補中益気丸(党参入)や四逆散製剤および清熱解毒剤や滋陰利水剤を主方に体質改善三点セットなどの多種類の配合であるが、その間にはステロイド外用薬の塗布が5日間に延びた個所があるだけでなく、10日間一度も塗布せずに済んだ場所があり、明らかな改善効果が認められた。
しかしながら、今後も多少の紆余曲折はあり得ることなので油断がならない。
本題に入ると・・・
蕁麻疹合併の親御さんには黄連解毒湯・茵蔯蒿湯・六味丸・猪苓湯・イオン化カルシウムなどが主体で寛解中。
子供さんは滲出液は皆無だと言い張るので黄連解毒湯と六味丸・イオン化カルシウムという極めてシンプルな配合により、一時顔面の赤味は消えていたが直ぐに再発。いくら続けても改善の兆しが皆無となった。
3〜4回目にして本人が隠し続けていた滲出液が多いことが偶然に発覚。知柏腎気丸製剤と茵蔯蒿湯・猪苓湯・イオン化カルシウムの配合に切り替えて黄連解毒湯と六味丸は中止。
この配合で一週間も経たない間に急速に寛解し、ステロイドを塗布することが皆無となった。20日後にはアトピーは見る影もほとんどなし。
このようにご相談者の観察と表現意欲に問題がある場合は、時に適切な漢方薬の配合がいつまでも遅れてしまう事態になりかねないので、漢方相談の最も重要で難しい問題点 というブログもあるのだった(苦笑)。
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