排卵日以降は瀉火補腎丸(知柏地黄丸)が適応して、生理が始まると六味丸が適応する複雑な女性達。
女性は男性と異なって複雑である。
茵蔯蒿湯を用いて冷え性が明らかに改善されたと申告される例は枚挙に暇が無いが、年々このタイプが増え続けている。
茵蔯蒿湯の薬味は寒涼性の生薬ばかりで構成されるのに一見矛盾しているようだが、明らかに活血化瘀作用が優れているからで、このようなことはどのような専門書にもネットにも書かれていない。
冷え性の皆に効くわけではない。
かなり厳密な条件がそろっていなければ無効である。少なくとも明らかな黄膩苔が必須条件である。
複雑な彼女達の多くは、アトピー性皮膚炎においても、排卵日以降の高温期に向かって悪化傾向が強い。
だからそれに応じた配合変化を行う必要があるが、思慮深く観察力の優れた彼女達は、半年もしないうちに上手に配合変化を行えるまでになるのだから立派である。
本気の彼女達だからこそ、いつの間にか中医漢方薬学の一定のコツを体得するのである。
疑問に思ったり病状の変化に困ったときは迷わず的確な相談に訪れたりメールが送られて来るから、折々の難問も克服できるのである。
この質問力・相談力こそが何よりも重要なことである。
病状の的確な報告能力と、中医漢方薬学を体感から学ぶ動物的な勘・・・皆にこれを求めるわけには行かないだろうが、何としても漢方薬によって病気を克服したいものだという情熱こそが彼女らのパワーとなっているに違いないのである。
今日はいつになく、最近増え続ける優等生の女性達を誉めたくなったのだった。
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