ちょうどブログを途切らさずに済むように配慮されたか、一昨日、御本人自身による撮影で、患部の写真をメールで送付してくれた。
そして昨日には現物(笑)を確認させてもらった。直接ご本人が来られたからである。
村田漢方堂薬局の漢方薬服用開始後の72日目。
それまでの六ヶ月間は二つの医療機関における保険漢方により、アトピーの教科書的な処方、消風散を主体にした配合が出され続け、もっとも悪化を招いてトドメを刺したのがツムラ消風散とツムラ越婢加朮湯の併用だったようだ。
アトピーにおける教科書漢方の恐さをまざまざと見せ付けられたものである。
中医漢方薬学派においては、湿疹の効能が記載される漢方処方こそ、アトピー性皮膚炎には使用すべきでない、というのが鉄則となっている。(例えば十味敗毒湯・消風散・当帰飲子さらには温清飲など)
ともあれこの人の場合、何度も書いているように村田漢方堂薬局に来られた当初は両手とも見るも無惨に腫れ上がって亀裂と膿汁の分泌を伴って悲惨な状態だった。そのときの写真が無いのを皆で残念がっている。
6月27日:アトピー性皮膚炎に合併する手の水疱 のページの写真と見比べて比較してみれば、水疱が殆んど消退しているのがよく分るはずである。
その6月27日のブログの写真時は梅雨に入って急に水疱が増え始めたのだが、配合方剤は同様に「猪苓湯・茵蔯蒿湯・六味丸・衛益顆粒(玉屏風散エキス製剤)と大黄、微量のイオン化カルシウム」というものであったが、このうち猪苓湯の比率を従来より1.5倍に増量しただけで、一昨日の上記の写真のように約二週間経つうちに水疱は殆んど消退したのである。
このように方剤の組み合わせは全く同じであっても、配合比率が異なれば、微妙に効果・効能の能力を向上させたり、効果の方向を変化させたり、かなり自由に操ることが出来ることが多いものである。
但し、この人の場合、ステロイド軟膏使用歴が僅かであったことが大いに幸いしたことも事実であろう!
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