試してもらうのも一興かもしれない(呵呵。

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2009年12月10日のボクチン(5歳)
2009年12月10日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2009年12月10日のボクチン(5歳)
2009年12月10日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2009年12月10日のボクチン(5歳)
2009年12月10日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年12月10日のボクチン(6歳)
2010年12月10日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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2014年11月28日

葛根湯と独活葛根湯

2008年11月28日のボクチン(4歳)
2008年11月28日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 アトピー性皮膚炎に葛根湯が中途半端ながらフィットする部分のある人。
といっても項背部に対する効果だけで、前の首にまでは効果がないということなので、ふっとひらめいて、独活葛根湯に切り替えて比較してもらうことになった。

 五十肩の例で言えば、明らかに葛根湯証があるように見えても、葛根湯では無効で、独活葛根湯であれば超即効という例は枚挙に暇がない。

 葛根湯に地黄と独活が加わったものが、独活葛根湯である。
 保湿の地黄と、祛風の独活が加わると、体質と症状によっては、アトピーにより効果的な可能性も高い。

 上記の人は関東地方の人だが、関西地方の人にも葛根湯が一定レベルフィットしている人がいるので、独活葛根湯といずれがよりフィットしているか、実験してもらうことも考えている。

 但し、いずれの人達も他方剤の数種類の併用方剤を必要としている。
 また、過去41年間に、葛根湯や独活葛根湯のみで、アトピーが9割以上の安定が得られたケースは皆無。
 いずれも他方剤との併用を必要としたケースばかり。

 本日は別段に書くことも見つからなかったので、最近の出来事をピックアップしてみた。

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2009年11月28日のボクチン(5歳)
2009年11月28日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2009年11月28日のボクチン(5歳)
2009年11月28日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2009年11月28日のボクチン(5歳)
2009年11月28日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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2014年11月03日

子供さんやご高齢者を、説得して連れて来られてもお断りせざるを得ない

2008年11月03日のボクチン(4歳)
2008年11月03日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 村田漢方堂薬局では、じっくり時間をかけて弁証論治を行うので、難問向きであると思っている。
 難問向き、という意味は・・・

 西洋医学治療はもちろん、様々な治療方法のみならず、最終的に漢方薬に頼っても改善が得られなかったという人達で、折々に通える体力を維持できている人達。
 しかも不屈の忍耐力のある人達の漢方相談に向いているように思われる。

 ところが先日、東海地方から遠路はるばるアトピー性皮膚炎で、西洋医学で一般向けの著書の多い高名な、他県の医師に診てもらっても、強烈なステロイドを全身に塗りたくるばかりで、ステロイドのレベルを下げると、途端に激しく再発することを繰り返し、こんな例は見たことないと、やや匙を投げられているような状況だという。

 といってもまだまだ子供さんの年齢であり、しかもまだ一度も漢方薬を試したことがないという状況下で、いきなり親御さんが下関へ連れて来られた。

 年齢的にも状況的にも、いきなりこちらにこられても、通える状況下にないことが歴然としているので、数時間もかけてお断りした。
 まずは地元近辺の漢方薬局を見つけるべきだろう。
 お気の毒ではあるが、お断りするのに疲労困憊。

 ご家族の中に当方の漢方薬の利用者がおられない限りは、子供さんやご高齢者を、説得して連れて来られてもお断りせざるを得ないが、このことについては、ブログやHPでも、再三再四書いてきた。

 といっても、たとえ常連さんの御家族でも、本人が消極的であれば、やっぱりお断りしている。

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2010年11月03日のボクチン(6歳)
2010年11月03日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年11月03日のボクチン(6歳)
2010年11月03日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年11月03日のボクチン(7歳)
2011年11月03日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

 

 
posted by ヒゲジジイ at 00:16| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2014年08月31日

昨日の続き:アトピー性皮膚炎における長期間に亘る滲出液の漏出による津液の損耗から派生する腎陰虚の問題

2009年8月31日病み上がりのボクチン(5歳)
2009年8月31日病み上がりのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:
 早速のご返信ありがとうございます。

