2018年06月07日

補中丸と補中益気湯の使い分け

2010年6月7日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年6月7日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 本来、補中益気湯は、生姜と大棗は含まれないはずが、日本の漢方薬の規定では、必ず生姜と大棗が含まれている。

 人参については、傷寒論の時代は実際には党参のことだったという説もあるくらいだから、12世紀の李東垣(りとうえん)の時代でも、党参が使用されていた可能性大であろう。

 補中丸は中国の製剤らしく、党参が使用され、生姜と大棗は含まれない。

 補中丸も補中益気湯も補剤であるから、とうぜん白朮(びゃくじゅつ)が配合されているが、保険漢方の中には実邪の排除を主とする蒼朮(そうじゅつ)で代用して、立方の趣旨をやや損なっているエキス製剤があるので、注意が必要である。

 ともあれ、上記のような理由から、村田漢方堂薬局では人参とは微妙に異なる党参の効能の特徴および特長をしっかり考慮した上で、補中丸は、腎臓疾患やアトピー、および高血圧の傾向がありながらも、補中益気湯が必要なケースに多用している。

 補中丸は、もっぱら粉末原料のみで製造された丸剤であるが、疲労回復効果などでは短期間で即効を得ることが多い。

 アトピーにおいては、人参、生姜、大棗が配合された通常の補中益気湯では、疲労回復効果が得られても、却って痒みが増すというケースでも、補中丸であれば、まったく問題なく体質改善効果が得られるケースも珍しくない。

 ところで昨日のこと、虚証の体質ながら、子宮筋腫があって疲労感および頭痛・肩こり・腰痛に悩む女性に、桂枝茯苓丸加薏苡仁+補中益気湯+雲南田七+莪朮+イオン化カルシウム(原料は牡蠣殻)の10日分を飲み切る前に、すべてにおいて即効を得たとの報告を得たばかりなので、補中益気湯ばかりでなく、配合内容の異なった補中丸の、補中益気湯にはない、優れた有用性についても、書きたくなったまで。

1日1回、今日も応援のクリックをお願いします

2010年6月7日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年6月7日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母