2020年01月13日

「風邪に葛根湯」ということが正解なこともある

 数日前のこと、高齢の常連さんが、いつになく鼻声で電話がかかって来たが、発熱はないものの咽喉が痛く、鼻詰まりもあるので、天津感冒片少量のトローチとともに、辛夷清肺湯+柴胡桂枝湯+板藍茶+白花蛇舌草で、いつものような効果が出ず、困っているという。

 何のことはない、鼻汁も透明で、やや寒気を感じて、首の真裏を揉んで気持ちよく、そこを温めるとなお気持ちが良いというのだから、即刻、辛夷清肺湯と白花蛇舌草を中止して、天津感冒片の少量のトローチと板藍茶を継続しつつ、葛根湯を主体に、食欲も低下しているというので、引き続き柴胡桂枝湯も続けるようにアドバイス。

 その翌日には、すっかり快癒したとの電話報告を得た。

 上記のような症状であれば、日本漢方では葛根湯加桔梗石膏であろうが、中医漢方薬学では、中医学的な基礎理論を参考にしながらも、日本流の方証相対の考えも取り入れるなど融通無碍。

 ともあれ、この常連さんは中年の頃、60歳まで何とか命が持てばよいとて、極めて虚弱体質であったが、長年にわたり、牛黄や麝香製剤を中心に、多種類の漢方薬を常用され、80代後半になっても、ますます元気。

 一般的な漢方薬の運用にも習熟されているとはいえ、急な体調変化の折には、必ず相談の電話がかかるので、いつも対処が早く、大病をせずに済んでいる。

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2011年01月13日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年01月13日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:葛根湯