そのような人が、冷え性というよりも、常時じゃなくとも、折々に極端に寒がるの常連さんに、衛益顆粒(玉屛風散エキス製剤)を加えると著効を奏したが、最近あったばかり。
冷え性というよりも、寒がりに悩んでいる人には衛益顆粒がよく奏功する。
病院漢方では以前、気管支炎や気管支喘息といえば、合いもしないのに小青竜湯を乱用され、却って乾燥性の咳嗽や呼吸困難を生じて、相談に来られる人が多発し、その当時はしばしば麦門冬湯などで快癒したケースが多かった。
ところが、昨今は小青竜湯に懲りたのか?麦門冬湯が投与されているケースがほんとうに目立つ。しかしながら、小青竜湯を乱用されていた当時のように困った副作用が出ない代わりに、一向に効果が出ないという相談がしばしば。
そのような人には竹葉石膏湯+辛夷清肺湯や、さらには小陥胸湯加減製剤などで対処できたケースもあれば、せっかく投与されている麦門冬湯を有効活用できるケースもあった。
たとえば最近、遠方の常連さんが、最近突然発症したという気管支喘息、病院ではピント外れの麦門冬湯を投与され、効果が無いので相談を受けたものだが、その麦門冬湯を有効活用すべく、日頃から常用されていた柴胡加竜骨牡蠣湯を考慮し、半夏厚朴湯を送ってあげて柴朴湯の方意に近づけ、この3方剤の合方でよく奏功した。
柴朴湯加麦門冬の必要性については、このブログで過去、2019年11月16日 燥性の強い柴朴湯には必ず麦門冬を加えるべきこと など、その意味するところを、何度かしっかり書いているので省略する。
これらは柴胡桂枝湯+補中益気湯の合方と同様、決して希な配合ではないのだが、日本漢方入門当初には、絶対にあり得ないと信じていたのだから、当時のレベルの低さを思い出すと恥ずかしい。
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2009年11月28日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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