2007年07月26日

何の為の主治医か? 主治医に相談や質問を遠慮する必要がどこにあるのか?

7月24日の7月22日:筋肉のピクツキの漢方薬の続き の続き

その7月24日の7月22日:筋肉のピクツキの漢方薬の続き の編集後記を御覧になって頂いたメール
 お忙しい中、詳しくありがとうございました。勉強になりました。メールを読んで、自分でも漢方薬がわかったらいいなーと思いました。(数冊、漢方薬で治すとかいう系統の素人向けの本は買って読んでみました)

 村田先生のメールを読んでから、昨日医者へ行きました。この一週間で出た症状の変化(ぴくぴくの他に朝、顔がむくみ指がこわばった感じが出てきたことや、体にかゆみが出てたこと、汗が少ないこと等)を話すと、今までの処方から

びゃくし、金銀花、山梔子、菊花、せんたい、夜交藤、

を抜いて、

おうぎ、黄柏、ぼうい、車前子、蒼朮、いかりそう

が入りました。

 2点お聞きします。
 これは、村田先生がおっしゃる痰飲水湿にも効きますか。
 医師に聞けば良かったのですが、時間がなかったのと聞きづらさと相まって 聞けませんでした。

 私がこの症状で漢方薬をもらい始めてからはもう1年半になります。煎じ薬になってから7ヶ月です。もうすぐこの症状が出て2年なので、不安です。

 漢方は、すぐに効かないと聞きました。だいたい、どのくらいの期間飲んで、この漢方薬はきくのかきかないのかを判断すればよいのでしょうか。教えてください。

> 筋肉のピクツキは、痰飲水湿が筋脉を阻滞して生じた病変であるケースが非常に多いものである。

 私は、確かに水分の代謝は悪いようで、舌も昔から歯形がついています。6月から9月の暑い時期は、朝、指や顔がむくむことが多いです。
 真武湯は飲んでいませんが、苓桂朮甘湯の薬味は煎じ薬の中に入っている形で2週間ほど飲んだことがあります。そのときの日記を見ると確かに少しは良かったような感じでした。(ぴくつきは完全に止まりませんでしたが、少し減っていたように思う)

 村田先生が教えてくださったように、医師の先生が桂枝加竜骨牡蠣湯を基本にして処方をしているのがわかったので、そこにプラスされているのがどういうものかを今度聞けたら医師の先生に聞いてみたいです。


ヒゲジジイのお返事メール:すでに1年半も同じところで頑張られているのですか!
 そろそろピントが合っても良さそうなものですが、それにしても貴女も主治医に遠慮が過ぎるのではないでしょうか?
 1年半も通いながら、言いたいことも質問すら遠慮するなんて、信じられません。

 これについては医師のみならず患者さんのほうにも責任があるように思います。
 病気に苦しむ患者さんが、あまりにも遠慮しておられると、とりわけ漢方や中医学の世界では、患者さん御自身の表現能力によってもピント合わせの能率が大きく左右されるのです。

 ましてや、

> 私は、確かに水分の代謝は悪いようで、舌も昔から歯形がついています。6月か
> ら9月の暑い時期は、朝、指や顔がむくむことが多いです。
> 真武湯は飲んでいませんが、苓桂朮甘湯の薬味は煎じ薬の中に入っている形で2
> 週間ほど飲んだことがあります。そのときの日記を見ると確かに少しは良かった
> ような感じでした。(ぴくつきは完全に止まりませんでしたが、少し減っていた
> ように思う)

 この事実があるのなら、患者さんがその事実を医師に申告しておれば、苓桂朮甘湯の部分が有効に作用しているものとピンと来ていたはずです。(もしもこのことに気がつかないようでしたら中医師失格かもしれません。
 その時の方剤に戻してもらったほうが良いのではないでしょうか?

ましてや、

> 私は、確かに水分の代謝は悪いようで、舌も昔から歯形がついています。

 という事実があれば、常に痰飲水湿の病邪の存在を想定した配合を意識的になされるべきであるはずですが、今回の処方の変更においても、明らかに茯苓の配合が足りません。つまり、苓桂朮甘湯中の茯苓が足りないということです。

 貴女の場合は、基本方剤を苓桂朮甘湯として処方を組むべき体質なのかもしれませんね。案外、苓桂朮甘湯加沢瀉 くらいのシンプルな方剤で効果がはっきりするのかもしれません。

 自覚症状が明らかな場合には、漢方薬はピントが合ってくれば、なんとなく僅かでも効いているかな、と感じるのは早ければ数日以内、遅くとも15日以内にはそれとなく感じるものです。
 ですから、その時の処方に戻してもらったほうが良いのではないでしょうか?


折り返し頂いたメール:アドバイスありがとうございました。
 同じ所で1年半通っていますが、そのうち、前半の10ヶ月の先生と後半の8ヶ月は先生は別の方です。
 後半の先生が中医師の先生です。その先生には、自分としては、症状を伝えているつもりですが、ぴくぴくが主症状でも、そのほかに頭痛やら、胃やら色々と不定愁訴があって、そういったことも伝えていたのですが、ぴくぴくしていてそれが気になる、とにかく止めたいということをすごく強く思って言っていたので、うまく言えてなかったかもしれません。

 それで、茯苓ですが、今回の処方の他にツムラの加味帰脾湯もいただいています。(耳の違和感の方で)加味帰脾湯に茯苓が入っているのでぬけてるのかもしれません。この前のメールに書き忘れました。すみません。

 ちなみに、私の症状は、肝血虚ではないのでしょうか。はじめは、産後なので肝血虚の処方だったのですが、(1年前に産後10ヶ月で生理が来てからしばらくもそうでしたが)、生理もきちんと来ていて色も悪くなくて貧血もなく、この頃は肝血虚の処方なのか、よくわかりません。気虚もあるようで。

> 貴女の場合は、基本方剤を苓桂朮甘湯として処方を組むべき体質なのかもしれません
> ね。案外、苓桂朮甘湯加沢瀉 くらいのシンプルな方剤で効果がはっきりするのかも
> しれません。

 次回医師の先生にお話ししてみます。先生も患者さんが納得いくようにみていきたいのでといって下さったので・・・。

> 自覚症状が明らかな場合には、漢方薬はピントが合ってくれば、な
>んとなく僅かでも効いているかな、と感じるのは早ければ数日以内、
>遅くとも15日以内にはそれとなく感じるものです。

 わかりました。
 2週間位を目安にすればよいのですね・・・。
 村田先生のおかげで、疑問がいくつか解決しました。
 丁寧なお返事を本当にありがとうございました。
 今後また疑問があるときには、お忙しいとは思いますがどうぞよろしくお願いします。


言わずもがなのヒゲジジイの本音のコメント:現在でも基本方剤が完全に隠れてしまい兼ねない薬味の多さの上に、更に加味帰脾湯を併用され、それに茯苓が入っているからと言っても、ここまで薬味が乱雑に加わり過ぎると、苓桂朮甘湯の方意としての効能は、最早発揮することが出来ない可能性が高いと思います。
 もしも貴女が苓桂朮甘湯証が主体であった場合は、もっと配合内容を整理してもらわなければ、あまりにも薬味が多過ぎて、支離滅裂と言っても良いくらいの極めて乱雑な配合内容と思います。

 あくまでこれは個人的な見解です。
posted by ヒゲジジイ at 00:48| 山口 ☀| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする