2008年02月08日

A型インフルエンザ流行地方からのおたより

おたより:東海地方の女性薬剤師

 ご無沙汰いたしておりますが、いつもブログを読ませていただき、すかさずクリックしております。

 こちらでは、A型インフルエンザがとても流行しています。
先日、いやいやながらも、薬剤師会の当番で、休日救急医療センターに当直した折りの感想です。

 A型インフルエンザが流行っており、狭い待合室の密閉された空間は、何だか臭いまでム〜とウイルスの存在を感じさせるようで、いつインフルエンザを引いてもおかしくない、イヤな状況です。
 毎年、この時期の当直で、体調を崩すことが多いので、この日は完全防備ででかけました。

 前日の夕食を、一汁一菜の和食で腹七分、当日の朝は、韮の温裏粥を少々食べました。

これは、先日、安保先生にお逢いしたとき、インフルエンザを吸い込んでも、発病する人としない人の違いは、マクロファージの段階で処理できるか否かの問題で、飽食によりマクロファージがその処理に疲弊していると、ウイルスを食べられず、リンパ球等を動員してくると、熱が出て、発病に至る・・・とのお話をされていたためです。
 村田先生が、いつもおっしゃるように、腹七分は万病の予防です。

 急患センターに到着すると、相方の薬剤師、ドクター二人と顔合わせし、皆さんインフルエンザをもらわないように、全員マスクをして、気合いを入れました。
ちなみに、朝の体調は全員良好でした。

 私は、患者さんと話をするたびに、タンポポ茶でうがいをして、時折、銀翹解毒丸を飲んでいました。昼は、自宅から玄米のおにぎりを持参。
 相方の薬剤師は、にぎり寿司、ドクター二人はトンカツ定食を食べておられました。

 ところが、夕方4時を回るころ、相方の薬剤師は、激しい悪寒、頭痛、節々の痛みを訴えました。どうみても傷寒証の症状です。舌をみると、胃腸も冷えていました。
 私は、ポケットに、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、銀翹解毒丸を忍ばせていたので、相方に麻黄湯を一服渡しました。

 時を30分くらいずらし、トンカツを食べておられた1人のドクターが、”麻黄湯なんてないよね?”
 と言ってこられるので、”どうされました?”とお聞きすると
”2人とも(ドクター)喉が痛く、熱感がしてきてるから・・・やられたみたい。薬剤師さん、麻黄湯ってどうよ?”
 とおっしゃるわけです。(ちなみに、この日は患者さんにはタミフルがバンバン出てました)

 漢方の真髄をご存じないドクターに、弁証論治がどうの・・といってもラチがあかないので、私からみて、お二人とも、まちがいなく温病の証で、湿熱体質とみてとれたため、持っていた銀翹解毒丸を飲んでいただきました。

 こうして、2時間後の終了時には、相方もドクターも回復に向かっていました。
 このとき、私が思ったのは、同じインフルエンザに暴露され、体内に取り込んでも、その人の体の状態(寒、熱、湿・・・など)により、反応が違うのでは?ということです。
 体に湿や熱をためていれば、ウイルスの増殖も早く、温病型の証を呈してくるのかもしれないし、体が冷えていれば、傷寒証を呈してくるのかも・・・?
 同様に、内湿が多ければ、湿邪にやられやすいし、乾燥した体質であれば、湿邪は有り難い・・
 当たり前ですよね・・・。

 要するに、村田先生がブログに書いておられるように、その土地の気候、そして各々が摂った食事の内容や七情の変化による内傷等による体の状況に応じて、同じ邪気を受けても出てくる反応(証)が変化してくるのだと思います。
 ですから、インフルエンザであれば、即麻黄湯、とか皆銀翹散といった考え方は全くナンセンスなんですよね♪

 先生、ブログを止めないでくださいねっ(^_^;)


ヒゲジジイのお返事メール:
 貴重なおたより、ありがとうございます。
 大変興味深い内容で、流石に先生の本領発揮、素晴らしい腕前でお見事です!

 ご指摘の通り、個人個人の体質によってインフルエンザに感染した場合の反応は様々ですが、また地方性も大いに関係あるのではないでしょうか?

 下関近辺では、と言ってもあくまで村田漢方堂薬局でご相談を受ける範囲内でのことですが、麻黄湯証を呈する人に遭遇したことは久しくありません。

 一般の風邪においても地方性の問題では、
風邪で発熱して最初から治るまで葛根湯証が継続するケースもある
 このようなことを最近、経験していますが、先生の地方では寒さが厳しそうですので麻黄湯証もしばしば見られるのでしょうね。

 ところでここ1〜2年、常連さんやお馴染みさんの風邪予防対策(天津感冒片や板藍茶、白花蛇舌草などの常用)の徹底により、インフルエンザはおろか一般の風邪すら引く人が激減してしまい、風邪専門のブログが継続できなくなったほどです(苦笑)。

 とっても興味深く貴重なご報告、折々にウンザリしがちなブログ継続の励みになります。ありがとうございました。早速転載させて頂きたく、お願い申し上げます。

 なお、クリック問題はGoogleのPage Rankに多少とも影響することが、HPやブログをやる人には常識でも、一般の人には無縁な話のようです。


折り返し頂いたメール:地方性は本当に大切ですね。
こちらは、今年、初の気 立春に入ってから、麻黄湯、麻黄附子細辛湯の証の方が現れるようになりました。それまでは殆どなかったのですが・・・。
今年は五運六気で、初の気 の客気が太陽寒水なので、しばらくは寒いのかもしれません。
こちらは、底冷えがする毎日です。(足を湯たんぽに置いて仕事をしています)
人間の気質も、神経質で、陰の気が強い方が多いですね。
下関の方は、熱血漢で、討論が好きで、豪快・・・陽の気が多いイメージで、傷寒証の方が少ないのも頷けます。

こちらも、日頃の予防策で、インフルエンザに苦しんだり、風邪に悩まされる方が少ないので、急患センターに行って驚いた次第です。

PS・・・ボクチン、最高に可愛いですね(*^_^*) 


ヒゲジジイのメール:折り返しのおたより、ありがとうございます。頂いたメールでちょっと気になったことがあります。

>人間の気質も、神経質で、陰の気が強い方が多いですね。

というのはやはり本当でしょうか。先生ご自身はその逆の性格のようにお見受けしますねっ、きっと。
 現在、そちらの方面から来られた人もおられ(テリトリーを侵して恐縮です…苦笑)、消化器系統には大柴胡湯が合うのに実に「神経質」で、後ろ向きにばかり物事を考えて困ります。

 いつも気合を入れてあげるのですが、どうしてそんなにくよくよするのか、ヒゲジジイのような禅的な性格では、対処にほとほと困惑することがあるほどです。
 同じそちらの地方でも、海側の人たちは性格も比較的陽性で、違和感はないのですが・・・

 やはり土地柄、自然環境による影響が強いのでしょうか・・・といっても北陸地方から来られた人の中にも比較的陽性の性格の人も多いし、東北方面の虚弱で寒がりな方でも意外に黄連解毒湯合補中益気丸・四逆散などを主方剤として消化器系統が丈夫になりつつある人もおられるのですから、東北でも北陸でも海に近ければ陽気が勝つのでしょうか?

 関西の人たちはせっかちな人もおられますが、九州や山口県の体質と似ているので、弁証論治にあまり違和感も感じません。

 ちょっと余計なことまで書いてしまいましたが、久しぶりに膨大な量のブログになってしまいますね。

 当方のボクチン、去勢をしてないので、遠い旅に出ないか、いつも心配しています(苦笑)。
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posted by ヒゲジジイ at 00:28| 山口 | 風邪やインフルエンザ | 更新情報をチェックする