2021年02月26日

転移癌の予後は、主治医の技量と度量に、かなり左右される

 悪性腫瘍を専門とする医師は、仕事量が膨大な中、患者さんにとっては主治医との相性というよりも、人間性もさることながら、技量と度量など、患者さん本位の治療を考えてくれるかどうかに左右される。

 どこの病院が専門性が高く評判が良い悪いという問題よりも、どの人が主治医になるかという問題の方がはるかに大きいように思われる。

 長年、多くの転移癌の人達の漢方サポートを行ううち、上記の考えは、ほぼ間違いないように思われる。

 抗癌剤の苦痛に耐えられないと判断された主治医は、漢方サポートのみに頼る本人の希望をかなえ、最期まで温かく見守ってくれた奇特な主治医もあれば、標準治療に拘って、患者の激しい副作用を無視しつづけたために、寿命を極端に縮めてしまった主治医は、残念ながら、想像以上に多い現実がある。

 最近もそのようなケースがあり、検査日を間違えたり、抗癌剤を間違えるなど、ロクなことをしでかさず、標準治療に拘るあまり、思いがけない時に急死されてしまった。

 この時代、患者さん本位に考えてくれる主治医にあっては、我が薬局のような漢方サポートを積極的に奨励される人も珍しくないという現実もある。

 そのような主治医に遭遇されたケースでは、一人の例外を除いて、その後の経過が想像以上によい経過を辿ったケースばかりであった。

 その一人の例外というのは、肺と肝臓の転移がみられる手術不能の腹部に生じた特殊な悪性腫瘍で、抗癌剤と漢方サポートも相俟って、たいした副作用も感じないまま、転移巣も原発巣も一見すべて消滅。

 そこで患者さんの経費的な希望から、漢方サポートの内容を極端に減らしたところ、原発巣1cmの再発を見たものの、半年間そのままの状態が続く。

 漢方サポートの効果も認め、日頃からとても親身になってくれた主治医および多くのスタッフの説得は、再発した原発巣を摘出すれば、根治するかもしれないという。

 ご本人はまったく無症状のまま、むしろ以前よりも栄養豊かになり、ややメタボ気味になるくらいに元気だから、手術を避けたがり、またヒゲジジイも、目に見えない転移巣が残っていて、原発巣の再発部分を摘出すると、それが悪い刺激となって、最悪の事態が発生しかねないので、反対したものの、主治医やご家族の強い説得もあって、とうとう強行されることになった。

 ところが、案の定、短期間で猛烈なスピードで転移が始まり、脳転移も凄まじく、術後1ヶ月半で亡くなられた。

 40代という若さで、この手術さえなければ、相当な期間、元気で無症状のまま過ごされたであろうと、いまだに忘れられない事例である。

 こういう特別な例外があるものの、主治医の技量と度量次第で、予後は大きく変わるケースが多いので、転移癌に関してこそ、主治医の問題は、想像以上に大きいものである。

 現在も、我が漢方薬局では、転移癌の人達が、病院治療と漢方サポートの併用で、あるいは漢方サポートのみで、主治医のご理解がある人ない人、様々であるが、元気で過ごされている人が多い。
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2009年02月26日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月26日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:転移癌 主治医
posted by ヒゲジジイ at 08:38| 山口 ☔| 悪性腫瘍・癌・ステージ4の進行癌や転移癌 | 更新情報をチェックする