若い頃にシバシバ経験した苦い思い出。
最初から運よくピントが合って、調子が良いと喜んでおられた同じ人が、何回か通われるうちに、以前のような効果が感じられなくなった、最近はあまり効かないから今回は配合を変えて欲しいという訴えである。
ところが相談カードで点検すると、明らかに服用回数が減っている。10日分が20日以上かかって来られているので、最近服用回数が減っているから効果が激減したのだと思いますよ、と進言すると、血相を変えて「一日3回キッチリ飲んでますよ!」と断言される。
そこで相談カードの記録を証拠に見せ、歴然とした事実を突きつけても頑迷に認めようとされない。
このような経験は若い頃にはシバシバ遭遇して歯軋りし通しだった時代も多い。客観的な判断力を狂わせる愚かな駆け引きと、当方の気の弱さから、言うなりに処方を変えてますます効果が落ちる。
結局はいつの間にか無音となることもあり、途切れ途切れでも意地張って頑張ってくれた人では最も多かったのが、ようやく半年後くらいになって最初に効果があった配合に戻したところ、やはり最初の配合が正解だったというお粗末!
しかしながら、きちんと規定どおりの服用回数をしっかり守られていても、アトピー性皮膚炎などの極めてデリケートな疾患では、季節的な変化や環境変化によって、微妙に効果がずれてくる場合があるので、よく効いていた配合でも効果が落ちてくる場合もあり得る。この場合はお互いに根気よく微調整して効果が落ちないように努力する必要があるので、服用回数が激減したための効き目が落ちるケースと混同してはならない。
最も判断に窮するのは、服用回数が一日2回になっている場合である。
初期には3回しっかり服用されていた人でも、少し調子が良いと長丁場のため2回に服用回数が落ちてしまっていて、そのまま順調に経過している場合はまったく問題にならないのだが、悩ましいのは「最近は効果がやや劣るようだ」と申告された場合である。
効果が落ちているのは、おそらく服用回数が減っている為と思われるが、時にはやっぱり微調整が必要な場合もあるからである。
参考文献:漢方薬は中医漢方薬学派の漢方相談専門薬局:本来の漢方薬とは? の最終節部分
難病、慢性病克服のコツは?
漢方薬を使用して難病・慢性病を克服、解決しようとされる場合、病気に対する考え方のしっかりした中国流の分析的な方法、中医漢方薬学によって配合された漢方製剤を、しばらくは根気よく続けなければなりません。
その為、漢方薬を服用される方も、ほどほどの忍耐と努力が必要です。
適切な漢方薬の組み合わせが決ってからは、もしも直接来られない時は、メールやお電話で御注文して頂くだけで、翌日には御自宅で漢方薬を受け取れる、大変便利な通信販売の方法があります。
毎日きちんと漢方薬を1日3回、まじめに服用し続けるのは面倒で、どうしても忘れてしようがないという方の場合、あっさりと割り切って、朝と晩の2回だけの服用に決めても大丈夫な場合もあります。治るまでに普通よりは期間がかかることが多いのですが、前記@ABの条件を満たす「漢方製剤の組合せ(配合)」を安易に省略するようなことがなければ、大丈夫なことが多い訳です。
但し、こじれている場合や難病・重病の場合はこのような訳には行かず、1日3回の服用は必要です。
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