2007年10月09日

白内障と杞菊地黄丸

おたより:東海地方の内科医師

 いつもHPのブログを拝見しています。ほとんどが興味ある記載ですのでポイントを入れています。

 本日は母親からの命を受けてメールしています。
 過日、お教えいただいた眼のトラブルのときにお勧めいただいた地黄の配された丸薬(杞菊地黄丸 名称が速やかにでてきません。最近の記憶力低下は困ったものです)のことを母親に伝えましたところ(白内障がやや進行していて眼科医から手術を受けるように言われてはいるがいかがなものか、と相談を受けました)、早速購入して飲み始めたそうです。

 すると数日してから「あのくすりは凄い。視野が開けて良く見える。でもひとつ困ったことがある、眼科での診療の請求書の記載がはっきりみえるようになってしまい、帰宅してから金額をもう一度眼にすると気分が滅入る。いかがなものか」と言っていました。
 返事にすこし窮して、「しばらく眼科を受診するのを見合わせたらどうか」と伝えました。
 すると「全く同感だ。これで手術を受けなくてもすみそうだ」と笑顔で微笑んでいました。

 そして実家を後にするとき玄関で「おまえの知恵ではないでしょう。知恵を授けてくださったかたに感謝しておきなさい」と言われました。
 母の命に従って感謝いたします。
 今後も知恵を授けてくださいますようにお願いいたします。


ヒゲジジイのお返事メール: 杞菊地黄丸のことでしょう。個人差があるものの白内障にはかなり効果的で、眼科手術が現在のように楽ではなかった時代には、手術を嫌がる中高年の男女に、この杞菊地黄丸とともにウチダのイオン化カルシウム(和漢薬誌350号と356号に詳細な拙著あり)を併用してもらうことで、随分多くの人が手術から免れました。
 中年男性に一人だけ、まったく無効で手術を余儀なくされた方がおられましたが、それは例外的なことでした。

 ところが最近は、日帰り手術が可能な時代となり、白内障の漢方薬を求めて来局される人が激減しています。
 でも、母上様に効果が出てくれて本当に良かったです。