2007年07月01日

抗癌剤治療中の食欲不振に対する漢方薬

性別 : 男性
年齢 : 50歳〜59歳
簡単なご住所 : 北海道
お問い合わせ内容 : 突然のメールで大変恐縮ですが、00歳独身の兄の病状に関して質問させて頂いてよろしいでしょうか。
 06年6月大腸癌の手術を受け(肝臓、肺転移)その後私達兄弟の反対をよそに抗癌剤治療を受け始め半年以上たち2~3ヶ月程前より副作用と思われる症状が、現れ出し体調が悪化、主治医より最近ステロイド剤投与をしている事を聞き投与中断をお願いした途端に食物も全く摂れない位、体調悪化、致し方なくステロイド剤投与再開、何とか一口二口食べられる状態、この様な兄のステロイド剤依存の体を何とか漢方で改善し食物が摂れる体にもどす事出来ないかと思い質問させて頂きました。
 何卒ご回答の程伏して御願い申し上げます。

お返事メール:抗癌剤治療をされている場合の漢方薬は、医療用漢方の世界では、(41)ツムラ補中益気湯や(48)ツムラ十全大補湯を投与するのが一般常識のようになっているようです。西洋医学病棟において漢方薬を補助的に使用する観点で言えば、決して間違いではなく、中医学的な扶正祛邪の観点から言えば、抗癌剤は祛邪薬と考えれば、扶正(体力の扶助)薬としての補中益気湯や十全大補湯が有効に作用する場合があるようです。

 とりわけ抗癌剤による吐き気や食欲不振を改善する為(43)ツムラ六君子湯や(14)ツムラ半夏瀉心湯を積極的使用される医師も増えています!
 ですから可能性としては主治医に依頼して、いずれかの(43)や(14)あるいはもっと状況に応じた真に適切な方剤を投与してもらうことを先ず考えられては如何でしょうか?

 これらのことも含めて、昨今では病院のお医者さんの中には医療用漢方を積極的に用いられる方も増えていますので、お近くでそのような医師を探してみられては如何でしょうか。

 さらにもっと積極的なことを考えれば、主治医の許可を得て、地元の漢方専門薬局にご本人を直接連れて行かれてピントの合った漢方薬を求めることが考えれれます。保険では使用できない様々な漢方薬(医薬品)を求めることが出来るはずです。

折り返し頂いたメール: 早々の御返事有難く感謝申し上げます。
 何分にも本人、ステロイド剤を投与されなければ、生気も無く寝たきり状態に近く、本来であればそちらに赴き処方していただくのがベストだとは思うのですが此の度は、先生の此のアドバイスで何とかステロイド剤を減らすことが出来、食べ物が摂れる様になれば体力も回復し歩ける様にと願いつつ今後行動して参ります。
 誠に有難う御座いました。
 何度かメール交換させて頂くかも知れませんが今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

ヒゲジジイのお返事メール:現在の病態からは遠方に出向くなんてとんでもない話です。
 遠方ばかり見ずに必ず地元近辺で直接様子を観察してもらえる医師に相談するのがもっともベストです。
 また、見ず知らずの体質や病状の方で、それも御本人ではない間接的なメール相談には大きな壁があり過ぎます。
 ネットの発達で遠方の情報が豊富に仕入れられるのは結構なことですが、往々にして地元近辺にこそ相応しい窓口があるのを見落としておられるに違いありません!
 是非、脚下照顧というコトワザを噛み締めてみて下さい。

折り返しのお返事:拝復 村田 恭介様
 御返事遅れて申し訳ありません。
 御言葉謹んで受けさせて頂きます
 当方、誠心誠意地元で良いご縁に出会う様頑張って参ります。
 此の度のご指導ご鞭撻本当に有難う御座いました。
                     敬具
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