2007年07月11日

よくある遠方からのお問合せ=アトピー性皮膚炎の漢方薬

 のお問合せフォームより
性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 会社員
ご住所 : 関西地方
お問合せ・ご連絡内容 : 今晩は。 はじめてメールさせていただきます。
 20年間(現在3●歳)アトピーでステロイド軟膏を使用しております。
 数々の病院に行き、漢方薬も何度か飲み続けましたが変化はありませんでした。
 現在 漢方専門の病院に通院し出した所で、清ウン敗毒飲、芎帰調血飲を処方していただき10日間のんでおります。

 最初の3日間は驚くほど痒み、湿疹などがひき 喜んでいましたが、その後はまた痒みや湿疹が出てきました。
 これでいいものか・・・と不安になっております。

 何をどのようにお話したらいいのか わかりませんが とにかく私はアトピーを治したいのです。
 遠方のため 時間をつくって2泊3日でお伺いしたいと考えております。
 ご相談にのっていただけますでしょうか?
    どうぞ宜しくお願い申し上げます。


ヒゲジジイのお返事メール:ステロイド軟膏使用歴が長いようですが、毎日塗布しているのでなければ、離脱できるようになるまでにはそれほど苦労は要らないことが多いものです。
 ステロイドもあまり効果がなくなって、塗布するのも諦め加減で、見かけはかなり重症にみえる場合でも、ステロイド依存傾向が減っているだけに、多くは比較的スムーズに寛解していくケースが多いものです。

 しかしながら、毎日塗布している期間が長い場合、とりわけ今年だけに絞って、最近の数ヶ月以上は毎日塗布していて、見かけ上はそれほど重症に見えない、むしろ軽いように見える場合こそ曲者で、ステロイド依存が極度であれば離脱までの期間は相当かかる場合があります。
 バカと鋏は使いようというように、ステロイドも正しい使い方をするように上手に利用すれば、その間に漢方薬で寛解に導きつつ、併行して無理のない離脱が可能です。

 しかしながら、いずれの場合も「石の上にも三年」の覚悟が必要です。
 貴女の場合、お勤めもされておられるようですので、見掛けはそれほど重症ではないのでしょうか?
 当方には女性の場合、多くは会社を辞めざるを得ないほど外見が重症化し、漢方治療に専念するつもりで通われている地元や隣県の方が目立ちます。さいわいなことに、いずれのケースも、(途中で紆余曲折があった場合でも)半年以内に一定レベルの寛解まで落ち着いています。

 遠方の方では貴女と同様、関西方面の人もおられれば、関東方面からはもっと多くの男女が来られています。
 しかしながら、いずれの遠方の方も、相当の覚悟と不屈の信念を持って来られるからこそ良い結果が伴っている訳です。

 遠方の方は、何度も来られにくいので(といっても八ヶ月間に3度来られた方もおられます)、その後はメールでの情報交換を詳細に行ってもらう必要があります。メールでの情報交換能力如何が、その後の経過に大きく左右するといっても過言ではありません。

 ところで、現在服用されている「清ウン敗毒飲、芎帰調血飲」についてですが、まだ貴女の体質も分からない段階でコメントすべきでないにしても、あくまで個人的な見解からは、当方では絶対に使用しない温清飲に毛の生えたような配合ですから、サモアリナンという感想を抱いてしまいます。

 アトピー性皮膚炎に関しては、当方ではかなり自信を持っているものですが、初期にはどうしても一時紆余曲折を経ざるを得ないこともあり、それでも互いに根気良く7〜15日毎の詳細な情報交換を怠らない限り、常に臨機応変に漢方薬の配合の微調整を行い、またそのコツを御本人にしっかりと学習してもらいますので、早くて一ヶ月、遅くとも半年以内には明らかな改善効果と将来の明るい兆しに自信を持てるようになることが多いものです。

 但し、最終的には「石の上にも三年」の覚悟が要るのは間違いないと思います。
 貴女はまだ三十代の後半ですが、当方には40歳を超えられたアトピーの男女も多いのです。
 多少の紆余曲折があってもそれに耐えられるだけの不屈の精神があるかどうかの問題です。
 以上、取り急ぎお返事まで。


折り返し頂いたメール:昨日メールさせていただいた●●と申します。
 早速のお返事 ありがとうございます。
 先生のおっしゃる通り 見掛けはそれなりに保っておりますので どの病院に行っても「きれいですけどね・・・」と言われ 悲しい思いをしてきました。
 20年間 ずっとステロイド軟膏を塗り続けていた訳ではありませんが、この3〜4年前から状態が悪く 今年に入ってからは 塗らない日より塗った日の方が多いと思います。
 曲者かも知れませんね(涙)

 しかしながら、覚悟は出来ており 時間がかかっても良い方向に向かうことを願っています。
 メールでの状態のご連絡もきちんと致します。

 さて、お伺いする日程ですが ・・・・・・・・・で段取りをしたのですが 時間は営業時間内なら いつお伺いしてもよろしいのでしょうか?(終了時間ぎりぎりなどとは考えておりませんが・・・)
 また、何か持参した方が良いもの(使用中の薬など)はありますか?
 お返事をいただけると有難いです。よろしくお願い致します。


ヒゲジジイのお返事メール: ちょっと想像した状況がピッタリ当たっていたようです。一番の曲者(笑)タイプのようでしたね。
 会社勤務を続けられているので、きっとそうだろうな〜〜と予想していました。
 見かけが良いだけに、目に見えた効果が感じられにくい部分があって、その割にはお互いの苦労が最も強いられるパターンです。
 外見が重症な人ほど、眼に見える効果が誰の目にも客観的にわかるので、漢方をお出しするこちらの方も楽しめるくらい遣り甲斐を感じれるわけですが、外見はひどくなく、その分、ステロイド漬けに近い場合は、服用者の不屈の精神を必要とします。(こちらはこれが仕事ですから梃子でもへこたれない不屈の精神を持しております。)
 それだけのお覚悟があれば、半年もすれば一定レベルの成果が出てくると思います。

 といっても繰り返し延べましたように、貴女のようなケースこそ、本当に「石の上にも三年」の覚悟が絶対に必要です。

 来られる予定日はもちろん構いません。到着日と二日目は出来る限りの時間を取るつもりです。帰られる三日目も出来るだけ時間を取りますが、最も混雑しやすい曜日ですので、大方は到着当日と二日目に今後の方針等も含めて詳しくアドバイスできると思います。とりわけ二日目は朝から来られれば、相当に時間を取ることが出来ます。

 なお、これまでの貴女のアトピーに関するアラユル情報や資料はすべてもって来てもらったほうが能率が良いです。現在使用中のステロイド軟膏類も勿論ご持参下さい。(血液検査等の資料もあれば、たとえばIgE値や好酸球の数値など)あらゆる情報は能率向上の為に有益です。

 (なお、今後の通信はそのままこのメールの返信でご通信下さい。今回までの往復メールはブログに利用させて頂くかもしれませんが、今後の交信はすべて公開はありませんのでご安心くださいませ!)


後日談:2012年現在も漢方薬を利用されておられ、ステロイド軟膏は既に4年前に完全に縁を切ることが出来ているっ!!!
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posted by ヒゲジジイ at 00:48| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする