2011年8月5日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
昨今、立て続けに遭遇した漢方エキス製剤の品質問題。
個別的には既にこのブログに書いたような、書かなかったような?
六味丸+猪苓湯+白花蛇舌草の継続で、間質性膀胱炎による不快症状が、一定の軽減を得ていた女性が、かかりつけの病院で、保険漢方でも同じ名前のものがあるからと親切に六味丸+猪苓湯を投与してもらったところ、次第に元の不快症状がしっかり再発して、何ヶ月続けても、悪化するばかりだという。
もしかして、白花蛇舌草の有無の問題も多少はあるもしれないが、細菌感染とは無縁の間質性膀胱炎との診断なのだから、やはり六味丸+猪苓湯のエキス製剤の問題が大きいとしか考えられない。
これまでも猪苓湯に関しては、しばしば保険漢方で効果がなかった人が、自費の漢方に切り替えてシャープに奏功した例は、枚挙に暇がなく、以前も猪苓湯の問題では、このブログではしばしば取り上げている。
バツが悪いのか、突然電話がかかって、恐縮した声で詫びるように、病院の六味丸と猪苓湯ではぜんぜん効果がないので、また以前と同じものを送って欲しいという依頼だった。
関東から他の目的で通って来られている女性は、仕事上、大声を出す機会が多いからか、声枯れと激しい咳嗽発作にも悩まれていて、保険漢方の麦門冬湯を使っても、ほとんど効果がなかったという。
そんなはずはないので、手元にたくさん残っているのだったら再度使ってみたらどうだろうと思っていたところ、今度は少しは効果があったので、自費の麦門冬湯も試してみたいというので、当方の信頼のおける自費の麦門冬湯を試してもらったところ、こちらの方が効果が明らかであると喜ばれている。
もう一人は、ほんの先日のことで、鼻の調子が悪く、頬の違和感も強く、耳鼻咽喉科では副鼻腔炎との診断。
保険漢方の辛夷清肺湯が投与され、しばらく続けても一向に効果がなかったといわれる。
この女性は、もともと他の目的で通われているのだが、ついでに副鼻腔炎も何とかして欲しいという依頼。
しかしながら、どう考えても、辛夷清肺湯がフィットしているとしか思えないので、当方の自費の辛夷清肺湯を飲んでもらったところ、今度は明らかに一定の効果があったといわれる。
上記の3例とも、ここ半年間に遭遇した例だが、もともと病院治療で治らなかった人達ばかりの相談者しか来られない薬局だから、どうしても同じ方剤であっても、保険漢方では無効だった事例が目立ちやすい。
自費の漢方の各メーカー間では、同じ名前の方剤でも、効果が弱ければ、多くの薬局で見向いてもらえなくなるので、各社しのぎを削って、必然的に高品質のエキス製剤の生産に鋭意努力されている。
保険適用外で、自費の漢方薬の薬業界には、品質問題に、とっても!うるさいヒゲジジイのような頑固爺がいるから、なおさらだろう(苦笑。
その点、保険漢方では、保険点数という制約内で、多くの社員を養う製薬会社としては、いかに経営利益を出そうかと考えると、もしかして賦形剤を安く調達するだけでなく、昨今高騰止まない原料生薬の仕入れ価格を抑えなければ、利益を確保できないというジレンマから、必然的に品質低下を招くことがなければよいがと、他人事ながら心配してあげる昨今である。
1日1回、今日も応援のクリックをお願いします
2011年8月5日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
【関連する記事】
- 癌治療時に投与される十全大補湯の問題点
- 病院で投与された半夏厚朴湯が無効なのに
- 病院通いが大好き?な女性なのに、こちらの漢方薬でしか効果が出ないのはなぜか!?
- 過去の保険漢方「小柴胡湯乱用」のトラウマにより、羹に懲りて膾を吹く(あつものにこ..
- 頑固な慢性疾患や、こじれたアトピー性皮膚炎が、西洋医学治療はもとより、保険漢方で..
- 保険適用外の漢方薬や中草薬類が自由に使える漢方薬局や自由診療のクリニックの方が有..
- 西洋医学でも保険漢方でも、期待ほどの効果が得られない慢性疾患が、あまりにも多過ぎ..
- 数十年前に、身内の医師から「病院では保険漢方の投与が盛んだが」と心配されたが
- こんな記事を書かれて、病院の漢方薬は大丈夫なの?
- 一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う
- どこの病院に行っても治らなかった人達は
- そんな漢方薬を馬鹿にした考えでは、永遠に治せないだろう
- マイコプラズマの心配で受診したところ、投与されたのは葛根湯だったとはトンデモナイ..
- 夜間急病診療所における『五苓散』採用奮戦記!!!
- 膀胱炎に病院で投与されたツムラの八味丸による誤治は、猪苓湯1回の服用でほとんど解..
- 医師による漢方投与を受けるには、漢方薬を専門とする医院を見つけるべきです
- よけいなお節介ながら以前からの疑問、保険漢方なのに同一方剤であっても、製造メーカ..
- 病院で投与される保険漢方衰退あるいは消滅のウワサ
- 「ツムラ漢方」とは無縁、というよりも、むしろ縁があり過ぎ、というべきか?
- 漢方に一定の造詣のある医師の話を聞くと、滅多にないことなので妙に感激する