 当方で治せなかった女性の症状が好転しているということで何よりです。
 また処方をご教示いただき誠にありがとうございます。

 これは自分自身にとって、何よりも代えがたい勉強になります。

 「関東の女性は、とても勘の良い人で、それでも最初は微調整に苦労しながらも、現時点では、茵蔯蒿湯、猪苓湯、知柏壮健丸、衛益顆粒の4種類がしっかりフィットして、滲出液もほとんど出なくなって、見かけ上も、とてもスッキリしています。
 但し、知柏壮健丸の服用量は微妙で、1回4丸にすると浸出液が流れ出るが、3丸に減らすとピタリと止まるという、このような微妙なところを、こちらのヒントをもとに、実に勘良く自身で見つけられています。」

 などについては、最近僕自身も経験したことですが、陰虚傾向があるからと言って補滋陰しても反って症状が悪化する場合、滋陰をメインにするのではなく、「脾の運化作用⇒肺の宣発粛降作用⇒腎へとつなぎ、腎の蒸騰気化作用で再び肺へと流れる気津の還流、そして全体の流れを調節する肝の疏泄」をもっと意識する必要があるのではないかと考えています。

 つまり気の流れが弱々しかったり、どこかで詰まったりしているときに物質的な陰を補っても利用されず、反ってそれが邪気化し、皮膚症状を悪化させるのではないかと・・・。

 そういう考えから、最近では明らかに気陰両虚傾向があった場合に、気虚先行型なのか、陰虚先行型なのかということをしっかりと把握し、それに基づいて配合比率を決めていくようにしています。

 そうすることによって、これまで以上に症状が好転しやすいイメージがあるのです。

 先生のおっしゃる通り、アトピー性皮膚炎は本当に難しいという実感があり、まだまだ学ばなければならない点が多くありますが、今回の先生からのアドバイスを自分の臨床に活かして、くじけずに頑張りたいと思います。

 また今回の女性の症例の後に、黄連解毒湯の使い方などを何度も読ませていただき、自分の浅はかな処方構成を再認識いたしましたが、先生からのご返信の中にあった「舌先の赤味」、これは自分自身でも意識していたところで、先生の見解と現時点で一致しているので、「これで間違いない」という自信を持つことができました。

 それまで舌表は色あせが強いのに、舌裏は赤味が強いタイプに対して、「衛気営血の中で、舌表を気分、舌裏を営血分と考え、気分の三焦と血分の心包との気血の還流が潰れてしまっている状況に対して、三焦の湿熱によって気分と血分の膜腠が閉塞され、熱が鬱した状況」と考え、黄連解毒湯を使用しておりましたが、黄連解毒湯の使用目標のブログを拝見させていただき、考え方を改めた次第です。

 まだまだこれから先、学ばなければならないことが多すぎて、気が遠くなる毎日ですが、目の前の患者さんが少しでもよくなるように先生の提唱されている「中医漢方薬学」を自分なりに習得できるように頑張りたいと思います。

 僕のような若輩者のためにご返信くださり、誠にありがとうございました。

2010年8月31日のボクチン(6歳)
2010年8月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

ヒゲジジイによるお返事メール:

 関東の女性の知柏壮健丸についての配合分量について、御指摘の問題以上にもっと重要な部分があると思います。
 それは季節的な問題が特に関連しているのですが、その前に・・・・
 滲出液が多い人に、六味丸系列の方剤が必要になる重要な問題として、

2007年06月28日 昨日の続き:滲出液が多いアトピーに対する漢方薬の配合中に六味丸が必要となるのはなぜか? 

 という古いブログに書いていますように、
 激しい津液の損耗から派生する腎陰虚が問題です。

 腎は主水の臓であり、この主水の臓である腎陰の虧損によって体内の水分調節機能が破綻を来たしているため、六味丸を必ず併用しないことには茵蔯蒿湯や玉屏風散あるいは猪苓湯などだけでは体液の漏出をコントロールできないからです。

 現実に六味丸を加えない時と加えた時の驚くほどの違いが生じた実例が沢山あります


2007年06月28日 昨日の続き:滲出液が多いアトピーに対する漢方薬の配合中に六味丸が必要となるのはなぜか?より

 とありますように、猪苓湯+衛益顆粒あるいはさらに茵蔯蒿湯の併用だけでは、びくとも滲出液が止まらないのに、適量の六味丸系列の方剤を加えることによって、はじめて滲出液を止める効果を発揮するという実例を何度も経験しています。

