性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 関西地区
具体的な御職業:臨床検査技師
お問い合わせ内容 : 初めまして、現在私自身が持ついくつかの症状に関してご相談申し上げます。
@両足の浮腫(左右差殆ど無く上下腿通してあります。去年の6月初めに東京での5日間に渡る研修会出席時に発症、少々ハードに行動し帰宅後両足のだるさと両踵がまるで象の足の様に肥大していることに気づき、これは単なるむくみではないことを自覚し、自分の勤める病院にて血管エコーをはじめいくつかの検査を行ってもらうも、腎性、心性、静脈性は否定され、残るはリンパ浮腫...しかしその原因となる骨盤内病変はないし両足に最初から左右差無く発症していることより原発性リンパ浮腫も考えにくいが、とりあえず重大病変ではないので弾性ストッキングとリンパマッサージするくらいしかないと言われ、それを実行してきました。しばらくはそれでしのいでいたのですが、昨年暮れ頃より急に浮腫の状態がひどくなり体重増加もあり現在に至っています。)
A腹部膨満(浮腫発症よりかなり前からありましたが痛みはなく、最初はそれほどひどくなかったので放置していました。元来便秘気味ではありましたが排便直後でも膨満しているし、食後明らかに食べた量に比して下腹部の膨満がひどいことを自覚しており、この膨満の原因が何なのか気になっていたところ、浮腫が急にひどくなったのと時期を同じくして膨満も明らかに異常にひどくなり、また回盲部付近にも少し圧痛を感じていたためエコーと大腸内視鏡を施行してもらいましたが、腸管内部はポリープもなく問題なしと言われ、回盲部は高校生の頃虫垂炎を抗生剤でちらしていることより若干の癒着があるだろうけどそれは便秘や膨満とは関係ないということでした。)
B便秘(子供の時から毎朝排便する習慣はなく便意を感じた時にトイレに行く状態でしたがそれほど不都合を感じたことはなく排便後は膨満感もなかったのですが、ここ数年間は乳酸菌や食物繊維を意識的にとることにより毎朝あるいは1日おきに便意を感じほぼ便秘は解消されたと思っていたのですが先に述べた腹部膨満がひどくなる少し前から便秘状態が現れだんだんひどくなり、便意自体を全く感じない、これほどひどい便秘はいまだかつて経験したことがないというほどひどくなりました。)
C冷え(ここ数年夏場の冷房と冬場の過暖房が辛い状態でしたが、今年の夏においては明らかにそれがひどく、扇風機の風があたっても神経痛のような鈍い痛みを感じたりします。だからといって汗をかかないわけではなく暑い屋外に出るとそれなりに暑さは感じます。汗はかいていても冷風にあたりたくない感じです。)
D口渇(口のかわきやのどのつかえを感じますが、水を沢山飲みたくはない、少しの水を口にふくむと満足するけどすぐにまた口がかわく感じです。)
E不眠(今年にはいって急に夜寝つけなくなり、夜中2時3時やっと眠れても5時頃目が覚めたり...)
Fコレステロール値上昇(今年初め220位だったのが4月250、5月270と短期間に上昇しています。元々HDLの割合が高くLDLは基準値内におさまっていたのがLDL値も異常値になってしまいました。) 以上が主な症状です。
更年期障害も疑いましたが、今のところ女性ホルモン量低下はなく、生理も元々順調なほうで、現在も特に乱れてはおりません。消化器内科、循環器内科、婦人科を受診しましたが、症状の改善はみられません。そこで漢方外来を受診し、これまでに桂枝茯苓丸、半夏厚朴湯、六君子湯、桃核承気湯、五苓散、柴苓湯を出してもらいましたが、桃核承気湯で便秘は解消されましたが、他の症状には効いていません。
今は柴苓湯のみを1週間飲んだところですが特に変わりありません。6月より鍼にも通っているのですが、それにより寝つきが少し良くなりましたが以前のような熟睡はできません。それと口の渇きが少しましになりました。尿量は症状がひどくなる前と比べると若干少なくなっています。
食欲は以前より旺盛になり逆にコントロールできない感じです。体重も今年にはいって4キロほど増えてしまいました。食事量はそれほど増えていないと思うのですが・・・。
現在1?0cm00Kgで、体格は日々のダンベル体操により筋肉質になっています。腹筋もかなりついています。また毎日通勤に片道30分は歩いており、結構体力はあります。血圧は100くらいです。アレルギー性鼻炎(特に杉やひのき)があり、風邪をひく時はまずのどの痛みからきますが、熱が出ることはあまりありません。
これらの自分の症状と仕事上の過大なストレスにより、毎日を楽しく過ごせず、週一回カウンセリングを受けているような状況ですが、まだ仕事に対する責任感や意欲は保っていると自分では思っております。今飲んでいる漢方薬や、これから試してみるべき漢方薬がありましたらぜひとも教えていただきたく思っております。宜しくお願いいたします。
お返事メール: 瘀血(おけつ)が介在していても桃核承気湯では下肢の浮腫に効く可能性は殆んどあり得ません。
もしも下腹部に圧痛などがあればむしろ大黄牡丹皮湯の方が、多少とも浮腫に効果を示す可能性があるものです。
現在、柴苓湯を使用されているそうですが、貴女のようなケースに小柴胡湯を配合するなんて、実にナンセンスです。
下腹部の膨満と便秘に下肢の浮腫を伴えば、シンプルに大黄牡丹皮湯証なのではないでしょうか?
これ以上のことは、もっとも重要な舌象と合わせて考慮しなければならず、文面だけでは大黄牡丹皮湯証を類推する以外には推測不可能です。
まずは医療用漢方ででもお試し下さい。
【編集後記】 大黄牡丹皮湯に午車腎気丸を併用するケースも大いにあり得ることだが、あとはやはり舌象次第ということになるだろう。
仕事上のストレス等による肝鬱気滞の並存は十分に考えられることだから、微量の四逆散を加えることも大いにあり得る。(こういう小細工は中医漢方薬学派の特徴である・・・笑)
なお、大黄牡丹皮湯には浮腫に逆行する甘草の配合はなく、処方中の冬瓜子(とうかし)には清肺化痰・消癰排膿・清熱利湿の効能がある。
2007年07月17日
両足の浮腫と下腹膨満に対する漢方薬
posted by ヒゲジジイ at 00:43| 山口 ☁| 浮腫(むくみ)・腹水
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