2018年04月30日

抗癌剤のやめどき

2009年04月30日の茶トラのボクチン(もう直ぐ5歳)
2009年04月30日の茶トラのボクチン(もう直ぐ5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 長尾和宏医師の著書の中に『抗がん剤の10の「やめどき」』という参考価値の高い書籍があるが、「あなたの治療、延命ですか?宿命ですか?」という意味深長な副題が付いている。

 帯には「がん専門医は、ギリギリまで抗がん剤治療を続けることがある。限られた時間を最高に楽しむべく、あなたからSTOP!を言うために、この本を書きました」とある。病院としては、抗がん剤はドル箱であるから、できるだけ投与して収益を上げたいという思惑も伴っているのか?と勘繰りたくなる実に残酷で理不尽な所業であろう。

 長尾和宏医師は、近藤誠医師のような極論は少なく、『長尾先生、「近藤誠理論」のどこが間違っているのですか?』という本の中では、抗がん剤を拒否しているステージ4の肺癌の男性が、漢方薬のみによって短期間でCEAが10分の1まで劇的に下がって体調良好の事例を紹介されている。

 ともあれ、これらの本に明記されてない大きな問題は、副作用があまりに激しいために一度中断した抗がん剤を、その後、間をおいて再度全く同じ内容の抗がん剤を使用した場合、多くのケースで劇的に悪化しかねないし、極端な宿命作用を発揮してしまう現実が多いことである

 この長尾和宏医師にしても、『病気の9割は歩くだけで治る!』というトンデモ本を出版して、恬として恥じないお人柄だから、すべてを信用するわけにはいかないのは、近藤誠医師の諸著作と同様であろう(苦笑。

 医学統計学の第一人者とも言われる岡田正彦医師にしても『先生が患者ならどうします❓』という書籍の中で、「延命効果がある抗がん剤は、実は存在しない」という項目では、岡田正彦医師自身は、「たとえがんになっても、抗がん剤は絶対に飲みません。注射による抗がん剤治療も受けません。」と明記されているが、少なくとも悪性リンパ腫などの血液がんには有効性が証明されているはずだから、固形がんの場合はともかく、血液がんの場合まで同列に置くべきではないだろう。

 というわけで、どの医師の言うことも、すべてを信用するわけにはいかないので、末期がんであっても、心身ともに楽に過ごせて延命的に作用する漢方薬や中草薬類を求めて来られる相談者が後を絶たないのは、宜なるかな。

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2009年04月30日の茶トラのボクチン(もう直ぐ5歳)
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