 透明な滲出液が多量に出て寒がる人には、茵蔯蒿湯はまったく邪魔で、かといって猪苓湯+衛益顆粒では効果はあまりにも弱く、六味丸を適量加えて、驚くほどの即効が出て、超即効という例も珍しくありません。

 御指摘の関東の女性の知柏壮健丸の3丸や4丸の問題は、多分に高温多湿の季節的な問題の方が重要で、これが乾燥期の秋冬であれば、おそらく通常の6丸は必要だったと思われます。

 同じアトピーで勘のよい薬剤師の女性の場合、六味丸・茵蔯蒿湯・猪苓湯、板藍茶でとても調子がよいのですが、初期の頃は梅雨時は六味丸は規定量の四分の一量でちょうどよく、秋冬になると規定量の2倍が必要であるという、季節的な調節を行うことで、次第に安定期に入って行かれた人もおられますが、ここまで極端ではないにしても、滋潤作用の強い地黄が配合された六味丸系列の方剤は、季節的な配合量というのは、かなり神経質に考慮する必要があると思います。

以上、少しでも御参考になれば幸いです。

2010年8月31日のボクチン(6歳)
2010年8月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:おはようございます。

 腎陰虚からの浸出液に対する詳細な解説、誠にありがとうございます。

 現時点での僕の認識としては、これまでの経験上、滋陰の重剤である地黄を利用できる身体の土台がなければ、量に限らず生薬が反って邪気化するものと考えていましたので先生からのご指摘は、まさに目からうろこです。

 また腎陰は身体の陰の根本であり、五臓六腑すべての陰虚は結局は腎陰虚へと波及するものの、陰虚という状況があった場合、やはり詳細に「どこの臓腑の陰虚が主体」なのかを考え、皮膚の乾燥の状況から、肺陰虚・脾陰虚、そして肝腎の陰虚と分けていき、それぞれの陰虚の状況に合わせた適切な方剤が必要と考えていました。

 六味丸中の茯苓・沢瀉は、三焦の水分偏在に対しての配慮、山薬・地黄の粘膩性による水滞に対しての副作用予防として配合されているものと考えており、猪苓湯中の猪苓・滑石との大きな違いは、「津液などの上澄み液のみを動かすことができる」のか、「上澄み液のみならず、廃液などの濁液をも動かすことができるのか」という生薬特性に基づき、三焦空間における上水道・下水道通路に対しての作用の違いによるものと理解していましたが、腎の主水という観点、三焦の筋膜による気血津液の昇降出入の調節機能からすると、開・合・枢理論における、少陽・少陰の枢機能とがつながりを持っているのかもしれないという稚拙な考えも浮かんできます。

 ブログを熟読するだけではなかなかイメージが湧かない部分がありましたが、今回の先生からの詳細な解説から、季節に応じての臨機応変の配合調節の一端を知ることができ、自分の臨床においても、この辺りをもっと突き詰めて研究して実践できるようになりたいと思います。

 師匠よりよく「内因は変化の根拠、外因は変化の要因」ということを口酸っぱく教えられておりますが、季節の変化に伴う外因をより深く考え、五臓六腑の状況を間違った漢方の使用により逆に悪化させないようにしていく必要があると再認識させていただきました。

 先生からのアドバイスをもとに、もっと深く思考を張り巡らせた臨床ができるように日々精進させていただきます。

今回は、誠にありがとうございました。

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2010年8月31日のボクチン(6歳)
2010年8月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年8月31日のボクチン(6歳)
2010年8月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2014年08月30日

アトピー性皮膚炎に対する漢方治療のデリケートさについて

2008年8月30日のボクチン(4歳)
2008年8月30日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ
【ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の男性
【 職 業 】:自営業
【 地 域 】:近畿地方
【 具体的なご職業 】:漢方薬局・鍼灸院経営 薬剤師・鍼灸師
【 お問い合せ内容 】:

