2020年09月20日

病院で投与された半夏厚朴湯が無効なのに

 病院で投与された漢方薬で効果がなく、他社の同じ方剤を飲んでもらうと、明らかに効果があったというケースは、これまで最も多かったのが猪苓湯で、次に柴胡桂枝湯や五苓散、六君子湯や補中益気湯など、数えればきりがないが、今回は半夏厚朴湯。

 ステージ4の悪性腫瘍で、進行がピタリと止まったままのやや高齢者が、以前からあった頑固に続く咽喉の詰まり感によって、折々に嚥下困難を感じていたのが、何年も前から、病院で汎用される例のメーカーさんの半夏厚朴湯を投与されていたが全く効果がないというので、昨年だったか、他社の半夏厚朴湯を飲んでもらうと、しっかり効果があり、一昨日電話でもあらためてお礼を言われたところだった。

 長年、漢方薬の品質問題に関しては、煎じ薬の薬味一つ一つの選別に神経を使っていた時代から、あることをきっかけに、家庭で煎じる成分の抽出ロスの問題、および、臨機応変の配合変化には極めて不便な煎じ薬の非能率な問題。

 のみならず進行性手掌角皮症などに対して煎じの温経湯を使っていた時代よりも、エキス製剤を使用しだして以降の方が、効果が出る速度が、たとえエキス濃度が二分の一の製剤であっても、2倍以上早い速度で効果が出る経験を繰り返すうち、優良な製剤を選べば、煎じ薬よりも効果が優れていることを実感するに至った。

 とはいえ、ここで極めて重大な問題は、同じエキス剤でも、各社で効果がかなり異なる場合があるので、注意が必要であるばかりか、同じ方剤名でも、虚証用の白朮を使うべきところを実証用の蒼朮が配合されていたり、白朮のみならず蒼朮も両者を配合すべき方剤に、白朮しか配合されてないものなど。

 そればかりか、同じ方剤名でも、それぞれ薬味の配合比率が大きくことなる問題など、それはそれは、問題を指摘すれば際限がない。

 話は戻って、半夏厚朴湯でさえ、このような効果に差がでるのは、厚朴の品質に問題があるのかもしれないし、精油成分の揮発状況など、成分の抽出方法に問題があるのかもしれない。

 あるいは投与する人間との信頼関係の問題、ということがないとは言いきれないかもしれないが、過去、疑り深い人でも、同様な経験をして、そのお陰で信頼されるようになったこともあるくらいだから、信頼関係の影響とは無関係のように思える。
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2008年9月20日の茶トラのボクチン(4歳)
2008年9月20日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:半夏厚朴湯
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