2018年09月18日

火神派(扶陽派、温陽派)という一派を妄信することの弊害

2012年9月18日の体調を崩して3ヶ月半になる茶トラのボクチン(8歳)
2012年9月18日の体調を崩して3ヶ月半になる茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 中医学の基本に則った弁証論治や、あるいは日本漢方の随証治療を素直に行ってさえいれば、真武湯や八味丸などの附子剤は、適切な時期に使うことは当然で、火神派という一派を信奉し過ぎると、誤ることが多い。

 医師の漢方でも、なかなか効果が出ない中、様々に配合を変えてもらううち、患者さんが薬剤師だったということもあり、どうも温める方剤は却って悪化するように思うと感想を述べても、アトピーの原因は冷えだから、この方剤だけは続けて下さいということだったという。

 そもそも、アトピー性皮膚炎の原因が「冷え」だと決めつけること事体が、あまりにも短絡的な話だが、これに類似した問題は多く、「酒さ」でさえ、冷えが原因と決めつけて、関東の漢方薬局で温剤を奨められて、逆に体中が火照りにほてって、地元に見切りをつけて、遠路はるばる下関に通うことで略治となった人もいる。

 もちろん、本当に必要な場合は、附子剤や温め系の方剤は、病名とは無関係に、臨機応変に使用すべきときは適切に使用するのは、いまさら言うまでもないこと。

 アトピーは「冷えが原因」などと短絡的な考えは、どうかと思われるし、この温暖化が激しい時代に熱中症を助長するような火神派という、時代に逆行した極端な考えに安易に乗るべきではないだろう。

 弁証論治、あるいは随証治療を心がけてさえいれば、一時的に附子剤を使用することはあっても、早晩熱化することを警戒して、寒証が去ったら、すかさず状況に応じた他方剤に切り替えれば、なんの問題も生じない。

 問題は、火神派を信奉しすぎる余り、附子剤をベースにした配合を、寒証が去った後でも、いつまでも続けさせようとする過ちを犯す専門家が後を絶たないことである。
 
 さらなる問題は、寒証が存在しない人にまで、火神派を信奉するあまり、温剤を乱用する誤治を繰り返して恬として恥じない専門家が意外に多い現実がある。

参考文献: 2011年10月20日 火神派(扶陽派、温陽派)の台頭

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2012年9月18日の体調を崩して3ヶ月半になる茶トラのボクチン(8歳)
2012年9月18日の体調を崩して3ヶ月半になる茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:火神派
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