 いつも先生のブログを拝見し、勉強させていただいております。
 以前も先生宛にメールにてお問い合わせさせていただき、ご返信をいただいた者です。

 先生のブログは非常に臨床的で、目からウロコの内容ばかりで、非常に勉強になっています。

 さて、先日のアトピー性皮膚炎の中で、アトピー皮膚炎の不思議な共時性という題名でブログをアップされていた方についてですが、その方は十中八九、僕のところに相談に来られていた患者さんです。

 先生のところに行かなければならないほど、状況を悪化させてしまい、本当に申し訳ございません。

 すべては僕の責任です。

 もし違ったらいけませんので名前は伏せますが、関西からの方は30代女性で結節性痒疹をお持ちの方、もう一人は20代女性で関東から来られ、肌汁が止まらない●●●の方だと思います。

 僕自身、この2名に対しては、非常に弁証論治に苦労し、自分の無力さ・浅学さを痛感し、来られなくなった時には、「治せなかったくやしさとお客さんに申し訳ない気持ち」で一杯でした。

 そしてその数週間後、村田先生のブログに「アトピー性皮膚炎の不思議な共時性」というタイトルで松寿仙とサメミロンを使った関西と関東の女性の内容を見て、すぐにこの2名の方だと直感しました。

 ブログの中で先生が、僕の提示していた処方内容をボロカスにいっていただいたことに、非常に大きなショックを受けると同時に「僕のような浅学者が、いくら考え込んでも、結局は独りよがりの根拠のない弁証論治であり、先生のような卓越した技術を持たれた先生からすれば、この大ばか者!漢方薬屋辞めてしまえ!」ということになってしまうのだと痛感しました。

 僕の中では、一生懸命考えていたのですが、それが結局間違っていては何の意味もありません。

 ただあるのはお客さんに迷惑をかけてしまうということだけです。

 こういうことを経験すると、自分のふがいなさ、センスのなさに嘆き、この仕事を辞めてしまおうかと真剣に悩みましたが、僕のようなものでも、「先生のおかげでよくなった」と仰ってくれる方もいるわけで、現実には止めることなどできません。

 僕自身、ウチダ和漢薬から資料を取り寄せ、先生が書かれた「中医病機治法学」を読み漁り、少しでも先生の考えの一端を知ることができるようにと勉強させていただいております。
 その中で先生が参考文献として挙げてくれた書籍も、中国の古書店に問い合わせて手に入れるようにしています。

 結節性痒疹の関西の女性にたいして「葛根湯証」にて対処しなければならないという内容のブログがありましたが、当然、僕の中では風寒邪の関与など頭になく、自分の無学さを知ったと同時に、他のアトピーの方に対しても、外感の意識を常に忘れてはいけないという教訓にもなったので、とても勉強になりました。


 わがままになってしまうのですが、今後、同じことを繰り返さぬように、後学の勉強のためにも、もし可能であれば、この2名の方の処方についてご教示できるものがございましたら、またブログにアップしていただけると非常にうれしく思います。

 また、そのお二人が先生のもとに行かれましたら、よろしくお伝えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

2010年8月30日のボクチン(6歳)
2010年8月30日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 関西から来られている女性から、あとで知ったのですが、確かにご指摘通りの人でした。

 ただ、関東の女性は、職業はご指摘通りですが、年齢が異なります。
 また、関東の女性の場合、一度はそちらに行ってみたいと思ったことがあったものの、結局は一度も行かずに当方にやって来たのだと言われていましたので、別人だと思います。

 ところで、アトピーはいつもブログの各所で書いています通り、他の疾患と異なって極めて敏感で、変化が激しいので、相談するこちらでは、時間と労力を最も消費し、苦労の割には(下種な言い方をすれば)見返りが最も少ない仕事かもしれません。

 特に悪化した状態で来られる場合、しばらくは数日単位で配合変化を繰り返す必要があり、10日毎に通ってもらいながらも、折々にメールで頻繁なやり取りを繰り返し、配合変化の微調整というのは服用者のみならず、こちらの労力も半端ではありません。

 敏感なアトピーは、体質的な個人差が大きいので、皆に共通して液体の生薬製剤や健康食品をベースに敷くことには無理があるように思います。強いてあるとすれば、イオン化カルシウムくらいのものでしょう。

