系統だった少陽三焦理論を書かれた陳潮祖先生の諸著作に多くを負うものであるが、ヒゲジジイの頭の中では実体が無いといわれる少陽三焦を次のように平成5年に立体構造モデルを当時の『和漢薬』誌に発表している。
少陽三焦の組織構造私見(実体が無いと言われる少陽三焦の組織構造モデル!)
このような得手勝手なイマジネーションの効用は、様々に広がる連想によって猪苓湯や茵陳蒿湯などの応用範囲を爆発的に拡大できたのである。もちろん実際の有効性を多くの症例で確認済みである。
といっても実は、平成5年に少陽三焦の立体構造モデルを発表する以前、陳潮祖先生の諸著作を読む以前、今から25年前頃から既に猪苓湯の広い分野の応用は行っていた。
しなしながら、その当時は理論的根拠を示すことが出来なかったのだが、陳潮祖先生の諸著作に出会ってようやく、少陽三焦理論にもとづいた猪苓湯の応用に関する拙論を月刊『和漢薬』誌1991年新年号(通巻452号)の巻頭論文として発表するに至っている。
猪苓湯が滑石茯苓湯に変わるとき
少陽三焦理論にもとづくイマジネーションを応用して、まだまだ各種方剤の応用範囲が広がるはずである。
たとえば、半夏厚朴湯、温胆湯、四逆散、黄連解毒湯、六味丸系列の各種腎虚の方剤などなど。
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