そのような人は、直ぐに熱化して温病の症状を呈する人達である。
条件が揃えば、葛根湯は風邪症状以外にも、肩こりのみならず、慢性頭痛にも適応する人が意外に多いものである。
ところで、首の真裏を揉んで気持ちがよく、その部分を温めるよりも冷やした方が断然気持ちが良いというケースは、葛根黄連黄芩湯がしっかりフィットするタイプがとても多い。
ところが、それ以上に辛夷清肺湯こそ適応するケースも、とても多く、隠れた慢性副鼻腔炎や、あるいは明らかな蓄膿症を持病としている人達に多い慢性頭痛には、辛夷清肺湯で即効を得る人も、想像以上に多いものである。
あるいは顔面、上半身のアトピー性皮膚炎に、葛根黄連黄芩湯であれ、辛夷清肺湯であれ、ピッタリ適応する人も、想像以上に多い。
さらには最近遭遇した例でも、デート中に咳ばかりしているので、彼氏に嫌われて捨てられそうという人が、慢性副鼻腔炎による後鼻漏が原因の咳き込みとみて、辛夷清肺湯で即効を得た。
(その後、彼氏とどうなったかまでは、気の毒で訊くことができずに不明。)
頑固な後鼻漏による咳き込みには、実際には辛夷清肺湯+半夏厚朴湯や麦門冬湯、あるいは小陥胸湯や竹葉石膏湯などの併用すべきケースが多いのだが、上記のように、咳と後鼻漏を減らすだけなら、シンプルに辛夷清肺湯だけで即効を得ることもある。
慢性気管支炎や咳喘息ともなると、辛夷清肺湯だけでは効果が弱いので、さらに数種類の配合が必要なことが多い。
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2011年10月2日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母
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