>この2名の方の処方についてご教示できるものがございましたら、またブログにアップしていただけると非常にうれしく思います。え

 とありますが、ここ二ヶ月間にも、頻繁な微調整を繰り返して、ようやく昨今、やや安定した方剤が見つかりつつある状態ですが、それまでの二ヶ月の配合の推移を活字に起こすこと自体、膨大な文章になりますので、途中経過の記載は現実的には不可能です。
 それほど苦労の多いのがアトピー性皮膚炎だと思います。

 関西の女性は、現時点では、柴胡加竜骨牡蠣湯、猪苓湯、衛益顆粒の三種類で比較的状態が安定しつつありますが、これも暫定的なもので、少し前までは高濃度の茵蔯蒿湯がフィットしていた時期もありましたが、今はお休みで、今回は上記の方剤に活血化瘀の生薬あるいは方剤をテスト中というところです。
 また、初期に即効があった葛根湯は、現時点では風寒証が去ってのち、衛気虚がメインとなっていますので中止していますが、適宜、葛根湯証が出たときのみ使用してもらうようにしています。

 関東の女性は、とても勘の良い人で、それでも最初は微調整に苦労しながらも、現時点では、茵蔯蒿湯、猪苓湯、知柏壮健丸、衛益顆粒の4種類がしっかりフィットして、滲出液もほとんど出なくなって、見かけ上も、とてもスッキリしています。
 但し、知柏壮健丸の服用量は微妙で、1回4丸にすると滲出液が流れ出るが、3丸に減らすとピタリと止まるという、このような微妙なところを、こちらのヒントをもとに、実に勘良く自身で見つけられています。

 アトピー性皮膚炎は、四季折々の変化が激しい傾向があり、また女性の場合は、生理との関係も大きいので、以上は、あくまで暫定的なものですが、お二人とも一定の効果が出ているので、少しはホッと一息がつけそうな段階に来つつあります。

 お二人とも、舌先の赤み具合など黄連解毒湯証は見られず、関西の女性は、舌の大きさから、常に気虚がベースであることは間違いないようです。

蛇足ながら、

>この仕事を辞めてしまおうかと真剣に悩みましたが、僕のようなものでも、「先生のおかげでよくなった」と仰ってくれる方もいるわけで、現実には止めることなどできません。

 これはお互い様で、(アトピー以外の難治性疾患では)毎年、こちらでも数人、びくとも反応してくれず、悪くもならないかわりに良くもならず、困惑して考え込んでいるうちに、いつの間にか来られなくなって、申し訳ないやら悔しいやら情けないやらの思いは毎年味わっています。

 それでなくとも、超高名な中医学の先生方のところで治らず、当方に来られるようになって治って行く人達も多いことから推測しますと、おそらく逆のケースもあるだろうことを思えば、やはりこれもお互い様のことだと思います。

 どんなにベテランになり、経験を積んでも、百パーセントの完璧はあり得ないので、最近では自分の無能を嘆くよりも、治せる人が多いことの方に喜びを感じるようにしています。

 以上、取り急ぎ、お返事まで。

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2010年8月30日のボクチン(6歳)
2010年8月30日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年8月30日のボクチン(6歳)
2010年8月30日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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2014年08月16日

アトピー性皮膚炎と藿香正気散(かっこうしょうきさん)あるいは葛根湯

2009年8月16日のボクチン(5歳)
2009年8月16日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 いくら何でも、調子に乗って藿香正気散を続けていたら、全身が温まり過ぎて、エアコンの温度を下げたくなって、猫ちゃんたちが迷惑しそうだから、飲むのを止めた。

 このような季節や環境変化によって使用すべき方剤は、状況変化に応じて臨機応変に使用したり中止したり、あるいは増減したりすべきである。

 ちょっと余計なことを言えば、重症化して相談に来られたアトピーの人達こそ臨機応変の配合変化が必要だが、初期の間は、いくら口を酸っぱく説明しても、慣れないうちは、なかなか実行してくれない。
 後手後手になることも多いので、もっと早く報告して、微調整を素早く行うように念押しを繰り返す。

