2020年07月07日

咽喉腫痛に高熱を発すると、コロナかと不安になるが・・・

 今回は久しぶりに、漢方相談のお話し。

 常連さんのご家族の若い成人女性、嘔吐と寒気から始まって、数日を経て咽喉腫痛と熱感を伴った高熱39歳。

 病院で受診すると細菌感染とて、抗生物質などが投与され、念のため常備されていた涼解楽と白花蛇舌草なども併用し、数日ならずして快癒。

 服薬をすべて終わって数日すると、突然、起床後に38度の発熱。
 昼には一度嘔吐しているし、吐き気も残っている。

 電話やメールでの相談ながら、よくよく聞くと、もともと慢性副鼻腔炎があり、今回も黄色い鼻汁が咽喉に落ちて、吐き気を催している模様。

 何のことはない、しばしば見かける蓄膿症による後鼻漏が原因で、咽喉で細菌が繁殖して咽頭炎や扁桃炎を誘発しているパターンである。

 嘔吐の原因は、咽喉に溜まった後鼻漏が気持ち悪くて誘発されているのではないかという質問には、そうかもしれないとのこと。

 今回は抗生物質もないことだし、涼解楽+白花蛇舌草に加えて辛夷清肺湯など、を併用してもらうと、その日の午後には平熱となり、翌日は仕事に出ることが可能となった。

 今後は徹底的な体質改善のため、辛夷清肺湯+白花蛇舌草+柴胡桂枝湯+桔梗石膏などで、副鼻腔炎および潜在的な咽頭炎あるいは扁桃炎体質を改善する予定。

 このようなケースは、仕事上、しばしば遭遇するワンパターンといっても過言ではない。
 
 折々に咽喉腫痛を伴った高熱を繰り返す根本原因が、まず第1に蓄膿症による後鼻漏であり、第2が潜在的な扁桃炎であれ咽頭炎であれ、中医学的にはどちらでも構わないが、咽喉部に炎症を起こしやすい体質であることが問題である。

 咽喉腫痛と発熱に伴っていても、吐き気や嘔吐の原因が、溜まりに溜まった後鼻漏である場合、涼解楽+辛夷清肺湯+白花蛇舌草などに、適量の半夏厚朴湯を加えるのが望ましいが、今回は急なことだったので、常連さんの手元にある釣藤散で代用してもらった。

 少なくとも新型コロナウイルスによる発熱ではなかったが、素人目に見れば、時節柄、コロナの不安が常に潜在しているので、ついつい疑いたくなるものである。
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2012年7月7日の体調を崩して1ヶ月になる茶トラのボクチン(8歳)
2012年7月7日の体調を崩して1ヶ月になる茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
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