昨日の続き
お便り:関東地方の某内科医師
「温病論」が必要とのご指摘を頂き有難うございます。
確かに…いざ臨床となりますと傷寒論のみでは厳しいのが現実です。傷寒論の処方の効き方は鋭い反面、投与後に体がダイナミックに変化して次の日には別の薬が必要になってきます。
家族なら冷や汗をかきながら、殆ど毎日処方を変えることなりますが…いざ、外来となると出来ないですね。困ったことです。
「温病論」は、今度の神田に行ってきたときに一冊分かりやすい本を購入したいと思います。「衛気営血弁証」をちらっと見てみますと確かにその通りに病気が進む様に感じます。
自分の患者さんではなかったのですが…肺炎→(回復)→肺炎
再発→(回復)→肝炎→(回復)→腎不全→透析→死亡というケースを見た事がありました。
このケースと比較すれば臨床ではかなり使える理論ではないかと思いました。でも自分は理論を消化するのに時間がかかりますので、ゆっくりと進みたいと思います。お付き合い頂ければ幸いです。
おやすみなさい。
お返事メール:毎日処方を変化させる、あるいは朝と晩では処方を変えるなど、外来診療では出来ないのではないか、とのご心配につきましては、小生の薬局で行っている方法がヒントになるかもしれません。
合成医薬品のようなキツイ副作用がなく、気持ちのよい効き方をしてくれる漢方薬の素晴らしさに嵌ってしまった常連さんたちは、常備薬として急性疾患用の各種方剤を家庭に常備されておられます。
急性疾患に罹ったときは、すぐ来られない場合は、電話相談でアドバイスです。といっても常連さんたちは、長いお付き合いの中で、ご自身の急性疾患時の対処法をほとんどマスターしておられますので、アドバイスはとてもスムーズです。臨機応変に配合変化を行うのは、常連さんともなると簡単です。
たとえ新患さんでも、村田漢方堂薬局では理解力の無い人には御相談に乗らない方針ですので、あまり困難を覚えたことはありません。
新しい人でも、目的とする疾患に必要となる可能性のある方剤は、順次常備してもらうようにしています。(それが出来ない人は、漢方治療困難ですので、結局はお断りせざるを得ないことになっています。)
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