 村田漢方堂薬局にやって来られる以前に相談されていた漢方クリニックや漢方薬局では、そのような指導がまったく無かった人達ばかりだから、ゼロからアドバイスするのは、ご本人の病苦とともに慣れない苦労も大変だが、こちらの苦労も並大抵ではない。

 といっても、初期のこの互いの苦労を続けていれば、早い人では数ヶ月、遅い人でも半年から一年もあれば、かなり上手に考えてくれるようになり、相談する要領も的確な報告があるから、こちらも素早く配合変化のヒントを提供できるようになる。

 何事も、苦労がなければ、良い結果は伴はないもので、「幸福否定」の心の闇を自覚して、いかに前向きに頑張れるかが、人生の一大勝負となることだろう。

 話は大きく逸れてしまったけど、今後は藿香正気散は、エアコンの効き過ぎと、アイスバーの過食次第によって、それらによる寒湿中阻の度合い次第で、また使用する機会も多いことだろう。

 そういえば、アトピーの男性で、日頃は黄連解毒湯など清熱剤が必要な体質であるのに、一転、エアコンで冷やし過ぎた上に、生野菜の多食などにより、しばしば寒湿中阻に見舞われ、その時は、藿香正気散の服用により、気持ちよく温まって、アトピーの調子も俄然よくなるという、珍しい人もいる。
 あるいは単に寝冷えしたときは、藿香正気散ではなく、葛根湯を服用することで温まり、このときもアトピーまで調子が良いという。
  「アトピーが調子が良い」という意味は、肌がすべすべして、とても綺麗な肌になる、という意味らしい。

 と言っても藿香正気散にしても葛根湯にしても、長期連用は不要な人で、熱化して来ると、通常の配合に戻すわけだから、アトピー性皮膚炎の人では、藿香正気散や葛根湯など、祛風散寒が主体の方剤は、必要最小限に止めておかないと、胃腸や寒気は治せても、長期連用すると熱証部分に悪影響して、痒みを誘発し兼ねない。
 この点からも、藿香正気散証を誘発し兼ねない冷飲・冷食は慎むべきだろう。

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2009年8月16日のボクチン(5歳)
2009年8月16日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年8月16日のボクチン(7歳)
2012年8月16日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
 
posted by ヒゲジジイ at 00:03| 山口 🌁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2014年07月21日

アトピーの相談者がとても多い割りには訪問者が少ないアトピー専門ブログ

2009年7月21日のボクチン(5歳)
2009年7月21日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 昨日の日曜日は、電話のある部屋を通りがかった時に運悪く、いまいましいコール音。表示が地元の市内局番だったので、常連さんたちの緊急電話かと急いで取ると、いきなり
「ハトムギはおいてますか?」
「今日はお休みですが、ハトムギならどこの薬局でも、あるいはお茶屋さんでも売ってますよ!」
「えっ!?今日はお休みなんですかっ???!!!」
と日曜日に休むのがいかにも信じられないという口調である。

 実は、友人にハトムギがイボに良いと聞いたが、自分には全身に小さなイボがたくさんあって云々と話が止まない。
「ですから、ハトムギがよければ、薬局ではヨクイニンという名で薬として売っていますから、どこの薬局でも電話で問い合わせてみればよいですよ」
 と答えて強引に切らせてもらった。

 それはともかく本題である。
 昨今、思い出したようにアトピー専門のブログアトピー漢方専門ブログ を更新しているが、村田漢方堂薬局にはかなり重症のアトピーの相談者が多い割には、アトピー専門のブログの方には、このメインブログの三十分の一以下の訪問者である。

 せっかく遠路はるばるアトピーで来られているのだったら、こちらのブログも時々は覗いてほしい。かなり参考になることも最近書いているので・・・

2014年07月12日 身体を冷やす生野菜や果物、冷えた食品類の食生活習慣はアトピーを必ず治りにくくしている 

 といっても同業者の閲覧が多いらしいので、

2014年07月20日 黄連解毒湯はクセモノ

 などは少しは参考になるかもしれない。

 実際のところ、アトピーの相談者は当方に来られる頃には、様々な治療法の失敗によって、とりわけ間違った漢方薬の長期連用によって壊証となり、五臓六腑それぞれの寒熱虚実が支離滅裂に崩壊しているので、安定した状態に立て直すのに、超短期間で配合変化を繰り返す必要があるため、もっとも手間のかかる作業となる。

