2021年10月23日

あらずもがなのプライド━武士は食わねど高楊枝

 思い返せば、漢方入門当初から直ぐに専門薬局を開設し、漢方の素晴らしさを皆に知ってもらおうと地元の人達の要求に応じて、せせっと相談販売を行っていたが、中には病院に行くのが面倒だからと来局する人は、おおかた態度がデカい。

 こちらも生活がかかっているので我慢して付き合っていたが、たいした病気でもないか、あるいはもしかして重大な疾患が隠れていた場合に、発見が遅れた場合、病院では「薬局で漢方薬を飲まされていたので!」と悪口を言われ兼ねない、と想像力を逞しくするようになったのだった(苦笑。

 というのも、たとえば高血圧くらいで、病院に行くのが面倒だから、かわりに何か効く漢方を出してくれ、というレベルの要求には、高血圧に即効があるのは、明らかに西洋薬であることに間違いないし、そもそも多くの高血圧患者は、減塩の食事に切り替えれば自然に正常化するものを、日本人はあまりに塩分の接種量が多過ぎる。

 そのことを伝えても、態度がデカいばかりで、親切なアドバイスでも、減塩を守る人は僅少だから、とうとういつの間にか、病院やクリニックなど、西洋医学治療で治る病気の人は、漢方を出さずに、まずは病院やクリニックで診てもらうようにと方針を転換するようになったのだった。

 のみならず、怪しい症状をかかえながら、病院での受診を恐れたり面倒がるなどの理由から、漢方薬を求めて来られる深刻な状況の人達こそ、本当に重大な疾患が隠れていた場合は困るので、まずは病院でしっかり診察してもらって、治療をしてもらい、それでも治らない場合には、必ず相談に乗るからと言って、説得することは、漢方薬局だからこその義務だと思っている。

 それゆえ、必然的に比較的若い頃から、西洋医学治療や、病院やクリニックなどで治らないばかりか、様々な副作用でコリゴリとなった人達や、あるいは投与される漢方でも治らない人達だけを受け入れるのが自然の流れとなって今日までに至ったのだが、コロナのお陰で、ここ2年近くは、新規相談はすべてお断り状態ながら、常連さんやお馴染みさんを多く抱えているので、日々仕事は尽きることが無い。
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2010年10月23日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年10月23日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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