2009年04月30日の茶トラのボクチン(もう直ぐ5歳) posted by (C)ヒゲジジイ
長尾和宏医師の著書の中に『抗がん剤の10の「やめどき」』という参考価値の高い書籍があるが、「あなたの治療、延命ですか?宿命ですか?」という意味深長な副題が付いている。
帯には「がん専門医は、ギリギリまで抗がん剤治療を続けることがある。限られた時間を最高に楽しむべく、あなたからSTOP!を言うために、この本を書きました」とある。病院としては、抗がん剤はドル箱であるから、できるだけ投与して収益を上げたいという思惑も伴っているのか?と勘繰りたくなる実に残酷で理不尽な所業であろう。
長尾和宏医師は、近藤誠医師のような極論は少なく、『長尾先生、「近藤誠理論」のどこが間違っているのですか?』という本の中では、抗がん剤を拒否しているステージ4の肺癌の男性が、漢方薬のみによって短期間でCEAが10分の1まで劇的に下がって体調良好の事例を紹介されている。
ともあれ、これらの本に明記されてない大きな問題は、副作用があまりに激しいために一度中断した抗がん剤を、その後、間をおいて再度全く同じ内容の抗がん剤を使用した場合、多くのケースで劇的に悪化しかねないし、極端な宿命作用を発揮してしまう現実が多いことである。
この長尾和宏医師にしても、『病気の9割は歩くだけで治る!』というトンデモ本を出版して、恬として恥じないお人柄だから、すべてを信用するわけにはいかないのは、近藤誠医師の諸著作と同様であろう(苦笑。
医学統計学の第一人者とも言われる岡田正彦医師にしても『先生が患者ならどうします❓』という書籍の中で、「延命効果がある抗がん剤は、実は存在しない」という項目では、岡田正彦医師自身は、「たとえがんになっても、抗がん剤は絶対に飲みません。注射による抗がん剤治療も受けません。」と明記されているが、少なくとも悪性リンパ腫などの血液がんには有効性が証明されているはずだから、固形がんの場合はともかく、血液がんの場合まで同列に置くべきではないだろう。
というわけで、どの医師の言うことも、すべてを信用するわけにはいかないので、末期がんであっても、心身ともに楽に過ごせて延命的に作用する漢方薬や中草薬類を求めて来られる相談者が後を絶たないのは、宜なるかな。
1日1回、今日も応援のクリックをお願いします
2009年04月30日の茶トラのボクチン(もう直ぐ5歳) posted by (C)ヒゲジジイ
【関連する記事】
- ときには標準治療の抗癌剤が寿命を縮めるかもしれない
- 昨今の難問中の難問、分子標的薬による激しい副作用が耐え難いので、中止したいという..
- 抗癌剤による心毒性に対して漢方薬や中薬類がサポートできるかもしれないこと
- 短い余命を宣告しながら、副作用の激しい抗癌剤を投与される医療は、患者さんたちにと..
- 最期まで抗がん剤治療に苦しめられた身内の実例によるトラウマ
- 末期癌における余命宣告の不思議
- イレッサの副作用に懲りて、次の選択肢、オプジーボの投与を拒否される困った患者さん..
- 抗癌剤の副作用に耐えられなくなって拒否した人達の主治医の反応はさまざま
- 分子標的薬による重度の皮疹や肝機能・腎機能障害の副作用に対する漢方薬は
- 抗癌剤の副作用問題は、患者も賢くないと、医師任せでは危険なときがある
- 余命を告げられながらも抗癌剤投与を受けたために・・・
- 抗癌剤を途中で拒否した人たち
- 抗癌剤の激しい副作用を漢方薬類によって軽減できるときと、できないとき
- どっちもどっち
- 世間では、抗癌剤の副作用による口内炎に半夏瀉心湯が有効といわれるが
- 2度の手術で取り切れなかった癌細胞が、4年後の検査で
- 高齢者への抗がん剤治療、国が大規模調査を検討というが
- 抗癌剤の副作用の軽減にも役立つ漢方薬や中草薬類
- フランス便り:フランスでは副作用事故のため、ドセタキセル(タキソテール)の投与を..
- 抗癌剤の副作用を漢方薬でどこまで軽減できるのか?