 相談を受けるこちらの方では、手間と時間が最もかかる能率の悪い仕事であり、ほどほどの安定した状態になるまで、最初の数ヶ月間は相当な労力を必要とする。
 アトピーほど効率の悪い漢方相談はないのだが、8割以上の安定状態が維持できるようになるまでに、早い人では3〜6ヶ月という人もあるが、壊証となっているケースでは半年以上、多くは1年は要する。

 よっぽどスムーズに経過した例でも、四季折々の季節変化に対応した配合の微調整が必要なことが多いので、最低でも1年間は油断がならない。

 実際のところは、1年間は季節に応じた病状の傾向と対策を把握する期間でもあり、徹底的な症状の消滅と体質改善を行うためには、さらに2年を要し、結局は3年くらいかかって本当の安定期に入るが、そこで安心して不摂生を繰り返して、小再発があって気合を入れなおして、いつの間にか5年以上も続けている人が多数。

 5年以上も続けられるのは、明らかな効果があり、いつのまにか自身が主治医となって、みずから上手にコントロールできるようになるからである。

 その頃には、服用する漢方薬も減っていることが多いとはいえ、アトピー以外の利用方法を自然にマスターする人が多いので、いつの間にか中医漢方薬学に嵌ってしまった人があまりにも多い。

2009年7月21日のボクチン(5歳)
2009年7月21日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年7月21日のボクチン(6歳)
2010年7月21日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 
posted by ヒゲジジイ at 00:01| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2014年06月02日

男性の手の湿疹、進行性指掌角皮症にもやっぱり温経湯

2010年6月2日のボクチン(6歳)
2010年6月2日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 男性の手の湿疹、進行性指掌角皮症には女性と同様、ほとんど病名治療的に温経湯が効果を発揮する。

 このことは昭和50年(1975年)前後に女性2名、男性1名の治験例を『和漢薬』誌か『漢方の臨床』誌に発表したものをそのまま拙著『求道と創造の漢方』の172頁に掲載している。
前略・・・大塚敬節先生のご研究により今や常識的なこととなり、今さら私ごとに若輩の屋上に屋を架す必要など微塵もない・・・後略
と前置きを書いているように、温経湯に主婦湿疹や指掌角皮症というのは大塚敬節先生の功績である。

 最近、久しぶりに男性の両手の湿疹、とりわけ右手の重症の湿疹の相談を受けた。
 最強のステロイド軟膏を1日3回塗布しても治まらなくなっている。
 諸症状と体質傾向から荊芥連翹湯10日では効果がはっきりしない。

 そこで再度諸症状を確認すると手掌煩熱はないものの、唇口乾燥が年がら年中顕著であるということから、またもや男性でも温経湯の適応証であるかと10日分服用してもらうと、ステロイド塗布が2回に減って、3回塗っていたときよりも明らかに軽減しているという。

 進行性指掌角皮症に温経湯が適応するときは必ず薏苡仁を加えて使用したものだが、今回は温経湯のエキス剤だけで様子をみてもらった。

 上記『求道と創造の漢方』に記載している昭和51年の年末に相談を受けた看護婦さんの進行性指掌角皮症では、温経湯加薏苡仁の煎じ薬を飲んでもらっても、15日間はまったく効果を認めず、20日過ぎたころからようやく効果が出てきたという遅効例を記載している。

 このことからすると、現在使用している某メーカーの温経湯エキス製剤がかなり優れた品質であることが想像できる。

 それにしても、女性のみならず男性の進行性指掌角皮症にも温経湯という病名治療がかなり可能な面があり、手掌煩熱と唇口乾燥のいずれか一つでも認めればまず最初に試してみるべき方剤のようである。

 このような病名治療的な素人でもやれそうな方法がある反面、気を付けなければならないのが、昨今、「酒さ」に桜皮が配合された十味敗毒湯が9割以上の人に即効があるとい情報に踊らされて、逆に悪化したり、まったく無効であったりした人などが遠路はるばる相談にやって来るケースが目立っている。

 ネット上で「酒さ」には十味敗毒湯が特効薬のように書かれているといわれるが、当方では40年間、十味敗毒湯で「酒さ」が改善されたといケースはまだ一例も遭遇したことがない。
 進行性指掌角皮症に温経湯という病名治療の確率よりも、はるかに劣るような気がするのだが・・・。

 ともあれ、漢方薬でも稀な部分では、病名治療的な方法が通用することもあるのは確かだが、それはほんの限られた部分であるから、病名治療にばかり頼っていると足元をすくわれるので通常は安易に病名治療に頼るべきではない。

 だから必ず専門家と相談しながら、臨機応変に配合変化ができる体制を取っておくべきである。

2010年6月2日のボクチン(6歳)
2010年6月2日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年6月2日のボクチン(6歳)
2010年6月2日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
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2014年05月25日

気温が急に上昇しているので皮膚疾患は要注意

2009年5月25日のボクチン(5歳)
2009年5月25日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 気温が急に上昇しているので、皮膚病関連の人たちは配合の微調整が必要になる人もいる。

 勘のよい人は、過去の繰り返しのアドバイスにより微調整のコツをマスターしている人は、自主的にうまく調整できる人もおられるが、過信して頻繁に微調整を繰り返し過ぎて、却って五里霧中となって相談される人もおられる。

 そんなとき、五里霧中になりかける前に、早めに相談されたほうが無難である。

 皮膚病に限らず、そのほかの疾患でも同様である。

2009年5月25日のボクチン(5歳)
2009年5月25日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年5月25日のボクチン(8歳)
2012年5月25日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 10:16| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2014年05月11日

「九仞の功を一簣に虧く」が如きお気の毒な例

2009年5月11日のボクチン(5歳)
2009年5月11日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 全身のアトピー性皮膚炎で、遠路はるばる通われて数年頑張って、8割程度の改善を得て、あともう少しというレベルでそのまま続けても変化がないとて、当方の漢方薬と縁が切れて数年。

 突然、以下のようなメールを受けても、お断りせざるを得なかったケース。
 実にお気の毒ながら、タイトルのような「九仞の功を一簣に虧く」という喩えがピッタリとは言えないまでも、遠方ゆえ、本当に残念なケースである。

関西地方から通信販売依頼のメール:

 お久しぶりです。●●●●です。覚えていますでしょうか?

 村田漢方堂薬局さんから他の漢方薬局にいきましたが症状が悪化してしまいました。全身からジクジクノ液がでてきてます。

 大変お恥ずかしいのですがまたお薬を送っていただけないでしょうか?

 今回は時間もなくそちらにはお伺いできません。症状がきつくつらいです。
 掻いたところから液がでてきて眠れない日々が続いています。

 どうか宜しくお願いします。

お返事メール:

 残念ながら、昨年だったか?頂いたメールに「アトピーの調子がよい」ので残った漢方薬の返品が可能かどうか?のお問い合わせがあってより、そのお返事を申し上げて以後、縁が切れたものと判断して相談カードを廃棄処分したのかどうか?探しても見当たりません。

 また、来られていたころから数年以上も経てば、アトピーは変化しやすいので同じ配合で当時と同じように改善できるとは限らないので、なおさらのこと通信販売は不可能です。

 どんなに遠方の人でも、効果が安定するまでは10日毎に一定期間通ってもらえる人でなければ、漢方相談はお断りさせて頂いています。
 ましてや変化の激しいアトピー性皮膚炎は油断がならないので、数年も途切れた人には、残念ながら通信販売でスムーズに治せるものではありません。

 そちらで通える範囲の漢方薬局を見つけられ、10日毎くらいに頻繁に通えるところでしっかり相談してみて下さい。

 繰り返しになりますが、当方では残念ながら過去の相談カードもないし、ましてやあれから数年も経てば、当時と同じ漢方薬で改善できるケースは滅多にあり得ないので、通信販売はお断りせざるを得ません。

 お役に立てず、申し訳ない次第です。
 取り急ぎ、お返事まで。
一旦こちらの漢方で改善していた人でも、他所の漢方で却って再発したケースでは通信販売だけではほとんど無理より
2011年5月11日のボクチン(7歳)
2011年5月11日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 01:23| 山口 | アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする