いつもお世話になっています。今回のご質問はちょっと重症の方です。
59歳のご婦人ですが、胆管がんのかたで、再発に対して抗がん剤の治療を受けられ、ずいぶん消耗してしまったそうです。体重減少も著しく、最近になって食欲も回復してきたそうです。
7/21に午後自宅の畑で収穫中に転倒(ご主人が帰宅して異常な気配を感じて周囲を探し、畑にご婦人が倒れているところを発見、5時間くらい雨天のなかでのざらしだったようです)、救急車にて近隣の病院へ搬送。
脳梗塞と診断され、左の片麻痺と言語障害を認めるそうです。主治医からはかなり悲観的な説明を聞いてご主人も気落ちしておられます。当然のことでしょうが、普段はかなり意欲的なかたですが、ショックに陥ってみえるとのことです。ご主人も当クリニックへ通院(胃がん)しておられまして、相談を受けました。
どこまでお役にたてるのかよくわかりませんが、中医薬学流にすこしでも出来ることがあればと思ってメールさせていただきました。この数日ご本人を拝見していませんが、過日の診察の所見としては、体格小柄、体重やや少なめ、舌:抗がん剤の副作用(血管障害)と思われる黒色の斑点・微黄色苔です。
この患者さんは当クリニックへ通院され(漢方で体力を補いたいとの意向があり)、十全大補湯合補中益気湯を処方していました。
個人的には瘀血(オケツ)への対応が必要と思いますが、お知恵を拝借できれば幸いに存じます。
ヒゲジジイのお返事メール:一般処方で脳梗塞後遺症を改善するには、気虚血瘀に対する中国で有名な補陽冠五湯の方意を体現できるのは、補中益気湯に芎帰調血飲第一加減に丹参エキス(あるいは粉末)を加えることでかなり効果的です。
丹参がない場合でも、気虚血瘀に対する効果は、十全大補湯を使用するよりもはるかに効果的です。
芎帰調血飲第一加減に丹参エキスを加えれば、小生が製品開発を提案・指導したウチダの生薬製剤二号方の成分をそのまま含有することになります。またイスクラの冠元顆粒も同様の成分です。
折り返し頂いたメール:すみやかなお返事いつもながらに感謝いたします。
早速患者さんに手配したいと思います。
【編集後記】 ウチダ和漢薬発行の『和漢薬』誌513号(1996年2月号)の巻頭論文に、「丹参製剤 生薬製剤二号方」 と題してヒゲジジイが9ページに亘って書いており、その中には脳梗塞後遺症の対処法を2ページを費やして書いている。詳細はこの記事を読んで頂いたほうが、より突っ込んだ記載がある。
医師や薬剤師などの有資格者であれば、ウチダ和漢薬さんに直接申し込まれれば、きっと喜んで別刷りやコピー版をわけてもらえるはずである。
それを利用していまだに、医師や薬剤師に「生薬製剤二号方」の売り込みに余念がない事実を把握しているから(苦笑)。
ラベル:脳梗塞後遺症