2019年05月22日

数十年前に、民間療法の薬草類の販売を、一切止めた理由

 45年前の開局当初から、漢方薬専門の相談薬局を標榜していたとはいえ、民間療法の薬草類、ドクダミやゲンノショウコ、決明子やオオバコなども販売するのがスジだと思い込んでいたが、確かによく売れていた。

 ところが、漢方薬とは、まったく似て非なるものである民間療法の薬草類の愛好者は、病気の相談をもちかけられても、こちらの話をまともに聞き入れる人は皆無で、独自に調査した民間療法に固執して、本格的な漢方薬類には、決して移らない のは意外だった。

 当時、同じ地元の漢方薬局経営のいまは亡き女性も、「薬草を買いに来る人を漢方療法に導くために、薬草を誘い水として置いて開業したのに」、そんな奇特な人は皆無だと嘆かれていた。

 そうこうするうち、民間薬といわれる薬草類の販売を一切止める決断をしたのは、とんでもない出来事がきっかけだった。

 当時、世間でブームになり、癌によいと噂されていた、ある民間薬草を、求めに応じて販売していたところ、まったく効果がなかったといって、店に入るなり、大声で喚きながら、残りの薬草を、こちらに向かって投げ付けた中年女性の鬼の形相!

 世の中のいい加減な噂やブームに惑わされ、自分たちで選んで、購入を依頼したくせに、こちらの責任に転嫁しようという醜い行状に遭遇するにつけ、人間様というのは、まったく油断がならない最低・最悪の動物であることに気が付いた、青天の霹靂の出来事だった。

 こんなことから、こちらのアドバイスに馬耳東風で、世の中のブームばかりを追い求める薬草愛好者と付き合わないで済むように、漢方薬以外の民間薬草を一切販売しないことにした次第。

 ともあれ、ここで書かなくてもよいような蛇足であるが、一般的には素晴らしい効果を発揮する漢方薬といえども、中には防風通聖散のように、滅多なことで痩せることはないのに、いまだに各社が競って、まるで肥満治療の特効薬のように宣伝しまくっている現状は、実に、じつに噴飯ものである。

 だから人間様という動物は、猫や犬よりも信用がならないのである(苦笑。

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2011年05月22日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年05月22日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:防風通聖散
posted by ヒゲジジイ at 17:41| 山口 ☀| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする