2007年09月08日

漢方処方運用の極意は孫子の兵法の如し

 其の疾(はや)きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、知りがたきこと陰の如く、動かざること山の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し。
                  (孫子:軍争篇より)

 用兵(漢方処方の運用)は機略縦横の智将でなければならない。
 それゆえ様々な処方がまとめて調合された煎薬や分包器にかけられたエキス散は、いかにもそれらしい見かけと雰囲気とは裏腹に、縦横無尽の機略をまったく発揮させることはできない。

 配合処方の記載もなければ、含有成分の表示すらない漢方薬を長年服用し続けて効果がなかった場合はまったく無駄骨である。
 せめて過去に服用された処方類の名前くらい記録されているべきだが、販売者が秘匿し続けているために、参考にすることも出来ない。
 このような無表示医薬品は日々巷(ちまた)で横行している日本社会であるが、漢方処方運用の面ではあまりに硬直した不便極まりない話である。

 ところが逆に、ヒゲジジイの薬局に来て、各処方をバラバラに渡され、すべて処方名や成分・分量が記載された既製品の漢方処方を出されることに、らしくないと思ってか、ひどく落胆する遠来者もいる。
 そこが素人の浅はかさで、臨機応変の配合変化を行うには最も合理的な方法であることが、やがて分る時がやって来る。

 村田漢方堂薬局にやって来るまでは固定された配合を一まとめに分包されてまとめて渡されていたために、途中で処方の出し入れ不能な硬直した漢方薬の継続のために、一向に病状が好転しないまま、むしろ悪化の道を辿っていた理由が早晩理解されるのである。

 とりわけ一部のアトピー性皮膚炎のように病状の変化が激しい極めてデリケートな疾患では、ヒゲジジの指南する漢方処方の運用によって初期の数ヶ月はまるで風林火山であったことが実感されるはずである。
  • 疾(はや)きこと風の如く
  • 徐(しず)かなること林の如く
  • 侵掠すること火の如く
  • 動かざること山の如し
 アトピー性皮膚炎に限らず、他の疾患にも共通したことで、臨機応変の配合変化とはこのことである。
 真の風林火山の意味は、ヒゲジジイの漢方薬をしばらく体験した者のみが知るところである。
 
 と大口を叩いても、ヒゲジジイがごときは機略縦横の智将ならぬ遅将痴呆将レベルに過ぎないかもしれないが(苦笑)。

【参考文献】アトピー性皮膚炎は男性よりも女性の方が2倍難しい理由〜但し、美容に直結するだけに結果的には女性の方が寛解率が高いということ!〜
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posted by ヒゲジジイ at 16:42| 山口 ☀| 徹底したポリシー | 更新情報をチェックする