23日頃だったか、googleで漢方を検索していたら、未承認抗癌漢方薬の販売サイトが閉鎖され、薬事法違反で3名が逮捕された記事が出ていた。テレビでも報道されたらしい。年間、何億もの売り上げで、日本国中に1万人?の利用者がいたというから凄まじい。
ところで、最近わが薬局では某漢方製剤が原料枯渇により急遽製造中止になったので、当方でも在庫が尽き、やむを得ず遠方のご利用者にお近くで手に入れてもらうようにお奨めしたところ、近くにあった某漢方薬局が閉じられて貸し店舗となっていたといわれる。ほんの数ヶ月前には営業されていたらしいが、こうして次第に漢方専門薬局も淘汰されて行くのであろう。
明日は我が身か?(苦笑)
アトピー性皮膚炎の女性で、どうみても黄連解毒湯も適応しそうな確証(弁証論治にもとづく確証)があるのに、使用してもらう都度、冷やす作用ばかりが目立って、アトピーには却ってマイナスである。
時間を隔てて二度試みてもらったが、やはりマイナス効果しか出ない。
風呂上りの痒みといい、寝ているとき温まって生じる痒みといい・・・ところがよく観察してもらうと、身体表面は寒い感じがあるのに、身体の芯から生じる熱感があり、それが湧き起こって痒みが生じるニュアンスであると!
そこで、地竜(ミミズ)を用いたところ、こんどは比較的スンナリと効果が出て痒みが軽減し、表面的な寒さも消失した。
綿密繊細な中医漢方薬学の奥深さの一端がここにある。
北陸地方からとても寒がりな男性が高血圧の漢方薬を求めてやって来られた。東洋医学の某分野の専門家であるので、話はスムーズであるが、お出しした漢方薬の組み合わせは、滋陰清熱・熄風袪痰・涼血利湿法であり、薄着が問題なので、決して体内に冷えはなく、むしろ内熱があるのだからと、寒涼派のヒゲジジイの論理を展開して説得、いまのところ順調に経過している模様。
寒がりだからといっても、表面的な症状に振り回されてはならない好例である。寒がりや冷え性を訴える場合でも、温性の薬物が必要だとは限らない。涼性の薬物が主体であっても、大黄や地竜などの活血の薬物による血流改善効果によって、冷え性や寒がりでさえも改善されることがしばしばである。
以前ご紹介した重度の蕁麻疹の女性も、明らかな信頼の目付きにかわって、忠実に服薬を守られている。臨機応変の服用方法も上手にマスターして、気合が入っている。結果的に叱り甲斐があったわけである。
西洋医学治療の方法がない段階の某ガン患者さん、各種の漢方薬類の組み合わせで順調に経過中で、鈍痛などが次第に消失している。病院では痛みが我慢できなくなったらイラッシャイ、ということで薬の投与も皆無で定期検診すらないのも止むを得ないのだろう。
でも様々な漢方薬で体力・気力を充実させ、いつまでも生活の質を高く保つことに互いに努力している。
相変わらず安易な問い合わせ電話や直接の来局者は尽きない。一々書くのも馬鹿バカしい。あまりにもお気楽である。お気楽やお気軽な新人さんはお断りであることは、常々書いて来た。
オベンチャラと欺瞞だらけの風潮に同化しない横着な薬局だと憤慨する輩(やから)がいて、喧嘩を吹っかける野郎(もちろん男)もいたが、一蹴である。
相手を見損なうな。揉み手が欲しけりゃ、お気軽なご相談を歓迎する薬局へ行けばよいだろう。
遠方からの補充注文が沢山重なって送り状発行に多忙を極めている最中、駐車場はどこだ!と大騒ぎしてやって来た中年女性。
「お話が聞きたい」という最初からお気軽である。一ヶ月前からメニエル症候群で入院していた。二度と再発したくないので、お話が聞きたいという。すでに怪しい口ぶりである。
病歴があまりに短いのでご相談外、なるべく気を損じないようにお断りするが、執拗である。一通り症状を聞いて、明らかに釣藤散証は歴然であるから、錠剤の製品を示すと「フウ〜〜〜ン! フウ〜〜〜ン!」と実に不快千万な口吻を何度もナンドモ吐き散らす大ばか者であった。
「何がフウ〜〜〜ンだ!」とケンモホロロに追い返す。失礼千万、無礼者としか言いようがない。
死んでも揉み手はゴメンダネっ!
不遜な野郎やメロウどもは何も好きこのんで気難しいヒゲジジイの薬局に来なくていい。
土曜日だから昼で終わっているのに、親子連れがやって来たり、電話で問い合わせが入ったり、疲れきって眠り込んでいたら長電話が鳴るも身体が動かず受話器を取る気にもならない。
時間外の電話の問い合わせや直接やって来て談判されても、こちらは老体、身体がもたない。他所へ行って下さいと全部お断り。
時間外は常連さんでもない限りは、すべてマナー違反。
メールだけは年中無休で受け取れますよ。
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