早速の示唆に富むお返事ありがとうございました。後半は勿論、ヒゲジジイと同様、やや高血圧気味の先生であるから甘草の多く含まれた甘麦大棗湯は適応しないことが多いので冗談であろうが、現実的な問題として、ストレスの多い現代日本社会では、四逆散や柴胡加竜骨牡蠣湯証のみならず、意外に甘麦大棗湯が適応する人がビックリするほど多い現実に遭遇して、些かどころかトテモ大変に驚愕するほどオドロイテイル。
”涙もろさ”を一度患者さんに確認し、”涙もろさ”があってもなくても甘麦大棗湯を一度試していただきます。
よく考えて見ますと、自分も生あくびがよくでるようになってきましたし、TVとか映画でもやけに涙もろさを昨今感じることがあるものですから、自分も試してみます。年齢的な涙腺の機能の問題かとも思っていましたが(苦笑)。
次第に好転しつつある各種の疾患が、甘麦大棗湯一つが足りない為に、もう一歩のところで足踏みしていたケースが多いのである。そのような状況の人で、涙もろかったり生あくびが多い人には、試験的に甘麦大棗湯を併用してもらうと、ビックリするほど効果が上がるケースが矢鱈に目に付くのである。
甘草が多く含まれているので浮腫み防止を兼ねて、必要に応じて半夏厚朴湯や猪苓湯などの利水系の方剤でバランスを取る必要がある場合もあるが、低血圧気味の人で、舌苔が少ない人なら安心して使用できる。
但し、明らかに高血圧や浮腫みっぽい人には使用しないほうが無難である。
ともあれ、意外な状況で甘麦大棗湯がプラスアルファで適応した具体例は沢山あるが、このブログのデリケート?な読者にも多く、遠慮があってチョット書けないのでゴメン!
ラベル:甘麦大棗湯
【関連する記事】
- 最近の漢方薬の応用事例
- 漢方や中医学が一部の西洋医や薬剤師に貶められる理由
- しっかり学ぶべき生薬単味の利用方法
- 寒熱が錯雑しやすい季節
- 過信は禁物
- 柴朴湯加麦門冬のみならず、半夏厚朴湯加麦門冬という優れた加味方剤
- 活血化瘀の方剤が胃の不快症状の改善に役立つこともある
- 数回以上、直接通うことで見えてくる、隠れたもう一つの疾病の本質
- 四逆散は、本来あらゆる領域の慢性疾患に対する繁用方剤であるべき理由
- ADHD(注意欠陥・多動性障害)に漢方薬の数年連用によって徹底的に根治した事例
- 中医漢方薬学の優れた点は
- 中医学派が日本古方派に学ぶべきこと:同病異治と異病同治
- 日本漢方と中医学、それぞれの特徴を一言で云えば・・・
- 村田漢方堂薬局で最も流通量の多い第2類医薬品としての漢方薬三羽烏は
- 用法・用量の記載よりも少ない量で充分に奏効しやすい中成薬や漢方製剤
- やっぱり有効だった咽中炙臠に天津感冒片のトローチ使用
- こんなに長くやっている仕事だが・・・
- ネットの情報は便利だが・・・
- 車の運転時に前後左右を走行する車にイライラする女性達は
- 生来の体質的な個体差の問題があるからこそ